生徒会長イッセーと鳥さんと猫   作:超人類DX

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大まかに、木場きゅん&ゼノたんVSフリードきゅん&バルパーの旦那

一誠・匙きゅん・レイヴェルたん・小猫たん・黒歌ねーさんVSケルベロス&コカビエル……か?


すいません、その前にあったVS兄貴は、どうしても書いてるとR-18描写が入り、書いては消しての繰り返しで結局無理でした。

だって、導入から大人数裸プロレス同好会の模様をわらんとならんし……。

てか、初めて90弱の感想もらえて嬉しいのだが、皆して兄貴の大好き過ぎだろ(笑)と思ってしまったぜ。

いや、ありがとうございます!


※加筆・修正しました。
主にゼノヴィアさんの心情とコカビエルさんの心情をちょいちょい……。

感想返しは……夜か明日やります。


開戦

「存外生命力はある様だ、塵なりに」

 

「そりゃあ乱○パーチーする余裕かませてるんだもん、そうでしょうよボス?」

 

「ぅ……ぁ……」

 

 

 月照らす夜空の下。

 学生が切磋琢磨する為に使われる駒王学園の校庭には、中心に禍々しく輝く巨大な円陣が出現し、その中心にはどう見ても学生じゃない三人組の男が我が物顔で占拠し、つまならなそうにしながら眼前で倒れて死にかけている青年を、これから来るであろうメインディッシュの為の余興目的で弄んでいた。

 

 

「しかし、やはり赤龍帝といえど所詮はこの程度。

片腕失って喚き、挙げ句この様。アザゼルもこんな玩具なぞに現を抜かすとは、つまらん奴に成り下がったものよ」

 

「いやいやボス、コイツが調子乗りで弱いだけなんじゃないっすか~?」

 

 

 堕天使コカビエルの心底つまらないと見える物言いに、はぐれ悪魔祓いのフリードがケタケタ笑いながら片腕の無い死に体同然の赤龍帝の少年の頭を踏みつける。

 

 

「ビッチ共と吐き気しやがる真似してるだけで、多分ロクに戦闘経験も無いって感じでしたじゃん? 左目抉られた俺っちが言える台詞じゃないけどよ」

 

「まぁな、禁手だ覇龍だと息巻いてたが……この餓鬼は力をそのまま撃ち放つだけだった時は落胆を覚えたものだ」

 

「…………」

 

 

 フリードに頭を踏まれてピクリとも動かない赤龍帝の少年である兵藤誠八を見下し塵を見るような目をするコカビエル。

 魔王の妹を人質にしようと思って軽い挨拶がてらの襲撃をしに行ってみれば、この少年がその魔王の妹二人とその他眷属と情事に及んでいた時はふざけてるとしか思えなかった。

 いや、もしかしたらそれ程の余裕でもある実力があるのか? と一部欠けているグレモリー眷属とシトリー眷属纏めて相手になってみたが……結果はご覧の有り様だ。

 

 

「コカビエルよ、リアス・グレモリーとソーナ・シトリー……そしてその眷属達がやっと黙ったぞ」

 

「そうか」

 

「およ、何したんだよバルパーの旦那?」

 

「何もせんよ。あまりにも喧しく喚く小娘共に『貴様等の大事な赤龍帝は両足と左腕を失い、もはや虫の息だ』と教えてやったら勝手にショックで気絶しただけだ」

 

「わぁお、ビッチ共からすれば王子様(笑)だもんなぁこのグズ野郎は。ザマァねぇぜ」

 

 

 若干だが疲れた顔をする追放された元神父であるバルパーの言葉にコカビエルは興味無さげに、フリードは愉快とばかりにニタニタ嗤う。

 フリードからすれば、左目を抉られた借りを思う存分返せたのだ……愉快で無い訳がなかった。

 

 

「ぅ……ぅ……」

 

「お? まだ生きてるぜこのクソ悪魔。

ゴキブリみたいにしぶといですねぇ」

 

「か……ぁ……」

 

 

 虫の息……唯一残った右腕以外の四肢をもがれ、どうする事も出来ないまま、ただ微かに息をするだけの存在と化した誠八は、『何故か失えない意識を保ちながら』遅すぎる後悔をしていた。

 

 

『明らかに原作よりコカビエル達が強化されてる』

 

 

 計算上、禁手化である鎧で始末できる筈だったのにそれが叶わず、更に上の段階である覇龍の全身全霊状態を発動させたのにそれも蝿を叩き落とすが如く一蹴され、挙げ句の果てには四肢を奪われ、死に体同然としてかつてぶちのめしたフリードに踏みつけられている。

 

 

(何で……こんな……目に……!)

