英雄殺しのカンピオーネ   作:鋼な魔王

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初めまして。鋼な魔王です。今まで読み専でしたが今回初めて小説を書くことにしました。拙い文章ですが最後までお付き合い頂けたら幸いです。



プロローグ

【グリニッジの賢人議会より作成された、紫藤誠についての報告書より抜粋】

 

紫藤誠は日清戰争中に生まれた100年以上の時を生きる古参のカンピオーネである。

彼がどのようにまつろわぬ神と遭遇し神殺しとなったか、その経緯は不明だか、確認されている中で彼は8体ものまつろわぬ神と争い勝利している。(実際にはさらに多くのまつろわぬ神と戦っていると考えられる。)その権能の数は確認されている物で3つある。

紫藤誠の最初の権能と思われる『原初の英雄』、2つ目の権能『俊足なる者』、3つ目の権能『ヒュドラの毒矢』である。

『原初の英雄』はまつろわぬギルガメッシュから簒奪した物と思われ、ギルガメッシュの英雄、王、神の3つの側面を権能として振るう物と考えられる。

2つ目の権能『俊足なる者』はまつろわぬアキレウスから簒奪した物と思われ、その力はアキレウスの神速とそれに耐えうる肉体である。この権能により紫藤誠はたとえカンピオーネであっても体に負担が掛かる神速の権能をノーリスクで行う事が出来ると考えられる。(ただし、神速を維持出来る時間が限られている模様。)

3つ目の権能『ヒュドラの毒矢』は言わずと知れたギリシャの大英雄まつろわぬヘラクレスから簒奪した物である。名前の通り神をも死に至らしめるヒュドラの毒を神力の矢として放つ物である。この権能は非常に凶悪な威力を誇り、かの東欧の魔王ヴォパン侯爵はかつてこの権能により受けた毒で10年もの間療養に専念したほどである。

 

まだこの他にも権能を所持していると思われるが、現在使用は確認されていない。

また、紫藤誠は苛烈な王である。かつて彼の怒りを買い滅ぼされた政治結社や魔術結社の数は10ではきかず、敵対者への容赦の無さ、多くの鋼の神々を打ち取りその権能を振るうことから鋼の魔王と呼ばれている。

 

そして紫藤誠は放浪の王でもある。特定の土地に長期滞在する事は無く、世界中を渡り歩いてはまつろまぬ神と戦う事で知られている。かの王がいる土地には必ず何かしらの災害が起こるので見かけたら避難する事をすすめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処はフランスのオルレアンの森の中、人気の無い深緑の道を進む1人の男がいた。

絹糸の様な黄金の髪を短く切り揃え、その瞳はルビーの様に赤く染まっている。

その後ろから美しい金髪を風に吹かれながら足早に追いかける美しい少女がいた。

 

 

「お待ちください!紫藤様!相手はまつろわぬ神なのですよ!如何に御身といえども下調べも無しに相対するのは危険です!」

 

 

彼女はエリーゼ・デュラン。フランスの魔術結社『オルレアンの奇跡』に所属し、若くしてフランスの魔術師の最高位の称号である『聖人』を拝命した、フランスが誇る天才魔術師である。

 

 

「あのなぁ、五年振りに獲物にありつけそうなんだ。そんなまどろっこしい事なんざしてられるか!」

 

 

そう答えた少年は紫藤誠。その容姿からは想像出来ないが生粋の日本人であり、世界に7人しか居ないカンピオーネの中でも100年以上の時を生きる古参と呼ばれるカンピオーネである。

 

 

「しかし!」

「あー、本当うるせえな。俺の邪魔をしないっつーから同行を許したんだぞ?これ以上口出しするなら動けない様にして行くぞ」

 

そう言い放ち深紅の瞳でエリーゼを睨みつけた。

その殺気を込められた瞳で睨み付けられたエリーゼは一瞬心臓が大きく跳ね息が詰まり、その瞳に恐怖の色が滲んだが、凡百の魔術師と一線を画す実力に裏付けされた屈強な精神力でそれらを押さえつけた。

 

 

「ーーッ。分かりました。私はこれ以上口出ししません。

しかしこれだけは忘れないで頂きたい。

私はフランスを守護する『聖人』です。必要とあらば御身にも刃を向ける事も厭わないと!」

 

 

エリーゼはその覚悟を宿した瞳で誠を睨み返した。

その瞳な宿る覚悟が本物だと察した誠は。

 

 

 

 

「クッ、ハハハハハッ!」

 

 

 

 

その場で腹を抱えながら笑った。

 

 

 

 

「何が可笑しいのです!」

「いや何、この俺にまだそんな事を言う奴がいるとはな。

少し驚いたぞ」

「ーーッ。私はッーー。」

「別に馬鹿にしている訳じゃない。お前の事を少し見直したぐらいだ。

そこらの魔術師の様に俺に媚びへつらうしか能のない奴だと思っていたからな。

まぁ、俺に喧嘩を売る事自体が馬鹿がやる事だかな」

 

 

実際、ほかの魔術師は苛烈な王としてその名を知られる誠の前では耳障りの良い言葉を並べ、媚びへつらい、その怒りを自分に向けらけない様に細心の注意を払いながら接している。実はその行動こそが、誠が疎ましく思っており、怒りを誘発する事になるのだが。

 

 

 

「……褒め言葉として受け取っておきます」

「そうしておけ。

さて、お喋りも此処までだ。

見ろ。見えてきたぞ」

 

 

 

オルレアンの森の中、木々が立ち並ぶその先に見えてきたものは、圧倒的な破壊の光景。

まるで此処で巨大な竜巻が発生したかの様に木が薙ぎ倒され所々地面が大きくえぐれていた。

その中心にはまるで中世の騎士の様な甲冑に身を包んだ偉丈夫が、圧倒的な存在感を放ちながら立っていた。

その光景を見て誠は舌舐めずりをし、全身に全能感が満ちるのを感じながら呟いた。

 

 

 

 

 

 

「さぁ、殺し合いの時間だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、鋼の魔王と呼ばれるカンピオーネと聖人の称号を持つ少女が織り成す物語である。




如何でしたでしょうか?今回はお試しと言う事で短編にしましたが、ご要望がある様でしたら連載しようと思っています。ご要望のある方、誤字脱字が有りましたら感想に書いて頂きたいと思います。
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