生徒会長イッセーと鳥さんと猫   作:超人類DX

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完全決着前のほのぼの……その1
※間違った箇所を入れ換えました。



色々な愛情・セカンドシーズン

 気分が良いね。

 このまま冥界内をスキップしながらお散歩出来ちゃうくらいに気分が良い。

 

 何でかって? そんなものは決まり切っている事じゃあないか。

 

 

『見返りとしてセーラ服すがたのなじみと、巫女服姿のなじみの生写真でも……』

 

 

 余計な事ばかりする周りのせいで、安心院さんとの繋がりが強い一誠君に悪魔に対して不信感を抱かせてしまう馬鹿ばっかりでイライラしてたけど、まさかのこの一言に僕は確変を感じるには居られないよ。

 

 だって生写真だよ? それも会いたくても会えない安心院さんのだよ? そんなもん、わざわざぶち落とした馬鹿共を引き上げて一誠君達に完全なる決着をつけさせる労力なんて惜しむ訳がないじゃないか。

 

 

「セーラ服に巫女服かぁ……くふふふふふふ!」

 

 

 出来れば直接会って色々として貰いたいというのが本音だけどがっつくばかりも良くないと最近勉強したし、何より写真だけでも今の僕にしてみればこの世に存在する価値のある全ての物がゴミに思えるほどの代物さ。

 

 もう想像するだけで堪らなくなっちゃうぜ!

 

 

「……………」

 

「くふ、ぐふふふ……早く三日後にならないかなー?」

 

 

 が、僕には写真も楽しみだけど、その前に何とかしなければならない邪魔者が一人いる。

 それはそう……最近になって何を一人で勘違いしてるのか、僕に対して違う意味で鬱陶しくしてくる女――グレイフィアの事だ。

 

 

「…………。随分と楽しそうですね」

 

「あ? 何だ居たのか……。

そりゃ楽しみさ……何てったってあの安心院さんの生写真をこの手に出来るんだもの」

 

 

 本当にここ最近になってこの女は意味が解らないというか、考えが全く読めなくなった。

 何を思ったか劇薬レベルの薬を盛って僕を辱しめたばかりか、平然と公然の場でセクハラまでしてくる。

 何処と無く匙元士郎君に対してセラフォルーがしているらしいソレに似てなくもない。

 

 数年前までは僕に殺意を見せてた癖に……まったく以て解らなくなった。

 

 

「また安心院さんですか」

 

「何その顔、文句でもあるわけ?

まさかと思うけど、キミがあの人に張り合うなんて、無駄で無謀で無意味な考えをしてるじゃないだろうね?

だとしたらハッキリ言ってやる……キミじゃあ生涯を懸けてもあの人には勝てないよ」

 

「………」

 

 

 まあ、考えてみたらこの女の弟が気色悪いレベルの執着をこの女に向けてたし、血は争えないと考えれば納得の出来る話ではあるんだよね。

 随分昔にこの女の弟に因縁掛けられた事もあったし、その時はイライラしてたからついぶちのめしちゃったけど、今にして思えばさっさと返してやれば良かったと後悔すら覚えるよ。

 

 

「そうですか、余程アナタの中に存在する安心院なじみなる女は良い方なのですね」

 

 

 最近は更に何を考えてるのか解らない無表情で問い掛けてくるグレイフィアに僕は堂々と頷いてやる。

 

 

「当然さ。キミでは足元にすら到達できない最高の―」

 

 

 キミでは到達できない。キミではどう足掻いても無理、無駄、無意味、無謀――と言い切ってやろうと、許可してないのに僕の自室の扉の前で直立不動の嫌いな女に嘲笑う表情を浮かべてやろうとしたその時だった。

 

 

「う……!?」

 

「……」

 

 

 突然目の前がぐにゃりと……まるで空間が歪む。

 グレイフィアの姿も捻れてる様に見える……いや、それ以上に身体に力が入らない……!?

