死を経験した俺の生きる時間   作:天空を見上げる猫

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「今回は八割位?甘い話になっています。そして今回から三巻の話に入っていき、二巻より大事な話になっていきます。イチカと鈴ちゃんの行き着く未来とは?」




三十一話

「鈴、大丈夫か?」

 

 

「うん、大丈夫だよ。それにしてもイチカはバイクの運転上手だね。」

 

 

現在、イチカと鈴は一緒にバイクに乗って出掛けていた。勿論二人乗りなので必然的に鈴がイチカ抱き付いている。正直、羨ましい限りだ。

 

「まぁな、免許取ってからはよくこれで出掛けてたし、FRCで壁とか天井とかを走らされたからな。」

 

 

「えっ!?何それ!?」

 

 

「このバイクの開発者は束さんって言えば解るか?」

 

 

「あぁ、成る程ね。確かにそれなら壁とか天井を走れるわね。」

 

 

「だろ?ま、こういう出掛ける時には重宝するし、こうやって可愛い彼女を後ろに乗せて一緒に出掛けれるから本当にありがたいよ。」

 

 

「ッ!?///ありがと…///」

 

 

イチカの不意討ちを聞いた鈴は、顔を真っ赤にしながら小さな声でイチカに「ありがと」と言った。しかし、鈴はイチカと密着している訳であり、しっかりイチカの耳に届いていて、イチカも顔を赤らめていた。

 

「と、取り合えず目的地に急ぐぞ!///」

 

 

「うん!」

 

 

消滅する事を覚悟を決めたイチカと、イチカを助けれて無いと後悔する鈴。何時も通りであり、何時も通りじゃない非日常。二人が行き着く結末は一体どうなるのだろうか?

因みに余談ではあるが二人を見ていた男性達は目から血の涙を流し、女性達は羨ましそうに見ていた。

 

 

「到着っと。さて、行くか。」

 

 

「そうね♪そう言えばイチカは水着どうするの?」

 

 

「う~ん、一応PRCで支給されてる奴があるにはあるんだけどデザインがな…。」

 

 

「どんなデザインなの?」

 

 

「…トランクスタイプの水着に小さくFRCの文字と幽霊とウサギの可愛らしいイラストが大きくプリントされた奴。」

 

 

「あー、確かにイチカがそれを履くなんて想像出来ないわね。」

 

 

「な?それで鈴はどうするんだ?」

 

 

「私はイチカに選んで欲しいんだけど…。///」

 

 

「わ、わかった。///」

 

 

二人は水着コーナーに向かった。そして水着コーナーに着くと見覚えのある二人が買い物をしていた。

 

 

「何だ、ラウラとシャルロットも来てたのか。」

 

 

「二人も水着を買いに来たの?」

 

 

「む?師匠と鈴ではないか。あぁ、その通りだ。」

 

 

「うん?あ、やっほ~、神速の翼と鬼神の刃。」

 

 

「「ちょっと待て!?」」

 

 

イチカと鈴は周りの人達の迷惑にならない様に小さな声で叫んだ。

 

 

「「何そ…「何なのですか!?その中二病全開のあだ名は!?」台詞取られた…。てかセシリア!?」」

 

 

「セシリアも来たんだね。後、この二つのあだ名はタッグトーナメントから付いた二人のあだ名だよ(笑)面白そうだからこのあだ名で呼ぶ事にしたんだ(笑)それに、二人の顔が赤くなるのは見てて飽きないからね♪」

 

 

(((黒い…、黒い金が居る!)))

 

 

「成る程!これが師匠と鈴の二つ名という奴か!ならば私も呼ぶべきだろうか?」

 

 

「ラウラ…ケーキ。」

 

 

「うむ、師匠達はこれからも普通に呼ぶとしよう。」

 

 

((買収!?))

 

 

「…チッ!」

 

 

((舌打ち!?))

 

 

一同はシャルロットの黒さが分かった処でそれぞれの買い物の為にイチカ、鈴、セシリアは水着コーナーに残り、シャルロットとラウラは洋服コーナーへと向かって行った。

 

 

「イチカ~、これとこれ、どっちが良い?」

 

 

「う~ん。」

 

 

右手に持っている奴はフリルの付いたワンピースタイプの水着、左手に持っている奴がビキニタイプの水着か…。正直どちらとも似合いそうだな。

ワンピースなら鈴が持つ可愛らしさをより引き立たせる…。あれ?天使じゃね?

ビキニなら鈴の健康的な体が露になって可愛いというより綺麗の方が合うか…。あれ?此方は女神じゃね?でも、どちらを見たいと言われればどちらも見たい!いや、何時もとは違う綺麗な方の鈴も見てみたい!いや待て!?そんな邪な考えで決めて良いのか!?

