生徒会長イッセーと鳥さんと猫   作:超人類DX

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タイトルに深い意味はございません。

祐斗きゅんってのも別に趣味とかじゃなく、単にふざけてるだけですので(笑)


苦労人なライザーくんと祐斗きゅん

 ライザー・フェニックス。

 元・ソロモン72柱であるフェニックス家の三男。

 レイヴェルの兄であり、ついでに一誠の兄(彼の中では決定事項)だ。

 両親から受け継いだ明るい金髪とハンサム顔。

 服装はノーネクタイのスーツを着崩すスタイルを好む。

 

 ぶっちゃけると都心の繁華街にでも居そうなホストを連想させる女ったらし丸出しな見た目であり、その見た目通りに自身の持つ眷属も全て女性のみで構成されてるので、あまり良い印象を持たれてないのが現状だった。

 

 

「それは嘘でしょうライザー=フェニックスさん。

アナタはそうやって油断させて部長をモノにしたいと俺は思うとですが?

言っときますが、女性を道具としてしか見てないアナタに部長は渡しませんよ」

 

「セーヤ……」

 

「……………………」

 

 

 故にライザーくんは今日も苦労するのだ。

 主に話を全然聞かずにいる弟と似てなくもないと思う子共やら、その横で露骨にくっつきながらあからさまに嫌ってますな目で睨んでくる女の子達やらを相手に……。

 

 

「なので早く消えてください」

 

「えっと、言われなくてもそのつもりなんだけど……」

 

 

 人間界・駒王学園オカルト研究部の部室。

 そこにライザー・フェニックスは先日ベロンベロンに酔った父親の尻拭いをする為に、わざわざ冥界からお土産の『冥界印のレヴィアたん煎餅』なるよく分からない菓子折片手に、全力の謝罪をしにグレモリー家のメイド長であり魔王・ルシファーの妻である女性悪魔とやって来た。

 本来なら『フェニックス家の当主の酒の弱さが招いた騒動でして、私ごときがグレモリー家と縁を結ぶなどおそれ多い。なのでこの婚約騒動は最初から誤解なのです』……と菓子折を献上するのと共に丸く収まる筈だった。

 

 しかし何故か話は全く進まず、婚約騒動に巻き込まれたグレモリー家の次期当主であらせられるリアスが……では無くどういう訳かその眷属である少年が、出しゃばるように話を遮るのだ。

 

 これにはライザーも同行した銀髪の女性悪魔も開いた口が塞がらなかった。

 

 

「兵藤様、お下がりください。

よろしいですか? ライザー様は今回の婚約話は全て誤解なので無かったことにしろと仰っているのです」

 

「そ、そうそう! グレモリー嬢には本当に申し訳ないことをしたよ。

うちの父がグレモリー卿に余計なことを言ったせいで……本当にすいませんでした」

 

 

 意味が分からない。

 義理の弟の偽物としか思えない程にそっくり姿の少年に、何もしてないのに変な疑われ方はされるは、その少年に狂ってるせいでまともな判断が付かないのか少年の言葉に一々同意するグレモリー家の次期当主。

 正直義理の弟である一誠に似てる顔なのに何でこうも違うのか……ライザーはうんざりだった。

 

 

「どうかしら? アナタの噂は良くないし、セーヤの言う通り油断させるって腹積もりかもしれないわ」

 

「な、何だよそれ……じゃなくて、そんな事無いですってば。

確かに見た目はこんなだけど、魔王様に誓ってそれは無いよ……勘弁してくださいよ」

 

 

 妹のレイヴェル、そして一誠から聞かされていた話にあった通りだ……ライザーはいっそマジギレして皆殺しにしてしまいそうな気分を抑えながら下手になり続ける。

 

 兵藤誠八。

 ある日突然現れ、一誠の居た居場所の全てを奪い取った謎の人物と一誠と安心院なじみに聞いては居たが……なるほど、並みの悪魔を短期間で虜にする変な能力も本当だったようだ……そう『薄ら笑い』を浮かべながらライザーを見る誠八とその隣で密着しながら睨んでくるリアスとを内心見定めようと勤めるが、どうしてもどうでも良すぎる相手にだと集中ができない。

 

 

(ったく、親父め……よりにもよって面倒な輩と変な話を作りやがって)

 

 