 

 

「な、何だと……これ、は……!」

 

 

 それに続いて激しい動悸と全身が燃える様に熱くなり、堪らず僕は立ち上がろうとしたけど、全身に力が入らない処か座っていた椅子から転げ落ちる様に床へと倒れてしまう。

 

 

「な、なんで……ば、ばかな……!?」

 

「…………………」

 

 

 訳が解らないまま、自分の体調の急激な変調に僕はグルグルとする視界と思考のまま、突っ立ってる女の顔に視線だけを移してみると……。

 

 

「……………………………………………………………ふふ」

 

「!?」

 

 

 女は…………僕を見下ろしながら無表情だった表情が嘘の様に笑っていた。

 つまり……またやりやがったのだこの女は……!

 

 

「言われた通りにしたらちゃんとできた……ふ、ふふふ」

 

「なんだと……!?」

 

 

 まるで押し込んでいた歓喜を一気に解放するかの様な寒気のする笑みを浮かべたグレイフィアの言ってる意味は……僕にはわからなかった。

 

 

 

 

 安心院なじみ。

 サーゼクスが何時までも執着する女性の全貌は私にはイマイチ分からない。

 だが自分の気持ちを完全に自覚して受け入れた今、その女に執着するサーゼクスはとてもとても見たくない。

 

 

「熱い? それとも苦しい?」

 

「さ、触るなぁ……!」

 

 

 ならどうするか? 簡単だ……嫌がらせだと言われようが、私は溜まりに溜まったこの想いをぶつけ続けるだけ。

 それが喩え間違いだとしても、劇薬を盛ろうとも……。

 

 

「夢の中に出てきた、顔に包帯を巻いた少女に言われた通りというか、アナタ相手でも効果抜群な調合を教えて貰ったお陰で動けない……ふふふ」

 

「に、にゃにを……」

 

 

 どうすればサーゼクスを縛れるのかと悩む私が見た夢に出てきた包帯を顔面に巻いた少女に言われた通りに薬を作って盛った。

 その結果は予想を超え、今私の足元に苦しそうな息をしながらサーゼクスは倒れ、呂律も回らない舌で何かを言いながら私を睨んでいる。

 昔の私なら蔑んでたかもしれない……けど今は違う。

 

 

「っあ!?」

 

「あぁ……苦しいわよね? 辛いわよね? 私のせいで堪らなくなってるわよね? あは、あははは♪ 大丈夫よサーゼクス、その辛さは直ぐに無くしてあげる」

 

 

 どうしようもない男だけど……堪らなく愛しい。

 身勝手で、容赦無くて、安心院なじみに通じる存在以外はどうでも良いとすら思ってる非情男にかつては大嫌いだと思っていた私だけど、無理矢理作らせた自分の子に向ける優しさを見てしまったせいで……私はこの男を憎めなくなった。

 だから私は憎むではなく、嘘で塗り固めた関係じゃない本物で逃れられない関係になりたい。

 

 

「あ……な、なにを盛った! この前より……くぁ……!?」

 

「あぁ……サーゼクス、どうするの? 収まったら私を殺すの? それでも良いわ……それでも構わないわ。

アナタに無惨に殺される事すら……今の私には幸福よ」

 

 

 その為に夢で見たモノすら使う。

 ひぃひぃと熱くなってる身体に触れた途端、ビクビクッと痙攣しながら逃げようと床を這いずるサーゼクスの姿を目にすれば、私の身体は熱を帯び……下腹部が切なく疼いてしまう。

 

 

「あぁ……サーゼクス……サーゼクス……! こうなる前に私を殺さなかったアナタのせいよ。

嫌いだったのに、今は何をしてもアナタが欲しい……!」

 

「ひぇ……が!」

 

 

 本能に従うようにサーゼクスの身体の上に乗った私は、それでも拒絶したいと願う目を向けられる事すら……歓喜を覚えてしまい、満足に動けなくした最大の理由を執行しようと、私は身に付けていた衣服のボタンを外し肌を露出させる。

 

 

「な、何度もこのぼく、がぁ……!」

 

 

 あぁ……その目。

 どう足掻いても私を受け入れないというその目。

 辛いわ、寂しいわ、苦しいわ……でも。

 

 

「アナタを想うのは本当よ。

今更だけど……ね、感じるでしょう? 初恋をした少女みたいに高鳴る私の胸の鼓動を」

 

