死を経験した俺の生きる時間   作:天空を見上げる猫

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「さてイチカ、今回から臨海学校編に入りますが何か聞きたい事はありますか?」

「次のデートは何時なんだ?」

「う~ん?取り合えず、臨海学校編が終わるまで待ってもらえませんか?」

「了解。ま、取り合えず遅れた罰を受けてもらおうか?」

「…去らばです!」

「待ちやがれ!おっと、忘れる処だった。それではどうぞ!覚悟を決めやがれ!作者!」


三十二話

「…。」

 

 

イチカはバスに揺られながら何時も通り、静かに本を読んでいた。いや、一部だけ違う所があった。それは、右手首に付けられている赤い龍を象ったブレスレットであった。

 

「海だー!」

 

 

クラスメイトの一人がトンネルを抜け、海が見えると叫びだした。イチカはその叫び声を聞くと読書を止め、窓の外に映る海を見た。

 

 

「…綺麗だな。」

 

 

「そうですわね。何処までも青く、ゆっくりと揺られていますわね。処でイチカさん。」

 

「うん?」

 

 

「そのブレスレットはもしや鈴さんからの贈り物でしょうか?」

 

 

「その通りだ。だけどよく分かったな?もしかして鈴から聞いたのか?」

 

 

セシリアが言った通りで、イチカが付けているブレスレットは先日、鈴からの贈り物であり、鈴との思い出の品でもあると同時に鈴の自分に対する想いを聞いた証拠でもあり、もう一度鈴を守ると誓った証でもある。

 

 

「いえ、鈴さんに聞いたのではなく、イチカさんが嬉しそうにしていて、そのブレスレットが目に入ったのでもしやと思ったのですわ。」

 

 

「そう言うセシリアも嬉しそうにしてるけど何か良い事でもあったのか?それで何でカメラを持っているんだ?」

 

 

「フフ♪私にも凄く良い事がありまして、ついテンションが上がってしまったのですわ♪それとカメラは淑女の嗜みであり、美しい海(をバックに可愛らしい天使達)を撮るためですわ。」

 

 

「成る程な。(セシリアの顔が少しばかり危なくなっているのは見なかった事にしよう。)」

 

 

(あぁ、早く着いて欲しいですわ。海と言えば天使達の水着姿!そして海で戯れる天使達の姿はまさに楽園《エデン》!先日から可愛さを増した鈴さんを筆頭に学園公認のマスコットとなっているラウラさん!第二のマスコットとなりつつある本音さん!三人に遅れを取らない簪さん!そしてまだ見ぬ天使達!今日は貴女方を狙い撮らせて貰いますわ!)

 

 

ビクッ『!?(何この嫌な寒気!?)』

 

 

バスに乗っていたほぼ全ての少女達は謎の寒気に襲われてしまった。その正体は言わずとも一人しか居ない。セシリアだ。

そのセシリアのキャラが崩壊している様に思えるが普段の彼女の心の中は何時もこの様な感じである。まぁ、感情が高まれば暴走してしまうが。

 

 

(それにしてもユルセン達は何れだけ海を楽しみにしてたんだ?ユルセンはまだしも白騎士達も昨日は騒ぎまくって今は普通に寝てるし。ま、と言う俺も知らない内に浮わついているみたいだしな。)

 

 

「師匠!しおりに海で自由時間と書かれているが一体どんな訓練をするんだ!?そして海ではポロりがあると聞いたがポロりとは一体何だ!?」

 

 

「「…。」」

 

 

イチカとセシリアはラウラの台詞を聞いた瞬間に絶句してしまった。主に後半の台詞にだが…。そして、三人のやり取りを見ていた一人の少女が笑いを堪えていた。

 

 

「ラウラ、ちょっと待ってろ。」

 

 

「?うむ。」

 

 

「…シャルロット、今度はラウラに何を吹き込んだんだ?」

 

 

「吹き込んだなんて聞き捨てならないな~(笑)僕はただ、ラウラに楽しい事を教えただけだよ~(笑)

それとも…やるかい?ペドフェリア君♪」

 

 

「あぁ?もしかして挑発しているつもりか?なら、その挑発に乗ってやるよ。快楽主義者?」

 

 

「イチカさん、落ち着いてくださいな。売り言葉に買い言葉ではいけませんわ。」

 

 

「別に僕は二対一でも構わないよ?ね♪変態淑女さん♪」

 

 

「あぁ?後からフルボッコにされて、泣いて後悔しても知りませんわよ?男装腹黒少女さん?」

 

 

「ハハ♪面白い冗談だね?なら、僕は二人をこれでもかと言うほど泣かせて、その泣き顔を永久保存してあげるよ♪」

 

 

最近、ますますシャルロットが黒くなってきているが、これでもまだ押さえている方だ。何故なら、彼女が本気を出せば 台詞の九割が規制が掛かってしまうからだ。

さて、そろそろ目的地に着く頃だろう。だが、着いたとしても一悶着は免れないだろうが…。

 

 

「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月荘です。皆さん、きちんと挨拶をしてくださいね。」

 

 

『宜しくお願いしまーす!』

 

 

「はい、こちらこそ。今年の一年生も元気があってよろしいですね。」

 

 

歳は三十代くらいの、しっかりとした大人の雰囲気を漂わせる女性がイチカ達全員を出迎えた。

 

 

「それで貴方が噂の?」

 

 

「イチカ・ミューゼルです。この度はご迷惑を掛けるかもしれませんが宜しくお願いします。」

 

 

「いえいえ、そんな。それにこの仕事は私達の生き甲斐ですから、困った事があれば何でも言ってくださいね。」

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

旅館の方への挨拶が終わり、生徒達は部屋へ荷物を置きに向かった。やはり、海での自由時間が楽しみなのであろう。殆どの少女達が急ぎ足で移動していた。イチカも移動しようとすると本音が話し掛けてきた。

 

 

「ね~ね~、イッチ~。」

 

 

「のほほんさん?どうしたんだ?」

 

 

「イッチーの部屋って何処にあるの~?しおりに書いてなかったから気になったんだ~。」

 

 

「俺の部屋?確か山田先生と同じ部屋だった筈だけど。」

 

 

「ほえ~、そうなんだ~。」

 

 

「それはそうと友達が待っているんだろ?急がないと自由時間が無くなるぞ。」

 

 

「は~い。それにしてもイッチーってお父さんみたいだよね~。イッチーの事、お父さんって呼んでみて良い~?」

 

 

「同い年の娘が居てたまるか。それにのほほんさんのお父さんが泣くぞ?ほれ、回れ右して友達の所に行ってこい。」

 

 

「は~い。」

 

 

本音を見送ったイチカも着替えるために更衣室に向かった。しかし、更衣室に向かう途中で様々な話が聞こえてきたが、イチカはあまり気にせずにスルーしながら移動した。




「結局逃げ切れなかった…。」

「自業自得だ。」

「本当にすみません。それと今回はイチカが締めてください。」

「了解。それでは次回もお楽しみに!」
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