 

 

 最早何もすることが出来ない誠八に残ったものは、ただの憎悪。

 己の身に起きた理不尽に対する、誰に向けるでもない憎悪だけだった。

 だがそんな憎悪ですらコカビエル達にすれば『塵に等しき』くだらないものでしか無く、既に誠八なぞ眼中にすら無く、熱気を帯びた風を背に現れた『絞りカス』を見据えていた。

 

 

 

 

 

 誠八達が脱落し、人質にされたとコカビエル直々に教えられた一誠達だったが、コカビエルに指定された時間までまだ余裕があるとナチュラルにレイヴェルとイチャ付きつつのたっぷり睡眠で心身をリフレッシュし終えていた。

 そして同じく来る決戦前に精神を統一を完了させた祐斗・元士郎・白音・黒歌・ゼノヴィアと共に、駒王学園へと足を踏み入れていた。

 

 

「………。随分と校庭を滅茶滅茶にしてくれた様だなコカビエルよ」

 

 

 そして異様に目立つ魔方陣へと向かい、目に映るコカビエル・フリード・バルパーの三人組と荒れ果てているグラウンドにこれでもかと顔をしかめながら、獰猛に嗤って陣の中心に鎮座するコカビエル達を睨む。

 そんな折、同じくニヤ付いていたフリードがこれ見よがしにほぼ達磨状態で死にかけている誠八を一誠達に向かって蹴り寄越して来た。

 

 

「ぅ……ごほっ……ぐ……ぁ……」

 

「……。兄貴だよな?」

 

「みたいですわね……。随分と無様なお姿ですが」

 

 

 腕や足だけではない、顔も最早誰なのかと判別出来ないほどに壊れている誠八に眉を寄せる一誠にレイヴェルが見下すかの如く目で吐き捨てると、ニヤニヤしたフリードが嘲笑うかの如く大袈裟に腕を広げて声を出す。

 

 

「禁手だ、覇龍だと息巻いてたが割には予想以上に雑魚でしたぜ? まあ、コカビエルのボスが殆どやったんだけど――って、ありゃ? 皆さんあんまり動揺しないのね?」

 

『…………』

 

 

 ちょっとした精神的ダメージを与えるつもりで放った煽り文句だが、一誠やレイヴェルは愚か、仲間である筈の白音と祐斗までもが動揺見せず自分達に鋭い視線を向けている事に気付いたフリードは目を丸くする。

 

 

「恥ずかしながら、仲良しどこか音信不通にする程度には肉親と絶望的な仲だったからな俺は」

 

「そこら辺をうろうろするだけのカスを気にするお暇はありませんので」

 

「……。赤龍帝で僕から見てもすごい強い兵藤くんを此処までにしたのはビックリだけど……うん、自分でも驚く程に『何にも思えない』」

 

「先程貴方達から聞いた話があるので、同情する余地すら無いと思いますから」

 

「つーか、俺的にはザマァ見ろと思うだけだし」

 

「……。イリナのことがあるので同情はせん」

 

「私はコレの事知らないしにゃ~」

 

 

「……………ぅ」

 

 

 

 口々に誠八に対する『同情の無さ』が全面的に出るコメントにフリードはおろかコカビエルも思わず笑ってしまう。

 

 

「クックックッ……!

何があったか知らんが、此処まで生かし甲斐の無い人質だっとは」

 

「……。そんな事よりコカビエルよ……。先程言っていた聖剣と人質の交換の話だが」

 

 

 勘違いされ気味だが、一誠は誠八を助けるつもりなんて最初(ハナ)っから無い。

 幻実逃否(リアリティーエスケープ)を使いさえすれば、誠八を今すぐにでも復活させる事が出来るが、一誠にその気はなかった。

 

 理由は簡単だ……どうでも良いからである。

 

 兵藤一誠は確かに安心院なじみから聞いた『黒神めだか』なる人物を参考にして生徒会長をやってみた。

 だが、一誠の辞書に『世界中の人間が大好き』なんて言葉は一文字も存在しない。

 

 というよりそもそも誠八はもう人間じゃないのだ……散々馬鹿にして見下した相手に手を差し伸べてやる程、一誠は聖人君子では無いのだ。

 

 

「て、てめ……が、何で此処に……?」

 

「む?」

 

 

 そしてそうとは知らない誠八は、まだ一誠を絞りカスと認識し、死に体同然の声すら絶え絶え状態のまま自分を見下ろす一誠を憎悪の籠った目で睨んでいた。

 

 

「レ、レイヴェルや黒歌に好かれて……調子こいてるつもりかよ……テメェは……!」

 

 

 狙っていた女の子と悉くを横取りされた……と思ってる誠八から向けられる憎悪の視線に、一誠はといえばどこ吹く風の様な表情で右腕残しの『兄貴。』を見下ろし、その様でもまだ話せることにちょっとだけ驚いていた。

 

 

「む、転生悪魔というのは思いの外頑丈だな……?

