夏休みに入りイチカ、鈴、セシリア、ラウラ、簪そして束はとある人物の別荘を目指している。因みにシャルロットは用事がある為に夏休みに入ると直ぐに母国であるフランスに帰国している。
「お!彼処に見えるのイケメンレディはもしかしなくて永久ちゃんだね!やっほー!永久ちゃーん!」
「束さん!走ると危ないですよ!」
「大丈夫!大丈…のわっ!?」
「…ハァ、落ち着け束。…はしゃぎ過ぎだ。」
「あはは~。ありがとう~永久ちゃん。と言うか片手で支えてるけど重くない?もしかしてまた強くなった感じ?」
「…まぁな、毎日鍛錬を欠かさず過ごしているからな。…そう言うお前は相変わらずだな。…っとそうだ。…今日から三日間君達に戦闘やISのメンテ、プログラミング等こIS関係を束と共に教える事になっている黒姫永久だ。…この三日間宜しく。」
「同じく皆にISの事を教える篠ノ之束だよ~。と言っても君達とは臨海合宿以来だけどね。」
「「「「「宜しくお願いします!」」」」」
永久は小石に躓き転びそうになった束を片手で支えそのまま自己紹介を始める。そして束は永久から離れ自己紹介を始める。そして鈴、セシリア、ラウラはこの時、永久を目にした瞬間に理解する黒姫永久と言う人物の強さを。
「…さて、皆の部屋は二階で基本的に二人部屋で部屋に君達の名前が書いてある、各自その部屋を使ってくれて構わない。…では、三十分後にある一階のリビングに集まってくれ。」
「「「「「はい!」」」」」
「…良い返事だ。…それでは皆、遅れない様にな。特に束、遅れるなよ?」
「何で!?何で私!?」
「…束、うるさい。」
「ひどい!?」
「…フッ、冗談だ。」
「分かりづらいよ!?あ、皆ごめんね!?少し時間を経っちゃったけど集合時間は変わらないから急いで準備してきて!」
「大丈夫ですよ束さん。準備なら直ぐに終わりますから時間内に集合出来ますよ。」
「…と、兎に角!皆遅れない様に集合だからね!?絶対だよ!?」
「分かってますよ。」
イチカ達は二階へ上がり『イチカ・ミューゼル』『鳳鈴音 更織簪』『セシリア・オルコット ラウラ・ボーデビィッヒ』と達筆な字で書かれた部屋を見つけそれぞれ入り準備を始める。
イチカ+メア、白騎士、白式、ユルセン
「よし、準備完了。…何だろうな?あの部屋は何か嫌な予感がする。」
[嫌な予感?…あぁ、そう言う事か。]
[あー、成る程ね。]
[嫌な予感と言うよりは危険な感じでしょうか?]
[だな~。何せセシリアの嬢ちゃんと同室はラウラの嬢ちゃんだからな~。]
「…まぁ、取り敢えずリビングに向かうか。待ってる間にPCの動作確認とか出来るし。」
[だな。]
鈴、簪ペア
「そう言えば簪、永久さんってどんな人?見た感じかなり…と言うよりヤバいくらいに強い事は分かるんだけどね。」
「う~ん、何て言えば良いんだろう?私も詳しい訳じゃ無いからなぁ。まぁ、でも直ぐに分かると思うよ?それに永久さんから教わる事はかなり役立つから。それよりも大丈夫?」
「何が?」
「セシリア。最悪私達が呼びに行かないと不味いんじゃない?」
「あー、まぁ、大丈夫でしょ。…多分。」
「えぇ…。」
セシリア、ラウラペア
「♪~♪」
「…。(耐えなさい…!耐えなさい!セシリア!今此処で愛を溢れさせたら大惨事になる事は一目瞭然。ならば今は耐えるのみ!)」
「楽しみだなセシリア!あの人の強さは師匠を凌駕している。そんな人に様々な事を教わる事が出来るなんてそれを考えただけで楽しくなると思わないか?」
「…!(フッ、ラウラさんの素敵に笑顔、まるで私自身が浄化される様ですわ。それにラウラさんの細過ぎずそれでいて美しく引き締まった体、正直最高ですわ!)(♪~♪)…!イチカさんから?」
『おーい、セシリアー?生きてるかー?後十分位だから早めに来いよ?そして間違ってもラウラに変な事はするなよ?』
「分かっていますわ。それとありがとうございます。今からラウラさんとそちらに向かいますので。」
『了解。』
セシリアとラウラは部屋を出てリビングに向かうとPCを操作しているイチカ、簪、束と永久と話をしている鈴の姿があった。セシリアとラウラは永久の元へ向かい、待たせてしまった事を謝罪するが集合時間前だと言う事で気にしていなかった。
「…さて、時間まで少しあるが全員が集まった事だ。…場所を移動しよう、訓練は其処で行う。…此方だ着いて来てくれ。」
「今から行く所は絶対に驚くよ?」
「驚く?一体何処へ向かうんですか?」
「フフ、それは行ってからのお楽「…地下にある訓練場だ。」永久ちゃん!?ネタバレ早くない!?もっとこう…引っ張るとかさ!?」
「…知らん。どうせ向かうんだ、隠す意味は無いだろうが。…と言う訳だ。今から地下訓練場に向かう。」
「へぇ地下訓練場…地下訓練場!?そんな物があるんですか!?」
「…あぁ、兎に角着いて来てくれ、最初にやる事もあるからな。」
そう言うと永久は壁の一部に黒いカードを翳すと壁が開き大人が十人程入れるエレベーターが出現し、乗り込む。イチカ達も驚きながら永久の後に続きエレベーターに乗り込む、約一分程するとエレベーターの扉が開く。そこにはIS学園のアリーナと同等の広さの白い空間が広がっていた。
「「「「「広っ!?」」」」」
「…さて、訓練を始める前に鈴君、セシリア君、ラウラ君、君達の実力を確かめたい。…だから私相手に本気で掛かって来い。」
「…え?あ、あの、貴女が強いのは見ただけで分かります。だからって流石に三対一はいくら何でも無理なんじゃ…。」
「それに本気と言う事はISやライダーの力を使えと言う事で間違い無い…と言う事でしょうか?」
「…そうだ。…むしろ本気で来なければ君達の実力を正確に把握出来ないからな。…それとセシリア君とラウラ君はISでの実力を把握する。」
「…分かりました。ですが私達三人を同時に相手にした事を貴女は後悔する筈。」
「…後悔?違うな。むしろ私からすれば丁度良いハンデでしかない。」
「言ってくれる…!なら遠慮無く…紅龍!」
「来なさい…クリア・ティアーズ!」
「…行くぞ、シュヴァルツェア・レーゲン!」
「(…ふむ。)…束、イチカ君と簪君をあの場所に連れてプログラミング等を教えてやれ。」
「りょーかーい♪さ、二人とも行こうか。」
「「分かりました。…三人共!ガンバ!」」
「「「えぇ!(はい!)(うむ!)」」」
イチカと簪は鈴、セシリア、ラウラの三人の方を向き良い笑顔でサムズアップをしながらエールを送る。しかしこの時、鈴達三人は勘違いをしていた。自分達に送られたエールは勝てる様に頑張れと言う意味ではなく、死なない様に兎に角頑張れと言う意味である。
「…さてイッ君、かんちゃん、鈴ちゃん達は正直何分位だと思う?」
「「様子見だから十分。粘って十五分」」
「まぁ、その位が妥当だよね。決して鈴ちゃん達が弱い訳じゃない。むしろ私から見てもイッ君達は強い部類に入るし、今の国家代表と比べても圧倒的にイッ君達に軍配が上がるよ。でも永久ちゃんはそう言うレベルじゃないんだよね。二人共どう?」
「はい、と言うより永久さんの強さは底が見えませんからね。今は大丈夫です。…あ、イチカ。此処どうする?」
「まぁ、此処にいる全員が束になっても勝てない事は分かりますけどね。何処?…あぁ、其処か、其処はノータイムで切り替えれるのが良いと思う。」
「成る程ね。じゃあ、この形だからこう言う風にして良い?これならほぼノータイムで切り換えが出来るから。」
「…成る程、その手があったか。あ、武装のデータそっちに送るから意見とか他に要望があったら言ってくれ。」
「分かった。…凄い、ほとんど私の要望通りだ。…ねぇ?イチカ?もう一つ要望を言って良い?これとこれを連結させて弓に出来る?」
「出来るぞ。と言うより、多分言うと思って既に連結して弓に出来る様に設計してる。今から送るのがそのデータ。」
「流石イチカだね。」
「イッ君、私にもそのデータ送って~。あ、かんちゃんのもお願~い。」
「「良いですよ。」」
「(…やっぱり二人は凄いなぁ、知識があるとはいえ十五歳の時の私を越えている。と言うより薄々気付いてはいたけど私と同じ領域に踏み込もうとしてる。…いや、もしかしたら既に踏み込んでる。なら私のやるべき事は一つ、二人に色んな知識を教えて私を越えれる様に導こう。ま、でも)此処の装甲をこうすれば切り換えがもっとスムーズになるよ。それとこれの此処をこうすれば扱いやすくなって、弓にした時にエネルギーのチャージ時間が短縮出来るよ~。」
「「ありがとうございます!」」
「どういたしまして♪(簡単には越えさせないけどね♪)」
「…あ、そろそろですn(ドゴォォォォォォオン!)ジャスト十分。まぁ、予想通りですね。」
「うん。鈴達に悪いけどあの人には一撃すら入って無いと思う。」
「まぁ、永久ちゃんだからね。二人共、永久ちゃんの所に行こうか。」
「「はい。」」
イチカ、簪、束の三人は聞こえてきた轟音を合図にPCの操作を辞めて鈴達が居る訓練場へと向かう。三人が無事でいる事を願って。そして轟音が聞こえる十分前の事。
「…では三人共、早速始めるぞ。…さっきも言った通り本気で来い。…もし本気で来なければ死を覚悟しろ。」
「「「ッ!?」」」
永久はイチカ達が移動した事を確認すると身に付けていた腕時計に触れると一本の木刀が現れる。そして木刀を握り締め鈴、セシリア、ラウラの三人に向けて構える。そして三人は目の前の人物は例え三対一で戦ったとしても勝てない事を理解するがそれでも自身の武装を構え戦闘体制に移る。
「…準備万端の様だな。…私がコインを弾く、そしてコインが地面に落ちた瞬間にスタートだ。…行くぞ。」
「「「…。」」」
永久がコインを弾き中を舞う。そして鈴達三人は直ぐに反応出来る様に全ての感覚を研ぎ澄ます。コインはある程度の高さまで上がるとゆっくりと落下していく。コインが落下していく時間はほんの数秒の筈だが三人には何倍にも遅く感じていた。
(((…!今!)))
