生徒会長イッセーと鳥さんと猫   作:超人類DX

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かなりゴチャゴチャしてます。

※ちょっと手直ししました。


冥界合宿inフェニックス家
新生徒会と里帰り


 『兄貴様。』とのケリが着いた事で終わりを迎えた会談とやらから日は過ぎ、今日は1学期最後の終業式。

 リアス・グレモリーとその眷属並びにソーナ・シトリーとその眷属達は"一身上の都合による転校か自主退学"という形で学園から姿を消しており、一般生徒達は――特に元浜&松田辺りの男子はその場に崩れ落ちるかの様な落胆を見せた。

 が、その入れ替わりに入ってきた新たな転校生――いやまぁつまりゼノヴィアと黒歌によりそのダメージをある程度軽減させた様だ。

 

 

『これより1学期の終業式を開始する』

 

 

 黒歌とゼノヴィアの転入はやはりというか、男子諸君を大喜びさせるのに十二分だった様で、いつかのレイヴェルを思わせる勢いで、初日にて大人気者へと昇格し、聞けばファンクラブが速攻で発足されたとか何とか――――いや、そんな事は今はどうでも良い。

 

 

『だがその前に貴様等に言っておきたい事が一つある』

 

 

 俺もまた人生の『折り合い』を一つ付けられたという事で、数日前から密かに実行していたある事を皆に知って――いや承認して貰う為に全校生徒が集まる体育館の壇上に立つ俺は、『会長』『副会長』『会計』『書記』『庶務』の腕章が付いた右腕を見せつつ切り出した。

 

 

『生徒である貴様等には存じの通りだが、俺はこれまで駒王学園・生徒会長という肩書きを持っている。

だがこれも知っての通り、役員は会長である俺一人という、本来なら役員失格という有り様のまま、なぁなぁでやって来た』

 

 

 折り合いを付けた今、新たな学生生活を送るのに生徒会をこのままにしておく訳にはいかない。

 今までは自分が『これだ』と思うような人材が居らず、レイヴェル達に手伝って貰う形で凌いできたが、もはやその必要は無くなった。機は熟したのだ。

 

 

『選挙管理委員会へ通達する。

本日より匙元士郎、木場祐斗、塔城小猫、ギャスパー・ウラディ――――そして生徒会則第5条・二項目の特例法を発動し、レイヴェル・フェニックスを第19代目生徒会執行部として登録して頂きたい』

 

 

 本当の生徒会執行部を結成する……機がな。

 

 

『とはいえ、これはあくまで俺の独壇でやっている事であり、正規の選挙活動も無い。

故に貴様等に問う、この中で俺が指名した五名の人員に不満がある者はその場に座るが良い』

 

 

 黒神めだかがそうだったように、俺は俺の意思で信頼できる友の力を借りたいから、獲られた友と共にやっていきたいと思っている。

 そしてそれが伝わったのか、壇上下から俺を見ている生徒達は誰もその場に座らなかった。

 

 

「寧ろ今まで加えなかった事が不思議だっつーの!」

 

「やっとかよイッセー!!」

 

「木場きゅんと匙きゅんと小猫たんとギャスパーきゅんとレイヴェルたんに文句なんてある訳がないわ!」

 

「良いぞー! これで揃ったじゃねーか!!」

 

 

 寧ろ誰もが待っていたとばかりに迎え入れてくれた。

 フッ……。

 

 

『元士郎、祐斗、しろ――じゃなくて小猫、ギャスパー! そしてレイヴェル! 上がってこい!!』

 

 

 気の良い奴等め……。

 色々あったがやはりこの学園は大好きだ。

 揉みくちゃにされながら壇上へとやって来た五人の友に頬を緩めてしまうのは気のせいじゃない。

 

 

『この腕章をやっと渡す仲間が出来た事を嬉しく思う。

元士郎、祐斗、小猫、ギャスパー……そしてレイヴェル、生徒会に入ってくれ。お前達の力が必要だ』

 

 

 嬉しい。

 今俺の心はその感情で満たされている。

 

 

 

 

 生徒会か。

 最初はソーナ・シトリーが会長になったら自動的に加入するって感じだったのに、一誠という男がぶっちぎりの支持率を引っ提げて就任したから無くなった話だったんだよな。

 だから生徒会なんてもう縁が無いとばかり思ってたってのに……ははは。 

 

