生徒会長イッセーと鳥さんと猫   作:超人類DX

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です。

否定された時、ほぼ被害者である彼の向かう先は……。


末路

 本名も知らぬ男がその後どうなったか……。

 一誠により死を否定され、蘇らされた直後のお話をしよう。

 

 

「さて、今一度キミ達に聞こうか。

この兵藤誠八だった彼を今でも好きだと思うかい?」

 

「…………」

 

 

 死を否定された兵藤誠八だった男を悪魔達が拘束し、『夢から覚めた』表情から徐々に『絶望』の表情へと変質させるリアス達に、サーゼクス・ルシファーは魔王然とした態度で問う。

 

 

 が、しかし誰もその問いに答えられる者は居ない。

 

 

「リ、リアス……ソーナ――うぐっ!?」

 

「貴様……娘を洗脳したのか!?」

 

「なんて事をして……!!」

 

「ち、違う! 俺はそんな事をしていない! あ、アイツのでっち上げだ!」

 

 

 一誠を指差しながら喚き散らす男を、リアスの両親とソーナの両親は殺意を持って睨み付ける。

 

 

「ふっ、でっち上げか……なら今の貴様の魅力とやらでコイツ等とよりでも戻すか?」

 

「っ!?」

 

 

 だがそんな男の絶叫も、一誠の嘲笑じみた声により押し黙ってしまう。

 

 

「それは良い、何の力にも頼らずこの人数を相手に惚れさせたんだ。ふふ、是非とも見せて貰おうじゃないか……ねぇ?」

 

「ぐっ!?」

 

 

 一誠の言葉に名案だとポンと手を叩きながら、サーゼクスが笑みを浮かべて男を拘束させていた悪魔に向かって軽く顎をしゃくり、絶望に顔を死人の様に青くするリアス達の前へと無理矢理出させる。

 

 

「もし本当にキミが自力で彼女達を惚れさせ、尚且つリアス達が今でもキミの事を好いているのなら、認めてあげるよ。さ、何か彼女達に言ってごらん?」

 

 

 サーゼクスも分かってる上でニタニタしながら男を煽っており、その表情と周囲からの殺意に顔を青くしていた小肥りの男は、その言葉にすがるかの如く、必死にリアス達にあれこれと嘘で塗り固めた言葉を放つ。

 

 

「違う、俺はこの姿にさせられただけで、本当の姿は皆が知ってる兵藤誠八だ! そ、それに子供だって――」

 

「ち、近寄らないで!!」

 

「止めてください! あ、アナタのせいで私は……!!」

 

「な、何で私はあんな簡単にアナタに身体を……!」

 

「そ、そうよ……今思えば何時もアナタを前にすると頭がボーッとして……!」

 

 

 しかし誰もが嫌悪を向ける。

 補正、洗脳能力、その他全てを生前の姿と共に失っていた今となっては、お得意のニコポも撫でポも何もかもが無意味だった。

 

 ましてや化けの皮の下は兵藤誠八とは似ても似つかない小肥りで卑屈そうな男だ……。

 その精神がまともならイザ知らず、見た目通りの醜悪な姿ではどうしようもなかった。

 

 

「目が覚めた途端この様か………………醜いな」

 

『っ!?』

 

 

 そんな姿を冷めた目で見ていた一誠は、何時にも増して切り捨てるような冷徹な表情で天井を仰ぎ、ただ一言、醜いと呟く。

 

 

「そ、そうよ! わ、私達はこの男に洗脳されていた……! だ、だから私達が全部悪いわけじゃ無いわ!」

 

「あ、アナタが正しかったのは最早否定しません! そ、そうだ……! アナタには先程この男を甦らせた不思議な力がある! だ、だからその力で私達の中に寄生したこの男の種を取り除いてください!」

 

「お、お願い兵藤君! せ、生徒会長は誰からの悩みや相談を聞いて解決してくれるんでしょ!?」

 

「た、助けてよ兵藤君!」

 

 

 今までのは何だったのか。

 清々しいまでの掌返しの言葉を向けるリアス達に、一誠は天井に向けていた視線をゆっくり下ろし、何処までも冷徹な表情で見下す。

 