そうまでされてまだ喋れるとは」

 

「まるで害虫の様なしぶとさですわねぇ」

 

「というより、まだ解らないのですかねこの人は……」

 

「あ、でもイッセーと顔の判別が更につけやすくなれて良いんじゃないかにゃん?」

 

「いや、此処までされてまだ生きてるのは寧ろ感心するよ……今のところ同じ転生悪魔としての身で思うとね」

 

「おう、生命力だけは誉められるぜ? 嫌味無しでな」

 

「……っ」

 

 

 誠八を同じく見下ろす他の者達の全てが誠八を冷たくあしらっていく。

 全員が全員誠八を『そこら辺に落ちてる消ゴムの欠片』を見るような目に、誠八は言葉に詰まらせてしまう。

 一誠達にすれば今は誠八に構う暇は無いのだ。

 

 

「さて、兄貴は当分死にそうにないし、下手に戻して余計な真似をされると面倒だからこのままにするにして、コカビエルよ……残りの人質についての続きだ」

 

「フッ、早速だな兵藤一誠。

まぁ良いだろう、ならば答えを聞こうか?」

 

 

 判別出来ない程に歪んだ顔で睨む誠八を無視して跨ぎ、禍々しく輝く巨大な魔方陣の中心に鎮座するコカビエルに問われた一誠は、チラッとゼノヴィアに視線を向ける。

 

 そしてそれを受けたゼノヴィアが無言で頷くと、封印の術式を施していた破壊の聖剣と黒歌が盗んできた擬態の聖剣の封印解き放ち……その場に並べて地面に突き刺し、その場からコカビエル達に捧げるが如く五歩程全員で下がる。

 

 

「ほう、そこに置いたということは人質と交換という事で良いのか?」

 

 

 絶対勝利の悪平等。

 しかもその後継者たる男にしては意外な決定に、コカビエルは少々ながら驚きつつ無言で二本の聖剣から離れる一誠に問い掛ける。

 すると一誠は無表情のまま1つ頷くと……。

 

 

「あぁ……そうだ、お前の予想通りだコカビエル」

 

 

 空に佇むコカビエルの――ほんの少し落胆の色が見える顔に軽く微笑みながら肯定する。

 

 

「……なるほど、人質の方が大切か。

良いだろう、雑魚の命数匹なんぞの処理には俺も正直困っていたからな。

聖剣二本でも此方としてはまだ釣りが来る程だ――バルパー、人質共を連れてこい」

 

「了解したコカビエルよ」

 

 

 どうせなら『そんな奴等の命がどうなろうと知らん』とでも言ってくればいっそ良かったと、内心萎えていく気分を隠し、二本の聖剣を目の前に歓喜の様相を隠せないバルパーにリアスとソーナ達の身柄を連れ来るように命じる。

 

 だが、コカビエルもまた一誠を……レイヴェルという後継者と分身を履き違えていた事に気付かされるのはすぐ後の事だった。

 

 

「そうだ……お前のお望み通り――」

 

「む……!?」

 

 

 バルパーに人質の身柄を連れ来るよう命じ、それに応じたその瞬間、『人畜無害』を絵に描いた笑みを見せていた一誠の口元が徐々に半月状に歪み始めた。

 それをいち早く発見したコカビエルの顔が強張り、警戒するも既に遅く……悪童よろしくな表情で嗤う一誠が顎をクイッと癪って地面に刺さる聖剣に向けたその瞬間――

 

 

「「ハァッ!!」」

 

 

 コカビエル達の目の前で、祐斗とゼノヴィアが神速で詰め寄り、二本の聖剣を破壊した。

 

 

「!?」

 

「な、なっ!?」

 

「おおっ?」

 

 

 破壊され、光の粒子となって風に溶け込んでいく聖剣にコカビエル達――特に野望があったバルパーは一気に動揺を見せた表情で硬直してしまう。

 しかし既に二本の聖剣は霞の様に霧散してしまっており、バルパー本人が半生を掛けて抱いた野望は二本の聖剣の様に壊れてしまったのだ。

 

 

「完了だよイッセーくん」

 

「コカビエルに渡るくらいなら破壊した方がマシだ……。ふっ、これで私もイリナ同様に後戻りは出来ぬな」

 

 

 手に持っていた魔剣を仕舞いながら、清々しくイッセーに報告する木場とゼノヴィアに一誠は小さく笑みを溢しながら頷く。

 そして再び驚くコカビエル達に獰猛な笑みを見せると……。

 

 

「お前の予想通り、俺達の答えはNOだコカビエル。

悪いがな、俺は人でありつつも()()()()なんでね。

兄貴達に押し付ける作戦が破綻した以上、遠慮する気も無いぞ?」

 

 

 ブラウン色の髪を、今の一誠が見せる獰猛な笑みに裏付ける精神を具現化するかの如く真っ赤に染め上げながら、フェニックス家での修業の日々以来の――

 

 

「貴様が確保したらしい人質は好きにしろ、煮るなり焼くなりな。

俺達には何の関係も未練も無いのだ。

なぁに、聖剣は譲らなかったがシトリー三年とグレモリー三年を当初の様に戦争の引き金か何かの道具にすれば良い、但し俺達との喧嘩が終わればな……!」

 