 

「ふふん、これでやっと生徒会らしくなるな……。ぬっふっふっ」

 

「うー……凄い緊張したですぅ」

 

「でも頑張ったじゃねーかギャスパー」

 

「僕も緊張しちゃったよ」

 

 

 だがこれは流れで加入した訳じゃない。強要された訳でもない。

 自分の意思で……イッセーに力を貸すという己の意思で加入したものだ。

 だから後悔なんてものは無い。元々はグレモリーとシトリーの眷属、フェニックス家のお嬢様……そして人間と立場も何もがバラバラだった俺達がこうして集まって一つの事をしようとしている。

 実の所ワクワクしてたりするんだぜ?

 

 

「庶務……」

 

「私も庶務……」

 

「ま、まあ、良いじゃないか二人とも。私と黒歌は入れないんだし」

 

「まったくだにゃん。役職なんて皆で一つの事をするんだから意味は無いと思うよ?」

 

 

 まあ、約二名と転校してきたばかりで加入が出来なかった二人はちょっと残念そうだけどな。

 確かにイッセーに一番近いあの二人が庶務なのは不思議というか……何で反対に俺が『コレ』なのか、イッセーの考えはイマイチまだ読めないな。

 

 

「ぬっふっふっ、見よこれを! 完全な生徒会を発足した時の為に夜なべして作成した生徒会専用の制服だ!」

 

「へぇ、男子は学ランで女子はセーラー服なんだ?」

 

「わー……僕セーラー服を着てみたいです」

 

「ふっ、ギャスパーにはどちらも用意してあるから心配するな」

 

 

 だけどイッセーはと言えば、ちょっと沈んでいる二人を他所に、役員を集められてご満悦なのか、自作したらしい専用の制服のお披露目をしている。

 

 

「いいなー」

 

「仕方ないさ黒歌よ。来期まで大人しく待とうじゃないか」

 

 

 とうとう目に見えてはしゃぎ始めたイッセーを眺めながら羨ましがるゼノヴィアさんと黒歌さんだけど、別に生徒会室に来てはいけない訳じゃないし大丈夫だと思う。

 元浜と松田のアホ二人組だってほぼ毎日来ては俺達に変な悪態付いて備蓄の品を食い散らかしやがるしな。

 

 

「さぁ……本格的な活動は来学期からとなるが、よろしく頼むぞ!」

 

「おう」

 

「は、はい!」

 

「任命されたからには全力で受けるさ」

 

「庶務もまた生徒会……こうなったら努めてみせますよ!」

 

「えぇ、やって見せますわ!」

 

 

 何にせよ、あの会談から俺達の人生に折り合いが付き、新しい道を歩みだした。

 その一つがこの新生徒会長執行部なのだ。

 

 

 駒王学園・第19代目生徒会長執行部。

 

 庶務――塔城小猫

     レイヴェル・フェニックス

 

 会計――ギャスパー・ウラディ

 

 書記――木場祐斗

 

 会長――兵藤一誠

 

 

 

 副会長――匙元士郎

 

 

 二学期より始動……新生徒会。

 

 

 

 

 終業式と新生徒会執行部の襲名披露を終えれば夏休みになります。

 私と白音さんが庶務として任命された時はちょっとだけショックに思いましたが、考えてみれば役職なんてものは関係ありませんし、全員が揃ってこその生徒会ですので気に病む必要なんてありませんわ。

 寧ろ不服と思うこと自体失礼でした。

 

 

「は、冥界に帰る?」

 

 

 話を戻しますが、夏休みへと突入した後もほぼ毎日何時もの面子が私と一誠様の愛の巣に来るというのは変わらずなのですが、私と一誠様も用事というものがあるので毎日を愛の巣で遊んでばかりという訳にはいきません。

 フェニックス家として冥界に里帰りをしないといけませんし、一誠様もまたフェニックス家の一員なので同じく帰らないとなりません。

 

 

「おう、長期休暇時はフェニックス家で過ごすことがエシルねーさんとシュラウドのおっさんとの約束でな」

 

「そういう事ですので、宿題の無い黒歌さんとゼノヴィアさん以外は一旦家に戻って宿題一式全てを持って此処に来なさいな」

 

 

 それに今年は他にも帰らないとならない理由もありますからね……。

 