 

 

「私はイチカが見たい方を着たいんだけどイチカはどっちを見たい?」

 

 

「なら、ビキニタイプの奴かな。」

 

 

鈴の水着の事で考える事、僅か0.2秒。鈴の言葉により、イチカは迷わずに即決した。

 

 

「分かったわ。じゃ、支払いしてくるね。」

 

 

「あぁ、なら俺は自分のを選んで待ってるな。」

 

 

「私が選んじゃダメ?それに今回は私の奢りっていう約束だよ?」

 

 

「(しまった…。すっかり忘れていたな…。)分かった、なら鈴の支払いが終わるまで待ってるよ。」

 

 

「うん♪」

 

 

そう、今回の支払いは鈴である。皆を心配させた罰としてイチカは奢られる立場となったのだ。普通は逆であるが二人は関係の無い話である。

 

 

「あの~すいません、少し良いですか?」

 

 

「はい、俺に何の用でしょうか?って秋姐かよ。久し振り。」

 

 

イチカが振り向くとそこに居たのは秋姐事、皆の姉貴のオータムであった。

 

 

「よっ、てか本当に左目が紫になってオッドアイになってんだな。マドカが見たら絶対に発狂するな。」

 

 

「?何でマドカが発狂するんだ?」

 

 

「うん?知らないのか?マドカは中二病患者だぞ。」

 

 

「…は?ごめん秋姐、今聞こえちゃいけない単語が聞こえたんだが…。え?何?中二病?何時から?」

 

 

「九歳の時から。因みにPRCが開発する物全てのデザインを担当しているぜ。」

 

 

「予想以上に早い!?ってデザイン担当!?俺のバイクや支給される水着もマドカが?」

 

 

「yes!」

 

 

「マジか…。」

 

 

イチカは衝撃の事実に軽くショックを受けていた。それもそうだろう、実の妹が自分の知らない内に中二病患者、兄としては複雑な気分だろう。

 

 

「イチカ~、お待たせ~。」

 

 

「おう。しかし時間掛かったな。」

 

 

「レジが混んでてね、それよりもこの人は?」

 

 

「俺は巻紙オータム。イチカの姉的存在で、PRCの総合責任者をやってる。そして可愛い物が大好きだ!ま、これから宜しくな、イチカの彼女。」

 

 

「はい!あ、私の事は鈴って呼んでください。」

 

 

「おう、なら俺の事はオータムで良いぜ。そんじゃ、俺はこれから用事があるから行くわ。じゃぁな、二人とも。」

 

 

オータムは手を振りながらイチカ達と別れた。その姿は男らしく殆どの女性が見惚れていた。そして二人はイチカの水着を選んで購入し、少しばかりブラブラしていると弾、数馬、蘭と再開し茶化されたり笑いながら話をした。そして。

 

 

「ねぇ、イチカ。話したい事があるから彼処に行って欲しいんだけど…良い?」

 

 

「…了解。」

 

 

鈴の願いにイチカは鈴の顔を見てただ短く返事をした。いや、そうするべきだと鈴の表情から感じたからだ。

イチカは来た時の様に鈴を後ろに乗せて、あの場所に向かった。イチカ達の思い出の場所へと。

 

 

「それで話って?」

 

 

「…イチカはさ、私と居て楽しい?勿論私はイチカと居るだけで楽しいし、幸せだよ。でも…。」

 

 

「でも?」

 

 

「…時々、本当に私がイチカの恋人で良いのかなって思う時があるんだ。」

 

 

「ッ!?…何でそんな事言うんだ?」

 

 

イチカは鈴の言葉に驚き、自信を落ち着かせながら鈴に疑問をぶつけた。それもそうだろう、いきなり恋人にこんな事を言われれば当然の反応だろう。

 

 

「…私ね、イチカを理不尽な事から守るって心に決めてたんだ。でも現実は助けられてばかり、それ処かイチカが傷つくばかり!何で!?何でイチカばかりが傷つかなきゃいけないの!?」

 

 

「…。」

 

 

「イ、チカ?」

 

 

イチカは、今にも泣きそうになっている鈴を何も言わずに優しく抱き寄せた。鈴は訳が解らず、ただイチカの名前を呼ぶ事しか出来なかった。

 

 

「ありがとう、こんな俺をそんなに思ってくれて。だけど助けられているのは俺の方だ。鈴が居てくれたから今の俺があって、鈴の笑顔を見るたびに鈴が恋人で良かったと実感するんだ。

だから、これからも一緒に俺と居てくれないか?」

 

 

「で、でも、私が居たら迷惑になるよ?」

 

 

「今まで鈴と居て迷惑だと思った事は無いし、これからも絶対に無いよ。」

 

 

「何気無い事で泣くかもしれないよ?」

 

 

「その時は泣き止むまで鈴の側に居るよ。」

 

 

「今まで以上に甘えるかもよ?」

 

 

「好きなだけ甘えれば良いさ。鈴の気が済むまで、幾らでも。」

 

 

「…ずるいよ。そんな事言われたらイチカと離れられないじゃない…。」

 

 

「泣いてるのか?」

 

 

「泣いて、無いよ。けど、もう少しこのままで居させて。」

 

 

「あぁ、時間の許す限りこのままで居るから。」

 

 

鈴は泣いていないと言っているがイチカは、鈴が泣いている事に気付いている。しかし、それを言わずにただ優しく鈴を抱き締めている。

 

 

だが、運命の歯車が止まる事は無く、最悪の結末は既に迫っている。

イチカは最悪の結末を覆す事は出来るのだろうか?

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