 銀髪のメイド悪魔であるグレイフィアの仲介で何とか話を纏めてる最中、ライザーはひたすらに冥界で母親とSMプレイをしてるだろう父親に毒づく。

 ライザーとしてはこんなくだらない話はさっさと終わらせ、同じくこの学園に居る我が妹と将来の義理の弟である一誠と会ってのほほんとしたやり取りがしたいのに、それをこの兵藤誠八という『赤龍帝というだけのただのカス』が可笑しな言動を繰り返して話の腰を折る。

 

 

「ひょ、兵藤君……僕達みたいな下僕悪魔が上級悪魔にそんな口の聞き方は――」

 

「なんだよ木場。お前は部長がこの人と結婚するのに賛成なのか?」

 

「いや……そ、それは……」

 

 

 一介の転生悪魔がこうも出しゃばるようなら、処罰でもしてやっても良いが、悔しいが彼は魔王の妹の兵士だ。

 そうでなくてもさっさと終わらせたいと思ってるので、ただただ耐えて下手に出るしか道は無いのだ。

 

 そんなのよりも、ライザーとしてはあの面子の中で正気というかマトモな思考を持ってる金髪の少年から滲み出る『疲れた表情』に同情の念を覚えるのだ。

 

 

「た、確かにこれは僕達の(キング)の話だけど、だからといって話の腰を折って良いことは――」

 

「祐斗先輩に同意します。

ライザー・フェニックス様のお話を此方がまるで聞いてないようにしか私には思えませんので」

 

「……。ほう?」

 

 

 さぞ兵士の少年を巡って争ってる王や女王や僧侶や戦車に苦労してるのだろうなぁ……と思っていたライザーだったが、それまで金髪の少年と一緒に隅で黙りを決め込んでいた白髪の少女が同意するように誠八とリアス達に進言する姿を見て、思わず声を漏らす。

 

 

(驚いた、あの少女もとっくに彼に狂ってるのかと思っていたが……ふむ、例の洗脳は完璧じゃないのか? だとしたら彼女に掛からないのは何故なのか……)

 

「なに二人とも? 私の味方じゃないの?」

 

「そ、そんな事は言ってません! 僕は誓って貴方の騎士です!」

 

「同じくです。

それに、ライザー=フェニックス様は私達になにもしてません。

それなのに、何故そこまで敵意を持たなければならないのか私には分かりかねます」

 

 

 気づけばライザーをほったらかしに眷属同士で険悪な空気を出して言い合いをしており、見かねたグレイフィアは少々の殺気を出しながら全員を即座に黙らせる。

 

 

「そこまでです。身内同士で争う様でしたら私にも考えがあります。

それと兵藤様、木場様の言う通り、これ以上出すぎた真似をして話の腰を折るのは……」

 

「え、俺は単に彼のような女ったらしに部長は相応しくないと思ってるからこそなんですが?」

 

「っ………」

 

 

 ある程度穴があるようだと、白髪の少女と金髪の少年を観察しながら分析を進めるライザーだが、それでも警戒するに値すべき、恐ろしい能力であるのは間違いなく、その恐ろしさは直ぐに見せ付けられた。

 

 ただ笑顔を浮かべるだけ……そう、浮かべるだけで異性を虜にする理不尽なソレは正直何の原動力で働いてるのか気になる所だが、まさかそれが中立であり、最強の女王であるグレイフィアに作用したのだから驚くなという方が無理もない。

 

 咎めようとするグレイフィアに対して誠八が笑顔を浮かべると、それまで抑揚の無い表情だった彼女の顔にサッと赤みが掛かり、言葉に詰まり始めていたのだ。

 よく見ればリアスも女王である姫島朱乃や僧侶であるアーシア・アルジェントも彼の胡散臭い笑顔に『ほぅ……』と頬を染めている。

 

 

「ぅ……で、ですから……」

 

「え、なんですか?」

 

「……!(おいおいおいおい!? 紛いなりにもあのうざったい魔王の妻やらされてる人にもかよ……チッ!)」

 

 

 これじゃあ女ったらしはどっちだっつーの! と内心毒づきながらライザーは向こう側に引き込まれそうなグレイフィアの背中を軽く叩く。

 

 

「……ハッ!?」

 

 

 それが効果的なのかどうかはライザーには分からなかったが、少なくともハッとした表情をグレイフィアが浮かべた辺り、何とかあの洗脳じみたナニかの餌食にさせずに済ませられたとホッと小さく息を吐く。