 

「「「「は?」」」」

 

「は? じゃないですよ。

アナタ達はあの会談の日から正式に我がフェニックス家預りとなっているのですよ? 別に畏まって挨拶をしろとは申しませんが、義理は果たすべきじゃあなくって?」

 

「そういう事だ。

それにフェニックスの家は広くて快適だぞ? 温水プールに温泉、レジャー施設も完備で……」

 

「健康ランドかよっ!」

 

 

 エシルお母様とシュラウドお父様に一誠様が頼み込んだお陰で、主に逆らったはぐれ悪魔というレッテルを回避できた事をもう少しだけ自覚して貰いたいですね。

 

 まあ、黒歌さんとゼノヴィアさんは悪魔じゃないのでこれに当てはまりませんが、それでも父と母が身請け人になっているのは変わりません。

 

 

「ご両親が健在な匙さんはそういう訳にもいきませんので、途中で帰っても構いませんが……」

 

「え、嫌だよそんなの。

皆して一緒なのに俺だけ一人寂しく帰るなんて無いぜ。

うっし、それなら一旦帰るわ」

 

「う、うーむ、悪魔の根城によもや私が行くことになるとは。

だがもう教会とは縁を切ったし……」

 

「み、皆さんが一緒なら僕も行きます。

レイヴェルさんの言った通りご挨拶しないといけないですし……」

 

 

 ふむ、行きたがらない方は一人も居ないと……。

 意外にもギャスパーさんも行く気なのは幸いですわ。

 

 

「よし、そうと決まれば今から一時間後に集合だ。

ふふ……フェニックス家の皆は色々と濃いぜ? ふっふっふっ」

 

 

 パンパンと手を叩きながら締めた一誠様により、一旦解散となった後、私達も準備に取り掛かります。

 さてと……お兄様達やお父様とお母様が果たして普通に出迎えてくれるのか……ちょっと不安ですね。

 

 

 

 レイヴェルさんの実家。

 リアス元部長の実家であるグレモリー家には何度か行きましたけど、それ以外の場所には行かなかったので、ちょっとした緊張と新鮮な気持ちがします。

 

 

「レイヴェルの家族ってどんな人達か白音は知ってるの?」

 

「いえ、殆ど先輩とレイヴェルさんから聞かされるお話でしか。

前に一度一つ上のお兄さんと顔を合わせた事はありましたけど、何と言いますか、見た目で誤解されそうな人でしたね」

 

「ふーん?」

 

 

 準備を終え、姉様と一緒に先輩のお家に向かっている最中私は考える。

 濃いぜ? なんて一誠先輩が言っている辺り、多分フェニックス家の人達は本当に濃い人達で間違いないのだろう。

 特にレイヴェルさんのお父さんとお母さんは聞いているだけで一番かもしれない。

 …………。まあ、姉様も姉様で濃いし慣れてしまってますけど。

 私? 普通ですよ普通。

 

 

「お、来たか。これで全員揃ったな」

 

「白音さんと黒歌さんが最後ですね」

 

 

 そうこうしている内に先輩の住んでいるアパート――では無くその裏の小さな駐車場に皆さんが終結してました。

 実家にも私物がある先輩とレイヴェルさん以外はバッグを持っており、匙先輩は特に大きなバッグで結構目立っている。

 

 

「それでどうやって冥界に行くんだ?

俺が聞いたことのあるルートだと、駅にあるエレベーターで秘密の階層まで降りて行くって感じだったけど」

 

「なに? そんなルートがあったのか……。しかしそれはシトリーとグレモリーのルートだろう? 俺達は違うぞ」

 

 

 匙先輩の言葉に初耳だと目を丸くした一誠先輩は、違うぞと私達の知るルートを否定すると、至極当たり前の様にこう言った。

 

 

「フェニックス城直通の転移魔法で行く。

あぁ、心配しなくても冥界の入国手続きは既にエシルねーさんとシュラウドのおっさんがやっているから、不法入国者だと騒がれることも無い」

 

「そういう事です」

 

 

 先輩に続いてフッと不敵な笑みを浮かべたレイヴェルさんが手を一つ叩いた瞬間、足元にフェニックス家の紋章が入った大きな魔方陣が青白い光と共に浮かび上がる。

 ……。この大人数を行き先を間違わずに転移させるには相当の集中力と時間が必要なのに、レイヴェルさんは余裕だと謂わんばかりに一瞬でやって見せた。

 

