IS学園 秘密の地下相談室   作:????

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C・Dちゃんの相談

 男子禁制のIS学園、そこの地下1階にある一室に来客があった。

 

「あの……道に迷ったんですけど……」

 

 ガチャ、という音を立てて、トビラを開ける金髪の女子生徒。しかし、中を覗くと誰も居ない。

 

「あれ、誰も居ないなぁ……不用心だなぁ……」

 

 彼女は道に迷っていたので、暗闇の中で唯一光が溢れる部屋に入ったのだ。しかし、中には誰も居ない。

 一体どうしたものか、と悩むも、一応生活感はあるのでしばらくすれば誰かが帰ってくるだろう。と結論を出し、入り口に一番近い椅子に座った。

 

「ふっふふーん、っと来客がいたのかな?」

 

 しばらくすると、トビラが開き、部屋の主が帰ってきた。彼女の名前は月崎瑞希(つきざきみずき)、このカウンセラーだ。

 食事に行って戻ってきた彼女は、何故か部屋の中にいる金髪の女子生徒に驚くことなく対処する。

 

「で、迷子?」

「……はい。あの、意識して入りこんだのでは無いんですけど……気付いたらこんなところにいてしまって……誰かいないかと彷徨ってたらこの部屋に辿り着きました」

「あー、確かに迷うもんね……私も数回迷ったことがあるよ。だから部屋の明かりを点けたままで出かけたりしてるんだけれども」

 

 地下施設なんて大概は迷わせるためにあると行っても良い構造をしている。それは通い慣れている月崎が迷うレベルだ。なので、彼女は明かりが外に漏れるようにして、外出している。

 

「あー、そういえばこの部屋のトビラに書いてある文字……見た?」

「へ? 文字なんて書いてあったんですか?」

「ま、見てくる必要もないか。ここはね、相談室なんだ」

 

 わざわざ席から立たせてまで見せに行く必要も無いだろう。そう思って、教える。

 

「そう……だんしつ?」

「そう、相談室だよ」

「えっ、と。あのカウンセリングとかやってくれる?」

「そうそう、それであってる」

 

 一体彼女はどんな相談室を想像したのだろうか……装弾室とか? さすがに天下のIS学園でも銃火器は取り扱ってないでしょ。……ないよね?

 

「それじゃ、相談に入ろうか。なにか相談ない?」

「い、いきなりですね……」

「まあ、多少はね?」

「そうですか……」

「……反応がないとは、つまんないなぁ」

「えぇ……」

 

 自分のテンションで相手を引きずっていこうとする月崎に対し、金髪の彼女は困っている様子だ。しかし、月崎はそんな彼女を見てなおそのテンションで行こうとする。

 

「そーうーだーんーなーいーのー?」

「え、っとあのっ、えっと」

「なんでもいいからー」

「はぁ……それじゃ、最近起こっていることについての相談、いいですか?」

「お、やっとその気になってくれたか!」

 

 押しに押されて遂に相談を申し込んでしまう。月崎はそんな彼女を見てニコニコしている。

 

「最近、妙なことが起こるんですよね……」

「妙なこと?」

「言いにくいんですけど……パンツが数枚無くなっているんですよ……」

 

 ……ノリで聞き出してみたはいいけれども、なんか重い内容だった。

 

「…………」

「一回だけだったんで買い直しただけで済んだんですけど……」

「……えっと、もしかしてストーカーとか?」

「もしかしたら。でも……思い当たる節が無いんですよね……」

「あ、そもそもIS学園にストーカーが入れるわけないか」

「だったら誰が盗むんでしょうか……?」

 

もしかして、女子がストーカー? いや、でも……中性的な顔だし、もしかしたら……。

 

「とりあえず、罠でも張って様子見してみよう!」

「でも、それ以降は無いので、もしかすると今後も無いのかも……」

「犯人は現場に戻ってくるものだよ。だから、ね? やってみよう」

「はい……。それで、罠って何を仕掛けるんですか?」

 

 ……それは考えてなかったな、何がいいだろうか。……パンツを囮にするか?

 

「あのさ、余ってる下着とか無い?」

「へ? あるにはありますけど……!? もしかして囮に、とか考えてませんよね?」

「そうだけど、だめかな?」

「それで犯人が釣れるって言うならやりますけど……」

「釣れなくても何も悪いことは無いさ。やってみて、できれば可愛い下着とかがいいかもしれない」

「かわいい下着……わ、わかりました」

 

 彼女は、少し顔を赤くしてうつむいた。

 ふむふむ、これは裏で可愛い服とかを集めているタイプの人間だな? なにこれ可愛い。

 

「そ、それでは、やることはわかったので、出ていきますね!!」

「あ、待っt」

 

 私が言い切る前に部屋から出て行ってしまった。……むぅ、無事出口にたどり着けるといいけど……。

 

「あの、迷いそうなんで案内してくれませんか?」

「え、戻ってくるの? 私このままお役御免な感じじゃなかったの?」

 

 数秒後に、部屋のトビラが開いて、彼女がそう言ってきた。仕方ない、案内してあげよう。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「かわいい下着とか……ラウラに着せるために隠して買ってきたファンシーな奴しか無いよぉ。どうしよう……」

 

 そこは林の中、金髪の女の子ことシャルロット・デュノアは全身に影を落としながら出口へと向かって歩いている。頭の中には先程の相談で言われたこと。

 

