死を経験した俺の生きる時間   作:天空を見上げる猫

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「遅れて申し訳ありません!六月は色々と忙しく投稿が遅れてしまいました!
それとジャンヌの音声は荒潮提督さんのを使わせて貰いました。皆様のご協力ありがとうございました。それではどうぞ!」


二十九話

「二人とも頑張れよ~。」

 

 

「ありがとう、ユルセン。イチカ、絶対にあの二人に勝とうね。」

 

 

「あぁ。それとセシリアは任せた。」

 

 

「勿論よ、あの時のリベンジを果たして優勝は私達が貰うわ。あ、そうだ、先に墜ちた方が奢られるっていうのは?」

 

 

「乗った。ま、墜ちる気はないけどな。」

 

 

「そうね。」

 

二人はセシリアとラウラに対して静かに闘志を燃やしていた。いや、楽しみにしていると言った方が正しいだろう。しかし、それはセシリア達も同じである。

 

 

「さて。」

 

 

[アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!]

 

 

「変身。」

 

[開眼!白式!白き翼!掴むぜ夢!目指すは空!]

 

 

「来て、甲龍!」

 

 

イチカはゴースト白式魂になり、鈴は甲龍を纏って戦闘準備が完了した。

二人がアリーナに出ると既にセシリアとラウラが待っていた。しかし、何時もと違う処が一つだけあった。それはセシリアがスペクターに変身しているということだ。

 

 

「「「「…。」」」」

 

 

四人は何も喋らず、ただ勝つべき相手を睨んでいた。そして四人の放つプレッシャーにアリーナの観客席にいる人々も何も喋れずに居て、アリーナ全体が静寂に包まれていた。

 

 

[3…2…1…試合開始!]

 

 

静寂を破ったのはカウントダウンを数えた機械的な音声であった。そして四人は試合開始の合図と共にそれぞれの相手に攻撃を仕掛けた。

観客達はまたもや喋れなかった。理由は簡単である。四人の闘いはレベルが想像以上に高く、全員が驚いているからである。

 

 

「はやり鈴さんは成長が速いですわね!もはやその成長スピードは脅威その物ですわ!」

 

 

「ありがと。ま、取り合えずあの時のリベンジで勝たせてもらうわ!」

 

 

「フフ、勝たせると思いますか?」

 

 

「ハッ!余裕なのも今の内よ!喰らいなさい!」

 

 

「ッ!?これは…なるほど。」

 

 

セシリアは鈴が何をしたかを理解した。あの時と同じ見えない斬撃。そう、イチカが使用している斬撃波を鈴が放ったのだ。

 

 

「まさか鈴さんもそれを使えるとは、驚きましたわ。しかもこんな短時間で。しかし!勝つのは私ですわ!」

 

 

「!(一発なら避けられる!)ッ!?」

 

 

セシリアはエネルギー弾を一発放ち鈴はそれを回避した。だが、エネルギー弾が拡散して鈴に幾らか当たってしまった。

 

 

「やはり全ては当たりませんでしたか。」

 

 

「拡散するなんて誰も考えないわよ、普通。」

 

 

「そうですか?それよりも名残惜しいですが…フィナーレと参りましょう。」

 

 

[アーイ!バッチリミロー!]

 

 

「!させるかぁぁぁぁぁぁあ!」

 

 

セシリアは金色の眼魂をセットし、鈴はゴーストチェンジを阻止しようとセシリアに斬りかかった。しかし少しばかり遅かった。

 

 

「言ったはずですわ。フィナーレに参りましょうと。」

 

 

[開眼!ジャンヌ!勝利の女神!いざ参らん!]

 

 

セシリアは金色のパーカーゴーストを纏い、ガンガンハンドの代わりに金と蒼のカラーリングをした槍を持っていた。そしてセシリアが動いた。

 

 

「え?」

 

 

「探し物は後方にありますわ。」

 

 

「!?」

 

 

鈴が後ろを振り向くと左手に持っていた筈の双天牙月の片方がアリーナの壁に刺さっていた。

 

「(攻撃が…見えなかった!?ならセシリアに攻撃をさせないだけよ!)」

 

 

鈴はセシリアのゴーストチェンジによって窮地に陥ったが鈴の闘志はまだ消えていなかった。

そしてイチカとラウラの闘いは。

 

 