 ちょっと悔しいです。

 

 

「足元に注意してください……では行きますよ」

 

 

 陣の中に入っていた私達は目の前が真っ白になる。

 そして次の瞬間には……。

 

 

「よし着いたぞ」

 

「っ……お!? で、デカい城だ……」

 

「お、おぉ……も、もっとマシな格好にしておくべきだったかな祐斗?」

 

「大丈夫だよ、グレモリー家の時は特に言われなかったし……た、多分」

 

「うぅ……急に不安になってきました」

 

 

 フェニックス家の根城の前に立っていました。

 どうやらグレモリー家に勝るとも劣らない大きなお城の門を前に、匙先輩達は腰が引けてしまっている様子です。

 いや、それも正直仕方ないのかもしれない……。

 

 

「ふぅははははぁ!!

我が弟と妹……そして友達の帰還だ! 全力でお出迎えしろ!!」

 

『は、ライザー様!!』

 

 

 門が開かれた先にあったのは、リアス元部長との誤解から始まった婚約話の時に会ったライザーさんとその眷属の皆さんの曲芸じみたお出迎えに面を喰らい。

 

 

「我が子レイヴェルと一誠よ! よくぞ帰ってきた! 実は皆して五時間前から門の前でスタンバってましたぁぁっ!!」

 

 

 当主と思われる人までも手から炎を光線みたいに空へと撃ち出してるのだから、ビックリするなというのが難しい。

 流石の姉様もポカンとしながら激しすぎる歓迎を受ける。

 

 

「ようこそフェニックス家へ!! 私が当主のシュラウド・フェニックスであーる!!」

 

 

 濃いぞと言っていた先輩の言葉を過小評価していた。

 私は金髪のおじさんの高笑いを聞きながらただ茫然と思いました。

 

 

 

 

 

 ………。帰ってくるだけで一々大袈裟というか、これがフェニックス家のしきたりだし仕方ないというべきか。

 元士郎達が完全に尻込みをしてしまっているじゃないか。

 特にライザーは何でそんなにハシャイでるのやら。

 

 

「さて、何時までも外にいては疲れますし取り敢えず中へ入りましょう。ライザー、一誠とレイヴェルのお友達をご案内しなさい」

 

「はい母上」

 

 

 盛大なお出迎えも漸く落ち着いた所で、ちょっとタレ目気味な所以外はレイヴェルによく似ているフェニックス家の母、エシルねーさんが仕切ると一足早くまだ勝手にハシャイでたシュラウドのおっさんの顎にショートフックをかまして気絶させると、ビクッとした元士郎達に微笑みかけながら中へと入って行く。

 しかし、意識が飛んだおっさんの襟首を片手で掴んで引き摺るように連行しながらという、表情とアンバランス過ぎる形のせいでちょっと怖い。

 

 

「お、おい……?

フェニックス卿が白眼剥いてるけど……」

 

「……。何時もの光景だから気にするな」

 

 

 眷属達を下がらせたライザーを先頭に、遅れて城内への道を歩く最中、ちょっと怖がり気味に耳打ちしてくる元士郎に俺は心配するなと返し、中へと入るとライザーがそれぞれ眠る為の部屋の案内をして貰う。

 俺は別に案内されんでも自分の部屋があるので必要も無いのだが……。

 

 

「好きな部屋を使ってくれ」

 

「じゃあまた後程――」

 

「ちょっと待ってください。

何故レイヴェルさんと一誠先輩は当然の様に同じお部屋なんですか?」

 

 

 ちょっとしたゴタゴタがあったことは……まあ、ご愛敬だ。

 

 

「何故……と言われてもな。

コッチの家の部屋はココで、餓鬼の頃からレイヴェルと一緒のままだからとしか……なぁ?」

 

「ええ、何か文句でもあるのかしら雌猫姉妹さん?」

 

「チッ、勝ち誇った顔が余計にムカつきますね」

 

「私もイッセーと一緒が良いにゃー!」

 

 

 不満だらけだと云わんばかりの白音と黒歌にレイヴェルがドヤ顔したせいでまた始まりそうになったのだが、ライザーがニヤニヤしながら……。

 

 

「それなら一緒で良いんじゃね?

