セブンスドラゴンⅢ~俺なんでかISDFやってます~   作:定泰麒

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 エウレカセブンのDVD見ながらこれ書いてたら、いつの間にかエウレカの二次書いてたっていう。しかもそれ投稿しちゃったっていう。


chapter2.7

 

 膨大なマモノと竜。世界的組織であるはずのISDFもその勢力に対して反抗できずにいる。

 時代の進歩によって装備等の質も上がりセカンドエンカウントのように蹂躙されてはいないが、それでも現状はじり貧に近いものがあった。

 

 「こちら6班、現在旧渋谷地区。人の手が足りない、救援を要請する!」

 

 「こちら横須賀基地司令部、人の手が足りないのはどこも一緒だ。なんとかならないか!」

 

 「無理だ。帝竜級の対策に圧倒的に人員が足りない。ヨリトモ提督はまだ帰還されてはいないのか!?」

 

 「まだだ」

 

 現場は勿論、各基地共々混乱はおこることは必然的だった。

 特に横須賀基地においては、日本の最高戦力の一角を誇るヨリトモ提督達の隊が不在だというのも大きかった。

 唯一、病み上がりのエースはいたが彼も又遊撃に駆り出されていた。

 

 四谷での帝竜撃破後、すぐさまアクツ長官直々に単独で遊撃するように指示され、それに従っている。

 

 「くっ、では手が空いた者をすぐさまこちらに回すようにしてほしい」

 

 「了解。……まてっ!」

 

 通信も終わりかけた頃、司令部にある情報が送られてきた。それを聞いたナビゲーターは通信を取っていた隊員に確認する。

 

 「なにどうかしたのか!?」

 

 「今渋谷に現れた帝竜は何をしている?」

 

 「空を飛び回り、随分と厄介な粉を撒き散らしている」

 

 「その帝竜、移動しはじめていないか。渋谷からだと……東に……」

 

 「なに!? 確かにそう言われれば出現地点より東に移動している、それがどうかしたのか」

 

 「そのまま、東に移動を促せ。但し足止めをしながらな」

 

 「どうしてだ、説明をしろ!」

 

 「理由は分からんが、帝竜級がある場所を目指して移動しているという情報が入った」

 

 「どこにだ!?」

 

 「……紅杭の塔。旧式名称『東京タワー』だ」

 

 

 

 

 

 俺は今、東京を巡っていた。凄まじい吐き気の中いつの間にか帝竜を倒し、その直後のアクツ長官からの指示で遊撃をするように言われた。

 その際、何故一人でというところを強調して言われたのか俺にも疑問だったのはさておき。

 

 いつの間にか用意されていたバイクに跨がりおんなじところを何度も行き来して絶賛マモノ討伐中だ。

 最近の活躍で俺にはS級の能力があるとか、人類の希望とか言われ始めたのは薄々気づいていたけれども、基本はめんどくさがりのちょいオタという所を忘れていてもらっては困る。

 急にやる気が出たり、かっこいいことを言ってしまったりしてしまうのは一種の興奮状態にあったからだろうと自分なりに考察してみた。

 

 人類の危機、世界いや地球の危機であることには違いない筈なのにどうしてかやる気がおきない。こんな状態では竜を相手にしてもやられる事間違いなし。だからこそ竜を避けマモノを相手にしているという訳だ。

 それにバイクだから、竜からガン逃げできるし遊撃って楽だなって。

 

 そんな感じでさまよい続け、気づけば通信装備がいつの間にか壊れていた。

 思い当たる節はいくらかあった。マモノに背後から攻撃された時にやられたのか、調子に乗ってウィリーして転倒した事かも知れない。

 

 いや、今は原因を考えるより通信機どうにかしないとまずい。アクツ長官から後でぐだぐだ言われるのやだし、つーか怖いし。そんでえっとこの近くに通信機の予備がありそうなのは……あっ紅杭の塔ってISDFの訓練で使うから予備の通信機あるんじゃね!

 

 よし、いくっきゃねぇ。

 

 無論行かなきゃよかったって、後悔する事になるのは必然だった。

 

 

 

 

 

 「ジュリエッタ、彼今どんな様子♪」

 

 「不思議な動きよ。まるで自分のテリトリーを守る動物みたい」

 

 「ふーん。見せて☆」

 

 確かに不思議な動きをしていた。バイクに乗り、おんなじ所を行ったりきたり、それもある場所を中心に円を描くような。

 ジュリエッタが言ったように、テリトリーを守っているかのよう。

 動物なら自分の巣を中心に守る。じゃあ彼は?

