やっと戻ってきた、私のIS。
AIが付いてた。
名前は、アリスです。
《マスター、そろそろアリーナに行かなくて良いのですか?》
「むむ、そうですね。では行きましょう」
声は女性型で、とても丁寧だ。
うむ、料理が出来るなら嫁に欲しい。
ちなみに、クラス対抗戦は、面倒だからスルーしようかと思ったら、耶麻田先生及び大神村先生と一緒に、観戦する事になってしまった。
一君の「見ててくれ!」発言で、逃げられなくなってしまった。
オノレ……
「むむ!何か嫌な予感がします!」
《サーチをかけておきますか?》
「お願いします」
とりあえず……アリーナに行きましょう。
◇◇◇◇◇
ハッ!
寝てました。
なんか、うるさいですね。
「隔壁がロックされてる。とにかく、今は待て」
「……了解しました」
……何かありました?
ポッキーを食べながら、モニターに映る戦闘を見た。
イオ君の白桃とトントンのISが、謎のフルスキンISと戦っていた。
「……What?」
寝てる間に、何があった?
口を開けてボーっとしてたら、オーディン先生がこちらに気付いた。
「誰が北欧神話の主神だ」
心を読まれてしまいました。
それで、どうなってるんですかね?
「そうだな……簡単に言うと、所属不明ISがアリーナ内に侵入。その後、織斑と凰が戦闘を始めた。そんなところだ」
なるほど。
寝てていいですか?
「教師としては、そうして欲しいが……お前なら、どうにかできるな?」
「……マジですか?」
やろうと思えば、いくらでも出来ますけど……いろいろ壊れますよ?
どうなっても、私のせいじゃないですからね?
「安心しろ、戦闘自体無かった事になる」
なら安心ですね。
私と小野村先生の会話についていけないのか、刹那さんと夜魔堕先生が、ポカンとしている。
可愛い顔だわ~
ん?なんか、足りない?
……あ。
「
「なんだ、
「
「……山田君」
「え、あ、はい!」
なにやら、ヤバ目なご様子で。
急いだ方がいいですかね?
斑鳩君達の方も、限界みたいですし……
「アリス」
《最短ルートは検索済みです》
流石ですね。
少しだけ、小走りでモニタールームから出て行く。
さてさて、偶には本気になりましょうかね。
◇◇◇◇◇
視点・一夏
「……鈴。エネルギー、まだあるか?」
「少しだけならあるわ」
謎のISの攻撃を避けながら、通信で会話する。
さっきから、同じ様な攻撃ばっかだな……
もしかして……
「なぁ、あれって無人機かな?」
「はぁ?そんなわけ……いや、でも、無人じゃ動かせないはずよ」
「でも、無人かもしれない……だろ?」
「てか、それがわかってもどうしようもないじゃない」
だよな~
こんな時、ユラなら………そうだ。
あるじゃないか、勝つ方法が。
「鈴」
「何よ」
「合図したら、アイツを止めてくれるか?」
「出来れば苦労しないわ」
「頼んだぞ!」
「ちょ!?もう、どうなっても知らないからね!」
鈴が、謎のISに突っ込む。
俺は、限界ギリギリまで上空に上がる。
真下に謎のISが来るように調整して、集中する。
「白式。今だけ、俺に力を貸してくれ」
俺の言葉に答える様に、手に持った雪片弐型が震える。
エネルギー状のブレードが、より無駄を無くした刃になる。
準備は出来た、あとは……諦めないこと!
「鈴!」
合図をした瞬間、鈴が衝撃砲を謎のISの足元に連射する。
土煙が凄いが、ISのハイパーセンサーの御蔭で、何所にいるか良く見える。
俺は逆様になり、突きの態勢をとる。
残りのエネルギーを全て使うつもりで、ブースターに送り込み、解き放つ。
「オォォォォォ!!!」
謎のISがビームを放ってくるが、ワンオフ・アビリティーの
「シールドエネルギーを無効化出来るなら、このぐらい……出来なくてどうするよ!!」
ドォン!
体全体に衝撃が来るが、ISの御蔭で、大した衝撃ではなかった。
そして、雪片弐型が謎のISを地面に縫い付けた。
エネルギー状の刃が、謎のISの頭部に突き刺さっている。
「……勝った、のか?」
雪片弐型を引き抜き、謎のISの反応を窺う。
機能が停止してるのか、一切の動きが無い。
あと、予想通り無人機だった様だ。
「一夏!」
「あぁ、勝ったぜ」
振り向き、鈴の方へ歩く。
だが、次の瞬間、警告アラームが鳴り響く。
【ロックされています。注意してください】
「なっ!?」
振り向こうとしたら、先ほどの落下よりも激しい衝撃が、ぶつかった。
「ガァ!!」
「一夏!?」
壁に激突し、倒れる。
ISの展開が、強制的に解除される。
鈴が駆け寄る。
「一夏!一夏!」
「ぅ……どう、なった?」
「良かった……正直、かなりヤバ目。まさか、このタイミングで
先ほどまでの腕が異常に長い深い灰色をしたISは、完全に別物になっていた。
大きさが倍近くあり、手の部分に巨大な鍵爪が付いていた。
赤く光る二つの目が、こちらを見据える。
その時、怒鳴り声が聞こえた。
『一夏ぁぁぁ!!男なら、その程度の敵、倒して見せろ!!』
「ほう、き?」
「何やってんのよ、あの馬鹿は!」
謎のISが箒の方を向いて、掌を向ける。
時が、止まったように感じた。
このままじゃ、箒が殺される。
そう思った瞬間、叫んでいた。
「やめろぉぉぉぉぉ!!!」
だが謎のISは、無情にも、攻撃した。
掌から放たれたビームが、箒がいた放送席に向かっていく。
手を伸ばす。
助けたい。
でも、助けられない。
視界が黒く染まる感覚に陥った。
『まったく……面倒事は嫌いです』
頭に響くような声。
何時も聞く、彼女の声。
視界が戻り、前を見ると、一つのISが浮いていた。
そのISは、黒い
正しくロボットの様な、重厚な装甲。
それは謎のISのビームを防ぎ、何事も無かったかのようにそこに佇む。
『
その声は、まさしく。
「ユラ……」