死を経験した俺の生きる時間   作:天空を見上げる猫

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五十五話 新学期と私の覚悟

夏休みも終わり、IS学園には夏休みの終わりを悲しむ生徒や新学期の始まりに気を引き締める生徒、久し振りに会う友人に喜ぶ生徒等が自身の教室に向かっていた。無論、イチカもその一人である。

 

 

「ミューゼル君おはよー!」

 

「おはよー、ふあ…(眠…今日朝練しない日だから作業してたら夢中になりすぎて寝るのが遅くなりすぎた…)」

 

[自業自得だな、しかしアホAIが来てから作業が進んでいるみたいだな。]

 

(あぁ、それは感謝してる。)

 

[当~然ですよ!話し相手になっている恩があるのですからお手伝いくらいしちゃいますよ!困った事があればクオちゃんにお任せあれ!あ、因みに…]

 

[…。]

 

[クオさん、クオさん、マスターが初犯だからって何も言って無いけど、マスターが作業してる時にマシンガントークしてるの知ってるからね?今回みたいな事が続くなら普通にアウト判定出すからね?]

 

[!?すいませんでした!]

 

[なんか土下座してる様に見えるな~。]

 

(まぁ、実際作業が進んだのは事実だし今回は…ッ!?)

 

 

イチカはメア達と話していると突然感じた事の無いおぞましい気配を察知し、距離を取りつつガンガンセイバーとナイトメアカリバーを出現させて気配を感じた方を向き戦闘態勢を取る。

 

 

「久し振りだねイチカ、顔色悪くして剣を構えてるけど何かあった?」

 

「ハァ…ハァ…ハァ…シャル…ロット?スゥ…フゥ…何でも無い気にしないでくれ。」

 

「そう?にしては剣を仕舞っても最低限の警戒は解かないんだね。」

 

「…まぁ、お前だからな。」

 

「ふーん、まぁ良いや。僕はもう行くけどイチカはもう少し落ち着いてから来たら?まだ時間には結構余裕あるしね。」

 

「…そうする。」

 

「それじゃぁ、またね~。」

 

 

振り向いた先には先日フランス国家代表になったばかりで一学期と少々異なる制服を着たシャルロットが立っており、先に教室に向かっても先程感じたおぞましい気配は無くなっていない為に警戒を解く事が出来ず大量の冷や汗をかいていた。

 

 

[マスター大丈夫!?何があったの!?]

 

「分からない…だけど…」

 

[…ヤバい気配の何かが居たな、ゆるキャラはどうだ?]

 

[勿論気付いてるぜ~。何て言うか、人ならざる者って感じだな~。だから白式達が気付けなかったのかもな~。]

 

[人ならざる者…ですか?]

 

「あぁ、しかも今まで感じた事の無い…っ!?」

 

[[ッ!?]]

 

 

イチカ、メア、ユルセンは先程と同じおぞましい気配…いやおぞましいと言う表現が可愛く思える様な禍々しい気配を感じとり、すぐに気配を感じた窓の外を確認するが雲一つ無い青空が広がっていた。

 

 

『アハハ♪思った通りだ、彼は私に気付いている。いや、彼らと言った方が正しいか。彼の周りにぼんやりとだが何かが存在している。ま、何が存在していようが私には関係の無い事だ。それよりも…彼は今まで眼にして来た人間の中で最も美しく最も醜い存在だな。死んでいる筈なのに生きていて、死への恐怖を知っているからこそ生に執着する…本当に惚れ惚れする程美しく、吐き気を覚える程醜い。あぁ、どうしようか…意識を残したまま剥製にしてそのまま殺すのもあり、逆に四肢を再起不能にして目の前で彼の仲間や大切な人達を虐殺して絶望させるのも良いな。…なんてな、私は既に完結した身で彼はシャルロットの友人(玩具)だから見守るだけにしておこう。ま、彼がシャルロットに害をなすなら容赦なく殺す。…アハハ♪本当にこれからが楽しみだ♪』

 

 

イチカは自身を落ち着かせて教室に入り、セシリア達と話ながら時間になるのを待っているとドアが開き山田先生と一人の女性が入室すると席を離れていた生徒達は自身の席に着く。そして一人を除いた全員が山田先生と共に入室してきた女性に驚愕していた。

 

 

「皆さん、おはようございます!夏休みは色々な出来事があったと思いますが新学期に皆さんが揃った事に嬉しく思います!そして皆さんが気になっていると思いますので紹介します!今日からこのクラスでISの座学と実技の補助を担当してくださる」

 

「皆さん初めまして、アリス・ルグランです。先程山田先生が言われた通り座学と実技の補助を担当する事になりました。聞きたい事や教えて欲しい事があれば気軽に聞いてください。」

 

 