 ----可愛い下着を囮にすればいいんだよ。

 

 この一言が彼女をここまで苦しめていた。そもそもに、彼女の下着は部屋で干している時に盗まれたのだ。そして、そのことは織斑先生に伝えてある。セキュリティ面では更に強化された。

 なので、再び犯人に盗まれることはないのだ。

 

「このことも伝えておけばよかったかなぁ……いや、でも教職員だし知ってるはずだよね」

 

 実際のところ、月崎は職員会議などには出席しなくても良いため、何も知らないのだが、シャルロットは知っているものとばかりに思い込む。

 

「ってことは、それでも囮が有効ってことなのか……よしっ、やってみよう!」

 

 2回目だが、月崎は何も知らない。なので、これはシャルロットの暴走なのだ。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「よしっ、設置完了!」

 

 放課後、授業が終わってすぐに教室から駈け出して来たシャルロットは、自分の部屋に戻って、ラウラ用に買って来ていたファンシーな下着を干した。

 その後、下着の様子が確認できる場所、クローゼットの中に入り込んで監視を始める。

 

「む、ちょっと暗いな……」

 

 クローゼットの中は当然暗く、室内から溢れる光で少し見えるくらいだ。しかし、文句も言ってられないので、我慢して監視を継続する。

 

 すると、動きがあった。箒が部屋に入ってきたのだ。

 

「む、一夏はここに来てないか……」

 

 特に何もするわけでもなくそう呟くと、すぐに出て行った。

 ……何をしに来たんだろう。

 

「ふぅ、息苦しいな」

 

 暗く、少し息苦しいクローゼットの中は入っているとストレスが溜まってくる。なので、早めに犯人が見つかると良いのだが……。

 

「仕方ない、もうちょっと犯人が来やすくするか……」

 

 そう言って休憩兼仕掛けの為にクローゼットから出る。どうやって犯人が来やすくするのかと言うと、

 

「トビラを……このくらい開ければ来るでしょ」

 

 トビラを微妙な角度で開けておいて、セキュリティ面の問題を解決してあげる。因みになぜ箒が入ってこれたのかというと、ただ合鍵を渡しているだけだ。信用もできるし、何より偶に開催するお菓子パーティの時などに役立つためだ。

 

「よしっ……。でも、クローゼットは息苦しかったし、次はベッドの下に隠れよう」

 

 日頃から掃除はしているが、それでも積もるものは積もる。埃が服につかないように、バスタオルを下に敷いて、ベッドの下にうつ伏せに隠れる。

 

「あ、胸がつらい」

 

 うつ伏せということは、床と身体で胸が押し潰されるということだ。どうやら比較的大きい胸を持っている彼女ではうつ伏せは困難な様だ。

 つらいので、ベッド下から出ようと試みるタイミングで、入室者が。

 

「シャル、アンタ……私に見せつけているのよね……? いえ、そう認識するわ」

 

 凰・鈴音、彼女の視線の先には未だに潰されているシャルロットの胸があり、その眼つきは人を殺せそうなものになっていた。

 

「り、鈴!? これは、ちがっ」

「問答無用」

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「はっ!?」

 

 気がついたのは、窓からオレンジ色の光が部屋に入ってくる時刻。なぜかシャルロットは仰向けで床に寝ていた。

 

「いててっ、なんで胸が痛いんだろう」

 

 胸は赤くなり、筋肉痛の様な痛みがある。

 

「たしか……あ、そっか。鈴に胸を揉まれ続けたのか……」

 

 あの後、シャルロットに襲いかかってみた鈴は、胸を千切る勢いで揉んできた。当然シャルロットは逃げようとするのだが、下半身はベッドの下に入り込み、抵抗はできない。

 しばらくもみ続けると、鈴はいいことを思いついた、とばかりににやりと笑い、その手をシャルロットの脇の方へ。そこからの記憶が途切れている。

 

「あの後、何があったんだろう……」

「ああ、シャルロットよ、起きたか」

 

 シャワー室のトビラが開き、その中から出てきたラウラが聞いてくる。

 

「ああ、大丈夫だよ。いつ帰ってきたの?」

「つい先程な。で、シャルロットは何をしてたんだ?」

「いやぁ、あはは……」

 

 言えるはずもない。下着泥棒を探すために隠れようとしたら、友人から胸を揉まれたなんて。

 

「ああ、そうだ。これ、渡しておくぞ」

「へ? これは……!?」

 

 ラウラから渡されたもの……それは盗まれたと思っていた下着だった。

 

「これはどうしたの? ラウラ?」

「いや、この間干してあったものを汚してしまってな……流石に言えなかったから、こっそりと洗ってたんだ」

「それをなんでいきなり言ったのさ」

「教官……織斑先生から心当たりがないか、と聞かれた時は死にそうだった」

「あ、そういうことね」

 

 どうやら織斑先生から脅されたようだ……なんでわかったんだろう。

 

「たしかに渡したぞ?」

「うん、そうだね。確かに受け取ったよ」

 

 そして、その下着をタンスに仕舞い、シャルロットはあることを思い出した。

 

「あ、そこに干してある下着はラウラの為に買って来たものだから」

「……!? こんな恥ずかしい下着を履けるか!!」

「えー、結構考えて買って来たのに……」

「……しょうがないな、今回だけだぞ!」

 




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