(…反応は申し分無い。…ならば次は。)
「「ッ!」」
「なっ!?」
コインが地面に落ちると同時に鈴とラウラは永久に向かって一気に加速して攻撃を仕掛け、セシリアは様子見でレーザーを一発撃ち込む。しかし鈴とラウラは何かを感じ取ったのか咄嗟に守りの体制に入るると後方に吹き飛ばされ、セシリアが撃ったレーザーは突然消滅する。三人は何が起きたのか分からないでいた。それもそうだろう、永久はコインを弾いてから全く動いていなかったのだから。
「(…咄嗟にガードしたか、直感も中々だな。…しかし驚いて追撃をしてこない、これは減点だな。)…どうした?その程度か?…なら今度は此方から行くぞ。」
「ッ!?(見えなかった!?とi)ガッ!?」
「…考え事とは随分と余裕の様だな。」
永久は鈴との距離を一気に詰め斬り掛かる。しかしそれを咄嗟に防ぎ事なきを得る。たが、永久は考え事をしている鈴の顔面に強烈な蹴りを入れ、地面に膝を着かせる。
「鈴!」
「鈴さん!」
「…しゃべる暇があれば攻撃を仕掛けるなり、行動の準備をするなりしたらどうだ?」
「ッ!?言われなくとも!セシリア!」
「分かりましたわ!ティアーズ!」
ラウラはセシリアに声を掛けて眼帯を外し、もう一度永久に向かって走り出す。そしてセシリアはティアーズを全て展開し一斉射撃でレーザーを放つ。
「…ほう、BT兵器か。(…だが、狙いが適当すぎる。そしてラウラ君は何をするつもりだ?…まぁ、此方には関係の無い事だ。)」
「(…そう言う事か!ならば!)「チッ!やはり攻撃は通らないか!」
(…止められた?…確か、AICだったか?それにラウラ君が眼帯を外してから動体視力が上がった?…しかし、セシリア君の狙いの適当さはどうにかならな…!)
「「ガッ!?」」
「鈴さん!ラウラさん!「…どうした?隙だらけだぞ。」カハッ!?」
永久は斬り掛かって来たラウラを
「ケホッ、セシリア!あんたの射撃全く当たって無いじゃない!狙うならちゃんと狙いなさいよ!」
「一度も攻撃を当てる事の出来ていない鈴さんに言われたくはありませんわ!」
「二人共辞めろ!今は争っている場合では無い!目の前の事に集中しろ!」
「邪魔しないでラウラ!今此処でセシリアと決着を着ける!」
「同感ですわ!此処ではっきりと白黒着けますわ!」
「ッ!勝手にしろ!その間私は私のやるべき事をやる!お前達は決着でも何でも着けていろ!」
「元からそのつもりよ!」
「…ハァ。(…イチカ君と簪君の仲間と聞いて期待してみれば、期待外れも良い所だ。…セシリア君の射撃は素人と疑うレベル、先程の鈴君とラウラ君の反応速度は感心したが仲間割れを起こすは、それを止めないは、ふざけているとしか思えないな。…正直、この三人が代表候補生とは思えないレベルだな。)」
鈴とセシリア向き合い仲間割れを始め、ラウラはレールカノンで永久に砲撃後、攻撃を仕掛ける。この光景を見ていた永久はイチカや簪から聞いたイメージと違う為に呆れるしかなかった。
「ハァ!せいっ!」
「…。」
「ッ!まだだ!」
ラウラは何としても永久に一撃入れようとするが、全ての攻撃を難無く防がれる。しかし、ラウラも攻撃が全て防がれる事は想定内な為に焦る事はせず攻撃のリズム等を変えるがそれら全ても対処されてしまう。
「(…成る程、個人で見れば中々の物だな。…戦闘技術に動体視力、判断能力も今の国家代表と比べても見劣りしない。…むしろ越えてすらいる。…だからこそ惜しいな。)…いや、此処で終わりだ。」
「ガッ!?(見えなかった…だと?この眼を使ってもこの人の木刀を振るうスピードを捉える事が出来なかった!? この人は一体どれ程の強さなんだ?…だが、私のやるべき事はやった。)」
「…さて、残りは二人か。」
「煉獄を纏え!紅龍!」
[単一能力『煉獄の覇王』発動!LINK1000%OVER!]
「ティアーズ!」
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」」
「(…鈴君のISの出力が上がった?…恐らく鈴君のISの単一能力は条件を満たすと出力が上がるのか。…そしてセシリア君はBT兵器をISに連結させ機動力を上げた…か。…そう言う事か。ラウラ君は二人に意識が向かないようにする。…それが先程ラウラ君が言ったやるべき事か。)…成る程。…どうやら私は勘違いをしていた様だな。」
鈴は煉獄の覇王を発動させ紅蓮の焔を纏い、セシリアは二十機あるティアーズを全て自身に連結させ、そのまま永久に攻撃を仕掛ける。しかし永久は何時の間にか取り出していた二本目の木刀と元から持っていた木刀で二人の攻撃を防ぐ。二人は攻撃の手を緩める事は無く、即席ではあるが二人の槍と長剣によるコンビネーションで攻撃を仕掛けるが永久はそのコンビネーションすらも容易く防ぎ
「…すまない。私は君達を過小評価し過ぎていた様だ。…だから最後は私も少しばかり本気を出そう。」
「「…え?」」
「…は?」
二人は何が起きたのか理解出来なかった。気が付けば轟音が響き二人のISは解除されていた。その光景を見ていたラウラですら状況が理解出来なかった。何故ならラウラが見た光景は攻撃を防いでいた永久がいきなり姿を消したと思うと、いきなり姿を現した永久が鈴とセシリアを吹き飛ばした光景だからだ。
「…あ。」
「永久ちゃーん!終わったー?」
「三人共大丈夫か?」
「見た感じ大丈夫みたいだね。」
「…束。…一応、三人の実力確認は終わりはした。」
「お疲れ様~。はい、お水。鈴ちゃん達の分もあるからしっかり水分を取ってね~。」
「…すまないな。」
「「「ありがとうございます。」」」
「…よし、イチカ君と簪君はこのまま私と何時もの訓練、鈴君、セシリア君、ラウラ君は束の指示に従って訓練。…頼んだぞ束。」
「任せて!」
イチカと簪は目隠しをして生身の状態で永久と、鈴とセシリアとラウラは束との訓練を開始した。勿論、イチカ達と永久達の実力は桁違いな為に攻撃が当たる事は無い。(時折、永久が調子に乗っている束に向かって放つ斬撃波が当たっているが。)それでも五人は諦めず永久と束に一撃を入れようとしていた。そしてこの訓練は昼前まで続き、終わる頃に五人は疲労が溜まっており、束に関しては少しボロボロになっていた。
「束さん、大丈夫ですか?何か…俺達よりボロボロなんですが…?」
「大丈夫、大丈夫!体は真っ二つになってないからセーフ!ま、本気出されたらISの装甲すら斬り裂く斬撃波が飛んで来るから私生きてないけどね!」
「…全部お前の自業自得だがな。…さて、昼食にしよう。昼食が終われば…まぁ、楽しみにしていてくれ。…後、昼食の時は私服で構わない。今日の訓練は一応実力の確認だからな。」
永久の言葉を聞き各自解散し、私服に着替えてからリビングに集まり全員が揃うと昼食を食べ始めた。普段なら会話が弾む筈であるがイチカ達四人はある一点を見て絶句しており、その光景を見ている束は苦笑している。そしてイチカ達の視線を集めている永久と幸せそうな表情をしているラウラは特に気にする事も無く食事を進めている。
((((何!?あのダサいTシャツ!?…よく見たら上着も何かダサい!?))))