山田先生の挨拶と共に自己紹介をした元フランス国家代表のアリス・ルグランが実質的な副担任になると知りクラスメート達は驚くと同時に例の如く歓喜の叫び声を上げ、イチカ達は予想していたのか何事も無く耳を塞いでいた。一方山田先生は突然の叫び声に驚いていたが叫び声の原因であるアリスは特に気にする事も無くただ一点を見つめながら微笑んでいた。

 

 

時は進み放課後の生徒会室、そこでは二人の生徒が話ながら過ごしていた。一人は簪の姉でありIS学園生徒会長とロシア国家代表の肩書きを持つ更識楯無とその従者であり本音の姉である布仏虚の二人だ。

 

 

「ハァ…暇ねぇ…と言うか生徒会の仕事ってもっと忙しいイメージがあったんだけど…それに最近は私に挑んでくる娘もめっきり減ったから余計に暇ね…。虚ちゃん、何でこんなに暇なのか知らない?」

 

「そうですね、最初に思い付くのはお嬢様が書類や仕事を素早く終わらせているからですね。」

 

「あー、成る程。…あ、そうだ!今の内に家の…「その件でしたらお嬢様が四日前に終わらせましたので今の所はそちら方面の仕事はありませんよ。」…そうだったわね。…ねぇ?虚ちゃん?こんなに暇なら他の生徒か教師が訪ねてくるまでスマホ弄っちゃダメ?」

 

「ダメです…と言いたい所ですが今の所仕事も無いですし構いませんよ。ですが、扉をノックされた時点でスマホは仕舞ってくださいね?」

 

「ありがとう虚ちゃん!愛してる!じゃぁ早速…『コン、コン、コン』「失礼します。一年四組の更識簪です。」か、簪ちゃん!?ンッンッ…どうぞ、開いてるわよ。ようこそ簪ちゃん、生徒会に何か用かしら?それともただ私に会いに来てくれたとか?」

 

(簪様の事になると切り替えが速いですね。とは言え…今から起こる事を考えると何とも言えないですね。)

 

「更識生徒会長に簡単な用件があって来ました。」

 

「…ん?」

 

 

簪は楯無から真っ直ぐ視線を外さず、ゆっくりと仕舞っていた封筒と取り出しながら近付き、楯無は更式生徒会長と言う呼び方と敬語で話している事に困惑しつつ表情になるべく出さない様にしていた。

 

 

「か、簪ちゃん?た、確かに私は此処の生徒会長だけど何時も通りにしても良いのよ?ほ、ほら、私はそう言うの気にしない方だし…ね?」

 

 

「………いえ、今回は(・・・)そう言う訳にはいきません。何故なら…」

 

「!?あ、あの…簪ちゃん…これって…」

 

 

簪は持っていた封筒を書いてある文字が楯無に見える様に置き差し出した。その封筒には綺麗で力強く『挑戦状』と書かれていた。

 

 

「スゥ…一年四組更識簪は生徒会長である更識楯無にISでの勝負を申し込みます!日時は明日の放課後、場所は第二アリーナ…勿論、受けて貰えますよね?」

 

「え…あ…う、ん…うん…」

 

「では私の用件は終わりましたのでこれで失礼します。…明日、楽しみにしています。」

 

「…か、簪ちゃんがグレた!?ど、ど、ど、どうしよう虚ちゃん!?簪ちゃんが反抗期に入ってグレたけどどうすれば良い!?もしかしてあれかな!?簪ちゃんの事が好きすぎて休日の殆どは尾行してたのがバレたのかな!?それともこっそり写真を撮ってるのがバレた!?ま、まさか…部屋に置いてるぬいぐるみにかんちゃんって名付けて愛でてる事がバレた!?」

 

「お嬢様…一体何をされているんですか…まるでストー「ごめん!言わないで!薄々私もやってる時にあれ?これって他の人から見たらストーカーと同じなんじゃ…って気付いてるから!」なら、辞めましょうよ…。」

 

「………善処…します…。」

 

(あ、これは辞める気は無いですね。)

 

 

楯無と虚は簪が生徒会室から退室してからこの様な会話を会話をしていた。そしてこの状況を作り出した本人はと言うと。

 

 

「お疲れ、それにしてもあれで良かったのか?生徒会長の言う通り何時も通りで良かったんじゃないか?」

 

「うんうん、お姉ちゃんに言われて戻そうと思ったけど辞めた。私があの時何時も通りにしてたらお姉ちゃんに甘えちゃうから。それに私の本気を見て欲しいのに甘えたら今までの全部を私自身が否定する事になる、それだけは絶対に駄目。」

 

「成る程な。って事はあれも解禁するのか?」

 

「うん。明日はあれだけじゃなくて私の持ってる物全部を解禁して…お姉ちゃんに勝つ。」





この作品で好きなキャラは?(メイン)

  • 主人公 イチカ
  • イチカの嫁 鈴
  • 友人兼ライバル セシリア
  • 可愛さマシマシ ラウラ 
  • よくネタに走る 簪 
  • ドス黒い狂人 シャルロット
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