 

「テメー等ァ……ふざけた事抜かしてんじゃ――」

 

 

 いくら洗脳されてたいたからといっても、余りにも身勝手な懇願に元士郎が激怒の表情を浮かべながら、腰に差していた暗黒騎士として目覚めた際に手に入れた細身の両刃剣の鞘を抜こうと柄に手を掛けようとする。

 

 

「匙君! わ、私達は被害者だから……ね!? ま、前みたいにまた仲良くしよう?」

 

「そ、そう……! な、何だったらソーナ先輩との仲も応援するし!」

 

「お願いよ……匙君からも兵藤君に何とか言って?」

 

「お願いします…!」

 

「匙……」

 

 

 そんな怒りを知ってか知らずか……散々蚊帳の外に放置していた元士郎にまで媚始める元同僚達に、元士郎はブチンと何かが自分の中で切れる。

 

 

「ガタガタ抜かしてんじゃ……ねぇぇぇぇ!!!!!!」

 

『ひっ!?』

 

 

 線が切れた元士郎が怒号と共にその身に禍々しい黒狼の鎧を召喚し、身に纏う。

 それはかつてソーナの兵士として在籍していた時には見なかった力であり、その覇気はあまりにも強大だった。

 

 

『仲がなんだって? くくくく……洗脳された事を理由に責任逃れしようとするボケの何を許せと? 笑わせるな、元々テメー等はあの時点で見限ってんだよバカが!!』

 

 

 鎧の節々から迸る赤紫色の炎と共に、元士郎はハッキリと元同僚達を見限っている事を宣言する。

 

 

『…………』

 

 

 その言葉に元同僚達であるソーナは絶望の表情を浮かべながら糸の切れた人形の様に動かなくなる。

 

 

「ふん、くだらねぇ……。そもそもこっちからお断りだよ」

 

 

 そんな連中を見て元士郎も途中で怒りよりも呆れが勝ったのか、鎧を解除すると吐き捨てる様に決別の宣言をすると、それまで黙っていた一誠が静かに口を開いた。

 

 

「確かに俺のマイナスである幻実逃否(リアリティーエスケープ)なら、貴様達がご懐妊したという現実を否定し、綺麗な身のままという幻想に逃避させる事で何とか出来なくもない」

 

「!? だ、だったら!」

 

 

 希望とも言える一誠の説明に、またしてもリアス達を含めた全員が一誠にすがるような視線を送る。

 その余りにも助かりたいという念に、もはや誠八だった男は絶望し、周囲の者達もまた呆れてしまっていたのだが……。

 

 

「あ、あの……こんな事を言うのも烏滸がましいのかもしれないが、その力でリアスをどうにかできないか?」

 

「も、勿論二度とリアスには自由を与えません……」

 

「わ、私からも娘のソーナを……」

 

「お願いできませんか?」

 

 

 やはり娘の腹に宿った醜い男との子だけは何とかしたいという親心なのか、リアスとソーナの両親も一誠に頭を下げ始める。

 

 

「父上、それに母上……それは言った通り余りにも烏滸がましいですよ」

 

「お父様とお母様もだよ。確かに騙されていたのかもしれないけど、だからといって彼にすがるのはお門違いにも程がある」

 

「だ、だがこの男は彼の兄を語って騙していたんだ! だ、だったら――」

 

 

 長男と長女の二人に冷めた目で諭される両家両親は、一誠が無関係でない事をいきなり主張しようとする。

 しかし……。

 

 

「グレモリー殿、それからシトリー殿。

こんな事はあまり言いたくないのだが、私達の息子をそこの彼といっしょくたにされるのは甚だ心外ですよ?」

 

「一誠は我がフェニックス家の四男。

血は繋がらずとも10年以上共に在った紛れもなき我が家族。

その家族を、周囲に己を偽って生きていた、誰とも知らない人間と血縁があるだなんて………………冗談でも笑えねぇぞゴラ?」

 

『っ!?!?』

 

 

 その言葉にシュラウドとエシルの二人が殺気を帯びながら否定する。

 特にエシルに至っては若き頃の『イケイケ』だった口調になっており、両家の両親はその威圧に冷や汗が止まらずに口を閉じてしまう。

 

