ナルトになったった   作:金網

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テマリ「えっ?なにっ?聞こえない」

中忍試験最終日、ナルトが大蛇丸を捕獲し木ノ葉へ帰還する半日前、ぐんにゃりして気絶したオカマの前で馬鹿は四苦八苦していた。

「えっとこう?」

 

『イヤイヤ違うよもっとこう、こんな感じ」

 

『あ〜〜もうっ違うってばね!もうっ、なんて物覚えの悪い子だってばねっ』

 

封印術を施すためしゃがみ込んでいるナルトだったが、一体何度失敗したのか大蛇丸の姿はまるで耳無芳一の様な状態になっていた、捗らない作業に苛ついたのかアチコチ関係無い落書きも散見される、やっと完成した頃には前衛芸術の様相を呈していた。

『『……うっぶふぅっ……くっひっもう無理っぶはぁっ』』

 

よほど壺に嵌ったのか、精神世界では両親が地面を転がり時折地面を叩いている、集中を必要とする作業から解放され関節を解すため腰を廻していたナルトに影分身からサスケが敗北寸前との連絡が入る。

「そう言えばアイツ車輪眼を開眼して無かったな、えっと……どっちだ?」

 

白との戦闘が発生しなかった所為で出来た歴史の歪みをすっかり忘れていた彼は、闘いが行われている方角を探して首を巡らせると森の一角を視界に納める、あそこら辺か、と呟きおもむろに大蛇丸の首根っこを掴むとクラウチングスタートの姿勢を取って尾獣チャクラモードになる。

「よ〜〜い、どんっ!」

 

グングン景色が流れてあっと言う間にサスケに止めを刺そうとする我愛羅を視界に納める、既に尾獣憑依しているのか異形と化した腕を振り上げる少年に向かってオカマを投げ付けざま掻っ攫う様にサスケを掴まえ距離を取ると掴んだサスケをへたり込むサクラに投げ渡した。

突然の乱入者が発散する尾獣チャクラを肌で感じ、我愛羅は眼の前少年が自身と同類だと察して興が乗ったのか、如何に自分が里で疎まれ又世の中を憎悪しているか語りたくなったようだ、お前もそうなんだろう?と、何処か心の中では共感して貰いたかったのかも知れない。

語る内、熱がはいったのか、其れとも己の絶対防御への自信からか、眼を閉じ更に自己の内面を汲み取り憎しみの源泉をぶち撒け続ける。

腕を組み、話長いな〜と思いながら語りが終わるのを待っていると、森の中から影分身のナルトが出て来て親指で森を示しながら彼に何かを見せる。

「うわっ!?70㎜は有るな………」

 

小声で何事か遣り取りした後、サクラに一声掛けて森の中へ入って行ってしまった、余程熱中しているのか気づかず語り続ける我愛羅、サクラは預けられたサスケを膝枕出来る事にご満悦な様子でしきりに涎を拭っていた。

「そして夜叉丸にさえ疎まれ……そして奴を殺した時、俺は決めた、己だけを愛し、そして己の為だけに戦う修羅になるとっ!………………奴はどこだ?」

 

魘されるサスケの唇を奪おうと顔を下げていたサクラは慌てて取り繕うと、愛想笑い浮かべながら彼の質問に答える。

「あっナルトならクワガタ探しに行きました……」

 

「なぁ、サクラちゃんは袋になりそうな物持ってないかな?」

 

折良くナルトが森の中から帰ってくる、途中で回収したらしいオカマを虫籠代わりにしたのか、彼が引きずる大蛇丸には満遍なく昆虫がくっ付いていた。

「………………っ!」

あまりの怒りに声も出ない我愛羅だったが、その怒りが呼び水になったのかさらなる変体を遂げ、完全な守鶴形態を晒け出す、それを気にもせずナルトは影分身を口寄せし、何時もの変身プロセスを進める。

「こんなにコケにされたのは生まれて初めてだっ!お前の命の消える様を眺めて俺の生を実感する糧っ…………!?」

 

我愛羅が台詞を言い終わる前に、ナルトは腕を振りかぶった体制で守鶴の顔の前まで飛んで来ていた、段々と迫る拳を防ごうとするが身体は己の意に従わず、幻術を疑うがそうでは無い、数瞬後の死を確信した脳漿が刹那の時を引き延ばしているのだと、そう理解した、力感に満ち溢れるフォームは、何ら武術の香りを感じさせず……だが、だからこそ、そのただ殴ると言う行為に圧倒的な死の説得力を宿していた、我愛羅は今まさに自身に振り落とされる死神の一撃が美しいとすら思ったのだ。

"八門仙法 クワガタの値段が気になるから帰って良いかな の術"

