生徒会長イッセーと鳥さんと猫   作:超人類DX

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インフレ=変態化。

何故かそんなパターンになってる。

※インフレキャラ追加。


地雷だらけの各女性陣

 さて、ヴラディ1年の神器制御もコツコツで進めるという事で一安心なのだが、その次に控える問題が一つだけ残っていた。

 

 

「三大勢力会談がやりたいだそうだ。

この学園を使ってそれを行うと、わざわざ『人間』ぽっちの俺にサーゼクス・ルシファーが手紙を寄越してきたんだが……」

 

 

 天使・堕天使・そして悪魔のトップが挙って集結して何やら話し合う為にこの学園を使うことを許可してほしい――――等と、この地の……牽いてはこの学園の密かなる所有者であるグレモリー家のサーゼクスが俺に書面を寄越してきた。

 恐らく奴の意図は、学園生徒会長である俺――――の後ろに控えてるなじみに気を使っての行動なのだが、別に破壊するつもりが無ければ勝手にしろというのが俺の本音だった。

 

 

「コカビエルを撃退した人間という事で、どうやら勝手に俺の名前が奴等に広がったらしいぞレイヴェル」

 

「漸く一誠様の名が世に広まりますか……」

 

「よせよレイヴェル。別に俺は目立ちたがりな性格じゃないんだ。

とはいえ、奴等にとってコカビエルという名前は三勢力共通で『有名だった』みたいだし、仕方無いのかもしれんが……」

 

 

 ヴラディ1年の事もそうだが、俺自身があの騒動によって奴等に知られた。

 …………。別にどうだって良いと言えば良いのだが、それによってコカビエルを撃退した当事者として――――そして同時に行われる審判の為に会議に出なければならんと思うと若干の怠さを感じる。

 

 しかもサーゼクス・ルシファー曰く、報酬も出すから警護と来たもんだ。

 貴様等程強ければ警備なんて必要ないだろう……と突っ込みたくもなるが、こういった仕事はそもそもグレモリー3年とシトリー3年が受け持つ筈だったと言われたら若干断りづらい。

 何せそうさせられなくなったのはあの『兄貴様。』なのだから。

 

 

「まぁ……アレだな。

『兄貴。』の事がこれで綺麗サッパリ消えると考えれば良いか……。

よし、早速サーゼクス・ルシファーに返事の手紙を書こう」

 

「では一誠様……?」

 

「うんやるよ。

今更奴等の命なぞどうでも良いが、アイツ等の自由の為になら何だってしてやるよ……ふっふっふっ『報酬』を貰う為に、な」

 

 

 全ては自由の為に。

 そして……俺自身の姿を使って好き勝手しくさってくれた兄貴にそのツケを清算して貰う為。

 俺は長く続いたくだらん小競り合いの決着を付ける為に、この申し出を引き受ける意を示した手紙を冥界に送り返す為に一筆書きつつ、祐斗達を此処に呼んでくれとレイヴェルに頼み、淹れていた紅茶に口を付けながら生徒会の仕事を片付ける為に手を動かしつつ、祐斗と元士郎を呼び出すのであった。

 

 

 

 

 三大勢力会議にて奴等の審判が行われる。

 そんな話を生徒会室で聞かされた俺達もまた、一誠を手伝うつもりだ。

 

 

「何かすまんな、ゼノヴィアやヴラディ1年の事もあるというのに」

 

「気にしなくて良いよ。元々僕達の事でもあるんだから」

 

「寧ろ当たり前だぜ」

 

 

 たった一人の生徒会長である一誠の元に集まり、説明を受けた俺達は二つ返事で一誠に協力すると言った。

 これで自由の身になれる――散々無関係だった一誠に助けられてきたんだ、これくらいの最後のケジメはテメーで着けなければな。

 

 

「それでギャスパーは?」

 

「うむ、今は白音と一緒に旧校舎に居る。

やはりまだ外に出ることを恐れているみたいだ」

 

 

 取り敢えず近付く最後のケジメの日はそんな流れと決める事として、次に気になるのはギャスパーの事だった。

 性別が周期で変わるあのハーフ吸血鬼の人生もまた相当にエグかったせいで外に出ることすら儘ならなく、どうも今は一番仲が良かった塔城さんが傍に居るようだが、何時かは外で生きれる様になって欲しいものだぜ……。