 

 私はそれでも止まらない。

 サーゼクスの手を取り、自分の胸に押し付けながら心音を感じさせた私は――

 

 

「レーティングゲームが出来るくらい……アナタとの子供が欲しいわサーゼクス……」

 

 

 夢の中で出会った奇妙な少女の――『おう、オレもチャランポランな男にアンタと似た様な事を思ってるからよくわかるぜ。だから敢えて助言してやるとするなら……最初から嫌われてるなら嫌われてるなりにヤッちまえ』――という言葉に従い、ひぃひぃと可愛くすら思える悲鳴を小さくあげるサーゼクスを…………食べることにした。

 

 

 

 フェニックス家に身を寄せる様になってからの私は、これまで以上に充実した日々を過ごしている気がする。

 それは多分、私を命掛けで助けてくれた元士郎の近くで過ごしているからだと私は思う。

 

 

「えーっと、取り敢えず三番が六番に膝枕」

 

「また微妙に恥ずかしい所を突いてくるなライザーめ。

まぁ良いか、三番と六番は誰だ?」

 

「あ、私が三番です」

 

「ろ、六番は俺……」

 

「ほう、元士郎とカテレア・レヴィアタンか」

 

 

 シュラウド卿が突然『王様ゲームを開催する!』と割り箸片手に宣言した勢いに圧されるがまま、フェニックス夫婦の部屋に集まった私達は王様ゲームをしていた。

 そのメンバーの中には私も入っているし、今日もやっぱり来たセラフォルーも入っている。

 

 

「じゃ、じゃあ元士郎……良いですよ?」

 

「う、ういっす……」

 

『(ニタニタ)』

 

「ぐぎぎぎ……! カテレアちゃんめ……!」

 

「……。(良いなぁ……カテレア様)」

 

 

 三男のライザー殿が命じた通り、三番を引いた私が六番を引いた元士郎を膝枕させる。

 相手が相手なのと、セラフォルーとハーフ吸血鬼の子供以外の面子がにやにやしてるせいで変に緊張してしまう。多分私の顔は真っ赤になってる筈……。

 

 

「ど、どうですか元士郎……?」

 

「え、えーっとフワフワしててカテレアさんの良い匂いがする……?」

 

「え、あ、そ、そうですか……」

 

「ぐぬぬぬぬ! な、七番だったら私だったのに……!」

 

「……。(五番だったら良かったのに……)」

 

 

 私の膝に頭を仰向けに寝て乗せた元士郎の顔も赤い……。

 自覚というか、これまで出会った男達が全て駄目に思えてしまう程に元士郎という年下の男の子に心が奪われてしまった私は、どんな小さな事でも良いから元士郎の好みになりたいとすら思っていた。

 まるで初恋をした少女みたいに……。

 

 

「ふむ、取り敢えず元士郎とカテレア・レヴィアタンは暫くそのままだ」

 

「えーっ!? そんなの贔屓だよ!」

 

「………」

 

「仕方ないだろう? ゲーム執行中は最低五分は執行しなければならないんだから――っと、次は俺が王様だな。

よし……一番が八番に抱き着いたままゲームを続けろ5分間な」

 

「む、一番です」

 

「八番は私ですわね……」

 

 

 私達にそのまま暫く動くなと取り残し、残ったメンバーでゲームを再会するのをぼんやり眺める。

 

 

「チッ、鳥だからってこんな胸肉を……」

 

「殺気を込めて睨んでもアナタの胸が大きくなることはありませんよ? ふふん」

 

 

 これがもし私ではなくてセラフォルーだったらと思うとホッとしてしまう辺り、私は随分と元士郎に惹かれてしまったんだと今更ながらに思っていると、同じ体勢で辛くなったのか元士郎がもぞもぞと頭を動かす。

 

 

「んっ……!」

 

「あ、す、すいません……!」

 

 

 それが少しばかり擽ったく、ちょっと声を出してしまった私に元士郎がわたわたした顔で謝ってきたので、私は自然と彼の頭を撫でながら大丈夫だと返す。

 

 

「…………………むー」

 

 

