説明文臭い。あと原作知らない人のためのキャラ紹介(作者の偏見)を各話のあとがきに載せました
「あなたも入寮生?」
千歳はそう黒髪の少女に振り向いて聞く。少女は振り向いた千歳の顔を見て何を思ったのか顔を赤くした
「うん、そうよ……じゃなくて、そうですよ」
「あはは~無理してるのバレバレだよー。私も新入生で、ここの事全ッ然分からないから気楽に良いよ?」
コテン、と首を傾げながら千歳はそう云う。黒髪の少女とは違い、ほんわかとした美少女の千歳にはとても似合った動作で、またも少女は赤面する
すこし和やかな雰囲気になったが、史が注意する
「この学院は外とは違います。そこの方も注意なさった方が良いかと。そうでなければ仲間はずれにされたり様々な問題が発生しますので」
しばらく後、この史の云ったような厄介事が起きるのだが、この時の三人が知るはずもなく、千歳と黒髪の少女は史が開けた扉をくぐり寮へと入っていった
「すみませ~ん、新しく寮でお世話になる御門千歳って云います~。誰かいませんか~?」
「同じくお世話になる七々原薫子(ななはら かおるこ)です!」
二人が声を上げると、すぐに返事があった
「新しい寮生の方ですかー! ちょっとお待ちくださいなのですよー!」
少し特徴のある幼い声が奥から聞こえてきた。ギシ、ギシと時代を感じる床が軋む音と共にその声の主は現れた
「聖應女学院女子寮へようこそ、ですよ」
声の主は千歳の胸くらいまでの身長で、大きなリボンを持つ小柄な少女だった
「奏(かな)ー!? 新しい寮生が来たのー?」
「はいなのですよー! 由佳里ちゃんも早く来るですよ!」
トントントン、と玄関のすぐ近くにある階段を降りてきた由佳里と呼ばれた人物は少し日に焼けた健康的な八重歯が特徴の活発そうな少女だった
「二人共、いらっしゃい。ここが寮よ……って、あれ? 後ろの子も寮生? 入寮者は三人って聞いてたんだけど」
むむむ、と由佳里はまゆを顰める。由佳里の云う後ろの子とは勿論、千歳の後ろに控えた史の事だ
「はじめましてお姉さま方。私はこちらの御門千歳さまの侍女を努めさせていただいております度會史と申します。この度、千歳様がご入寮なさるとのことでご挨拶に参りました」
「侍女……って、御門? 御門ってあの御門?」
「あの、って何ですか?」
由佳里が驚いたように声を上げ、千歳は理由を求める
「私のお姉さま……いや、三人は外部生だから分からないか」
「いえ、史は聖應の中等部に通っております」
「ああ、そうなの。二人がよく親しんだ言葉で云うと『先輩』に御門まりやって人がいたのよ。珍しい名字だから身内かな、って思ってね。違ったかな?」
それを聞いた千歳と史は顔を見合わせる
「へー! まりやお姉ちゃんもここにいたんだ」
「千歳様はご存知無かったのですか。まりや様は幼等部から高等部までずっとこの聖應女学院に通われていましたよ」
「ということは千歳ちゃんとまりやお姉様はご親族なのですか?」
奏が身長の関係で千歳を見上げながらそう聞く。千歳はそうですよ、と答えた。その様子を見ていた薫子だったが、ふと疑問に思ったのか質問をした
「さっき、そっちの先輩が『入寮生は三人』って云ってましたけど、私たちの他にいるんですか?」
「あ、ごめん! 私たちの自己紹介がまだだったわね。私は上岡由佳里、二年でこっちが」
「周防院(すおういん)奏、同じく2年生なのですよ。それで、薫子ちゃんの質問ですけど、もう一人、既に入寮を済ませているのですよ」
そうだね、もう全員が揃っちゃったから入寮式を始めようか、と由佳里が云った
「で、前も自己紹介したけど私は上岡由佳里。今年から2年生で一応、ここの寮長をやってるわ」
「奏は周防院奏、同じく2年生なのですよ!」
寮のリビング。集まった新寮生三人と在寮生二人が机に座り、そして千歳の後ろに史が控えて入寮式が始まった
千歳、薫子に続く三人目の寮生の少女は薫子が気になるらしく、すこし怯えている様子を見せていた。
「じゃ、薫子から自己紹介を」
寮生は家族と同じ、ということで基本的に年上は年下を呼び捨て、年下はお姉様と呼ぶこととなっているために由佳里は薫子、と呼んだ。薫子は『お姉様』と呼ぶのに慣れないらしく戸惑っていたが、千歳はノリノリである
「えっと、七々原薫子。一年生です! 少し蓮葉(※)でこういう『お嬢様~』ってのに慣れないけど頑張っていきます! 剣道が得意で一応三段持ってます」
ピシッとした姿勢で薫子は挨拶をした。良くも悪くもこの聖應女学院では目立ちそうな子だなぁ、と2年生二人は思った
※蓮葉……所謂ガサツという事
「じゃあ次、千歳」
「はーい。御門千歳です! 小さい頃ちょっと体が弱くて学校に行けなかったからちょっと子供っぽいって云われるけど、ここでは頑張って『お姉様』って呼ばれるまで大人になりたいと思います! これからよろしくお願いします! 得意なのはお料理かな~? でも、弟の方がもっと上手だから得意って言えないかな?」
気合の入った子供のような挨拶に上級生二人は微笑ましげに見ていた。また、千歳の云うように弟の千早は料理が得意である。というか家事全般、習い事全般千早のほうが得意だ
「へえ、千歳さんには弟がいるんだ」
「千歳、で良いよ薫子ちゃん。弟のちーちゃんはね、とーーーーーーっても可愛いんだよ!」
(弟なのに可愛いって云うって事は弟はまだ小さいのかな?)