 

 

「なら交代で俺がギャスパーの所に行ってくるわ。

アイツの神器の制御訓練は俺の神器が一番適してるしな」

 

 

 その為に俺達もできるだけの事はする。

 俺達が一誠に助けられた様に……俺達でギャスパーを助ける。

 ふふん、あの変態魔王からのウザメールの対応をするより、こっちに尽力した方が余程有意義だぜ――そうだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 兵藤誠八は兵藤一誠のスキルによって封印され、今は女達とも隔離した独房に閉じ込めてある。

 最初はギャースカと言い訳がましく兵藤一誠に恨み言を吐きながら喚いていたけど、全て無視されると悟ってからは死人の様に大人しくなっている。

 

 

「それで? バラキエルが半狂乱になってるから、姫島朱乃だけはそっちに引き渡せとアザゼルが言ってたの?」

 

「はい」

 

「ふーん?

引き渡して会わせても余計にショック受けるだけなのに?」

 

「えぇ」

 

 

 何を今更……もう全てが遅いのに。

 それを知ってるからこそ、アザゼルからの伝言をムカつくグレイフィアから聞いた僕は馬鹿馬鹿しい気分で聞き流していた。

 

「バラキエルの娘――つまりリアスの女王だってドップリとド嵌まりしてたなんて知ったらバラキエルはどうなるんだろうね?」

 

「はて、元凶を自ら殺そうと躍起になるか……はたまた泣き崩れるか。

聞けばバラキエル殿は娘から一方的に離縁されたとはいえ溺愛しているとか」

 

「ふーん……赤龍帝の小僧に食われても気付いてないのか放置してたっぽいのに――説得力を感じないな」

 

 

 悪魔に転生する前は人間と堕天使のハーフだったリアス女王は、実は神の子を見張る者の幹部・バラキエルの娘であった――まあ僕は興味ないからスルーしてたけどね。

 そんな訳だからこの度のやらかし事件に於いての裁判後の彼女の身柄だけはバラキエル側に渡して欲しい……なんて話がおおまかなあらましだ。

 

 

「別に良いんじゃないの? ほったらかしにしてた自分の娘の現実を知って勝手に絶望しようが僕達にも一誠くん達にも何のダメージにもならないし、渡しちゃえば?」

 

 

 僕としてはどうでも良い。

 本人が赤龍帝から離れたがらないだろうがそんなもんはやらかして騒ぎになって独房入りした時点で選択肢なんてあるわけない。

 他の転生悪魔達にしても、安心院さんの後継者および分身の邪魔をしたという罪は、例え本人が許しても僕が許せないのだ。

 なので姫島朱乃はさっさと疎遠になったとか何とかのバラキエル達堕天使サイドに郵送で送りつけてやる。

 鬱陶しい処理が減るだけこっちも楽だしね。

 

 

「はい……ではその様に」

 

 

 という訳で望み通りにしてやると決めた僕の言葉にグレイフィアは何も言わずにただ従った。

 

 この僕に毒とも云うべき劇薬を盛って好き勝手にしたというのに、このスカしか態度……。

 数日前までリアス達の断罪について何か言いたげだったのが嘘みたいに今は平然と僕の言葉に従っている……そう、従っているのだ。

 アレだけ嫌いだと僕に宣っていたグレイフィアが……だ。

 

 

「キミ……随分と素直だけど何か企んでるのか?」

 

 

 それがかえって僕には不気味だ。

 ユーグリッド・ルキフグスにでもさっさと返還してスッキリしたい気分にもなるくらいにね……。

 

 

「まさか……企む処か今の私はアナタとミリキャスが全てですから。

だからアナタの決定には全て従う……それだけの事」

 

 

 ニコやかに宣うグレイフィアに僕は鳥肌が立ってしまった。

 何でも聞く? 隙あらば僕を殺そうとしていた殺戮女が? ありえない……ありえる訳が無い。

 本当に聞くんだったら――

 

 

「なら今すぐ形だけの夫婦なんて演じるのを止めて離婚しようよ? ユーグリッド辺りは大喜びするんじゃないの?」

 

「イ・ヤです。離婚なんて絶対にしない。

死んでもアナタに付き纏うつもりですので……ふふふ」

 