 セラフォルーが一々こっちを気にしてるせいで若干気が散るけど……。

 

 

「元士郎。

こう、私の腰に腕を回してみますか? そうした方が楽かと……」

 

「え!? い、いやそれって抱き枕……」

 

「枕だし一緒ですよ。

わ、私としてもそっちの方が楽ですし……」

 

「は、はぁ……じゃあ」

 

 

 セラフォルーを悔しがらせられるのであれば、何でも良いので私は別に気にしなかった。

 ほら……ちょっと恥ずかしいけど元士郎に提案して乗ってくれた途端、セラフォルーがまた悔しそうにしてる。

 

 

「あ、私が王様だ!

じゃあねぇ……名前にイが付く男の子!」

 

「イだと? ええっとイは――」

 

『………』

 

「……。解りやすい視線を全員でありがとう。確かに俺だよな……はい、で、何をするんだ黒歌よ?」

 

「こうする……にゃ!」

 

「わぶ!? ま、またか!」

 

「あっん……♪ イッセーの息が掛かって気持ちいいよぉ……。

五分はこのままお願いね?」

 

「ふがふが……!」

 

 

「姉様ってこういう悪知恵は人一倍ですね」

 

「ゲームだから多少は黙りますけど……何か負けた気分ですわ」

 

 

 そんなに無言で睨もうが手を緩めるつもりは無いわよセラフォルー

 私だってこの男の子に惹かれてるのだ……今更アナタに気を遣うなんて無い。

 

 

 

 

 や、やべぇ。

 この体勢って前に一誠がレイヴェルさんにしてたのと同じだよな? ま、まさか俺がそれを体験するなんて思っても無かったっつーか……うわぁ。

 

 

「じ、自分で提案しておいて何ですが、これはまた人前でやるには結構な心の準備が必要でしたね……」

 

「っすね……」

 

 

 一誠がああした理由が解ったわ。

 確かにこれはフワフワしてよく眠れそうというか……カテレアさんってやっぱ女性らしい体型してるから柔らけぇ……。

 

 

「お腹が柔っこくて暖かい……」

 

「あ……っ……! げ、元士郎……そんなに顔を埋めたら恥ずかしいというか……い、位置的に……」

 

「へぁ……?」

 

 

 何かもう眠い。

 カテレアさんが耳元で恥ずかしそうに何か言ってる気がするけど、フワフワし過ぎてよく聞こえねぇ……。

 

 

「う……て、提案しておきながら恥ずかしい……」

 

「………。カテレアちゃんのスケベ」

 

「なっ!? あ、アナタに言われたく無いわ!」

 

「然り気無く抱きつかせてるし、自分のお腹に顔を埋ませてるってその体勢で? 私がやりたかったのに……」

 

「わぁ……元士郎先輩が寝ちゃってます」

 

 

 あぁ……ちゃんとカテレアさんが生きてるって直に感じられて良かったぜ。

 

 

 

「あ、俺がよくレイヴェルにやってもらう奴だ。

あれってやっぱ本能でやるもんなんだな……」

 

「そ、そうなの?」

 

「俺は少なくともな……。

何なら祐斗もゼノヴィアに頼んだらどうだ? 多分やってくれると思うが……」

 

「えっ!? い、いや僕は……そ、そんな事を言える勇気なんて無いよ。

こ、断られたらと思うと怖いし……」

 

 

 そう言いながらチラリと別の場所からレイヴェル達とカテレアと元士郎の様子を眺めていたゼノヴィアを気にする祐斗に聞いていたシュラウドや三兄弟はその背中をパシパシと叩きだすが、それでも祐斗はヘタレて頼めなかった。




どっちもほのぼのでしたろ? な?

生写真前に生搾りされた魔王様。

それにしてもグレイフィア様の夢に出てきた顔面包帯少女とは何者なのか……。


その2
……。体勢としては、元士郎くんがカテレアさんの腰をガッチリホールドしたまま太ももに頭を乗せ、女性特有の柔らかなお腹に顔を埋めたままスヤスヤと……。

 ……何でこんなヒロイン化したのか今にして思えば奇跡だぜ。

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