 

 

(い、今のは一体……? 兵藤誠八の顔を見た途端頭がボーッと……ライザー様が私の背中を叩いたお陰で何とかなりましたが……)

 

 

 決して油断したつもりは無かったのに、誠八の笑顔を見た瞬間頭の中で靄が掛かったような感覚に内心動揺をするグレイフィアは、笑顔を引っ込めていた誠八の目を見ないようにと警戒しながら咳払いをひとつ。

 

 

「こほん……。

とにかくライザー様に結婚の意思はございません事をご理解してください」

 

「うんうん」

 

 

 正気に戻ったグレイフィアが背中を軽く叩いてくれたライザーに目配せしながら、本来すべき話を少々強引に進めていく。

 そもそも何故こうも話が通じず、何もしてない筈のライザーが目の敵にされてるのか……そして明らかにおかしく――異常なまでに誠八に情念を向けているリアス達はどうしてしまったのか。

 

 レーティングゲームで決着ということも特に無かったが、代わりに兵藤誠八という存在に第三者として大きな疑問を持ち始めるグレイフィアなのだった。

 

 

(レイヴェルと一誠から聞いた通りだな……。悪魔をああも狂わせるとは……兵藤誠八……か。

安心院さんの言ってた通りだな)

 

「……なにか?」

 

「いや……まあ、グレモリー嬢にも想い人がいる様だし、そもそも此方の落ち度でこんな話になったという事だけは分かって欲しいなと思うというかね……」

 

「…………」

 

 

 最初(ハナ)っからリアス=グレモリーに興味なんて無く、一誠も完全に立ち直れているので誠八という存在についても割りとノーマークだった。

 しかし、悪魔をも虜にする謎のソレを目の当たりにしてしまった今、放っておくだけという訳にもいかないと、ライザーはしなくても良い胡麻すりまでしながら認識を改めつつ、話の終わりを向かえたタイミングでサッと立ち上がと、警戒心バリバリなリアス達にぺこぺこと頭を下げながら退室しようと部室の出口へと向かう。

 

 

「それじゃあ俺はこれで……」

 

「転移魔法で帰らないのかしら?」

 

「いや、妹に顔を見せてから帰ろうとね……。魔王様に誓って変な真似はしないさ」

 

 

 部室に来たときは魔方陣で現れたのに、何故か扉から出ていこうとするライザーに引き続き――何もしてない筈なのに何故か嫌悪感丸出しな視線を全身に受け、『何でこんなに嫌われてるんだろうか俺は……』と内心苦笑いになって理由を話し、ついでに仲介役をしてくれたグレイフィアにもぺこぺこと頭を下げてお礼をする。

 

 

「本日はありがとうございましたグレイフィア様。

帰りは自分で帰るので、今日あったお話を『一刻も早く』魔王様のお耳に入れていただけると……」

 

「……。はい、すぐにでも」

 

 

 勿論、誠八に流されそうになった事を考慮して『一刻も早く』をちょっとだけ強調させる。

 それはグレイフィアも察したようで、リアス達にチラリと目配せしながら丁寧にお辞儀をして了承する。

 これで自分が去ったあとに少しでも残ったせいで誠八に再び――という心配は無くなった。

 別に自分と同じ悪平等(ぶんしん)なんかでは無いが、それでも最強の女王と唱われた彼女が、赤龍帝と謎の洗脳じみた能力を持つだけの単なるカスにリアス達のように狂うのは見たくは無かった。

 

 一応、悪魔としては憧れの女性でもあるのだから……。

 

 

「では俺は……」

 

「私も魔王様に報告をするためにおいとまさせて頂きますわリアス様……」

 

「ええ……」

 

「……………………………………」

 

 

 その際、一瞬だけ誠八が憤怒の形相と殺気を見せたものの、最早用も見込みも無いと軽くスルーして気付かないフリをしたライザーは、ホッとした気分で妹と義理の弟のもとへとスタコラさっさと退散するのであった。

 

 

 

 

 

「てな事があってよー! まったく、恐ろしく話を聞いてくれなくて困ったもんだぜ」

 

「そうか……何かすまん」

 

「聞いてた通りですわね、兵藤誠八は」

 

「でしょ?」

 

 