 

 ほらやっぱり、都合の悪い事は聞かないくせに。

 ホントに嫌いだよこの女だけは。

 

 

「その台詞を安心院さんに言われたら天にも昇る気持ちになれるのに――悪魔だけど」

 

「……………」

 

「なにその顔? キミがまさか安心院さんに勝てるとでも?」

 

「いえ……別に」

 

 

 最近は安心院さんの話をすると勝手に不機嫌になってるし、あーウザい……。

 

 

 

 

 

 自分から封印され、その生活に満足していた僕が久しく見た他人は、人間だけど人間じゃない型破りな人だった。

 封印の術式ごと小猫ちゃんと一緒に物理で破壊し、怯える僕に外であった事――――つまり知らない間にリアス部長が堕ちてしまった話を聞かされた時は何かの間違いだと思ってた。

 でも後で調べたらそれは本当であり、生徒会長と名乗る兵藤一誠さんのお兄さんによって全ての歯車は壊されてしまったのが現実だった。

 

 だからこそ……その人の弟だからこそ、尻拭いの形で伝説の堕天使・コカビエルを駒王学園での激闘の末に撃退し、小猫ちゃんと祐斗先輩経由で僕の事を知って訪れ、普通の生活が出来るようにと最低限の神器コントロールが出来る手伝いを申し出てくれんだ。

 

 

「んっ……んんっ……!」

 

「っと、力み過ぎだぜギャスパー 『奪え』」

 

 

 そして一番に僕のお手伝いをしてくれるのが、リアス部長と一緒に駒王学園に通っていたシトリー様の元眷属である匙先輩だった。

 何でも匙先輩は五大龍王の力を宿した神器の使い手であり、力のコントロールが全くダメな僕のアシストをするのに一番適している人だからって理由で時間の許す限り僕の傍に居る。

 今だって停止世界の邪眼のコントロールに於ける進歩が無い僕に対して嫌な顔もしないで付き合ってくれている。

 

 

「ご、ごごごめんないぃ!」

 

「別に怒ってねーから謝んなよ……………そんなにチンピラに見えるの?」

 

 

 正直最初見たときはチンピラにしか見えず、怖さの余りつい言ってしまった。

 けれど実際はどんくさい僕の為に時間を割き、何度も同じ失敗をしてるのにも拘わらず怒鳴るなんて事もしないで丁寧に教えてくれる。

 

 聞けばシトリー様も兵藤一誠先輩のお兄さんによって堕ちてしまい、部長と一緒に裁判に掛けられてしまうとの事で、前は兵士としてシトリー様に想いを寄せていたとか何とかと小猫ちゃんから聞いた事があった。

 そしてだからこそ、そんな事になってしまったシトリー様に絶望し、見限り、悲恋に終わってしまった反動でヤサグレてしまった事も……。

 

 

「やっぱり力の出し方を一から考え直した方が良いかもな」

 

「は、はぁ……ごめんなさい……」

 

「だから謝んなって。

別に責めてる訳じゃねーし、俺も俺で神器の特訓になってるからおあいこだ」

 

 

 匙先輩……。

 僕もこの人みたいに自分の意思を貫ける様になれるのかな……。

 

 

 

 

 

 残念な事に私とゼノヴィアはガクセーじゃない。

 だからガッコーには行けないし、普段はお留守番をしている。

 私は白音の家で、ゼノヴィアは木場の家でね。

 

 

「うぇへへ……このお布団にくるまってるとイッセーに包まれてるみたいだにゃぁ……」

 

 

 けどしかし……。常時木場の家に居るゼノヴィアとは違って私はレイヴェルに睨まれてる事もあってイッセー成分を補給できない。

 ぶっちゃけ、スキルでも使えば簡単にイッセーに色々と出来てキモチイイけど、それだけじゃあ贅沢になっちゃう。

 

 だから私は昼間留守にしてるイッセーのお家に上がり込み、イッセーの使ってる日用品で色々としているって訳だ。

 

 

「あは! ごめんねイッセー……またやっちゃったにゃん……♪」

 

 

 レイヴェルの邪魔もないまま補給するイッセー成分は私の身体を滅茶苦茶熱くさせ、欲しくなる。

 何が……とは敢えてこの場では言わないけど、その欲しい気持ちが極限に達した時は何時だってイッセーの枕や布団がビショビショになっちゃうし、今もやってしまった。

 