(相変わらずダッサいTシャツだな~。永久ちゃんはあんな糞ダサTシャツをよく着れるよね~。てかあのTシャツ何処で売ってんの?あ、上着にもTシャツと同じ様な文字が書かれてる。)
イチカ達の視線にあった物。それは『Tシャツだ!!』と力強く達筆で白く書かれた黒のTシャツを着て、上から袖部分に『上着です。』と書かれた黒と白の薄手の上着を着ている永久はの姿であった。
「…どうした?食事が口に合わなかったか?」
「あ、いえ!そう言う訳では無くt「永久ちゃんの着ているそのダサTとダサい上着に皆驚いて絶句してるんだよ~。」ちょっ!?束さん!?」
「…?…言う程ダサいか?これ?…私的にはかなり良いセンスだと思うが。」
「ダサいよ~。前に見た可笑しな星座シリーズ並みにダサいよ~。と言うか永久ちゃんの持ってる仕事着とジャージ以外の私服は全部ダサいよ~。」
「…いや、それは可笑しい。私の所持している服は全部良いものだ。…後、あれは可笑しな星座シリーズじゃない、素敵な星座シリーズだ。」
「ブッwwww素敵なwwww星座シリーズwwww名前からダサいwwww」
「…先程からダサいダサい言っているが蒼夜との初デートの時にアリスの格好をしたお前に言われたくは無いんだが?」
「ちょっと待って!?何でいきなり私の黒歴史を暴露したの!?しかも二番目に知られたく無い奴を!?」
「「「「ブッw」」」」
「…何故って私の中でダサいと言ったらお前のアリスしか思い付かないからな。…まぁ、昔に比べたら随分良くなったと思うが初デートでアリスは無いな。」
「だからその話はもう良いってば!?…まったく永久ちゃんたら、私の黒歴史はISのコア並みにブラックボックス何だからね?」
「…そうか、それはすまなかったな。」
束は頬を膨らませながら永久に向かって文句を言うが束の顔は何処か楽しそうな表情をしており、永久も表情こそ変わってはいないが満更でも無さそうな雰囲気だった。
そして時が過ぎ、日が沈みかける頃。イチカは束達の提案で永久の別荘近くで行われる夏祭りに来ていた。服装も私服ではなく、白地に紫色の焔の様な模様がある甚平を着ており右手に持った団扇で自身を扇ぎながら鈴達の到着を待っていた。
((♪~♪))
(随分と楽しそうだな?ロリっ子にゆるキャラ?そんなに浴衣が気に入ったのか?)
(まーね♪ってだからメアさん!私をロリっ子って呼ばないでよ!?私にはちゃんと白式って言う名前があるんだから!)
(そ~だ、そ~だ!後、ゆるキャラじゃなくてユルセンだからな~!)
(知るか、お前らはロリっ子とゆるキャラで充分だ。)
(三人共、今日くらいは仲良くしましょう。折角メアさんのお陰で私達も浴衣を着て見て回れるですから。メアさんもあまり白式とユルセンを挑発しないで下さいね?)
(…チッ、委員長に免じてこれくらいにしといてやる。)
(ずるくない!?何でメアさんはお姉ちゃんに対してはそんなに素直言う事聞くの!?)
(ギャーギャーうるせぇな!少しは黙ってろ!このぺったん娘!)
(なっ!?喧嘩売ってんのか!?それに貧乳はステータスだ!希少価値だ!って言葉を知らないの!?)
(ハッ!所詮は負け惜しみだな!)
(いや、白騎士も言ったけど二人共喧嘩を辞めろよ?ほら、白式はメアを威嚇しない、メアもメアで白式を挑発するなよ。)
(…マスターがそう言うなら。)
(…フン。)
イチカが白式とメアの喧嘩を止めると二人は渋々威嚇と挑発を辞め互いに向き合う。
(ほら、二人共仲直りの握手をきちんとしてください。これからMasterを支える仲間なんですから。)
(…わかったよ、お姉ちゃん。)
(…チッ、仕方ねぇな。…ほらよ。…まぁ、さっきは俺も悪かったな。)
(メアさん…。うん!これからよろしくね、お兄ちゃん!)
この時、白式のメアに対する印象は口の悪い嫌な奴から口の悪い不器用な兄の様な人に変わっていた。その為、メアの呼び名をメアさんから白騎士と同じ様にお兄ちゃんと呼び名を変え、自身に差し出された手を握ろうとする。しかし
ゾワッ(…ッ!?)
(ちょっと!?何でいきなり手を挙げたの!?しかも何か嫌そうな顔してるし!)
(…いや、何て言うかお前が呼び名を変えた瞬間に背筋がゾワッとした。握手を避けた事と嫌な顔したのは謝罪するがなるべくその呼び名で俺を呼ぶんじゃねぇ…!)
(えぇ!?良いじゃん!メアさんの事をお兄ちゃんって呼ぶ位良いじゃん!特に減るものでも無いし!)
(良くねぇよ!?兎に角、その呼び名で俺を呼ぶなよ!?絶対だからな!)
(おやおや~?それは呼ぶなよ!?絶対に呼ぶなよ!?と言うフリかな~?)
(フリじゃねぇよ!?しばかれたいのか!?)
(ですから落ち着いてください!全くもう!)
