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最終日の昼前、イチカ達五人は訓練も順調に進んでいきそれぞれ弱点や不得意な事を克服していき確実にレベルアップしていた。そして現在、イチカ達は永久の別荘の庭に集まっていた。
「みんなー!お疲れ様ー!やっぱり訓練の最終日って言ったらバーベキューだよね!と言う訳で食べて飲んで楽しもー!乾杯~!」
『乾杯~!』
「テンション高いですね、束さん。」
「まぁね!バーベキューは楽しいから楽しまないと損だからね!…と言ってる内にお肉と野菜焼けたよー!皆、どんどん食べちゃって~!」
束の音頭と共にバーベキュー兼打ち上げが始まり、各自好きな飲み物や食べ物を口にしている。そして、一番テンションが高い束の姿を見ているイチカは何処か自棄になっている様に見えていた。
「ほい、取り敢えず色々貰ってきたぞ。」
「ありがと♪…ねぇ?イチカ?何か…束さん自棄になってる様に見えるんだけど?」
「自棄?あぁ…確かにそう見えるけど、あれは…」
「…自棄と言うよりは本気で楽しんでいるだけだな。」
「お疲れ様です、永久さん。」
鈴はイチカから肉や野菜が盛られている紙皿を受け取りながらテンションが高くなっている束について質問しているとジュースが注がれているプラカップを持っている永久がイチカの代わりに答え、イチカは頭を下げながら声を掛ける。
「この三日間ありがとうございました。処で楽しんでいるって言うのは?」
「…二人こそお疲れ様。…まぁ、昨日の話になるんだが、君達と福音との戦いで賭けをしていた。…内容はシンプルにどちらが勝つかだ。」
「賭け…ですか?でも、何でそれが束さんが本気で楽しんでいる事になるんですか?」
「…あぁ、成る程。落ちが見えました。多分、賭けの景品が負けた方が今回のバーベキューの食材とかの金額を全負担とかですか?」
「…正解だ。」
「?何で全負担で本気で楽しむ事になるんですか?」
「まぁ、簡単に言えば『賭けに負けて全負担になるくらいなら良いお肉とか私の好きな奴とか大量に買って本気で楽しんでやる!』って感じで。だから此処にある肉とかは高い奴とか束さんの好きな奴が多いんだ。」
「成る程ね。あ、永久さんも食べますか?」
「…頂こう。…それにしても、幾ら自腹だからと言って買い過ぎだろ。…明らかに七人分の量を越えているぞ。」
「あー、多分この量なら問題無いと思いますよ?私とイチカも食べる方ですし、それに…」
「…どういう事だ?…いくら二人が食べる方だとしてもこの量だぞ?」
「永久ちゃーん!イッくーん!鈴ちゃーん!追加のお肉ととうもろこし焼けたよー!」
「…二人共行くぞ。」
声を掛けられた三人は永久を筆頭に束の元に向かい、それぞれ好きな食材を受け取り談笑しながら食べ始め、セシリアと簪も集まり更に賑やかになる。
「…束、食材はお前に任せたが明らかに多すぎだ。…余ったらどうするつもりなんだ?」
「あー、確かにそうだよね。つい、買いすぎちゃったな…ま、まぁ、余ったら私と永久ちゃんが持って帰れば良いんだよ!」
「…それでもだ。…購入する時はきちんと人数など考えて購入しろ。…いくら七人分とは言えイチカ君以外は女なんだぞ?」
「余る…?」
「…簪君、何故余るで首を傾げたんだ?」
「何故と言われましても…多分この量なら大丈夫だと思いますよ?」
「…先程イチカ君と鈴君も同じ事を言っていたがそれはどう言う事だ?」
「師匠!このオススメされたコリコリした奴にポン酢をかけて食べたら凄く旨いぞ!このコリコリした奴は何と言うんだ!?…と何か話の途中だったか?」