 

「んっ……悪戯したことについてお仕置きしてよぉイッセー……滅茶苦茶にして欲しいにゃ……いっせぇ……」

 

 

 レイヴェルが好きなのは私も白音も見てて切なくなってしまうくらい解る。

 けど……それでも私と白音はイッセーだけしか見えない。

 例え修行の片手間であの時気紛れで助けてくれたにしても、私や白音にとってはピンチの時に助けてくれたヒーローなんだ。

 

 だから欲しい。

 独り占めなんて出来ないのはもう解ってる……解ってるから……ムラムラの捌け口だろうと何だろうと私を使って欲しい。

 道具でも良いから……。

 

 

「レイヴェルには悪いけど、死んでも付き纏うからね……いっせー……」

 

 

 私達をずっと傍に置いて欲しい。

 ビショビショにしてしまったイッセーの布団の上で横になりつつ天井を見上げた私は、寂しく疼くお腹の下辺りに触れながら……イッセーを想うのだった。

 

 

「明日はイッセーの指をちゅーちゅーしちゃお」

 

 

 その心に兵藤誠八なんて存在はノミの入る隙間すら無いもん。

 

 

「それにしても、あのセラフォルーって魔王とは何故か波長が合いそうな気がするにゃん……なんでだろ?」

 

 

 

 

 

 コカビエル……コカビエル。

 聖剣を奪った罪人……だから私はこれ以上何をしでかすか解らない男を監視する為に何時でも何処でもあの男の姿を観察する。

 

 その際、安心院なじみなる女性らしき人の名前を呟かれる度にムカムカしてしまいますが、それでも私はコカビエルを監視する為に息を殺し……行動を見つめる。

 

 

「ぬ!? おいフリード、俺のコートが無くなってるのだが、何処にあるか知らんか?」

「はぁ?

ボスのコートならさっき椅子に掛けて――あれ無い?」

 

「ぬぅ、これで三着目だぞ……。

だが無いものは仕方ない、また買うか……」

 

 

 

 

 

 

 

「すんすん……」

 

 

 監視する為には相手を知る。

 種族を――神をも越えた力を持つが故に警戒するのは当たり前だし、またそんな男の挙動や着ている召し物などがどんな物なのかも当然知らなければならないので、私は席を外してる隙を突いてコカビエルが今さっき着ていたコートを頂き、袖に通す。

 

 

「ブカブカ……。

一応男性なだけはありますね……」

 

 

 堕ちた彼の翼を思わせる黒のコート。

 生地は安くて、多分人間界のお店で買ってる物なんでしょうが……体格の差で袖やら裾がブカブカです。

 それに……。

 

 

「コカビエルの匂いがします……」

 

 

 何よりもコカビエルの匂いが、私をコカビエルに包まれてると感じさせ、意識をボーッとさせます。

 

 

「………コカビエル……」

 

 

 あんな野蛮な男に包まれてる……。

 戦うだけの戦闘狂なんて私の性格に合わない存在……。

 でも今さっきまで着ていたのでコカビエルの温もりは酷く私を安心させますし……何故でしょう? 先程から下腹部が変に疼いてしまいます。

 

「………んっ」

 

 

 解らない……コカビエルの事を考えると何時もそうなりますけど、今日は一段の疼きが激しく、私はよく解らないまま自分の下腹部に手を――

 

『ガブリエル! 今すぐ正気に戻りなさい!! 堕天化が進んでますから!!』

 

「――――ハッ!?」

 

 

 熱くなっている箇所に手を置き、ボーッとしていた私の頭の中に直接響いたミカエル様のお声に、意識が一気に現実へと引き戻された。

 ……。どうやら私はまた堕天しかけたらしく、ミカエル様によって防いで頂いた様だ……。

 

 

「………。今日は帰ります」

 

 

 コカビエルの事を考えると何時もそうです。

 コカビエルの事を考えると何時も頭がボーッとして全部がどうでも良くなってしまう気持ちになってしまう。

 

 ミカエル様はその都度私を引き戻し、生暖かい目をされながら、『……。神も居ないしシステムは私が引き継いでますし……早いところ堕天しないでコカビエルとの仲を進展させるアレの開発を急がなければ……』と仰っておられるが、別に私はコカビエルに好意的な気持ちは抱いてない。