 

 到達した半分……無神臓(ムゲン)と吟われる異常性を全開で解放した。

 

 

 

 

 一誠様は呆れるほどに身内に対する扱いが甘い。

 安心院さんですら、『その甘さが命取りと言いてぇが、悪平等達(ぼくたち)が心地良いと思っちゃってるから強く言えねーぜ』と仰る程に甘い。

 

 ですが、それはあくまでも身内に対してであって、生徒会長をやられている事で勘違いされ気味ですが――

 

 

「ば、馬鹿な! 何故聖剣を……! 何故!!」

 

「貴様がバルパー・ガリレイか? フッ、余程聖剣なんぞが大切と見えるが、そんなものは決まってる……だろ、木場――否、祐斗よ?」

 

「……………」

 

 

 身内以外には精神攻撃もろもろに容赦がない。

 それが一誠様の真骨頂の1つですわ。

 今だってこれでもかと狼狽えているバルパー・ガリレイにニヤリとした一誠様は、横に控えていた木場さんに声を掛けていらっしゃる。

 

 

「だ、誰だお前は……!」

 

「木場祐斗……。

覚えて無いだろうが、貴様が推し進めた聖剣計画の生き残りだ」

 

「なにっ!?」

 

 

 人質? 交渉? 何を馬鹿な。

 交渉に応じなければ人質を殺す? ふふ、やってご覧なさいな、既に無意味な事も知らずね。

 そしてこの破壊された聖剣ですら……ふふふ、一誠様の手の平の上で容易に復元できますのに……馬鹿な連中ですわ安心院なじみ(わたしたち)に喧嘩を売ることがどうなるか……。

 

 

「因子を取って殺した筈なのに……生き残りが居たのか……!」

 

「あぁ、ただ唯一の生き残りさ!」

 

 

 身をもって教えて差し上げましょう。

 

 

 

 バルパー・ガリレイは聖剣という存在に、ある種のロマンの様なものを感じていた。

 そしてその気持ちが彼を凶行に走らせた。

 しかし、その狂気ともいえる気持ちは、聖剣計画の生き残りらしき少年と何故か少年に追従している悪魔祓いの少女によって……へし折られてしまった。交換材料として手にする寸前で破壊された聖剣の様に。

 

 

「なんて事をしてくれた貴様ッ!

それにそこの小娘も自分が何をしたのかわかっているのか!?」

 

 

 三人の中取り分け動揺を見せるバルパーが、己に鋭い目を向けながら剣を構える金髪の少年と、その少年から与えられた剣を手にする青髪の少女に吠える。

 しかし二人にバルパーの憎悪の籠った咆哮は通用していない。

 

 

「どうせ貴様等に渡して取り返しのつかん事になるのであるなら、壊した上での取り返しのつかない事態の方が幾分マシだと判断したまでだ」

 

「僕はそれ以前に貴方もろとも聖剣に因縁を持ってたからね。壊すのは当然だろう?」

 

「ぐっ……が、餓鬼共がぁ……!!」

 

 

 不自然な程に冷静に言葉を返され、ますます顔を歪めるとバルパーに、祐斗は魔剣の切っ先を向け、そして高らかに宣言する。

 

「我が名は木場祐斗!

貴様のエゴで死んでいった仲間の名誉の為……! そして、僕の抱えるこの因縁とのケジメの為!

バルパー・ガリレイ……貴様を地獄に叩き落としてやるッッ!!」

 

「くっ……魔剣創造(ソードバース)かっ! フリード!!」

 

 

 騎士を彷彿とさせる立ち振舞いで宣言する祐斗に、単体での力に自信が無いバルパーは慌ててフリードを呼び寄せる。

 

 

「はいな、何ですかね旦那?」

 

「今すぐにこの餓鬼を殺せ! 三本だけとはいえ、融合させた聖剣ならやれる筈だ!」

 

「へーいへい」

 

 

 興奮した面持ちで祐斗達の始末を命じるバルパーにフリードは気の抜ける返事をすると、魔剣を向ける祐斗とゼノヴィアの前に立ち塞がる。

 

 

「ま、そういう訳なんで、三本とはいえ前より強化した俺っちをぶっ潰してから旦那を始末してくれやラブカップルさん?」

 

「違うのに、キミはすっかりその認識なんだね……」

 

 

 そして祐斗と同じく、既に三本の聖剣を一体化させた聖剣の切っ先を向け、獰猛な笑みを見せるフリードに祐斗とゼノヴィアは未だ開きっぱなしの実力差を思い出しつつも負けるわけにはいかぬと持ちうる全ての実力を出し切らんと身構える。

 

 

「………」

 

 

 その最中、ゼノヴィアは己のやらかしてしまった所業に苦笑いをない内心浮かべていた。

 