 無事に婚約話を破断させる事に成功したライザーは、文字通り軽くなった気分で意気揚々と妹と義理の弟……そして部室に居た筈のリアス眷属の戦車である少女とを交えた反省会を生徒会室にて行っていた。

 種は勿論、只の微笑で最強の女性悪魔も虜にし掛けた兵藤誠八の気味の悪さすら感じる例の力だ。

 

 

「あれは一種の催眠術だと思うんだがな俺は」

 

「だとしたら凄いぞ兄貴は。それを誰にも悟られず多くの者を虜にしてきたのだろう? 何の目的かは知らないが」

 

「というよりまさかグレイフィア様までもが掛かりそうになるとは、聞くだけで信じられませんわね……」

 

「いえ、ライザーさんが止めたので未遂に終わりましたが、部室で見たあの表情は確実に掛かってました」

 

「あぁ、流石に『紛いなりにも魔王の奥さんだし』と思って咄嗟に動いたがな」

 

 

 ライザーが来た後直ぐに現れ、ナチュラルに混ざる小猫に何も突っ込まず頷くライザーに、あの場に居なかった一誠とレイヴェルは難しそうに顔を顰めている。

 

 

「グレモリー嬢や雷の巫女やあのシスターはどっぷり浸かってたご様子だったな……」

 

「でしょうね、小猫さんの話振りや学園でのやり取りを見てると相当入れ込んでるというか……聞けばシトリー様も彼の餌食に…」

 

「うっそ、レヴィアタン様の妹までか!?

おいおい大丈夫かあの兵士クン? レヴィアタン様ってやばいシスコンなんだけど……」

 

 

 レイヴェルの話に大袈裟に驚いて見せるライザー

 この学園にもう1つ存在する上級悪魔シトリーまでもが彼の理解できない謎の魅力とやらにのめり込んでるとは予想外だったらしいが、レイヴェルに補足する様に一誠が物凄く言いづらそうに口を開く。

 

 

「いや、俺も見たぞ……その……オカルト研究部に部員調査の書類を渡しに行こうとしたら――」

 

 

 そこまで言って目を泳がせる一誠にライザーは怪訝そうに眉を潜める。

 

 

「したら?」

 

「あ……うむ……」

 

「? なんだよ、まさか乱○パーチーでもしてたとか? あっははは、まっさかぁ!?」

 

「「「……」」」

 

「あはははははー……………え、マジで?」

 

 

 ほんの冗談のつもりで言ったつもりが、無言で目を泳がせるレイヴェル、一誠、そして小猫にライザーは察してしまった。

 

 

「白音――あぁ、この子の事なんだが、この子と木場という騎士の位を持つ彼が『居辛い』と言った理由が分かったよ。

アレは確かに居辛いし、俺は混じるような声を聞いて居たたまれずに書類をその場に置いて逃げてしまった……。

どうにもあの扉の向こうに行く勇気が無くてな。ふふ、注意もできぬとは生徒会長失格だ……」

 

「いや、寧ろその方が良いわ。

自分と同じ顔した奴が好きでもなんでもない女とイチャコラしてる光景を見たら俺なら泣くね」

 

 

 塞ぎ込む一誠の肩に優しく手を置きながら元気付けるライザーは、ちょっとだけ誠八を殴りたくなった。

 いや、別に複数の女とヤッてようがどうでも良いが、義理の弟にトラウマじみた物を植え付けかけたのに腹が立つのだ。

 

 

「一発殴っとけば良かったかな……。あれこそ女ったらしだろ?」

 

「すいません……うちの眷属仲間が……」

 

「いや、キミは関係ないさ。

どうもキミと木場君って金髪の少年は彼の洗脳に掛かってないみたいだし」

 

「ええ、まあ……好きな人は彼じゃないのと、恐らく木場先輩は男の人かつ誠八先輩から好かれてないのでしょう」

 

 

 一誠が用意したお茶を飲みつつ、反省会は更に続いていき、同性故に祐斗に対して先程のやり取りを思い出して更に同情をする。

 

 

「なんだ……彼も連れて来て話を聞けば良かったかも」

 

「あぁ……俺も今度木場同級生にお茶でもご馳走してみたい」

 

「多分泣くんじゃないですか? 私には大丈夫と言ってますが、かなり疲れてると思いますし……」

 

「そういえば前に彼がトボトボと寂しそうに一人で歩いてる姿を見掛けましたわね……」

 