 

「双子とありながら全く容姿も似ておらず、更に周囲を騙していた男の関係者とは確かに言えぬな」

 

「それに洗脳などされてる時点でグレモリー家もシトリー家も底が知れるというか……」

 

「少し失望を覚えましたな。セラフォルー様とサーゼクス様が奇跡だったとも思えてしまうほどに」

 

「「「「ぐっ……」」」」

 

 

 周囲の権力者……それもサイラオーグ達ですらそれは罷り通らないだろうという意見に、どちらもそれ以上何も言えずにうつむいてしまう。

 

 が、それに追い討ちを掛ける様にして口を開いた一誠のこの一言が。

 

 

「あぁ、この際だから言っておこうか。

俺の幻実逃否はもう後二回程しか使えんぞ? 二回使いきったら後は自然に俺の中から消滅するだろうな」

 

『!!?』

 

 

 起こった現実からはそう簡単に逃げられないという絶望へと変わっていく。

 

 

「一誠様、それは一体どういう……」

 

 

 レイヴェルですら初耳だったのか、思わずといった様子でフッと笑みを見せる一誠の傍に白音と黒歌と共に寄ると、一誠は愛しそうにレイヴェルの頬を撫でながら静かに語り始めた。

 

「元々、幻実逃否は奴に全てを奪われた時に抱いた精神によって生まれたスキルだ。

だから、その清算を果たした今……その精神は『満足』する形で俺の中から消える……という事だよ」

 

「ぁ……」

 

「「むー……」」

 

 

 頬を撫でられ、紅潮しながら嬉しそうに目を潤ませるレイヴェルに……いや全員に説明する一誠。

 

 つまり、兵藤誠八だった男に全ての清算を果たした今、その役目を終えると同時に幻実逃否は一誠の中から完全に消滅するのだ。

 

 そして――

 

 

「無神臓だけは永劫俺の中に残る。

レイヴェルが生きる理由を与えてくれた時に宿ったこの精神だけは、お前が共に居てくれる限り永遠に消えない」

 

 

 マイナスで抑制されていた無限の進化は……今までの比ではないレベルで一誠を押し上げるのだ。

 

 

「故に残念ながら、残りカウント二回となったこのスキルを貴様達に使う事はしない。

そもそも俺は貴様達のヤってる事は否定しなかっただろう? 今更どれを否定しろというのだ?」

 

『う……』

 

 

 だからこそ一誠はリアス達の望みは叶えられそうに無いと、ご丁寧に頭まで下げ、更なる絶望へと無意識に叩き落とすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局その後は失意のまま退場する両家が、そのまま全員を引き取らなければならないというオチを迎えられていた。

 その際、誠八だった男はせっかく五体満足だったのを怒った両家の当主により手足を達磨の如く吹き飛ばされ、地下牢で全てを抑圧された余生を過ごすことになるという結果に終わり、ご懐妊となったリアス達は……。

 

 

「どうであれ悪魔の数も少ないしね、悪いけど下ろす事は許さないよ。これは魔王命令だ」

 

「悪いけど、私も下させて貰うよ。

洗脳されてたはもう理由にならないから……」

 

 

 子育てを命じられ、嫌でも産みだなさいといけないという絶望に絶叫しながら退場をするのだったとか。

 

 

 そして……。

 

 

「ハァ……終わったな。

まあ、単なる蛇足だった様な気もするが……んー」

 

「ぁん♪ そんな所をくんくんしないでくださいな一誠様……♪」

 

 

 一誠達はフェニックス家に戻り、ただただのんびりとした時間へと戻っていた。

 いや……正直に言おう。

 

 

「あーもう、レイヴェル好き……!」

 

「やん♪ 帰って来てからの一誠様が甘えん坊さんになっちゃいましたわ……!」

 

 

 マイナスの精神をほぼ失ったせいなのか、それとも連中に対しての清算で何かを思ったのか……。

 

 

「むー……先輩、レイヴェルさんばかり……」

 

「くぅ……やっぱり無理矢理押し倒すしか無いにゃん?」

 