「やはり師匠との闘いは心が震える!しかしネクロムが使えないのが惜しい!使えれば更に喜びを味わえるというのに!」

 

 

「相変わらずの戦闘狂だな!ラウラ!」

 

 

「戦闘狂か、それは私にとって誉め言葉だ!そして師匠に勝って姉さんに一杯撫でて貰うんだぁぁぁぁあ!」

 

 

「後半は関係ないだろ!?」

 

 

話ながら斬り合っていた。そしてラウラは斬り合っている最中、ずっと笑顔でイチカとの闘いを楽しんでいた。

 

 

「(守っていてもラウラ相手には無意味か…。だったら!)」

 

 

イチカは持っていた盾を収納し、ガンガンセイバーを二刀流モードにしてラウラの背後に回り込んで斬りかかった。

 

 

「!(速い!?なるほど、師匠のこの姿はスピード特化というわけか!ならば!)」

 

 

ラウラは左目に着けていた眼帯を外し、イチカの攻撃を防いだ。眼帯を外したラウラの左目は紅ではなく、金色だった。

 

 

「(反応速度が上がった?金色の目に何か秘密があるか?だったらその反応速度を越えるまでだ!)」

 

 

[ダイカイガン!白式!オメガドライブ!]

 

 

イチカはオメガドライブを発動しトップスピードでラウラに斬りかかった。イチカのスピードは凄まじく誰も目で追えない程であり、観客席にいる全員がイチカの勝利を確信した。しかし。

 

 

「ズドン!」という大きな音がアリーナ中に響き渡った。その音の正体はイチカがアリーナの壁に衝突した時の音であった。

 

 

「イチカ!」

 

 

「余所見している場合でして?」

 

 

「しまっ!?」

 

 

イチカを心配し、隙が出来た鈴をセシリアは槍で凪ぎ払った。この時のセシリアとラウラは圧倒的な強さであった。この二人の強さの秘密はセシリアが使ったジャンヌゴースト眼魂の『自分と味方のステータスを格段に上げる』という能力のお陰である。そしてこの時、二人は自分達の勝利を、観客席に居るほとんどの人はセシリア達の勝利を確信した。

しかし誰も気付いていなかった。試合終了を告げるアナウンスがまだ鳴っていない事に。

 

 

[ダイカイガン!白式!オメガドライブ!ダイカイガン!白式!オメガドライブ!ダイカイガン!ガンガンミナー!オメガスラッシュ!]

 

 

「ッ!?」

 

 

「ラウラさん!?」

 

 

膨大なエネルギーを纏った斬撃波がラウラを直撃した。ラウラはジャンヌの能力で防御力も上がっているが五分の一まで削られてしまった。

 

 

「オイオイ、まだ勝負は終わってないからな?」

 

 

「師匠!?いや、例えまだ動けるとしても師匠のシールドエネルギーは既に一割も無い!この勝負は私達の勝ちだ!」

 

 

「シールドエネルギーが一割も無い?ハッ!知った事か!これ以上攻撃を受けなければ良いだけの話だ!そうだろ!鈴!」

 

 

「!?鈴さんが居ない!?」

 

 

「!セシリア!上だ!」

 

 

「ッ!?」

 

 

「どう?最大火力の龍砲は?」

 

 

「以外と効きましたわ…。」

 

 

「良かった♪さて、決着の時よ!イチカ!」

 

 

「あぁ!」

 

 

「「此処からは俺達の(私達の)ステージだ!」」

 

 

「「ッ!?」」

 

 

イチカと鈴はそれぞれセシリアとラウラに攻撃を仕掛けた。そこからは凄まじい光景であった。イチカは残像が見える程の速さでラウラを連続で斬り、鈴は荒々しい攻撃をセシリアに叩き込んでいた。

イチカ達の攻撃を連続で受けているセシリア達のシールドエネルギーはどんどん削られていった。幾らステータスが上がっていたとしても攻撃、防御、回避等が出来なければ意味がない。

 

 

(これが師匠の力か!だからこそ、だからこそ私は師匠に勝ちたい!)

 

 

『願うか?汝、自ら変革を望むか?より強い力を欲するか?』

 

 

(?その力は師匠に勝つ事が出来るのか?)

 

 

『可能だ。後は汝が望むだけだ。』

 

 

(ならば寄越せ。師匠に勝つための力を私に寄越せ!)