 

(聖書の神の武器を壊すとはな。いよいよ私も『やらかしてしまった』か)

 

 

 押し潰しかねない重圧感を身に感じながらも、ゼノヴィアは不思議と冷静に、祐斗と共に預かっていた聖剣を破壊した出来事と、この場所に来る前に一誠から言われた時の事を思い出していた。

 

 

『奴等の目の前でその二つを破壊する』

 

『なっ!? 何を言ってるんだ貴様!』

 

 

 悪魔では無い。

 されどただの人間とは思えない不思議な力を持つ一誠が、駒王学園に赴く前の準備時に口にした、いっそ冷酷な言葉にゼノヴィアは思わず持っていた聖剣を庇うように抱えて睨み付ける。

 

 

『ふ、ふざけるな! いくら破壊しても構わないとは言ったが、それをハイそうですかと頷けるか!』

 

 

 まさに神への冒涜とも言える一誠の言葉にゼノヴィアは激昂するも、一誠は冷静に――いっそ清々しくこう言った。

 

 

『違う、破壊するのはあの場でだけだ。

奴等の戦意を一つでも削ぐ意味で破壊するつもりなのと、全てが終わったら破壊した現実を『否定』するつもりでもある。

お前としても奴等に聖剣を渡すよりは一時的にこの世から消す方が良いのではないか?』

 

『うっ……』

 

 

 胸の内を見透かすような物言いにゼノヴィアは言葉に詰まった。

 確かに一誠の持つ幻実逃否(リアリティーエスケープ)ならそれも可能かもしれない。

 だがゼノヴィアはそれでも首を縦には振れなかった。

 

 

『そ、それはそうかもしれないが……』

 

『……。いや……すまん、俺が早計すぎたな。

お前が嫌なら俺は構わんよ、寧ろ神を信仰するお前にこんな事を提案してる俺が滅茶苦茶だしな』

 

『ぅ……』

 

 

 苦笑いする一誠にゼノヴィアは俯いた。

 相棒であるイリナはもうダメで聖剣捜索は儘ならならく、結局は悪魔である祐斗や一誠達の協力が無ければ今頃自分も人質の中に居たのかもしれない。

 そう思うと……今は窓の外の雲ひとつ無い夜空の月を眺めている祐斗をチラチラと見ながらゼノヴィアは迷ってしまった。

 

 

『……………』

 

 

 人間、純血悪魔、下僕悪魔、猫妖怪。

 不思議な組み合わせで構成された不思議な団体。

 一誠という人間の少年に当たり前の様に付き従い、そのやり取りを見ていても一人一人が楽しそう。

 

 恐らく祐斗はその居心地の良さから、主よりも彼と共に居るのだろうと、ゼノヴィアは感じていた。

 そして何よりゼノヴィア自身は二度も祐斗から借りを受けている。

 

 

『………』

 

 

 その時点で……悪魔に命の借りが出来ている時点で今更綺麗事なんて調子が良いだけじゃないか。

 静かに窓から夜空を眺める祐斗を見つめながらゼノヴィアはそう思い、答えを待っている一誠に頷いた。

 

 

 

 

「もう油断はしねーぜラブカップルよ?」

 

「だろうね……。

けどそれでも僕はキミを倒してバルパーにケジメをつけさせる!!」

 

「今の私は既に役立たずだが、それでも木場祐斗の手伝いは出来る限りする。

それがコイツ借りを返すことにもなるからな!」

 

 

 これが祐斗と共に聖剣を破壊して見せた理由。

 神を信仰する身なのに祐斗に二度にも渡る命の借りを返す為、何よりも任務の為……ゼノヴィアもまた王道と裏道を交互に使う覚悟が入り込んだ証拠だった。

 

 

「ゼノヴィアさん、またキミの力を借り事になるよ。

残念ながら、僕一人じゃ彼は倒せないから……」

 

「ふっ、1度共闘した仲だ……それが2度になろうと3度になろうと変わりやしない。

及ばせながら力になろうじゃないか木場――いや、祐斗よ」

 

 

 荒れ狂う殺意を身に受け、今にも切りかかりに来そうなフリードを眼前に祐斗から貰った言葉に、己でも不思議な程に自然と出る笑みで返しながら、初めて此処で祐斗と呼ぶゼノヴィア。

 彼が悪魔だという偏見すら捨て……共闘する相棒と認めた瞬間だった。

 

 

「ヒャッハハァ!! 良いね良いねぇ、こんな状況でも見つめ合う余裕っプリに泣けてくるが、実力差を分かってても向かってくる辺りにムカムカが止まらねぇぜバッキャロー!!」

 

 

 最早フリードにとってはお約束ともいえる、祐斗とゼノヴィアとの間に醸し出される空気をぶった切るが如く殺気を全開にし、最後の最後で融合した聖剣を狂喜した笑みで夜空に掲げると……。

 

 

「我が名はぁフリード・セルゼン!!