薫子はそう考えながら三人目の少女に目を向けた。その少女は薫子の視線が気になるのか、目を向けた瞬間にビクッと体を震わせた。
「じゃあ最後、初音」
「えっと、皆瀬初音といいます。幼等部からずっとこの学院にいましたけど、両親が海外に行くので寮に入ることになりました。えっと、い、以上です!」
シュン、となって初音は身を縮める。どうやら生粋の箱入り娘に薫子という存在はどうやら初めての存在のようで、苦手そうにしていた。その様子をみて由佳里は薫子の耳元で囁く
「分かった? 学院ではそういう蓮葉なとこ隠さないとこういう反応されるから」
「は、はい。わかりました由佳里先輩……じゃなくてお姉様」
由佳里は薫子の耳元から顔を話すと、史に顔を向けた
「じゃあ史、一応貴女もお願い」
「はい、度會史と申します。千歳様の家、御門家に仕える侍女で極端な云い方をしますとメイドでございます」
「ちょっと質問いい?」
「何でしょう、由佳里お姉様」
由佳里は何か気になったのか手を上げた
「今『御門家の侍女』って云ってたけど、まりやお姉様に侍女なんていなかったのはどうして?」
「それはもともと、度會家が千歳様の母方、妃宮家に仕える侍女だったからでございます。妃宮家には男性がおらず、ご結婚相手の御門家に仕えることとなりました。まりや様は千歳様の従姉妹、即ち妃宮の家とは関係がないので侍女が居ないのです。まあ、お手伝いさんはいるようですが」
「そうなんだ」
へぇ、と奏も声を上げる。そして史はこれから千歳の世話をするために寮に出入りしても良いかと由佳里に聞き、由佳里は是と応えた。
寮長の許可が出た、ということで史は寮へ出入りすることとなった。
『で、史が私のお世話をすることになったから帰るの遅くなるよ』
「まだ史が帰ってないと思ったらそういう事ですか」
今は20時、僕は千歳さんと電話をしている。というのも史の帰りが遅いからと史の携帯に電話したら千歳さんの世話をして帰るから遅くなる、と云ってそれはちょっとダメなんじゃないかと思ったので千歳さんを呼び出したのだ
「史も女の子、しかも中学生なんだから。こんな遅くに一人で帰らせるのは危ないですよ」
『そうかな~?』
「そうです! ですから史には学校が終わったら帰るように云ってください。今日は危ないから僕が迎えに行きます」
『え、ちょ、ちーちゃん!?』
僕は電話を切って、外に出かける準備をした。もう四月とは云っても夜は少し寒い。少しの防寒具を羽織って家を出ようとした
「ちょっと千早ちゃん、こんな夜遅くに外に出るのは危ないわ。千早ちゃんはこんなにきれいなんだから襲われちゃうわ」
「……あの、僕、男ですけど。というか男子高校生は夜中出歩くくらい普通ですから家を出ていいですよね母さ……」
「ダメです!」
ちょっと史を迎えに行くのは遅くなりそうだ
というか、合気道とか柔道とか空手とか有段になるまでさせて大体身を守れるようにしたの母さんでしょうに
続いてください
千早お姉様の事だから剣道とかも有段だったりしそう。OVAだとフェンシングやってるしやっぱこの人完璧超人だね。まあ千歳さんいることで歩く理論武装とまではならないだろうけど
*原作知らない人のための簡易キャラ紹介*
詳しくはWikiでググってください
【七々原薫子】
原作主人公でメインヒロイン。また本作でも主人公。一発で変換できない
女子にしては高い身長(170ある)と剣道により培われた綺麗な姿勢からかなり大柄に見える少女。しかし、内面は女の子っぽくなりたいと思う可愛らしいところもある。蓮葉、あと狐目
原作、エトワールと本作に性格に変更は無い。但し、千歳との出会いによりこれから変わっていく可能性もある
美人な女性に弱いために、千歳にまだ慣れない様子。初音からは怯えられている
なお、私はエトワールを今どっかにやってしまい今相当困っている