 

 

Damage Level…D.

Mind Condition…Uplift.

Cerification…Clear.

 

《Valkyrie Trace System》…boot

 

 

イチカはラウラから嫌な予感がし、直ぐに離れた。するとラウラのシュヴァルツェア・レーゲンが黒い泥になり姿を変え始めた。

 

 

「ラウラ!」

 

 

「師…匠。」

 

 

ラウラは黒い泥に完全に飲み込まれ、一体のISの姿になった。誰もがその姿に見覚えがあった。

 

 

「!(まさか…。)」

 

 

「!イチカさん!あれはヴァルキリー・トレース・システム、通称VTシステムですわ!ですから急いで救出しなければラウラさんの命が!」

 

 

セシリアはイチカにあれが何なのかを教えたがイチカの耳には残念ながら届いていなかった。

 

 

「暮…桜!」ドクン!

 

 

イチカがあれの正体が暮桜と解ると直ぐに攻撃を仕掛けた。だが、防がれた。

 

 

(まだだ!まだ足りない!)

 

 

イチカは攻撃を続けるが全て防がれた。そして防がれる度に思いが強くなっていった。

 

 

(彼奴だけは、暮桜だけは絶対に倒す!)

 

 

(おいイチカ!?それだけは駄目だ!)

 

 

ユルセンがイチカを注意するが既にイチカは暮桜を倒す事しか頭になかった。

 

 

(寄越せ、彼奴を倒す為の力を寄越せ!)

 

 

(力が欲しいなら全てを否定しやがれ!)

 

 

(彼奴を倒せるなら何だってしてやる!)

 

 

(なら受け取りやがれ!)

 

 

イチカから一つの眼魂が出て来てイチカはそれを掴んだ。その眼魂は黒と紫のカラーリングで禍々しいオーラを放っていた。

 

 

(辞めろ!イチカ!)

 

 

(Master!)

 

 

(マスター!)

 

 

ユルセン、白騎士、白式がイチカを止めるが無意味であった。

 

 

[ディザスター!アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!開眼!ナイトメア!見える悪夢!希望は絶無!飲み込むぜ全部!]

 

 

不気味な音声と共に紫色のパーカーゴーストが現れ、イチカはそれを纏った。その姿は禍々しく『闇』と表現した方が良いだろう。そしてもう誰の声もイチカには届かない。

再びイチカは暮桜に攻撃を仕掛けた。そして拳が暮桜を捕らえ、中からラウラを引きずり出した。

 

 

「!?」

 

 

「…。」パチン

 

 

「「え?」」

 

 

イチカが指を鳴らすと鈴、セシリア、ラウラが黒い球体に包まれ気が付けばISを解除された状態で観客席に居た。

更にイチカが静かに手を振るとアリーナのシールドが黒い霧に包まれ観客席から何も見えなくなった。

 

「鈴さん!私はラウラさんを保健室へ運びますので鈴さんは第二ピットに向かってください!」

 

 

「了解!(イチカ、一体何があったの?さっきのイチカはイチカらしく無いよ?まるで何かに支配されてるみたいだったよ?)」

 

 

鈴はイチカを心配しながら多くの人を掻き分けて第二ピットに向かった。

 

 

「…。」

 

 

イチカはラウラを引きずり出してもなお動き続ける暮桜をただ攻撃していた。そしてイチカはゴーストドライバーのトリガーを四回引いた。

 

 

[ダイカイガン!ナイトメア!オオメダマ!]

 

 

ゴーストドライバーから巨大な眼魂が出て来てイチカはそれを蹴り、暮桜に叩き込んだ。巨大な眼魂は爆発しシュヴァルツェア・レーゲンが解除されたラウラだけが残っていた。

 

 

「…。」ドサッ

 

 

イチカは強制的に変身が解け倒れ、アリーナのシールドから黒い霧が無くなった。

 

 

「イチカ!」

 

 

鈴はアリーナに出ると倒れているイチカを発見した。直ぐに駆け付けると息があることに安堵した。しかし、その光景を見ていた『イチカ』は

 

 

(チッ!あの銀髪を助けたっ事は完全に全てを否定していないって事か。まぁ良い、てめぇにあれを使わせる事が出来ただけでも良しとするか。それにてめぇは残された道は消滅。ただそれだけだ!)

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