テメー等みてーな悪魔とそれに従事しちゃってる偽物をぶち殺す為! テメー等二人はバラチョンにして野晒しにしてやんぜぇぇぇっ!!!!」

 

 

 祐斗と同じ口上をしてから、二人に襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

「さて、祐斗とゼノヴィアにバルパー・ガリレイとフリード・セルゼンは任せるとしてだ……」

 

 

 激しい剣撃の応酬を開始する祐斗とゼノヴィアから少し離れた箇所では、一誠達が空に佇むコカビエルと対峙していた。

 

 

「まさか聖剣を破壊してくれるとはな。

まあ、貴様等悪平等にとっては聖剣も魔王の身内もどうでも良い代物だという訳か」

 

 

 フリードと祐斗達の戦いを横目に此方を見上げる一誠達に視線を向けるコカビエルは中々に冷静な佇まいだ。

 いや、寧ろ歓喜していた。

 そしてそのコカビエルに手も足も切り捨てられ、それでも何故か『意識を失えず』地面に転がっていた誠八は、目の前の現実が信じられずにいた。

 

 

「まずは小手調べだ兵藤一誠にシュラウドの娘よ」

 

 

 右腕だけでろくに動けず、ただその場で見ているだけしか出来ない誠八の目に映るは、主人公としての力も補正も失い、ただの絞りカスと見下した一誠を中心に並んで立つ、原作には出てこない面子を抱えた者達。

 

 

「人数不足を補うために仕入れてきた獣共であり、よもや貴様等が遅れを取るとは思ってないが、それでも一応な」

 

 

 パチンとコカビエルが鳴らしたスナップの音に呼応するようにうなり声と共に現れた何十体もの三つ首の化け物。

 地獄に住むと言われた魔の犬……ケルベロスなのだが、この時点で誠八の把握していた展開からまたもや剥離していた事がコカビエルの口から語られる。

 

 

「そこで死にかけてる赤龍帝の小僧は5~6体程度を仲間共と倒してしてやったり顔をしてたが、くく……用意しておいた総数500匹全てを放出していたらどうなっていたことやら」

 

「な、なんだ……と……!?」

 

 

 500体……だと……!? と目を見開く誠八に誰もが気付かず話が進んでいく。

 

 

「まあ、強い力を持っただけの雑魚の話なぞ今はどうでも良い。

とにかく挨拶がてらの運動を楽しんでくれ……残りの492体でな!」

 

『グルルル……グォォォォーッ!!!』

 

 

 ニヤリと笑うコカビエルが手を振り下ろす事により咆哮する492体ものケルベロスに誠八の身体が恐怖で硬直する。

 五体満足時なら何とでもなるが、今の自分は右腕を残して全てを失っているのだ……このままでは餌さとして喰われて終わりと転生前よりもより明確な死の恐怖が襲い掛かる。

 

 だがそんな誠八に誰もが目もくれず、一番に自信無さげな元士郎ですら逃げずに黒い龍脈(アブソーションライン)を腕に生成して構える。

 

 

「お、おいおい……。

ケルベロスとか初めて見るのに、いきなり戦うとか難易度高過ぎなんだけど……」

 

「見るだけなら俺も初めてだ……。

なに、6人も此方はいるのだし、単純計算で一人82匹倒せばすぐ終わる」

 

「更に言えば、一体1秒で約1分30秒で済みますわ」

 

「そんな無茶な事できるかよ! あぁもう、そう言ってる内に来てるし!!」

 

「悔しいですが、レイヴェルさんにはまだ勝てないけど……そのお陰で私はそれなりに強くはなれました。やって見せますよ」

 

「みたいだね、ふふ……そろそろ白音に仙術を教えないといけないにゃん!」

 

 

 一番ネガティブな事を言ってる匙以外はまるで余裕を崩さない。

 誠八からすれば絞りカスが何を偉そうに宣ってんだと言いたかったが、その考えは直ぐに改められてしまう。

 

 

「久々だが勘は大丈夫だ……。

行くぞ、無神臓(インフィニットヒーロー)モデル黒神めだか・黒神ファントム!!」

 

 

 咆哮と共に押し寄せるケルベロスに、一誠はそれだけを宣言するように言った途端、髪の色を漆黒を思わせる黒へと変色させると、空気が破裂するような爆発音と共に姿を掻き消す。

 

 

「ギャッ!?」

 

「キャン!?」

 

 

 するとどうだ……襲い掛かるケルベロスの先頭から真ん中までの何十体が一瞬の内に宙を舞っていく。

 倒れ伏した状態で見ていた誠八は大層目を開いて目の前の現実に驚くしかできない。

 

 

「獣ごときが私達に勝てると思うな」

 

 

 それに続き、静かに佇んでいたレイヴェルも目付きをより鋭くしながら『額に橙色の炎を灯す』と、飛び掛かるケルベロスに手を翳して太陽の様な眩い光球を作り出すと……。

 