(ハハ、確かに確かに白騎士は委員長だな。「おーい!師匠~!」お、鈴達も来たみたいだ…)
「ごめんイチカ、待った?」
「イチカさん、お待たせしましたわ。」
「お待たせ、イチカ。」
「…。」
イチカはラウラの声が聞こえた方を見ると固まってしまった。何故ならラウラの声が聞こえた方を見ると、蒼地に風の様な模様がある浴衣に蒼い装飾が付いた髪飾りを付け髪を纏めたセシリア、黒地に兎の模様がある浴衣に黒い装飾が付いた髪飾りを付け髪をサイドテールに結んだラウラ、空色の浴衣に水色の装飾が付いた髪飾りを付け眼鏡を外している簪、そして真紅の浴衣に真紅の装飾が付いた髪飾りを付け髪を下ろした鈴の姿があった。
「…あれ?どうしたのイチカ?」
「ごめん、待って。視界に映った情報に脳と理性が追い付いてない。スゥ…よし!バッチ来い!」
「あー…そんなにしっかり見られると…その…恥ずかしいんだけど…えっと…似合ってる…かな?」
「ご、ごめん!…でも凄く似合ってる。その…髪も下ろしてあるから新鮮な感じがする。あー…色々伝えたいのに上手く言葉に出来ないな、だけどこれだけは伝えれる。その姿は凄く似合って見惚れる程綺麗だ。」
「あはは、何か照れるね。でも、ありがと♪」
「この時、イチカの脳内には二つの選択肢が浮かんでいた。それはAこのまま鈴を押し倒し本能に身を委ねる。B鈴に押し倒され鈴に自身を委ねる。この二つの選択肢がイチカの中で葛藤していたのであった。」
「ちょいちょい簪さんや、想像で変なナレーションを付けるなよ。てか、何で選択肢が押し倒すと押し倒されるの二択なんだよ?」
「え?違うの?私的には鈴が水と間違ってお酒を飲んで何時もとは違う雰囲気になってイチカを押し倒してディープキスされるんじゃないの?」
「えらく具体的だな!?てか俺が押し倒される側かよ!?…たく、で?どうする?このままこのメンバーで回るか?」
「あ、ごめん。私は本音と回る約束してるから少し此処で待ってる。だからイチカ達で回ってて。」
「了解。セシリアは?」
「私も刹那さんと共に回る約束がありますのでまたの機会に。」
「分かったわ。ラウラはどうする?良かったら私達と一緒に回る?」
「良いのっ…いや、私の事は気にせず師匠と鈴は二人で回ってくれ。私は一人で回ろうと思う。」
鈴がラウラに自分達と一緒に回るかと尋ねると最初は嬉しそうな笑顔で答えようとするが二人の時間を邪魔しないように寂しそうな顔で断る。そして寂しそうな顔をしたラウラを見たイチカと鈴は互いにアイコンタクトをして頷き合う。
「そっか、でもラウラと一緒に回ったら楽しそうだと思ったんだけどな~?」チラ
「まぁ、無理強いは出来ないからな。ラウラが一人で回りたいってなら仕方ないな。色んな出店をラウラに知って貰いたかったんだけどな~?」チラ
「うっ…。」
「ラウラが私達と回れないのはとっても残念ね。」チラ
「仕方ないさ。ラウラにはラウラの考えがあるんだろ。…まぁ、でも」チラ
「「ラウラと一緒にお祭りを回って色んな物食べたり遊んだりしたかったな~!」」チラチラ
「わ、私は師匠と鈴と共に回って良いのか?迷惑ではないのか?」
「全然。むしろ私達は本当にラウラと回りたいと思ってるし。」
「だな。で?どうするラウラ?俺と鈴と一緒に回ってくれるか?」
「も、勿論だ!私も本当は師匠達と回りたかった!」
「決まりだな。そしたら花火打ち上げの時にまた集合で良いか?」
「えぇ。」
「了解。」
イチカ達はそれぞれ別れて別行動を開始する。イチカ、鈴、ラウラのグループは一足先に祭りを周り始める。そして待ち人を待っているセシリアと簪は時間を潰そうと会話を始める。
「そう言えばセシリア、最近はどうなの?」
「どう…とは?」
「え?黒姫先輩との進展だけど?「なっ!?」好きなんでしょ?黒姫先輩の事。」
「…ふぅ、どうやら簪さんにもバレバレだったようですわね。引きましたでしょう?異性ではなく同姓を好きになった私を。」
「いや、全然。別に人を好きになる事は悪い事では無いし、セシリアが黒姫先輩を好きになったとしてもセシリアはセシリアだよ。てか、ネガティブになりすぎ。もっと自分に自信持とうよ。と言うか私はセシリアの事を応援してるんだよ?」
「簪さん…ありがとうございます。イチカさん達にも同じ様な事を言われましたわ。どうしてもこの事になるとマイナスの事ばかり考えてしまいますわ。…このままこの気持ちを刹那さんに伝えても良いのか、伝えたら伝えたで迷惑ではないか?イチカさんと鈴さんに応援されたにも関わらずそう考えてしまうのですわ…。」
「成る程ね。なら質問だけどさ、セシリアは黒姫先輩の何処に惹かれて好きになったの?」
「私は…私はあの方の…刹那さんの全てに惹かれましたわ。あの美しく伸びる黒い髪に、真っ直ぐな瞳に」
セシリアは自身が刹那に惹かれている箇所を簪の瞳を見ながら伝えると同時に自身が惹かれて箇所を再確認する。例え実ら無かったとしてもこの気持ちを刹那に伝えるために。
「纏っている優しい雰囲気に、刀を構えた時に見せる凛々しい姿に、時折見せる子供の様にはしゃぐ姿に、そして何よりも側に居て心が安らぎもっと共に居たいと自然に思え、どんなに事があろうと護り抜きたいのですわ。」
「その気持ちに嘘偽りは?」
「そんな物微塵もありませんわ!もう私は迷わず自分が決めた事を貫き通しますわ!」
「…ふふ、ちゃんと言えたね。私が思うにその気持ちを素直に黒姫先輩に伝えれば良いと思うよ?(それに私の勘が正しければ…)」
簪はセシリアの決意を聞き終わると、優しく微笑みながらどうすれば良いのかアドバイスを伝える。そしてそのアドバイスを聞いたセシリアは先程よりも晴れやかな表情になっていた。
「簪さん、アドバイスありがとうございます。…それはそうと一枚良ろしいでしょうか?」
「うん、最後ので台無しだよ。ま、それがセシリアらしくて良いけど。」
セシリアはカメラを取り出し、浴衣姿の簪に向けてシャッターを切り撮り納める。カメラを向けられた簪も満更でも無いのか満面の笑顔で返す。そして二人は刹那と本音が来るまで他愛無い話をして二人を待っていた。待っている最中に送られてきた画像を見たセシリアが変な声を挙げていたがそれ以外は変わった事も無く、そして刹那と本音が一緒に此方に向かって来ている姿が確認出来る。本音は簪とセシリアを見付けると長い袖に隠れた右手をバサバサ鳴らしながら二人の名前を呼び、刹那は小さく胸元で手を振っている。
「お~い、かんちゃ~ん!セッシ~!」
「!…………ハッ!…簪さん、本音さんのあれは浴衣と呼べるのでしょうか?何と言うか…その…ちぐはぐし過ぎている様に見えるのですが…。」
「セシリア、本音のあれは間違い無く浴衣とは言えないよ。あんな浴衣とコスプレ巫女服を合体させた物が浴衣と呼べる訳が無いよ。と言うより誤魔化してるみたいだけど呼吸止まってたよね?」
「バレて居ましたか…簪さんの言う通り刹那さんの浴衣姿を目にした瞬間に…その…ときめきがオーバーヒートしたのですわ。」
「ときめきがオーバーヒート。」
「やっほ~二人共~。楽しそうに何話してるの~?」
「今晩はセシリアさん、簪さん。お二人の浴衣姿とても似合っていますね。」
「今晩は。そう言う黒姫先輩も似合ってますよ。そして本音のは何?浴衣なの?コスプレ巫女服なの?」
「えへへ~、可愛いでしょ~?お店で安売りされてる所を見てビビっと来て買ったんだ~。」
「成る程ね。狐耳と尻尾があれば完璧だね。」
「あるよ~。」
「あるんだ。…ほら、セシリア。」
「…分かっていますわ。今晩は刹那さん、浴衣姿とても似合っていて思わず見惚れる程お美しいですわ。」
「あ、ありがとうございます。セシリアさんも雰囲気と浴衣の色が合っていてとても綺麗ですよ。」
「ありがとうございます。刹那さんにそう言われると光栄ですわ。」
簪は刹那に見とれているセシリアに軽く肘で突き意識を覚醒させ刹那の浴衣姿を褒める。自身の浴衣姿を褒められた刹那は顔を赤らめながら嬉しそうにしてセシリアの浴衣姿を褒める。
「あ、そうだ。セシリア、カメラ貸して。折角だから黒姫先輩と一緒に撮ろうか?」
「「えっ!?良いんですの!?(ですか!?)あっ…そのお願いします。」」
「ん、任された。なら二人共其処にならんで。ほらセシリア、もっと黒姫先輩に近付いて。黒姫先輩は恥ずかしがらないでください。…はい撮るよー、はいチーズ。はいセシリア、良く撮れてると思うけど確認宜しく。じゃ、私達は先に回ってるから。」
「セッシ~、くろひ~先輩~、また後でね~。」
「ありがとうございます。本音さんもまた後程。…え、これ!?か、簪さん!?」
セシリアは簪と本音が祭りに向かったのを見送ると簪から受け取ったカメラの中身を確認する。するとセシリアは写っていた写真を確認すると同時に驚きの声を挙げ簪に質問しようとするが既に簪の姿は無い。
「?セシリアさん、どうかされたんですか?凄く驚いている様ですが。」
「刹那さんこれを見て下さいませ。」
「これは…」
セシリアは刹那に持っていたカメラを見せる。其処には先程簪が撮影した浴衣姿の二人のプロ顔負けの美しい画像が写っていた。
時は遡り先に回り始めたイチカ、鈴、ラウラの三人は楽しみながら回っていた。そしてラウラに関しては初めて経験する日本の祭りにテンションが上がっており周りの人達に迷惑が掛からない位にははしゃいでおり、頭にはラビットム君のお面、左腕には大小様々な袋を多数吊るし、左手には水風船を持ちながら遊び、右手に林檎飴を持ち食べながらイチカと鈴の三人で回っていた。
「師匠!鈴!次はあの店に行こう!」
「ラウラ、露店は逃げないから少しは落ち着きなさいよ。そんなに急いだら危ないわよ?」
「ま、ラウラにとっては初めての日本での夏祭りなんだし自然とテンションが上がるんだろ。」
「成る程ね。えっと、肝心のラウラは…あ、居た。彼処は…たい焼き屋みたいね。」
「たい焼きか。そう言えば最近食べてないな…俺達も買ってみるか?何なら奢るけど?」
「そうね、私も久々に食べてみたいから買いましょ♪たった数百円なんだし私が出すわよ。」
「「…。」」
「むむむ…悩む。王道の黒餡にすべきか、黒餡と双璧をなすクリームにすべきか、邪道と言われているチョコにすべきか、はたまた黒餡と似て非なる白餡にすべきか…究極の選択だな。う~む…む、待っていたぞ師匠に鈴。早速だがどれを買えば良いと思う?四種類もあると悩んでしまってな。」
「あ~、今食べたい物を買えば良いんじゃないか?」
「成る程!すまない!全種類を二つずつ貰おう!」
「え、あ、全部で千六百円になります。」
「うむ!感謝する!」
「すいません、黒餡とクリームを一つずつ。」
「分かりました。二つで四百円になります。(カップルかな?なら支払いは彼氏の方か…)」
「行くぞ、鈴。」
「望む所よ、イチカ。」
(…え?何で剣幕になってるの?)