あ、ちなみに父と母の部屋以外の各部屋は防音だから……派手なプレイをしても問題無しだぜ?」

 

 

 等と目を逸らす俺の肩をバシバシ叩きながらさも楽しくて仕方ないという感じで言ってしまったせいで……何かもう嫌な予感しかしなかった。

 

 

「派手なぷれい……という事は一誠と……にゃは……♪」

 

「激しく……ふふふ」

 

「お、おい……そんな事は無いからな? な?」

 

 

 ホント……勘弁してくれ。

 

 

 

 各部屋に案内されてからおおよそ2時間後か。

 ダイニングルームへと来た俺達は、先に座っていた当主のシュラウドと夫人エシル、長男、次男、三男に促される形で席に座る。

 長テーブルの上には既に豪華な食事が並んでおり、白音は目をキラキラさせながらガン見して、腹を鳴らしていた。

 

 

「さて、遠慮はいらないよ一誠とレイヴェルのご学友達よ。

思う存分食べて飲んで騒ぎたまえ。必要なら私と息子三兄弟――いや一誠を加えて親子四兄弟の渾身なる裸躍りをしてみせよう!」

 

「いやおっさん、流石にそれはまだ早いしドン引きされるから勘弁してくれ。

既にのっけの出迎えで引かれてるし」

 

「自重してほしいですわ……もう」

 

『…………』

 

 

 思っていた以上にキャラがアレだったせいで完全に引いてる元士郎、祐斗、ゼノヴィア、ギャスパー、白音、黒歌だが、食事が始まれば何て事も無く自然な流れでフェニックス家との交流が出来てくる。

 

 

「そういえば、コカビエル殿との戦いに勝利したみたいだな一誠よ?」

 

「ん、あぁ……実際はかなりギリギリだったが何とか」

 

「おいおい、伝説の堕天使を倒したんだぜ?

悪平等でもそんなの居ないしもっと誇れや。なぁ兄貴?」

 

「うーん、そうだね……。

それに加えて早いとこ甥っ子を見せてくれたらもっと良いんだけど」

 

「そうだそうだ――と言いたいが、聞くところによれば、お前に好意を寄せる女性が二人ほど――」

 

「はいはいはーい! 私と白音です!!」

 

「諦めるつもりはありません」

 

「ふん、雌猫さんに負けるつもりはございません」

 

 

 

「アナタが匙元士郎君ね?

ふふ、冥界で噂になっていますよ? 『セラフォルー様の心を射止め、魔王様に認められた若手転生悪魔期待の星』と……」

 

「なっ!? あ、あのアマまた勝手な事を……!」

 

「それに加えると、旧魔王派のカテレア嬢を改心させたばかりか、やはりその心を奪ったプレイボーイとも……」

 

「はぁっ!?

い、いやいやいやいやいや!! か、勘弁してくださいよ!?」

 

「むー……元士郎先輩のタラシ」

 

「タラシって、ギャスパーも何を……」

 

「あらあら、この子の心もかしら?」

 

 

 

「あ、ゼノヴィアさん、これも美味しいよ?」

 

「どれどれ……むむ! 何という舌触り――お、これも美味しいぞ祐斗! 私の食べ掛けだが一口どうだ?」

 

「え!? ぁ……う、うん……お、美味しいや」

 

「だろ? ふふっ……!」

 

 緊張は無くなった様で良かった良かった。。

 まぁ貴族の礼儀作法なんてクソ食らえな思考回路一家だし、必然とも言えるがな。

 

 

終わり。

 

 

オマケ・その頃の各勢力。

 

 

その1

現ルシファー

 

 

 会談が終わった後、結局現れることが無かった安心院さんに残念な気持ちを抱きつつも、最下層送りにしたリアス達のごちゃごちゃした問題は片付けられたし良いかな……。

 なんて思いながら、リアスが拘束されてからスッカリ意気消沈の母と父をスルーして部屋で寛ぐ僕には忌々しい出来事に悩まされてい。

 

 それは、ちょっと前から頭が完全にイカれてしまったグレイフィアの事であり、どうもあれから僕に対して気色悪い真似をしてくるんだ。

 うざったい事この上無いし、だったら無視してれば良いかなとちょっとだけ割り切れればそれで良いんだけど……。

 

 

「………。一応聞いてやる。キミは何してるの?」

 

「何をしてる?