 

憤怒の不死鳥(フェニクッス・イーラ)!」

 

 

 巨大な熱線がケルベロスの身体を焼き尽くす。

 殴り抜けていく一誠よりもある意味慈悲はあるが、それでも喰らったら即死としか思えない強力な炎だった。

 

 

「レイヴェル・フェニックス……参ります!!」

 

 

 文字通り焼き消したケルベロスを境にレイヴェルは高らかに宣言すると、既に30体目のケルベロスを殴り飛ばしていた一誠に続き炎で殲滅させる。

 

 

「伸びろラインよ!」

 

「グルァァァッ!!」

 

「よっしゃ縛ったぞ塔城さん! やれ!!」

 

「はい……てい!」

 

 

「グォォォォーッ! ……………オ?」

 

「残念、私に触れられるのはイッセーだけ。

だからお前はさよならだにゃん!!」

 

「グギャッ!?」

 

 

 一誠やレイヴェルだけじゃない。

 元士郎や白音……そして黒歌までもが思い思いに大暴れしていく。

 まるで何処かの無双ゲームが如く、500近いケルベロスの大軍の過半数が既に殴り飛ばされ、焼き尽くされ、蹴り飛ばされ、拘束されたりしたりと蹂躙されていく。

 

 

「な、なんだ……よ……これ……?」

 

 

 誠八にすれば訳が分からなかった。

 絞りカスと見下していた一誠は返り血すら浴びずに地獄の番犬を始末していくその力が何処から出ているのか、というか何で持っているのかに。

 しかし誰もその疑問に答えるものは居ない。

 

 見下し、馬鹿にしていた相手は既に本来持つべき力を凌駕し、今尚進化し続ける。

 

 

「無神臓ver光化静翔(テーマソング)!!」

 

 

 主人公を奪われても堕ちず、自分を信じてくれる者達と共に昇り続ける異常性。

 得た技術と力を永遠に昇華させ続ける絶対勝利の一誠オリジナルの能力(スキル)

 

 それが無神臓(インフィニットヒーロー)……。

 

 

「ふざけ、やがって……俺が、主人公、なのに……!」

 

 

 赤龍帝と補正が全てだと思っていた誠八には解らない……いや『忘れさせられた』某少年漫画に出てくる力であり、目視も儘ならない速度で次々とケルベロスを排除していく一誠に憎悪の目を向けるしか出来なかった。

 

 

 

 

「……。まさか戦争用に用意していたケルベロス500体がこんなに早く殲滅させられるとはな……。

今更ながら悪平等(キサマ)達の規格外っぷりに震えが止まらんぞ……ククッ!」

 

「「……」」

 

「ぜぇぜぇ……し、しんどい……」

 

「しっかりしてください匙先輩。

まだ終わってませんよ?」

 

「~♪ 犬は乱暴だから嫌いだにゃ~ん。

触れられたくもないにゃーん」

 

『ぎゃうん!?』

 

 

 グラウンドのあらゆるところで横たわる三つ首の番犬の屍と、今も虫の息な一匹にトドメを刺してる悪平等じゃない白音と黒歌とを見ながらコカビエルはただ歓喜の笑みが止まらなかった。

 

 

「俺より遥かに若い餓鬼共にしてこの力……クク……! 素晴らしいぞ!」

 

 

 捻り潰した魔王の妹や赤龍帝とは違い、ソイツ等と同年代でありながら無傷で地獄の番犬を始末する悪平等と、それに従う転生悪魔と猫妖怪。

 若輩で戦争も知らない世代だというのに躊躇いも無く、地獄の番犬を破壊していく姿とその力にコカビエルは武者震いが止まらず、同時にかつて出会った挫折の権化たる女について思い出す。

 

 

 

『仕方無い、そんなに言うのなら掛かってきなさい。

確かに堕天使の中でも一際強いキミはこの先生き残っても強いままだろう。

だから、7932兆1354億4152万3222個の異常性と、4925兆9165億2611万643個の過負荷。

合わせて1京2858兆519億6763万3865個の能力(スキル)を持つ僕にひょっとしたら勝てるかもね』

 

 

 何処から来たのか分からない不思議な魅力と、コカビエルですら認める容姿を持つ女性と相対し、一瞬の内に決定的な挫折を味合わされた人外の分身と同じ力を持つ者との戦い。

 

 

『僕は安心院なじみ……。まあ、覚えていたらその内また相手になってやらんことも無いぜ、堕天使小僧?』

 

『………』

 

 

 決定的な差、決定的な敗北、決定的な挫折。

 圧倒的で強大で、いっそ何故貴様が今まで出てこなかったのかと思うほどに全てを体現した女に味あわされたあの日を境に、コカビエルはある意味で変化した。

 

 より強くなる為に一から全てを捨てる覚悟でやり直した。

 見下した相手の力にも油断なく対応し、そして勝利した。

 アザゼル達が他の事に没頭し始める中でもひたすらに己を高め続けた。

 