「う~ん♪黒餡は上品な甘さだな♪」
「「…。」」
(…え?何で拳同士を合わせてるの?)
「クリームは口一杯に甘さが広がって幸せだな♪」
「「最初はグー!」」
(…え?じゃんけん?まぁ、本人達が納得してるなら良いか。)
「邪道と言われているチョコだが有りだな♪まさにたい焼きとチョコがベストマッチだな♪」
「「じゃんけんぽん!しゃぁ!(クッ!チョキを出していれば…!)」」
(あ、彼氏の方が勝った。なら支払いは彼女か…でもそれってどうなの?)
「白餡は黒餡と違った甘さと舌触りで上手いな♪好みが別れると思うが私はどちらも好きだな♪」
「俺の勝ちだな。と言う訳でお代の四百円です。」
「え??うん??あ、はい。ありがとうございます?…うん???…えっ???」
「師匠、鈴!次は何処に行くんだ!?」
「う~ん、花火までには時間があるしもう少し回るか。」
「そうね、少し回ったら休憩スペースで休んでも良いしね。」
「なら私は彼処に見えるケバブが食べたいぞ!」
「まだ食べるのか…。」
「よく入るわね…。」
三人はケバブ屋に向かう為にたい焼き屋から離れる。その背中を見送るたい焼き屋の店主は未だに疑問符が浮かんでいた。
「ふぅ、本当に色んな露店があるな。何かここ数年で一気に露店の種類が増えたな。ほい。」
アムッ「そうねぇ、一年半も日本を離れてたけど本当に増えたわよねぇ。あ、そう言えばイチカって初詣とかってどうしてたの?体質的に神社と相性最悪よね?はい。」
ハムッ「まーな、てか初めてこの体で初詣に行ったら体中がヒリヒリして参拝が終わって神社を出る頃には激痛でヤバかった。半分だけだから死にはしなかったけどあの痛さは尋常じゃなかった。ま、参拝が命懸けとか想像出来ないからな。さてと♪~♪」
[キィー!]
「あら、コルーじゃない久し振りね♪」
[キィー♪]
イチカと鈴は少し回ると休憩スペースでラウラを待ちながら他愛の無い話をしてゆっくりと過ごしていた。そしてイチカは口笛を吹きコルーを呼び出し、鈴は久し振りに会ったコルーの頭を撫でる。撫でられたコルーも嬉しそうにしていた。
「すまんコルー、これを束さんと永久さんに届けてくれないか?」
[キィー!]
「サンキュー、コルー。お、ラウラが帰って来たな。」
「師匠!鈴!夏祭りと言う物は楽しいな!色んな美味しい物も沢山売ってて私は幸せだぞ!」
「それは良かったわね♪」
「ま、此方も楽しんでもらえて何よりだ。フーフー」
「?何だ、それは?眼魂か?」
「眼魂って…これはたこ焼きよ。た・こ・焼・き。ラウラも一つどう?美味しいわよ?」アムッ
「食べた…!?」
「まぁ、食べ物だからな。ほい、ラウラ。熱いから気を付けろよ?」
「ふわぁ…(何だ!?この香ばしく美味しそうな香りは!?あ、抗えない…!食べたいと言う欲求から…)ッ~!?」
「ラウラ!?大丈夫か!?」
「…ふぁいほぉうふぁ、ほぉんふぁいふぁい(大丈夫だ、問題ない)。」
「いや、言えてないからね?はい、水。」
ラウラは差し出されたたこ焼きを冷やさずに食べてしまい、あまりの熱さに口を火傷してしまう。それを見ていたイチカと鈴はかなり心配していた。
「…師匠、鈴、一体何なんだあのソースは、あのふわふわ食欲は、あの中に入っている旨味たっぷりの歯応えの良い物は…あの強烈な習慣性…あれが無闇に世に放たれれば大変な事になるぞ…人々は禁断症状に震え、たこ焼きを求めて戦が起こるに違いない。」
「ねーよ。たこ焼きで戦が起こってたまるか。」
「ラウラはたこ焼きが気に入ったみたいね。」
「うむ!」
「あ、ラウラ。クロエさん達に送る写真を撮っても良いか?後でラウラの方にも送るからさ。」
「姉さんに!?勿論良いよ!そうだ!鈴も一緒に撮ろうよ!姉さんに私の親友を見せてあげたいんだ!」
「!?」
「あー、そう言えば鈴は初めて見るんだっけ。ラウラにはクロエさんって言うお姉さんが居て、そのクロエさん関係の話になるとこうなるんだよ。」
「へぇ。こんな感じのラウラは新鮮ね。何時もとは違った可愛さがあるわね。よっと!親友にそこまで言われたら喜んで一緒に写るしかないわね。良いわよ一緒に写りましょ。」
「うん!」
「フッそれじゃ撮るぞー。…はい、チーズ。」
二人は満面の笑顔で手を繋ぎながら肩を合わせ、ラウラは右手を幽霊の手の様にするラビットム君ポーズを、鈴は左手を猫の手の様にするキャットガールポーズをそれぞれとり、イチカはそれをスマホで撮影する。
簪&本音ペア
「こうやってかんちゃんと二人で歩くの久し振りだね~。」
「そうだね。中学の頃は息抜きも兼ねて二人でよく出掛けたけど、IS学園に入ってからはこんな感じで二人で出掛ける事は減ったからね。まぁ、本音が何時も行く所はカフェとか洋服屋ばっかりでスイーツ食べたり着せ替え人形みたいにされたのは良い思い出だけどね。」
「確かにIS学園に入ってからは減ったよね~。何時もリンリンやラウラウと一緒に出掛けて、時々イッチーやセッシー、くろひー先輩も一緒だったからね~。かんちゃんも女の子なんだからお洒落くらいしないとね~。かんちゃんだって本屋とかゲームセンターばっかりだったよね~。しかもゲームセンターのランキングを全部かんちゃんの名前で塗り替えてたからね~。」
「楽しいから仕方無い。それにゲームセンターは数百円でフィギュアとかのグッズが手に入るから好きなんだよね。」
「普通はそんな簡単に取れる物でもないと思うんだけどな~。…あ、そう言えばかんちゃんって恋とかしてるの~?」
「してるよ~、それに今月中に推し嫁のフィギュアが届くからね。」
「かんちゃん、そう言う事じゃ無くて~、イッチーとリンリンみたいな事だよ~。」
「あぁ、成る程ね。う~ん、正直してみたいって気持ちはあるけどよく分かんないんだよね。恋愛ゲームみたいに選択肢が出る訳でも、好感度が見える訳でもないから余計にね。」
「かんちゃん…ゲームから離れようよ…。でもイッチーとリンリンの仲の良さを見てたら羨ましく思うよね~。」
「成る程ね。本音からしたら二人はただ仲が良い様にみえるんだ。」
「?どう言う事~?」
本音は簪が言った事の意味が理解出来ず、首を傾げながら簪に質問する。勿論、簪は本音のリアクションが予想通りである為にイチカと鈴の関係を説明する為に口を開く。
「イチカと鈴は
