なぜ○○なのか?シリーズ   作:冴え渡る

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「なんでテレビはつまらないの?」

女宅

テレビ前

 

テレビ『なんでやねん!』『いやいやいや』

 

女「…………最近のテレビって、なんかあれだな」

 

女(どこのチャンネルもパッとしないっていうか………ワンパターンっていうか)

 

女父「おーい、見るのが無いならリモコンくれー」

 

女「………うん、はい」

 

女父「おう、さんきゅーな」

 

女「何見るつもりなの?また野球?」

 

女父「ああ。最近のテレビは下品で見るに堪えんからな」

 

女「……下品?」

 

女父「見ていて気分が良くないものが多いんだよ。誰かを糾弾したり、騙したりとか。お笑いもめっきり減ったし………ケーブルで高校野球でも見てたほうが楽しいからな」

 

女(確かに………生真面目な人とかは下品なネタは無理かもね)

 

 

 

教室

 

女「という事があったんだけど」

 

ピザ「確かに今、社会全体でのテレビ離れが目立つでござるな」

 

友人「でもよぉ……実際つまんねーじゃん?びっくり映像みたいなのも同じようなのしかないし、リアクションも同じ感じのしかないし」

 

男「俺は好きだがな。テレビ」

 

友人「おっ?珍しいじゃねぇか。男はてっきり動画サイトへ行ってると思ったぜ」

 

ピザ「拙者は日本で二番目に人気なサイトを巡回したりVIPで荒らしたりしてるので、テレビは全然使わなくなったでござる」

 

男「俺はヒッパレとか好きだからな」

 

女「ヒッパレ?」

 

ピザ「夜のヒットパレードという昭和の歌番組でござるよ。………今のmusicstation、『Mステ』と同じでござるな」

 

女「昭和の歌番組見てるんだ………」

 

男「そもそも昭和の番組のほうが面白いからな」

 

友人「例えば?」

 

男「さっきも言った、『夜のヒットパレード』『8時だよ!全員集合!』『電波少年』『風雲たけし城』『笑っていいとも』『タモリ倶楽部』変化球で『徹子の部屋』」

 

女「二つしか知らないんだけど………」

 

友人「その二つぐらいしか平成まで続いてないという………」

 

ピザ「男殿は今のテレビ番組は見ないのでござるか?」

 

男「『Rの法則』とか」

 

友人「ボカロスペだけだろ?」

 

男「おう」

 

友人「やっぱな。………俺は『びっくり仰天』とかかな」

 

ピザ「拙者は『ZIP』だけでござる」

 

女「あたしは………アニメぐらいしか見ないな」

 

友人「今のアニメは見てないなー……」

 

ピザ「サイトで事足りてしまうでござるからな………」

 

女「……なんでつまんないんだろ?」

 

友人「んなもんあれだろ?面白い番組が減ったからだろ?」

 

ピザ「確かに。長寿番組は大分減ったでござるな」

 

友人「つまんねー番組しか残ってねーんだから見ねーよ、フツー」

 

女「…………めぼしいドラマとかもあんまないし」

 

友人「ドラマ、は番組関係無いよな……なんでだろ?」

 

 

 

男「つまらないのは当然だ」

 

 

 

ピザ「?男殿、どういう事でござるか?」

 

友人「当然って……」

 

女「なんで今のテレビがつまらないの?」

 

男「お前ら、どんな番組が好きだった?」

 

ピザ「拙者は昔のアニメと、『本怖』が好きでテレビに噛り付いてたでござるな」

 

友人「『馬鹿殿』一択だろ!」

 

女「『エンタ』と『レッドカーペット』、かな」

 

男「どこに惹かれた?」

 

ピザ「どういう事でござるか?」

 

 

 

男「…………昔のアニメのどこがいい?」

 

 

 

