死を経験した俺の生きる時間   作:天空を見上げる猫

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「遅れてしまって本当にすいませんでした!」

「粛清、と何時もなら言っているが今回は特別に甘い番外編を書くなら免除してやる。一年突破の記念として。」

「書きます!書きます!いえ、書かせてください!お願いします!」

「よし、なら最低ライン何時もの五倍以上な。出来るよな?作者?」

「ファッ!?ご、五倍!?」

「出来るよな?」

「や、やらせていただきます!」

「よし!それでは本編をどうぞ!」


三十五話

合宿二日目、この日は午前中から夜まで各種装備試験運用、データ取り等があり、一年生全員が専用機を持つ生徒とそうでない生徒で別れて整列していた。しかし、専用機を持っていない筈の篠ノ之がイチカ達と共に並んでいた。そしてセシリアが手を挙げ千冬に質問した。

 

 

「何故、専用機を持っていない篠ノ之さんが此方側に居るのでしょうか?」

 

 

「簡単な事だ。今日から篠ノ之は専用機を持つ事になる。だから専用機のグループに並ばせている。」

 

 

「え?何それ?私は初耳だし何の連絡も来てないんだけど?」

 

 

「束さん!?何で此処に!?」

 

 

「ハロー、イッ君。何で私が此処に居るかは直ぐに分かるよ~。と言うより此処に私が居ても問題ナッシング!」

 

 

「それって…あぁ、そう言う事ですか。」

 

 

イチカは何故此処に束が居るのかを束の服装で理解した。現在の束の服装は何時ものアリスの様な服装ではなく、仕事用のスーツを着用しており、首から二つのカードを下げていた。一つはFRCの社員証、もう一つはIS学園の校章が描かれている物であった。

 

 

「漸く来たか、束。さっさと用事を済ませて帰れ。お前が居ては邪魔だ。」

 

 

「フフ。アハハ!いや~、暫く見ない内に面白い冗談を言うようになったから私は驚いたよ。ね?織斑千冬?」

 

 

「何?それはどう言う事だ?」

 

 

「ま、丁度良いからそれを踏まえて自己紹介をさせて貰おうかな?」

 

 

「何?」

 

 

「初めまして、今日一日皆さんのサポートを担当するFRC技術開発部最高責任者の篠ノ之束です。本日は宜しくお願いします。あ、後篠ノ之箒、その視線辞めてくんない?そんな視線送った処で専用機はあげないよ。と言うより君に作る気すら無いから。」

 

 

「な!?」

 

 

「何故、篠ノ之に専用機を作らない!そして私は何も聞いていないぞ!」

 

 

束の言葉にし篠ノ之は驚き、千冬は怒りを露にしていた。その光景を見て束は再び笑いだし、イチカと山田先生は大きな溜め息をつていた。そして、束は笑いながら篠ノ之と千冬に言葉を発した。

 

 

「いやいや、私が篠ノ之箒に専用機を作る理由が無いし、そもそも篠ノ之箒は代表候補生おろか企業に属してる訳でもないよね?それに私はFRCの専属だから専用機を作って欲しいのなら正式な手続きを通して貰いたいね。と言っても専用機を作る為のコアはもう無いけどね。」

 

 

「コアが無ければつくれば良いだろうが!それにお前の妹なのだから作るべきだろ!」

 

 

「は?馬鹿じゃないの?私はこれ以上コアを作らないって言った筈だよ、それなのに何で妹の為だけにそれを破らないといけないの?それに私はIS学園にちゃんと許可を貰って此処に居るんだから文句は言われたくないね。」

 

 

「ふざけr「ふざけてんのはお前だろうが!織斑千冬!」た、束?」

 

 

『ザワザワ』

千冬の言葉を束は声を荒くし遮った。突然の事に周りに居た生徒達、教員達、そしてイチカまでもが驚いており、千冬を見据える束の瞳には悲しみ、憎しみ、怒り等が映っていた。

 

 

(初めて見たな。束さんがあんな風に声を荒げて怒りを露にしたのは。過去に何かあったのか?)

 

 

(そうじゃないか~?)

 

 

(でも、あそこまで怒るって何があったのかな?)

 

 

(…。)

 

 

(白騎士?)

 

 

「ISは誰かを傷付ける剣じゃない!宇宙を目指す為の翼だ!それに忘れたとは言わせない!あの日お前が私にした事を!」

 

 

「ッ!」

 

 

「これ以上ISを間違った方向に使わせはしない!どんなに時間が掛かったとしても絶対にISを本来の姿に戻してみせる!『♪~♪』…はい、束だよ。!それは本当なの!?」

 

 

束が千冬に向かって怒鳴ると突然、束の携帯が鳴り出し、イチカは音から緊急用の回線だと判断した。束の焦りの声と表情からして悪い状況だと直ぐに理解出来き、一方で山田先生も何処かと連絡を取っており顔が少しばかり青ざめていた。

 

 

「現時刻よりIS学園教員は特殊任務行動へと移ります!今日のテスト稼働は中止とし、皆さんはISを片付けて旅館に戻って待機していてください!なお専用機持ちの皆さんは片付けが終わり次第私に着いてきてください!篠ノ之博士もお手数ですが着いてきてもらえませんか!」

 

 

『はい!』

 

 

生徒達は山田先生の指示を聞くと一斉にIS片付け始めた。イチカ達も片付けをしていたが、イチカは束の事が気になり見てみると束は手を強く握り締めており、そこから赤い液体が垂れ落ち小さな水溜まりを作っていた。

 

 

「束さん!」

 

 

「うん?あぁ、心配しなくても大丈夫だよ。これくらいの血の量なら死ぬことは無いし、直ぐに塞がるから。それにほら、山田先生が呼んでるし急ごうか。」

 

 

「…分かりました。ですが一応止血と手当はさせて貰います。」

 

 

「イッ君は相変わらず優しくて世話をするのが好きだね。それにちゃんと万が一の時を考えているね。」

 

 

「俺はただ心配性なだけですよ。」

 

 

「フフ、ならそう言う事にしておいてあげるよ。」

 

 

「えぇ。手当も終わりましたから山田先生の所へ急ぎましょう。」

 

 

「そうだね。」

 

 

イチカと束は山田先生の元へ急いで向かって行った。しかし、イチカは束が急いでいる間も悲しそうな顔をしているのを見逃さなかった。

あの日から覚悟を決めたイチカ、自身の無力さに悲しむ鈴、この二人が向かう結末は希望か絶望か。

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