「…それって大丈夫?もしイッチーとリンリンが別れる様な事があったら、二人共最悪の展開になるんじゃ…。」
「久し振りに少し前の本音が出たね。まぁ、その点に関しては大丈夫だよ。何せ二人は
「でも、もしどっちかが別れを…あれ?イッチーはリンリンに依存してて、リンリンもイッチーに依存してお互いに必要としているから二人共別れを切り出す事が無い?」
「正解。ま、依存どうこうの前にあの二人ならこれからも大丈夫でしょ。さて、折角夏祭りに来てるんだから何か「すいません、財布を落としましたよ。」え?…あ、本当だ。ありがと…御手洗さん?」
「え?…あ、更識さん。」
簪と本音が話をしながら歩いてあると突然声を掛けられ振り向くと、黒の甚平を着用し眼鏡を掛けた二人と同じ年頃の少年がアニメキャラのストラップが付いた水色の財布を差し出しており、お互いに面識があるようだ。
「かんちゃん、知り合い~?」
「まぁ、知り合いって言うか…何て言うか。」
「私が何時も利用してるお店の店員さんの御手洗さん。たまに話し相手になってもらったりアドバイスしてもらったりしてる。」
「成る程ね~。私は布仏本音だよ~。私の事は好きな様にに呼んでね~。」
「御手洗数馬だ。宜しく布仏さん、此方の事も好きに呼んでくれ。」
「宜しくね~。じゃあ数馬だから~、かずみんって呼ぶね~。」
「え?なら、心火を燃やした方が良いか?」
「むしろ私的には激凍心火だと思う。」
「流石に消えたくは無いんだけど…。」
「大丈夫。その後に一致団結でドッキングするから。」
「なら、安心だな。…「イエーイ」」
簪と数馬は今のやり取りが嬉しかったのか静かにハイタッチをして喜んでいた。そして、そのやり取りを見ていた本音は聞こえた単語を呟きながら首を傾げていた。
「(二人で何言ってるか分からないから取り敢えず話を進めよ~)かんちゃ~ん、財布を拾ってくれたんだし何かお礼したら~?」
「それもそうだね。何か希望ある?」
「普通にため口で良いんだが。…ならミルクでも貰おうか。」
「なめてんのか小僧!…「イエーイ」やっぱり御手洗さんとは話が合うから楽しいね。」
「俺もこんな風に話せて楽しいよ。あ、そうだ、さっきのお礼はあれでいかな。」
「あれって…お好み焼きで良いの?」
「おう。それにバイト先以外で更識さんに会えて俺は嬉しいしな。」
「私も、それに…」
「(おやおや~?これはもしかして~?)かんちゃ~ん、かずみ~ん、私ラムネ飲みたくなったから~買ってる来るね~。あ、二人は私に構わず楽しんでね~。」
「あっ!本音!行っちゃった…。」
「はっや…」
本音は二人を見て何かを感じ取り脱兎の如くその場から離れる。その光景を見ていた簪と数馬は唖然としていた。そして、二人は顔を見合せて話をしながら移動し始めた。
「はい、財布のお礼。…そう言えばみたらゃ…御手洗さんは何時からあのお店で働いてるの?」
「サンクス、後、別に呼び方は名字でなくとも良いよ。あの店は高校に入ってすぐにバイトし始めたんだ。ほら、自分の趣味に使う金銭くらいは自分で稼ぎたいだろ?親も自分で稼いだ分は好きにして良いって言うし。」
「分かる。自分で稼いだお金を自分の趣味に使えるって最高だよね。なら私はかずみんって呼ぶね。かずみんも私の事好きに呼んで良いよ。」
「そうか?なら布仏さんが呼んでたかんちゃんって呼ぶ事にするよ。…さて、休憩所でお好み焼きを食べるたらどうする?」
「…それはあれのお誘いと見て間違いないかな?なら良いよ、もしもの為に何時も準備してるからね。」
「なら、決まりだな。」
簪は購入したお好み焼きを数馬に渡しその後の事を話し始める。そして、お互いが渾名呼びになった事で距離が縮み、お互いが楽しそうにしていた。
セシリア&刹那ペア
「…。」
「…。」
「「…あ、あの!…そ、そちらからどうぞ…。」」
「コホン…では私から。今日はお誘い頂きありがとうございます。ですが刹那さんはこう言った人の多い所は苦手の筈では?」
「そう…ですね。セシリアさんの言う通り私は人の多い場所は少し苦手ですね。でも私はこの夏祭りを一緒に回りたいと思ったんです。他の誰でもない貴女と。」
「私と?」
「はい。…自分でも不思議なんです。普段なら夏祭り等の人混みの多いイベントは避けている筈ですが、何故だかセシリアさんとなら回ってみたい、と言うよりはセシリアさんと共に過ごしたい…そう思ったんです。…可笑しいですよね。」
「…私は、そうは思いません。実際、刹那さんからこの夏祭りを共に回わらないかと誘われた時、私はとても嬉しく思いました。それに私もこう言う風に刹那さんと共に過ごしたいと思っていたんです。」
「セシリアさん…。…ふふ、何だか私達、似てますね。」
「そうですね。では刹那さん、参りましょうか?(…このまま、私が秘めたこの想いを伝えれたのなら、貴女は…受け入れてくれますでしょうか?)」
「えぇ、喜んで。(…やはり、セシリアさんに対するこの想いは恋…なのでしょう。楯無さんに相談して気付いた私の気持ちを伝えたらセシリアさんは受け止めてくれますか?)」
お互いに同じ想いを抱きながらゆっくりと夏祭りを回る二人。特に何かを購入するわけでもなく、ただ話をしながら回っていた。すると突然、刹那が射的の屋台の前で足を止める。
「刹那さん?どうかされたのですか?」
「あ、いえ。あの孔雀のぬいぐるみがとても可愛らしいと思いまして。」
そう言いながら刹那は射的の屋台の景品のデフォルメされた大きめの孔雀のぬいぐるみを指差し、セシリアも指差された孔雀のぬいぐるみを見る。
「成る程。確かに可愛らしいですわね。…すいません。一回幾らになりますか?」
「セシリアさん?」
「五発で三百円だよ。見たところお嬢ちゃんは外国から来たのかい?」
「えぇ、イギリスからIS学園に学びに来ています。では一回分お願い出来ますか?」
「あいよ。と言う事は未来のブリュンヒルデを目指して頑張ってるんだな。それに二人とも別嬪さんだからおじさんからのおまけね!」
「ありがとうございます!」
そう言うと店主はセシリアに射的用の弾を七つ手渡す。そして、玩具の銃に玉を込め一度構えて景品の一つである小さなお菓子に標準を合わせる。
(まずは様子見で構えてみましたが…軽い…いえ、軽すぎますわね。しかし、例え玩具の銃であったとしても銃に変わりはありません。私が銃を構えたならばただ撃ち抜くのみ!)