 

 抱いてないったら抱いてません。

 

 

「ふふ……コカビエルのコート……コカビエル……♪」

 

 

 だってあの男は嫌い……なんですもの。

 コートを失敬して困らせてやったりだってしてやりますもの……。

 ふふふ。

 

 

 

 

「はぁ……コカビエル……。貴方が堕天さえしなければもっと事は楽に運べたのに。

早いところガブリエルの気持ちに気付いて貴方が自覚させてくださいよ……。

最近は貴方の私物を失敬しては大喜びで部屋に飾るし、他の部下の前でガブリエルにとってはブッカブカな貴方の衣服を着てますし……その都度リアクションに困るんですよ私達は」

 

 

 堕天使に破れ、ついでに心を盗まれた天使は今日も当たり前だと言わんばかりにストーカーをする。

 愛する方向が間違ってるにも拘わらず、天使は堕天使に恋の炎を燃やし続ける。

 

 

 

 

 

 私はレイヴェルさんより弱い。

 姉様みたいにスキルを持ってる訳じゃない。

 一誠先輩みたいな速さも無い。

 何でもかんでも中途半端……だからこそ悔しい。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「ふむ、こんなものでしょうか?」

 

「ま、まだ……まだまだ……!」

 

 

 普段からレイヴェルさんに挑んでは叩き潰されるの繰返しなんですが、ギャーくんが神器の制御を完璧にするために一歩踏み出した姿を見たせいなのか、私はここの所何時も以上にレイヴェルさんを相手に修行しています。

 そして今も完全下校時刻が過ぎた旧校舎を出て直ぐの場所で叩き潰されている。

 

 

「白音さん、アナタは一誠様や私や黒歌さんの戦闘スタイルの猿真似をしている様ですが、これじゃあ話になりませんわよ?」

 

「っ……」

 

 

 その場から全く動かず、当てようと躍起になる私の攻撃全てを合気の要領で全て裁いて見せたレイヴェルさんは、呆れたというか……思ったことをそのまま遠慮せずに私に指摘する。

 

 

「わ、わかって……ます……」

 

 

 それを聞いて私は悔しくて下唇を噛んで視線を落とす。

 そう……わかってる。

 口だけで私は一誠先輩に触れられやしない。

 姉様みたいな強引さも無いし、レイヴェルさんみたいな絶対的な信頼関係も無い……全て中途半端。

 そんな私が一誠先輩を追い掛けて取っ捕まるなんて――

 

 

「わかってますが……私は一誠先輩と一番戦闘スタイルが似ている。

そして先輩流の戦い方を教えて貰った……だから意地でも物にする……。

姉様からは種族としての、アナタからも……先輩からも吸収し――私だけのスタイルを持つ!」

 

 

 無理……だなんて諦めるわけ無い!

 私は私なりに先輩と一緒に居るんだ。

 

 

「その為にアナタですら私の踏み台になれ……この鳥め!」

 

「……………と、鳥」

 

 

 足手まといで……おんぶに抱っこでは終わりたくない。

 私は私なりに……白音として先輩の隣に立つ!

 

 

「何時もアナタ達の背中ばかりを見ていた。けれど追い掛けるだけには留まらない……!」

 

「っ!? あ、アナタ……まさか!?」

 

 

 私は……先輩が大好きだから。

 

 

 背中を追い、憧れて、目標としたからこそ強くなる。

 先へと進む三人の背中を追い越し、並びたいという想いが、燻っていた白音に与えし最良のスキル。

 

 

「姉様からの力……ええっと、白音モード!

レイヴェルさんの力……フェニックスモード!