 その結果……コカビエルの力はかの二天龍ですら凌駕しかねない――寧ろ聖書の神ですら上回る力を獲て這い上がった。

 

 その気になれば既にコカビエル単騎で天界か冥界に戦いを挑めるだろう。

 しかしそれでは意味がない……コカビエルが望は戦争そのものでは無いし、ましてや最近勧誘が煩いくだらんテロ組織が勝手に掲げてるくだらない思想でもない。

 

 

「やはり……俺が出ないとならんな」

 

 

 全てはあの日の挫折から始まった。

 そして今夜……人間界のこの場所でその成果を本人じゃないにしても後継者とされる人間の少年にぶつけられる。

 その気持ちがよりコカビエルの戦闘意識をより高揚させ、ケルベロスの大軍を殲滅しながら返り血を一滴も浴びてない一誠とレイヴェル達を上空から見下ろしたコカビエルは、歓喜の表情をこれでもかと見せ付けながら高らかに叫んだ。

 

 

「戦うぞ兵藤一誠とレイヴェル・フェニックス……そしてその仲間達よ!!

俺は堕天使・コカビエル!かつて安心院なじみに挫折を味あわされ、見返してやる為に此処まで来た!

その為に、貴様等を殺して更に先の領域に進化してやる!!!」

 

 

 積年の想いを打ち明けるが如く、歓喜の雄叫びと共にコカビエルは立ち向かう。

 徹底的な挫折により、そこから這い上がる事を知ったからこそ、コカビエルは野望をも捨てて人外の後継者とその仲間に立ち向かう。

 

 安心院なじみに己の存在を認めさせるために。

 

 

「待ち望んでいた殺し合いだ!!」

 

 

 漆黒の翼を広げ、持ちうる全てを解放した。




補足

一誠達が家でのんびりしてる間に兄貴は達磨にされてました。
が、それでも『意識はほぼハッキリ残ってる』という哀れすぎる状況。

その2
勘違いされ気味ですが、この一誠は『黒神めだか』と違って『世界中の人間が大好き』という思想はないです。

あくまでも今回出たのも『学園が壊されては生徒会失格だ』という思想の為に出てきたのであって、魔王の妹二人と以下略が人質に取られても知ったこっちゃないと思ってます。

 まあ、そもそも人質皆は人間辞めて悪魔になったり元から悪魔ばっかりですからね。
『人間』の一誠が助ける義理も無いですし。


その3
レイヴェルたんについて。

風と炎を操るフェニックス家としての力を、幼少から一誠と共に進化する事によって覚醒した、兄・ライザーと同じ超越者候補の力。

炎というよりは最早擬似的な太陽を思わせる力により、全てを焼き消すその炎は……まるで某顔にXの傷があるマフィアみたいなソレであり、額に灯る橙色の炎は何処かの超死ぬ気モードみたいなソレ。

 とはいえ、この力はあくまで血族としての力であり、レイヴェルの場合は一誠に続き自力で…………。



その4
ボツネタ。

ケルベロスとの小手調べ戦の時のネタなのですが……。


「ふむ……しかたない、久々にやるかレイヴェル」


 数えるのがめんどくさくなる数の獣を前に、一誠は何を思ったのかレイヴェルにそう問い掛けると、彼女の前に膝つき、その手を取ってキスをする。


「俺と一曲踊って頂けますかミス?」


 何をしてるのか、コカビエルや白音達にもわからなかったが、まるでどっかの騎士みたいな真似事をする一誠にレイヴェルは微笑むと……。


「ええ、喜んで……」


 一誠の誘いを受け入れる。
 そして文字通り、パーティの社交ダンスが如く二人は手を合わせると……。


「そらワンコ共。一曲踊るまでに俺達を何とかしてみな?」

「ただし、反撃で絶命しても文句は受け付けませんわよ?」


『……………』


 異様に良い笑顔で躍りながら、ケルベロス達を蹴り潰していくのだった。


……という、躍りながら地獄の番犬を殲滅する二人というネタが一瞬浮かんで即捨てました。
 てかダブルアーツ知ってる方がちらほら居てちょっとビックリ(笑)


その5
コカビエルさんはサーゼクスさんと同じくかつて出会ってます、そして徹底的に挫折を味あわされましたが、それをバネに二天龍すら凌駕しかねない所まで上り詰めてしまいました。

……なんだこの主人公。いや、当初は兄貴の噛ませになる只の敵にしようとしたのに……なんだこの主人公。


最後
ゼノヴィアは最初当然として聖剣を粉々にするのに反対でしたが……正直、木場きゅん達のアシスト無しだったら此処まで来れなかったのと、木場きゅん個人に借りがあるのが大きくて了承しました。

てか寧ろ、躍りながらぶちのめすってネタがこの二人に似合いそうで恐い……。

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