セシリアは呼吸を整え引き金を引き、心地良い音と共に弾が発射される。放たれた弾は小さなお菓子に真っ直ぐ向かい命中すると棚から落下する。そして店主は落下したお菓子を拾い上げセシリアに手渡す。
「ほー、流石は未来のブリュンヒルデなだけはあるな。一発で落とすなんてな!」
「いえいえ、これは様子見ですので…本番はこれからです。(想像より威力があるのですね。この威力と残り弾数であれば余裕を持ってあのぬいぐるみを落とすのは可能。)」
「…。」
「ふぅ…。(後ろで刹那さんが見ていらっしゃる。…それほどあの孔雀のぬいぐるみが欲しいのですね。…ハァ、まさか私が可愛いぬいぐるみに嫉妬する日が来るとは思いもしませんでしたわ。)…一発目。」
先程と同様に発射された弾はぬいぐるみの羽部分の右側に当たり少し後ろに後退しながら傾く。セシリアは特に驚きもせずに次の弾を装填する。
「ふぅ…。」
今度は孔雀の羽部分の左側に当て、先程よりも後退しながら正面を向く。後数発ぬいぐるみに当たれば落下するだろうと考え再び弾を装填する。
「…。」
「?どうかされましたか刹那さん?もしや今の私に何か可笑しな所でも?」
「!?い、いえ!そうではなくて…その…銃を構えたセシリアさんがとても素敵で…あの…つい見惚れていました。だから…えっと…頑張ってください!」
「…!えぇ、任せてくださいませ。必ずあのぬいぐるみを撃ち落としてみせます。(好きな方からの応援とはこんなにも嬉しい物なのですね。…後数発で落とそうと思っていましたが予定変更ですわね。次の一発で確実にあのぬいぐるみを撃ち落とす!)…貴方に…美しき鎮魂歌を!」
セシリアは再び弾が装填された銃を構え、先程と比べて鋭い目付きでぬいぐるみに狙いを定める。そしてこの時のセシリアは雑音等の無駄な音が聞こえないくらいに集中していた。
「スゥ…ハァ(…!今!)」
セシリアは一度呼吸を整え、ぬいぐるみの中心に狙いを定めて引き金を引き弾を発射する。発射された弾はぬいぐるみの頭部に真っ直ぐ向かい見事命中しゆっくりと落下していく。
「…!」
「フゥ…チェックメイト…ですわ♪」
『うぉぉぉぉぉぉぉぉお!』
「「!?」」
セシリアと刹那は大勢の叫び声が突然聞こえた事にき、背後を二人同時に振り返ると、そこには大勢の人達が興奮気味にセシリアを観戦していた。
「これは…?」
「あー、嬢ちゃんの事が噂になってるみたいなんだよな。何でも金髪美少女が射的をやってる姿が珍しくて素敵なんだと。」
「成る程。(よく見れば女性の姿も見えますわね。しかし…この状況は刹那さんの事を考えるとあまり好ましくないですわ。弾数は後三発…ならば)すいません。使える銃は一つだけですか?もし可能であれば後二つ貸してもらう事は可能でしょうか?」
「うん?まぁ、大丈夫だけど…何する気なんだ?」
「この状況ですし早めに切り上げようと思いまして。(本当は刹那さんの為ですけど。)」
「成る程な。ほらよ。」
「ありがとうございます。」
セシリアは玩具の銃を二つ受け取ると弾を装填し始める。周りの観客は不思議そうにしていが、刹那はセシリアが何をしようとしているのか分かったようで少し笑っていた。
「…。(素早く、的確に、撃ち抜く!)」
「格好いい…」ボソッ
『!?』
セシリアは二つの銃を構えた瞬間に引き金を引き、素早くもう一つの銃と持ち変えそのまま引き金を引く。先に発射された二発の弾はお菓子とストラップに当たり、直ぐに三発目の弾が先程と色違いのストラップに当たりゆっくりと落下していく。
「…すみませんが景品を頂いてもよろしいでしょうか?」
「ッ!あ、あぁ。ま、毎度あり。」
「ありがとうございます。…刹那さん、人が少ない所まで少し走りますので気を付けてくださいませ。」
「ぁ…!」
セシリアは景品を受け取ると刹那に声を掛けて手首を優しく掴みこの場から離れる為に小走りで走り出す。刹那の顔が紅くなっている事に気付かずに。
「…此処なら大丈夫でしょう。…急に手首を掴み走り出して申し訳ありません。(…刹那さんが不快な思いをしていなければ良いのですが…。)」
「い、いえ!気にしないでください!…むしろ、私の事を気にしてくださってありがとうございます。(…まだ…ドキドキしいてる…セシリアさんと共に行動してからずっと…でも…苦しくない…むしろ心地良いですね。)」
「…あ、刹那さん。どうぞこれを、今日誘って頂いたお礼として受け取ってもらえませんか?」
「…!ありがとうございます、セシリアさん!…あ、ストラップは色違いですけどお揃いですね♪」
そう言ってセシリアは先程獲得した孔雀のぬいぐるみと蒼色のストラップを刹那に差し出す。そして刹那はぬいぐるみとストラップを受け取り満面の笑みで感謝を伝える。その笑顔を見たセシリアは鼓動が速くなるのを感じた。
「そ、そうですね。私と刹那さんでお揃いのストラップですね。それに黒色は刹那さんのイメージカラーで私は嬉しいです。」
「ッ~///(は、恥ずかしい…!セシリアさんが私と同じ考えで嬉しい筈なのに何だか凄く恥ずかしい…!?)」
「刹那…さん?顔が紅くなられていますが大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です。予想より人が多かったので、少しばかり気分が優れないだけですので気にしないでください。」
「…刹那さん、此処で少々お待ちになられてください。何か飲み物を買ってきますので。それに幸いにもベンチもありますので座られてお待ちになってください。」
「(誤魔化すつもりが心配を掛けてしまった…仕方ありません、此処は私自身が落ち着くためにもセシリアさんの提案を受けた方が良さそうですね。)ありがとうございます、ではお言葉に甘えさせて頂きます。」
「では私が戻るまでゆっくりしていてください。」
「分かりました。」
刹那は人混みを避けながら歩くセシリアの姿を見送り、側にあったベンチに腰掛ける。待つ間刹那は孔雀のぬいぐるみを大事そうに抱えながら目の前を家族連れ等が通り過ぎて行くのを眺めている。
「(懐かしいですね。私も小さい頃に両親や姉さんと一緒に回って、あまりの人の多さに泣いてましまって姉さんが側に居て落ち着かせてくれましたっけ。)…貴女に…早く会いたいです…。」
自身の過去を懐かしみながら気付かない内に秘めた想いを呟き、誰かに聞かれる事も無く周りの音に溶け込む。そして刹那は思い出を振り返りながら想い人であるセシリアをゆっくりと待つ。
「ふ~ん、ふ~ん、ふ~ん♪かんちゃんも隅に置けないな~、かんちゃん自身は気付いて無いみたいだったけど、かずみんと話してる顔がリンリンがイッチーと話してる時と同じ顔をしてたんだよね~。それにかずみんも満更でもなかったみたいだしね~。お?やっほ~セッシ~。楽しんでる~?」
「本音さん?えぇ、私達は私達なりに楽しんでいますわ。処で本音さんは簪さんと御一緒だった筈ですが…?」
飲み物を買い終えたセシリアは刹那の元に戻る最中に楽しそうに手を振りながら此方へと向かって来る本音と再開する。しかし本音と共に行動している筈の簪の姿が見えず、疑問に思いながら質問する。
「う~ん、詳しくは言えないけど~かんちゃんの応援をする為に別行動してるんだよ~。」
「応援?」
「ま~、お楽しみだね~。それよりもくろひ~先輩が見当たらないけどどうしたの~?」
「刹那さんはこの人の多さで少しばかり酔われてしまわれた様なので彼方のベンチで休憩されていますわ。」
「あ、本当だ~。…あれ?」
本音はセシリアの近くに刹那の姿が見えない事に気付き共に行動していたでセシリアに問い掛けると本音の後方を見ながら本音に説明する。しかし、二人はベンチに座らず刹那に三人の男性が話し掛けている事に気付く。
「…ねぇ?セッシー?何かあれ…不味くない?…あれ?セッシーは何処n…あ。」
本音がセシリアに話し掛けると先程まですぐ側に居たセシリアの姿が見えず、既に刹那の元へと向かっており険しい表情をしていた。
「で、ですから私は人を待っているので貴殿方と共に行動する気は無いんです!」
「そんな事言わないでさ~、俺達と一緒に回ろうよ~。」
「それにこんな綺麗な娘を置いてく奴なんて気にせずパッー!と遊ぼうよ。」
「先程も言いましたが置いていかれた訳ではなく…!」
「まーまー落ち着いて。損はさせないからさ?ほら、いk…「嫌がっている女性を無理矢理連れて行こうとするの見過ごせませんね?」は…?」
「セ、セシリアさん!?」
「君、もしかしてこの娘のお友達?なら君も俺達と一緒に遊ぼうよ!」
「…刹那さん、少々失礼します。」
「…きゃっ!?あ、あの!?セ、セシリアさん!?こ、これは///!?」
「申し訳ありませんが彼女は私の連れなのでお引き取り願えますか?」
セシリアは刹那を優しく抱き寄せ男性達に笑顔で拒絶する。一方抱き寄せられた刹那は咄嗟の事で訳が分からなくなり混乱しているが嫌がっている様子はなく、顔が林檎の様に紅くなっていた。しかし、男性達もセシリアの気迫に後退りしたものの諦めずに声を掛ける。