 

 ガラリと変わった様にレイヴェルに対して甘えまくっていた。

 それはもう、元士郎達が恥ずかしくなるくらいに……。

 

 

「元士郎、折角なんでその……私がしてあげましょうか? ………膝枕」

 

「え? えっと、い、良いんですか?」

 

「え、えぇ……返しきれない恩がアナタにはありますし、それにその……私なんかで良ければ――」

 

「いや! わ、私がやるよ!☆」

 

「!? あ、アンタ何時から居たんだよ!?」

 

「ぼ、僕じゃ太刀打ちできないですぅ……」

 

 

 とはいえ、元士郎も元士郎でダブル・レヴィアタンや後輩ハーフ吸血鬼に引っ張りだこになってたりするし……。

 

 

「やっと終わった気がする。

後はもっと強くなって皆の足を引っ張らない様にしないと……」

 

「うむ、私もそのつもりだが……その、なんだ……折角だしアイツ等に便乗しても良いんだぞ?」

 

「へ? 何がだい?」

 

「その……どう見ても抱きついてる様にしか見えない膝枕……」

 

 

 騎士コンビもまたそうだったり……。

 

 

「よし、こうなったらレイヴェルを……そりゃ!」

 

「ふぁ!? な、なにを……ひゃん!?」

 

「チッ、やっぱり姉さまとまでは行かないけど大きいですね……」

 

「お、おい……レイヴェルになにを……」

 

「ふふーん♪ 今からレイヴェルを白音と一緒に………って感じだけど、イッセーは見てるだけ? それとも……する?」

 

「ぁ……や、やめ……い、いっせーさま……た、たすけてぇ……」

 

「う……」

 

 

 取り敢えず一誠は、そろそろ此方の『決着』を付けないといけないと考えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………。本来の宿主へ戻った、のか……俺は?』

 

 

 その中に入り込む赤い龍という騒動の前に。

 

 

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 自分を好いてくれる白音と黒歌。

 しかし一誠はどうしても誠八達を見てしまっているせいで、三人同時なんて考えは持ちたくなかった。

 

 だから一誠は……。

 

 

「……。白音、黒歌……俺はその……昔からレイヴェルを――」

 

「「………」」

 

「一誠様……」

 

 

 二人に向かって自分は止めておけと言った。

 が、考えて欲しい。そんなことを言ったからといって、果たして何年もストーカーじみた執着を抱いていた猫姉妹が果たして諦めるのか? 答えは……。

 

 

「嫌だ」

 

「絶対に嫌です……」

 

「ま、こうなりますわね……このお二人の執着は本物ですし」

 

 

ノーである。

 レイヴェルですら半ば認めるレベルの好意は次第に一誠を追い詰め……。

 

 

「……。何で俺は椅子に縛られてるのだろう? そして何でお前達はその……は、裸なのだろう?」

 

「決まってますわ一誠様。このまま平行線を辿れば一誠様はきっと誰とも繋がろうとはしない……」

 

「ですので、今から先輩をその気にさせる為に……」

 

「一誠には何にもせず、私達三人でエッチな事をしようと思うにゃん。

だから一誠――」

 

「「「我慢出来なかったら何時でもどうぞ♪」」」

 

 

 目の前で女の子同士の――――これ以上はアウト。

 

 

 

NEXT 鳥猫との決着。

 




補足

という理由で一誠の中のマイナスはこれにて消滅となり、残った異常性は失ったマイナスに呼応するかの如く進化のスピードを上げます。


つまり、失ったお陰で一誠の進化は飛躍的なものに……。


その2
暫く放置してたせいか、とっとと鳥猫さんイチャイチャがやりたくてしゃーない。
あとカテレアさんと元士郎くんとか………壊れたグレイフィアさんが安心院バカ化してるサーゼクスさんを襲いまくる話とか……。


え、木場きゅんとゼノヴィアさん。
うん、二人は中学生みたいな初関係となるですよ?


その3
となると、特に一誠とレイヴェルたんと白音たんと黒歌さん場合は百パーセントr-18化しちゃうんで………やべぇ、どうしよ。
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