ピザ「それは………やはり目新しさでござる。今のアニメの原作が悪いとは言わないでござるが………日常ものとバトル物は最終回が似たり寄ったりで………途中で終わってしまうのでオチが納得いかないのもあるでござる」

 

男「他には?」

 

ピザ「かっこよさでござるな。ハンターハンターやドラゴンボールの主人公が強くなっていく様………男として生まれたからには惹かれないわけには行かないでござる!」

 

友人「シリアスもいーよなー………『エヴァ』のシンジ君はとても中二らしい精神の描写だったし」

 

女「『ポケモン』も良かったよね。あたしヒトカゲの登場シーンで泣いたし」

 

男「『本怖』のいいところは?」

 

友人「そんなの簡単だろ?怖いから面白いじゃーねーか」

 

男「怖いだけなら他にもあるだろ?」

 

友人「わかってねーなー………『本怖』特有の怖さがあるんだよ!」

 

女「ホントそれ。あれはやばかった」

 

ピザ「……他にも、同時期なら『世にも』も怖くて面白い番組でござった」

 

男「友人、お前『馬鹿殿』のどこを見て笑える?」

 

友人「おきまりのネタと妥協しないボケだな!志村さんは本当にスゲェよ!」

 

ピザ「上島のネタももはや十八番でござるからな。視聴者側としても」

 

女「なんでもアリなところが良いよね。一切妥協しないっていうかさ」

 

 

 

男「そこだ」

 

 

ピザ「どういう事でござるか?」

 

男「昔と今のテレビの違いは二つ、そのうちの一つは『妥協しない』と言うところだ」

 

女「妥協?………今も結構下品なネタとかあるよね?」

 

男「違う。………例えばだ。昔のお笑い番組の下ネタを今の番組にブッコムとする。すると何が起きると思う?」

 

ピザ「あまりにもアレな内容ならすぐに抗議の電話が来るでござるな」

 

友人「時間帯にもよるけどな。深夜帯ならかなりアレなネタが多いぜ」

 

女「いや、普通はそんな時間にテレビなんて見ないから」

 

男「今の番組はあらゆる面で内容を規制してある。だから面白さが減る。アウトのハードルが下がり続けるんだ」

 

友人「…………それはあれか?あんまエロいのを9時前とかに流しちゃいけないって感じの………」

 

ピザ「その時間なら小さい子もまだ起きてる故、悪影響なのでござるよ」

 

男「これははっきり言って意味無いと思うがな」

 

女「なんで?」

 

男「つまらんネタばかりのテレビを子供が見るか?しかも最近の子は新しい物に目を惹かれる。そんな子達がネットスマホに手を伸ばさないでテレビに向かう訳がない」

 

友人「なるほど………だからテレビ離れか」

 

男「パソコンはブラックボックスだ。調べればすぐに過激な内容のものが出るし、調べなくても出てしまう事がある。その上、テレビのように時間帯が決まってるわけじゃない。だから何時でも、何時までもパソコンに向かえてしまうわけだ」

 

ピザ「パソコンを使う年代も広くなってるでござるからなぁ……」

 

女「でもそれってパソコンを使う人も増えてるだけでしょ?アニメとかドラマとかは普通にテレビで見ないの?」

 

男「アニメも規制が激しい。作る側、放送する側としては幅広い層に見て欲しいんだ。万人受けする内容に無理して変えて、その結果としてつまらないアニメが出来る。原作が面白いからアニメになるのにな………そこを削った代わりに、物語を作る事に関して素人なアニメ制作者と自分の世界観でアニメを作りたい監督が訳のわからない物をブッコム。結果として原作とは違う『似ているが全く違うものになってしまったアニメ』の完成だ」

 

友人「ドラマは?あれは話の本筋を変えたりしたらダメだろ?」

 

男「単純にネタ不足だな。小説が基となるドラマは、原作の小説の内容自体が面白いだけじゃダメなんだ」

 

ピザ「面白いだけじゃダメ、というと?他にも話題になるためには必要な要素があるという事でござるか?」

 