それは勿論、アナタが入浴中なのを見計らって使用済みのYシャツをこうして着ているだけだけど?」

 

「あぁ、見て解るよ、ムカつくくらい解りやすくて困るぐらいにね。

だが僕が聞きたいのは、何でお前は全裸になって僕のYシャツを勝手に着て一人でモゾモゾやってるのかって話だ」

 

「解らないかしら? 言っても何もしてくれないせいで欲求不満だから、仕方無くアナタの私物で発散――」

 

「もう良い……もう聞きたくない」

 

 

 頬を上気させながら平然と僕のYシャツを汚しまくりながら宣う姿に、僕はますますこの女が嫌いになったかもしれない。

 

 

「はぁ……身体が熱いわサーゼクス……。お腹の中寂しいと訴えて――」

 

「氷山に埋めてやろうか?」

 

 

 

 その2

 堕天使と天使の架け橋。

 

 

 …………。会談の席に現れた理由は、兵藤一誠への挨拶とあわよくば三勢力トップ陣との戦いが目的だったのだが……。

 

 

「ミ、ミカエル様のご命令で貴方を四六時中監視する事にしたわ!」

 

「お……おう」

 

 

 おかしいぞ。

 聖剣を奪って暴れたのに、本来なら殺しに来る筈なのに、何故か俺の元には常にテンパってるガブリエルの姿とミカエルから寄越された手紙があった。

 読んでみると、人間界で悪さをしないようにガブリエルを監視に派遣すると書かれている訳だが……。

 

 

「あ、あーんしなさい!」

 

「いや別に一人で食え――」

 

「良いから口を開けなさい!

もし貴方にそのフォークを持たせたら、私の衣服をズタズタにしてメチャメチャにされるかもしれませからね!」

 

「…………」

 

「なぁボス……?

さっきからテンパって出してる天使様の翼が黒に点滅しまくりなんだけど?」

 

「凄い綺麗な人なのに……ちょっと変ですね」

 

 

 …………。ガブリエルってこんな変な女だったか?

 

 

 

 

その3

ダブル・レヴィアタン

 

 

 捕らえられた私は、セラフォルーが住まう居住で力を封印される手錠を嵌められた状態で生活を余儀なくされたのだが……。

 

 

「な、何ですか……こ、これ……!?」

 

 

 セラフォルー個人の部屋へと連れてこられた私は絶句してしまった。

 それはセラフォルーの着ている趣味の悪い衣服がグチャグチャに散乱している訳でなく……その……。

 

 

「元士郎くんに包まれるお部屋だけど?」

 

 

 私を助けてくれた少年の……どう見ても盗撮にしか見えないアングルの写真が壁一面に貼られ、ベッドには彼をデフォルメさせた自作と思われる人形。

 更には……

 

 

「あはぁ……♪ 元士郎くんの匂いがちゃんとするぅ……」

 

「……」

 

 

 どう見ても許可無しに無断で持ってきた彼の衣服の一部に身を包んで一人トリップしているセラフォルーを見て私は思った。

 

 

「こ、こんな女に負けた私って……」

 

 

 救ってくれた彼へのせめてもの恩返しに、セラフォルーの毒牙から守らなければ……。

 彼の手の暖かさを思い出して胸の中がくすぐったくなる様な気持ちを抱きながら、私は一人決心した。 

 

 

「やはり仲間になって貰うしかないですね……彼には」

 

 

 この女の近くにいたら喰われてしまう。

 それだけは阻止しなければと……。




補足

これにてやっと生徒会メンバー完全結集です。

匙きゅんが副会長なのは――まあ、一誠より主人公らしいといいますか……意見をちゃんと言えるからというか。


その2
里帰りすれば……フェニックス家は皆はしゃぐ。
はしゃぎ過ぎてご当主様と三兄弟は酔っぱらった宴会席の芸みたいな真似すら躊躇わない。


その3
グレイフィアさんは完全に完全に堕ちました。
憎しみからのギャップ萌えを喰らい、時を経てちょっと斜め上な愛情へと……。

ミカエル様のアシストによりガブリーさんは通い妻となりつつあります。
 つまりもっと大胆にストーカーができるみたいな……。


ダブル・レヴィアたんは………まあ、何でこうも真逆なんだというか……うん。
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