死を経験した俺の生きる時間   作:天空を見上げる猫

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「さて、今回はある二人が登場します。」

「ある二人?」

「まぁ、見れば分かりますよ。取り合えず今回の前書きは此処まで。」

「「それではどうぞ!」」


二十一話

「と言うわけでお引っ越しです。」

 

 

「分かりました。」

 

 

デートの数日後、イチカと簪の部屋に山田先生が訪ねており簪が別の部屋に移ることになった。

 

 

「簪、手伝おうか?」

 

 

「ありがとう、イチカ。」

 

 

そして数分後

 

 

「よし!完了!」

 

 

「凄いですね~。」

 

 

「そうですね。」

 

 

簪の荷物は衣類より趣味関係の方が多く、荷物の6割を占めていた。

 

 

「じゃ、イチカ。また後で。」

 

 

「おう。新しいルームメートと仲良くな。」

 

 

「分かってるよ。」

 

 

そう言うと簪と山田先生は部屋を出て目的の部屋に向かった。

 

 

「さてと、鈴達が来る前にあれを終わらせるか。」

 

 

コンコン。また誰かがイチカの部屋に訪ねてきた。

 

 

「(鈴達か?えらく早いな。)」

 

 

(早く出た方が良いんじゃね~?)

 

 

(そうだな。)

 

 

「はー…篠ノ之か。」

 

 

イチカがドアを開けるとそこには何時もの様に殺気を放っている篠ノ之が居た。

 

 

「いい加減に私の事は名前で呼べ!一夏!」

 

 

「はぁ~、用件は何だ?此方はやる事があるんだが?」

 

 

「一夏!幼馴染みとくだらない事、どっちが大事なんだ!」

 

 

「…俺がやる事は企業関係への報告書と資料製作だ。勝手にくだらない事扱いするな。」

 

 

「ならば、それが終わるまで部屋で待つとしよう。」

 

 

「…は?言ってる意味が分からん。」

 

 

「お前は相変わらず物分かりが悪いな!ならばお前の為に簡単に言ってやろう!お前の用事が終わるまでこの部屋で待つと言っているのだ!」

 

 

「はぁ~。帰れ。」

 

 

イチカはただ呆れるしか無かった。

 

 

「何だと!?」

 

 

「此方は企業に関する事をしなければならないのに何故部外者を部屋に入れなければならない?」

 

 

「ならばさっきまで居た小娘は良いのか!?」

 

 

「簪が居ない時にやっているに決まっているだろうが。と言うよりさっさと帰れ。」

 

 

イチカはそう言うとドアを閉め、鍵をかけて作業に取り掛かった。しかし。

 

 

ドンドン!「一夏!開けろ!」

 

 

「どうするんだイチカ~?」

 

 

「放っておく。一々彼奴に構っていたら何時まで経っても終らないからな。」

 

 

「それもそうだな~。」

 

 

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!

 

 

「あー!うるせー!?いい加減にしろ!」

 

 

イチカは余りにも鬱陶しい為にドアを開けた。やはりそこには篠ノ之が立っていた。

 

 

「一体何の用だ!此方は忙しいんだよ!」

 

 

「私が学年別個別トーナメントで優勝したら私と付き合え!」

 

 

「断る。」

 

 

イチカはハッキリと篠ノ之からの言葉を断った。

 

 

「何故だ!?私とお前は結ばれる運命にあると言うのに!?何故あんなくだらない小娘を「おい。」ッ!?」

 

 

イチカは篠ノ之に向かってとてつもない殺気を放った。それこそ、今まで篠ノ之や千冬が放っていた殺気と比べ物にならないくらいに。そしてイチカの篠ノ之を見る目は恐ろしい程に冷たくそして鋭かった。

 

 

「勝手に俺の運命を決めるな。そしてお前に鈴の何が分かる?これ以上鈴を侮辱するならお前を滅する。」

 

 

イチカの放つ殺気が更に濃くなった。その殺気を浴びている篠ノ之は何も喋れずイチカに怯えながら廊下に座り込んでしまった。

 

 

「これ以上俺に関わるな。」

 

 

イチカはそう言うと自室に入り鍵を閉めた。

 

 

「オイオイ、イチカ~。今の殺気は何なんだ~?」

 

 

「…。」

 

 

イチカはユルセンの質問に答えずただ立ち尽くしているだけだった。

 

 

「?お~い、イチカ~?」

 

 

ドサッ!イチカは音を発てて前に倒れてしまった。

 

 

「!?おい、イチカ!?大丈夫か!?コルー!セシリアの嬢ちゃんに連絡!」

 

 

「キュー!」

 

 

そしてイチカは見知らぬ場所で目覚めた。

 

 

「此処は…くっ!?ハァ、ハァ…」

 

 

イチカは頭を抑え呼吸が荒くなっていた。

 

 

「久し振りだな!てめぇ!」

 

 

「お前は!」

 

 

イチカの視線の先には『イチカ』が立っていた。しかしイチカは気付いた。目の前の自分に似た存在は前回よりも強くなっている事を。

 

 

「取り合えず落ち着けよ。殺気が駄々漏れだぞ。って言っても無駄だよな!」

 

 

「…俺に何の用だ。」

 

 

「二つてめぇに教えてやるよ。一つ、てめぇの心の七割は闇で染まっている。二つ、てめぇは今、消滅と生存の丁度真ん中にいる。」

 

 

「どう言う事だ!答えろ!」

 

 

「ハッ!俺はそこまで教えるほど甘くはねぇよ!そして時間切れだ!」パチン!

 

 

「なっ!?」

 

 

『イチカ』が指を弾くとイチカの足元に黒い渦が発生しイチカを引きずり始めた。

 

 

「じゃぁな、てめぇ。ま、現実に戻れば此処の事は忘れているがな!」

 

 

イチカの意識は此処で途絶え、目覚めた時には鈴達が心配そうに見ていた。

 

 

「…何で鈴達が居るんだ?」

 

 

「ユルセンからイチカさんが倒れたと連絡が来ましたわ。」

 

 

「倒れた?そう言えばさっきまでの記憶が無い…。」

 

 

「イチカ、大丈夫なの?」

 

 

「あぁ。疲れていたのかもな。」

 

 

「な~な~イチカ~。」

 

 

「うん?どうしたユルセン?」

 

 

「さっき感じた殺気は何なんだ~?」

 

 

「殺気?何の事だ?」

 

 

「もしかして覚えてないのか~?」

 

 

「いや、篠ノ之の話の途中から記憶が無いんだ。」

 

 

「ま~、良いや~。」

 

 

「じゃぁイチカ、今日はゆっくり休んで。」

 

 

「あぁ、そうさせてもらうよ。」

 

 

鈴達は部屋を出て行き、イチカは休む事にした。しかしこの時誰も気付いていなかった。イチカの運命が動きだしている事を。




「今回甘さ0だったな。」

「そのせいで書くのに時間掛かりましたけどね。」

「で?ゴールデンウィークは何れくらい投稿するんだ?」

「まだ未定ですね。それでは今回は此処まで。」

「「次回もお楽しみに!」」
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