女「小説、………そもそもあんまり読まないから」

 

男「いいか?昔のドラマで流行ったもの、代表作なら『金八先生』『相棒』『trick』『花より男子』だ」

 

友人「お、あんまりドラマを見ない俺でも知ってるぜ!有名だよな!」

 

ピザ「拙者は半分くらいは原作でも読んでるでござるよ。特に『花より男子』はとても好きでござった」

 

 

 

男「ドラマが流行る条件そのニ……それは『既存のドラマとは違う』という事だ」

 

 

女「………あれ?アニメは違うから面白くないって言ってたよね?ドラマは同じだから?………ごめん、よく分かんないんだけど」

 

男「ベクトルが違う。原作と違うのが面白いと言うのではなく、他のドラマと違うのが面白いのだ」

 

友人「噛み砕いて説明頼む」

 

男「刑事ドラマ、これは起承転結が大体同じだ。事件が起きて、調べて、対決して、丸く収める。基本的な構造は変わらない。だが、同じ刑事ドラマでも『相棒』と『trick』では面白さのポイントが違う」

 

女「どこら辺が違うの?二つとも起承転結は変わらないじゃない」

 

男「『相棒』の面白さ、それは『二人のコンビ力』そして『杉下右京』の人格だ」

 

ピザ「コンビ力と人格?面白い人格の刑事なら色んなドラマにいるでござるよ?コンビ力についても、『タクシードライバーの推理日誌』『お宮さん』それこそ『trick』にもあるでござる」

 

男「いいか?型破りな刑事ってのはいてナンボだ。奇想天外な解決法もな。刑事ドラマの面白さ、それは視聴者を裏切るように演じる事だ」

 

友人「裏切る?」

 

男「事件が起きてからの展開が気になるから続きを見る。ところが先の展開が大体読み取れてしまう。となると気になるのは犯人ぐらいのものだ。それだと毎回犯人を予想するだけになってしまい、当然ながら次回を見ようとは思わなくなる。物語自体は気にならないんだからな」

 

ピザ「確かに………刑事ドラマは大体、犯人ぐらいしか予想しないで見てたでござる」

 

同じ「犯行については『へぇー、そんな感じでやったんだ』ぐらいにしか思わないよね」

 

友人「そんで犯人分かったらすぐチャンネル変える」

 

男「そう、だからこそ『相棒』は凄いんだよ。なんせ長い間視聴者を惹きつけたんだからな。二人の才能、杉下右京の意外な人脈、杉下右京だけの推理だと思ったら相棒の意外な助力、そしてあの読めない表情と行動力からなる捜査、全てにおいて『視聴者の予想を裏切り、視聴者の期待を裏切らない』という偉業をこなしている」

 

友人「trickは?」

 

男「シリアスとシュールの使い所だな。笑わせる部分と考えさせる部分がはっきりと分かれている。その上、マジなトリックで視聴者を不思議に思わせる。不思議だなぁ、ではなくそんなん無理だろ、というとこまで言わせておいて可能にさせるという流れ。人物のインパクトも他とは違い、マジシャンと教授という異色の組み合わせだ。若女将でもなく窓際でもなく、探偵でもない。そこがみそだ」

 

ピザ「そこまで分析しているのでござるか………拙者には無理な芸当でござる」

 

男「刑事ドラマでなくても大体は同じ事が言える。ネタ不足、天丼、規制、後は俳優を無理して使う事だ。良すぎず悪過ぎない、ちゃんとそのキャラにあった俳優を使えばいい」

 

友人「なるほど」

 

ピザ「確かに男殿の言う通りならテレビ離れもやむなし、と言ったところでござるな」

 

女「……………なんかスッキリした、ありがと」

 

男「おう、それと」

 

 

 

 

男「面白いというのは個人によって違う。番組によっては新しい発見もある。だから全く見ないってのはやめておけ?」

 

 

 

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