「せ、折角だしさ俺達と…「聞こえませんでしたか?お引き取り願えますか?」」
「「「す、すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁあ!?」」」
セシリアは先程よりも気迫…と言うよりも殺気を声に込めて笑顔で拒絶する。しかし笑顔と言っても眼は全く笑っておらず鋭く半開きになっており、男性達は本能的に目の前の少女は危険だと感じ取り一目散に逃げだす。
「何だかセッシーがイッチーとそっくりになってたな~。う~ん、取り敢えずかんちゃんとかずみんの所に戻ってみようかな~。何かしら進展してるだろうし~。」
本音はセシリアが刹那をナンパしていた男性達を追い払う所を確認すると簪と数馬が居る休憩スペースに向かう。そして、休憩スペースに着くと簪と数馬が仲良くしている光景が眼に映る。
「ハヤテでダイレクトアタック!」
「させるか!バトルフェーダー効果で特殊召喚してバトルフェイズを終了!」
「ならメイン2に入ってハヤテでリンク!カガリ!効果でエンゲージ回収してそのまま発動!イーグルブースターを手札に加える!カットお願い。」
「ほい。」
「ありがとう。そのままワンドロー!二伏せエンド!」
「エンド時サイクロン!右側の伏せを破壊!」
「あっ!?セットしたイーグルブースターが!?」
「よしっ!んじゃ、ドロー、スタンバイ、メイン、死者蘇生!墓地からドラガイド!効果!デッキから五枚めくる!岩石族は一枚!最後のバックをバウンス!」
「私のミラフォが!?」
「やっぱりミラフォは仕事しなかった。さて、バトル!ドラガイドでカガリにアタック!そんで星槍を捨てて効果!カガリの攻撃力を三千下げる!」
「ちょっと待って!?此処で星槍!?負けたー!デッキ変えてもう一回しよう。」
「良いぜー。なら今度はウィッチクラフト使うかな。」
「う~ん、星杯で良いや。」
「ちょっとちょっと!?二人とも何してるの!?」
「「何って…デュエル。」」
「見てわかるよ!?私が聞きたいのは何で!夏祭りで!カードゲームしてるか聞いてるんだよ!?と言うか何で二人共当たり前の様に夏祭りにカードは勿論、敷く奴も持ってきてるの!?」
「「デュエリストだから。」」
「訳分かんないよ!?兎に角かんちゃんもかずみんも片付けて!良い!?夏祭りでカード禁止!そして夏祭りでしか出来ない事をする事!分かった!?」
「「はーい。」」
「全く!ほら二人共、屋台はいっぱいあるから一緒に…何してるの?」
「「ポケモン。」」
「話聞いてた!?何でゲーム機を取り出してポケモンやってるの!?夏祭りでしか出来ない事をする事って言ったよね!?」
「言ったね。だから私は夏祭りの為に着てきた浴衣姿でポケモンをやる。」
「俺もかんちゃんと同じで夏祭りの為に着てきた甚平姿でポケモンをやる。」
「「つまり今からポケモンをやる事は夏祭りでしか出来ない事をやると同じ意味になる。」」
「全く違うからね!?」
簪と数馬の言動に本音は普段の言葉遣いも忘れて二人に突っ込む。それ程二人の言動は驚愕するしかなかった。そして二人は片付け終わると側に置いていた袋から入っている物を取り出す。
「まーまー、ポテトでも食べて落ち着いたら?」
「…ありがと。」
「唐揚げもあるぞー。」
「…貰う。(あれ?もしかして…私より満喫してる?)」
♪~♪「ん…本音、そろそろ集まろうって。」
「りよ~か~い。」
「なら、此処で解散だな。」
「え?かずみんも一緒に行こうよ。」
「一緒に行こうよって…ありがたいけど俺が居たら迷惑じゃないか?ほら友達とかに。それに女子だけの所に俺が居たらかんちゃんと布仏さんが良く思われないだろ?」
「大丈夫、皆優しいしから。後、女子だけじゃなくて一人だけ男子も居るから。」
「それはそれでどうなんだ?」
「大丈夫だよ~。かんちゃんの知り合いなら皆受け入れてくれるよ~。」
「う~ん、そこまで言うなら…一緒に行くかな。」
二人の言葉に数馬は共に行動する事を決め、簪の案内で歩き始める。しばらく歩くと数馬は四人の少女と一人の少年が楽しそうに話している場面を見つけ、その中に見知った人物が二人居る事に気が付く。
「かんちゃん、彼処のグループがそう?へぇ、成る程。かんちゃん、玩具の銃持ってない?」
「玩具の銃は無いけどこれならあるよ。はい。でも何で?」
「おー、ディエンドライバー。んー?ちょっとな。」
「…。」
「?どうしたの本音?」
「…何でもないよ~。」
数馬は簪から私物の玩具を受け取ると目的の人物を目指してゆっくりと歩き始める。そしてその人物の背後に立つと玩具を構える。
「そこのオッドアイ手を挙げろ。お前をハーレム罪の容疑で逮捕する。」
「…何やってんだ?数馬?」
「…何故バレた?」
「逆に何でバレないと思った?」
「え?何となく?」
「何となくって…バレるに決まってるでしょ普通。」
「イチカさん?この方は?」
「うん?あぁ、紹介する。中学からの友人で御手洗数馬。と言うか何でディエンドライバー持ってるんだよ?」
「御手洗数馬だ、宜しくな。あ、これ?知り合いから借りた。」
「知り合い?「私だよ。」簪?マジで?あ、よっすのほほんさん。」
「やっほ~イッチ~。」
「さて、イチカ。此処に居る美少女達との関係を隠さず話して貰おうか?」
「別に隠してはないんだが…まぁ、良いや。此方がお馴染み鳳鈴音、俺の彼女。」
「久し振りね、数馬。」
「久し振りだなー、鈴。って言っても七月にあったばかりだしそこまでだな。」
「それもそうね。」
「そして、金髪の娘がセシリア・オルコットで俺の友人兼ライバル。」
「セシリア・オルコットですわ。イギリスの国家代表候補生をしております、以後お見知り置きを。」
「代表候補生!?マジで!?凄いな!あ、これからもイチカの良い友人で居てくれ。」
「えぇ、そのつもりですわ。」
「んで、此方の銀髪がラウラ・ボーデヴィッヒ。俺の友人でかなり慕ってくれてる娘だな。」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ドイツ軍に所属していてドイツの国家代表候補生でもある。宜しく頼む。」
「この娘もかよ。ま、宜しくな。あ、唐揚げ食べるか?」
「良いのか!?感謝する!う~ん!カリジュワで美味しいぞ!」
「なぁ、イチカ?何かこの娘のリスみたいだな。」
「分かる。」
「そして黒髪の方が黒姫刹那さん。俺達の一つ上の先輩でよくお世話になってる人だ。」
「黒姫刹那です。ミューゼル君達の一つ上ですが気にせず接して下さい。」
「分かりました。それとこれからもイチカの事、宜しくお願いします。」
「はい、勿論です。」
「そんで簪…とのほほんさんは知ってるみたいだから、関係だけだな。簪は友人兼部活仲間でのほほんさんがIS学園で初めての友人だな。」
「成る程な。」
「てか数馬。」
「ん?どした?」
「弾は?何か連絡着かないんだけど?」
「弾?弾ならテストで赤点取って補修の課題に泣きながら追われてる。」
「アイツ赤点取ったの?もしかして一夜漬けしたら大丈夫だと思って殆ど勉強しなくて、いざやろうとしたらそのまま寝落ちでもしたわけ?」
「よく分かったな。」
「あれ?数馬も勉強は苦手じゃなかった?」
「苦手だけど補修とかのせいでバイトとか好きな事の時間が潰れたら意味無いから一応やってる。そのお陰で中の上位の成績にはなってるからな。」
「成る程な。ん?バイト?何のバイトをやってるんだ?」
「あれ?言って無かったか?カードショップのバイトをやってんだよ。」
「あ~、何か納得。確かに数馬ならピッタリのバイトだな。」
「だろ?」
「…あ、皆さん、後五分程で花火が打ち上がるみたいですので静かにして待ちましょうか。」
『分かりました』
イチカ達八人は永久から受け取っていたシートに座り花火が打ち上がるのを静かに待つ。そして五分後、夏祭りの会場に花火の打ち上げを知らせるアナウンスが鳴り響き、最初の一発が打ち上がる。
「「たまーやー。」」
「?鈴、簪と御手洗の二人が言っているたまやとは何だ?」
「日本の花火は上がる時にたまやーとかかぎやーって言う掛け声よ。因みに、たまやとかぎやは昔の有名な花火を作る店名から来てるのよ。」
「成る程。なら私も、たーまやー!」
ラウラの掛け声は上がり続けている花火によって消えてしまうが何処か満足そうにしていた。そして八人は一部の人物が掛け声を掛けながら打ち上がる花火を終わるまで眺め続けていた。
「どうだった?作者の話によれば次回の予定は訓練の続きみたいだな。…まぁ、何とかなるだろ。では気を取り直して次回もお楽しみに!…うん?作者?そこに倒れてるけど?」
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