 

実際にはその拳は彼の生命を奪わず寸前で留められる、だが其れが巻き起す余波は守鶴を形作っていた砂の鎧を悉く吹き飛ばし背後の森の木々を薙ぎ倒す、劇的ビフォーアフターな道路工事跡には、擦り傷だらけで気を失う我愛羅と馬鹿が残っていた。

倒れた我愛羅を見てどうしたもんかと首を傾げていると、弟を守ろうとテマリが姿を現したが……可哀想な位震えている、例えるならオカマと初遭遇した時のサクラちゃんだ、下半身には言及しない、取り敢えず風影が偽物で、木ノ葉も砂隠れも騙されていたことを教えてあげるが信じて貰えず。

「君達の担当上忍のバキさんも木ノ葉に居るから、取り敢えず帰らない?」

 

渋々頷くテマリさんに安堵の溜息を吐き出すと、サスケと我愛羅を担ぎ帰宅の途に着いた。

 

 

翌日、諸々後片付けを済ませサクラちゃんやテマリと別れた後、俺は三代目の召喚要請を受け、根掘り葉掘り尋問され事情を吐かされてしまった、俺は本当の事しか言ってないのに………皆んな俺の言う事信じてくれない……チクセウ、ジライヤの調べた暁の情報と整合性が認められ取り敢えず、解放されたのは昼過ぎだった、柱間と扉間はオカマが逃走した後里を襲った危機を納めた後三代目とお茶して還ったらしい。

 

空腹と苛立ちでささくれ立った心もクワガタの売却益で回復させ、夕食を奮発しようと買い物した後アパートに帰宅した俺は、算段が着いた事を報告しに

螺旋丸ディスり事件以降、足が遠のいていた両親を訪ねる事にした。

相も変わらず真っ白な世界で、おぃーっす貴方方のナルトですよーっ、叫ぶが返事が無い、ダンボールハウスも消えていた、最も大きな変化は鉄格子の瓦礫が無くなり、外壁がピンクのやたらファンシーな建物が鎮座していた、この建物言うなれば円筒形のムー○ミンハウスに非常に良く似た代物なのだが、ナルトは訝しげな表情で建物の周りをグルグル回って観察する。

一周する前にキッチンで料理を作るクシナを発見し、声をかけようと近づく

が叶わなかったなぜなら……キッチンのテーブルで料理を待つ自分と特徴の良く似た女の子を目撃したからだ………俺は無言で正面に回るとノックも無しに玄関を開け、誰何の声も無視して台所へ突入した。

「この娘誰だよ〜っモシカシテ俺の妹ですか〜〜?アンタら人の心の中でナニやってるんだよ〜っ」

 

半泣きでクシナに問い詰めるが、びっくりしたのか反応が悪い、答えは指差した先から訪れた、おちつけ、落ち着いて居られるか、こっちをみろ、首を巡らすと果たしてそこには狐耳を生やした娘が此方を見ていた、わしだ。

「お前だったのか」

 

 

「アッハハナルトも意外とそそっかしいね、ほら、ナルトは成長した状態で再開しただろ?クシナが子育てしてみたいっていうからさ」

 

ねっ?九喇嘛も1日おいなりさん5個で協力してくれるっていうからさ、せいとうなほうしゅうだ、なんなら6こでもかまわない、などと宣っている、プライドは無いのかこの畜生は。

「ん!しかし、ナルトが此処に来たっていう事は僕らの苦労が遂に実を結んだってことかな?」

 

本当に良い性格をしている………あぁそうだよと説明を始める。

「不死転生か……恐ろしい術だ、ナルト、その素体って言うのは本当に?……」

 

「あぁ、ありゃ野菜だよ」

 

それはそれで不安になるんだけど………、良し早速やろう頼んだよ、その言葉に短かく返事をしてナルトは精神世界を後にする。

 

押入れにしまった白ゼツのなるべく状態の良い物を選んで、白を呼びに家を出る。

「こんにちは、ナルト君今日はどうかしたの?え?解凍?……あぁこの間のアレ?……うん、分かった、再不斬さ〜ん?ちょっとナルト君の処に行って来ますね」

 

すると中から再不斬が出て来て自分も行くと言いだした、なんでもテメェの処に白を独りで行かす訳にはいかねぇとのことだ。

白に解凍して貰った素体に不死転生を掛ける、大蛇丸に聞き出した時、既に奴はGERを喰らったディアボロみたいな感じだったから、ブラフでは無いと思う、多分、失敗したらごめんね?………俺の中から両親が飛び出していくのが分かる、後は肉体の主導権を握る戦いに打ち勝てば………。

 

「頑張って、父さん、母さん」

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