「…いや、大した事では無いから気にせず楽しんでもらって構わない。…それと今ラウラ君が食べいるのは砂ずりと言う鳥類等の消化器官の一つで普通は鶏の物だ。」
「成る程!感謝するぞ!」
「(…しかし本当にラウラ君は美味しそうに食べるな。)…ラウラ君、焼きとうもろこしもあるが食べるか?」
「うむ!頂くぞ!」
「(…しかしラウラ君は戦闘時と食事時のイメージががらりと変わるな。…ふむ、とても幸せそうに食べるから食べ物をあげたくなるな。)…。」
永久はラウラに焼きとうもろこしを渡すと手を拭き何故かラウラの頭を撫で始めた。その光景を見たイチカ、簪、束は眼を大きく開きながら驚いており、ラウラ本人は撫でられる事に慣れているのか特に気にせず焼きとうもろこしを食べる事に集中しており、時々眼を細めて気持ち良さそうにしていた。
「えっと…永久…ちゃん?何でラウちゃんの頭を撫でてるの?」
「…何故だろうな?…何故か無性にラウラ君の頭を撫でたくなってな。…ラウラ君、喉が渇くだろうからお茶も飲むと良い。」
「何か永久ちゃん、久し振りに会った孫を可愛がるお婆ち…[ヒュッン!ザシュッ!]…え?」
「…私が何だ?」
束が言葉を言い切るよりも前に空気と何かが斬れる音が聞こえ静かに足元を確認すると足のギリギリ掠めない所に幾つもの斬られた跡があった。
「と、永久ちゃん?質問して良い?今、木刀とか持ってないよね?何で…斬撃波を放てるの?」
「?…何って、箸で斬撃波を放ったが?…と言うより斬撃波なら棒状の物なら放てるだろ?」
「いや、その理論は可笑しいよ。それで言ったら永久ちゃんは、つまようじや裁縫の針で斬撃波を放てる事になるけど?」
「…普通に放てるが?…お前は何を言っているんだ?」
『えっ…?』
束の質問に対して永久の返答に束だけでなくラウラ以外の四人も驚いていた。逆に永久はラウラの頭を撫でるのを辞めず束の事を不思議そうに見ていた。
「そう言えばイッ君とかんちゃんは永久ちゃんに何を習ってたの?二人だけ剣や薙刀を投げてたけど?」
「…二人は斬撃波をほぼ極めていたから新しい技を教えただけだ。…と言ってもIS相手ではあまり使う機会が無いと思うが覚えておいて損は無い。…内容は…まぁ、二人が使える様になったらだな。」
「ブーブー永久ちゃんのケチ!…ま、話は変わるけど皆の訓練に付き合ってくれてありがとね。」
「…気にするな。…私自身も久し振りに熱くなれたし、あの子達の潜在能力や可能性も見る事が出来たからな。それにお前とも久し振りに飲んで彼奴とも話せたしな。」
「そっかー、何気に永久ちゃんもこの三日間楽しかったんだね。…まぁ、蒼夜君が来たのは本当に驚いたけどね。永久ちゃんは知ってたの?」
「…あぁ、数日前に彼奴から連絡が来て、束にサプライズで会いたいから束と居る時を教えてくれと言われてな。」
「成る程ね。にしても…」
「…まさか、あれだけあった食材を食べきるとはな。」
「イッ君は食べる方って知ってたけど、まさか鈴ちゃんも食べる方だったし、何よりラウちゃんが一番多く食べてたのは驚きだね。」
「…本当にあの小柄な身体の何処に入るのかって言うぐらい食べてたからな。…それに、あの満面の笑みで幸せそうに食べる姿は何とも言えない愛らしさがあったな。」
「永久ちゃんにも愛らしいとか思う事あったんだね。」
「…お前は私を何だと思っているんだ?」
バーベキューの片付けが終わりイチカ達の帰り支度が終わるまで束と永久はこの数日間の話をしながら待っており、親友との話を楽しんでいた。
次回はイチカ達が束と永久の訓練をしていた時、フランスに帰国していたシャルロットの話になります。正直に言えばこの話は好みが別れると思います。