一誠先輩の力……イッセーモード!!」

 

「っ!? 厄介な事になりましたわね……」

 

 

 それが――無我夢誅(ドリーミングキラー)

 

 

「今日こそ勝たせて貰います……!」

 

「ふん、やってみなさい……やれるものでしたらねぇ!!!」

 

 

 鳥と猫はぶつかり合う。

 譲れないものの為に……。

 

 

 

 

 

 

 

 元士郎くん……元士郎くぅん……。

 あぁ、どうしよう……最近はずっと元士郎くんの事ばかり考えちゃうなぁ。

 

 

「元士郎くんの体操着……えへへへ☆」

 

 

 考えちゃうからついつい元士郎くんの私物が欲しくなっちゃう。

 今もこうして元士郎くんの使ってた体操着を貰ったんだけど……あぁん……。

 

 

「元士郎くんの匂いがする……。

あぁ……でもやっぱり元士郎くんが欲しいよぉ……切ないよぉ……」

 

 

 元士郎くんが今の私を見たら変態って罵倒するかな? うん、でも良いよ変態でも。

 元士郎くんが欲しいって気持ちが変態さんならそれで私は構わないよ……。

 

 

「それにしてもだけど、コカビエル騒動の時に見たあの黒髪の猫妖怪さんとは何故か気が合いそうなんだよなー……何でだろ? すんすん……はぁはぁ……」

 

 

 だってこれが「好き』って意味なんだもん。

 

 

「出来れば元士郎くんをたくさん甘えさせたいな。膝枕したりちゅーとかしたり――っ!? わわ、しまった……!? 元士郎くんの体操着がビショビショに……」

 

 

 

 

 

「あっれー? 俺の体操着が無い」

 

「む、体操着だと?」

 

「匙先輩、今日体育だったんですか?」

 

「おう……まぁ、予備だし良いんだけどよ。

何故か嫌な予感がするというか、さっきから背中がゾクゾクと嫌な感じがするっつーか……なんだろ」

 

「……。そういえば俺も昨日黒歌に体操着を持っていかれたっけか。

使ったばかりのなんて汚いのに、黒歌は『にゃー!! お宝だにゃん!!』と目の色変えて結局持っていってしまったが……」

 

「え、えぇ……? 黒歌さんって小猫ちゃんのお姉さんですよね? やっぱりそんな人だったんだ……」

 

「あの人は本当に一誠関連はブレ無いな……羨ましいぜ一誠が」

 

 

 

 

三大勢力裁判まで……残りわずか。




補足

+セラフォルーさんも含め、特にこの方々はインフレ=変態化が進んでます。

てか、天使で変態て……地雷だらけやん。


それとですが、此処まで来るとレイヴェルさんが好きだからと言われても諦めるわけ無いんです……猫姉妹さんは。




ガブリエルさんのマイブーム。

気儘に生きるコカビエルの監視と、隙あらば盗撮・盗聴・私物失敬。

私物失敬に至ってはコートやらの衣服を――特に直前まで着てて脱いだやつをハンターみたいな目をしながら掠め取り、すんすんしたり、部下やミカエル様の生温い目に晒されながらニコニコと『コカビエルなんて嫌い……♥』と宣いながら着ているとか……。


これではもはや病気……。
IFと違って通い妻出来んかったド反動。


小猫たん……遂に覚醒する。

描写は無かったですが、レイヴェルたんに挑んでは返り討ちの繰返しで培ったハングリー精神。

黒歌さんとの合流で本格的に修行した仙術技術。

戦闘スタイルが似てると一誠が嬉々として教えた近接戦闘技術。


そして小猫たん自身が想う三人への憧れ……そして並びたいという覚悟が爆発した結果生まれたのがそれです。



その2
何と無くまとめました。


―地から這い上がりし伝説の堕天使―


コカビエル

現在の所属なし


一誠との戦いと、スキルである超戦者(ライズオブダークヒーロー)による蓄積により更なる次元へと進化した完全なる神越えの堕天使。

安心院さんに勝ちたいというだけの向上心。
フリードの可能性を目の当たりにした事により更に精神に余裕ができあがっており、特にフリードと歳の近い子供の向上心溢れる姿を見ると、ついついお節介を焼きたがる部分がちょっと多くなった。

 本人に自覚は無く、寧ろ敬遠されてると思ってるが、実の所は堕天使達からかなり慕われており、この度の脱退のせいで半数近くの若い衆が後を追おうとした程であったりするが、やっぱり本人に自覚は無い。

天界側でもミカエルからはそんな嫌われてる事も無く、天界最強にて一番の美人と言われるガブリエルに至っては想うがあまりコカビエルに対してストーカー行為に及ぶほど。


 神話系統からも現在最も警戒されてるが……本人は寧ろ『殺しに来いよ、バトれるし』とオープンに待ち構えてる。

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