「………。やっぱ殴っとけばよかったかも」

 

 

 今になって下手に出ていた事を後悔し始めるライザーは、複数の女性に言い寄られてる男の横で侘しく居るだろう祐斗と話がしたいとすら思い出す最中、ふと今彼女が口にした『好きな人は彼じゃないので』という言葉に引っ掛かった……いや鋭い勘が働いた。

 

 

「今思ったのだが、兵藤誠八の洗脳に引っ掛からない方法もあるんじゃねーか? ええっと、塔城さんみたいに既に想い人が居れば良いとか、兵藤誠八自身が興味のない相手とか――ふむ、とすると塔城さんの想い人って…………」

 

 

 単純過ぎて逆に今まで思い浮かばなかった洗脳の抜け穴に気付くと共に、塔城小猫が何で誠八の洗脳に引っ掛からないのかも察してしまったライザーは、チラチラとまだ塞ぎ込んでる一誠を見てる小猫を見て気付いてしまう。

 

 

「あ、そゆことね……へぇ?」

 

「……。なんですか?」

 

「いや、別に? クックックッ、おーいレイヴェル。ライバルが出現しちゃったなおい?」

 

「ぐっ、こんな泥棒猫には負けませんわ!」

 

 

 間違いなくこの白髪の猫娘は一誠にホの字だな。

 そう、妹のライバル出現にニヤニヤしながら『冥界の両親や兄貴達に言ってやろ~』と寧ろ楽しんでいた。

 

 

「よかったな一誠。うちの可愛い妹と同じくらい可愛い子じゃないか?」

 

「お兄様!?」

 

「怒るなってレイヴェル。寧ろ張り合いのある相手がいると女に磨きが掛かるから良いじゃないか」

 

「ぐぬぬ……! そんな軽く言わないでください!」

 

 

 他人事だと思って楽しむ兄に憤慨するレイヴェル。

 確かに上級悪魔すら虜にする誠八の謎洗脳能力に一切効かない素振りを見せたのは大したものだが、だからと云って一誠を渡す気は毛頭レイヴェルには無かった。

 

 

「なぁ、塔城さん、こんな義弟と妹だが仲良くしてやってくれたらと思うんだが」

 

「……。言われなくてもそのつもりです。あと一誠先輩を渡すつもりもありませんので」

 

「ククッ、そうかい? だがレイヴェルも一筋縄ではいかないぜ?」

 

「わかってます」

 

 

 話を聞いてくれないと思っていたグレモリー眷属の中にもまともなのが居てくれたと、ちょっぴり安心したライザーはまだ塞ぎ込んでる一誠と、それを挟んで火花を散らず妹とその友達である小猫を楽しそうに――それでいて眩しそうに眺めながらちょっと冷めてしまったお茶を飲む。

 

 

(似てるなこの二人……。

一誠に惹かれてる所もそうだが……ふふ、そんな二人と一誠の為にも俺は頑張れる気がしてならねぇぜ)

 

 

 ライザー・フェニックス……元・ソロモン72柱であるフェニックス家三男坊。

 見た目と行動で誤解されがちな所があり、割りと実力も嘗められている。

 しかしその実態は――

 

 

「よーし一誠! 久々に会えたし、どれだけ成長したか俺に見せてくれよ?」

 

「む!? い、良いのか? ふ、ふふふ……勿論やるぞ!」

 

 

 人外に悪平等(ぶんしん)と認められた王だった。

 

 

 

 ライザー・フェニックス

 所属:元・ソロモン72柱フェニックス家

 種族:悪魔

 

 

 

 備考:天地に属する虹の炎を操りし人外……超越者。




補足

ライザーさんも強いです。
普通に強いです……けど何か苦労してます。

ちなみに、彼の眷属は今回来てません。
誠八の事があったので……まあ、ライザーさんの杞憂ですが。

ちなみに、誠八が話の腰を折りまくったのは……まあ……本来の道筋かと思ってたら、余りにも原作から剥離しまくりな婚約話の原因と、ライザーさんが物凄い見た目を抜かせば普通の青年だったから……です。

まあ、ライザーさんは悪平等故に彼等を平等に見下してますが。

その2

故に戦闘校舎のフェニックス……はこれで終わりです。
まあ、それを良しとしない悪平等シンパがチラホラ居ますが……些細な話です(笑)

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