 地図を見れば一目瞭然、彼は紅杭の塔を中心にしていた。つまりそこには何かあるはず。

 アリーは笑った。

 

 何か隠してるのね。ばればれの陽動のようで、彼一人でそこを守っているというのが実に厭らしい。ISDFにはなにか策があるのかしら、普通なら彼をあんな所で遊ばせないわよ。

 

 「アリー、もう一つあるわ。彼最初の帝竜以外まだ竜種を倒していない。マモノだけ倒して、竜種は紅杭の塔に見逃してる」

 

 「そう、わかったわ。引き続き13班と彼を見ておいてね♡」

 

 おもしろい、ISDF如きに何かできるかわからないげど。まだ選定は始まったばかり。帝竜級を紅杭の塔にぶつけて様子を見るのもありね。希望を与えて、絶望を植え付けた方がより色が濃くなる。

 いっそのこと、帝竜全部差し向けてあげるわ。どうせ人類は滅びるしね。これは序章よ。13班、トウジ、造られた男の子。誰が選ばれるのかしらね。

 

 

 

 

 

 一方、キリカ達の13班はエデンの第6真竜ヘイズの元へと向かっていた。

 新たに仲間二人を13班へと迎いれた。総勢8人にもう一人、ブリジルドに臨時で参加してもらって攻略を始めていた。

 彼らは、その手を緩める事が出来なかった。彼らの任務失敗は、人類の滅亡。その顔に余裕はなかった。

 

 「早く倒して、あっちに帰らないといけないのに!」

 

 「キリカちゃんの気持ちはわかるけど~、もう少し恋人の事を信じてあげたら~」

 

 「なっ、なに言ってるんです! トウジは恋人なんかじゃありません!」

 

 「誰がトウジ君を恋人なんて言ったのかしら!?」

 

  はめられた、キリカは内心でそう思っていた。この恥ずかしさで頬も赤くなってるのも自覚している。

 

 「メイさん、もう止めてください。こんな時なんですよ不謹慎です」

 

 「……こんな時だからこそよ。ほらリーダーのあなたがそんなになってちゃ運が悪い方に傾いちゃうわ~」

 

 「うっ……。はぁメイさんにはかないません。それに私も力が入りすぎてたみたいです」

 

 息を深く吸い込み、ゆっくりと吐き出す。たかが一回の深呼吸だったがなぜか少々リラックスすることが出来たみたいだ。

 

 「真竜までもうすぐの筈です。みなさん慎重に行きましょう。ただ気を張りつめすぎないよいに気をつけて」

 

 全員がそれに頷いた。

 

 「でもまさか私達以外にも、こんな才能の持ち主達がいたとは思いもしなかったね」

 

 そう片割れに呟いたのは、新加入組の朱のミーシャと呼ばれるバニッシャーの女性。

 

 「うん、特にリーダーの彼女。このチームの中でも単純に戦闘能力が頭一つ飛び抜けてる」

 

 それに答えたのは、碧のジェロムというメイジの青年だ。

 

 この二人、エデンにおいて最強と呼ばれている二人組の傭兵パーティーだった。今回、世界の危機を救うという名目で13班に雇われた。

 正直、最初は自分達が引っ張る立場になるだろうと踏んでいたが実際は完全に引っ張られる立場になっていた。

 初めてだった。この二人立場や生まれは違えど幼少期から他を逸脱する才能をもっており、孤独を味わっていた。彼らが出会うのも運命だったのかもしれない。才能に境遇によく似ていた、コンビとして活躍するようになるのにそう時間はかからなかった。

 

 何らかの才能の持ち主達で固められた13班に雇われたのは、存外悪いもんじゃないと思った。なんせここでは普通でいられるからだ。マモノや竜を簡単に片付けていくなかで、どうにもこのチームに余計な緊張感が走っていることに気づいた。

 そう元々才能があり、勘のいい彼らはわかってしまった。自分達がこれからこいつらでも苦戦するような相手に挑まなければならないという事に。

 

 「ジェロム。今回のクエストのりきったら結婚してやってもいいぞ」

 

 「ちょっとなに言ってるんだ。こんなとこで君からプロポーズしてくるなんて頭がイカレてしまったのか」

 

 「うんにゃ、大真面目さ、私は。ただこれをのりきったらだ。死ぬなよ」

 

 「ああ、死ねる訳ないさ。いつも通り帰ったら酒場で冷たい一杯を飲まないといけないからね」

 

 13班は前へ進む。

 

 

 

 

 

 「よしようやく、帰還ポイントへ到着した。点呼後各班とも現代にすぐ帰還開始だ」

 

 ヨリトモ提督率いるISDFの一行は、その足をようやく現代に戻そうとしていた。

 ふとヨリトモはユウマを見た。体力的にこの程度で走ったからといって息切れもしないユウマの顔が蒼白なのに気がついた。

 

 「大丈夫か! ユウマ」

 

 「提督、どうやら副作用が……」

 

 それはヨリトモも恐れていた事だ。Dインストールによる弊害、ユウマには自分には到底味わうことがない激痛と吐き気に襲われている。

 

 「帰還したら、すぐに横須賀に戻るぞ」

 

 「ですが、それは……」

 

 「無茶をするな。それに、今のお前が行っても現場では、酷だが足手まといだ」

 

 くっ。ユウマは分かってはいるがその事実に思い切り下唇をかみしめた。その力に唇から血が流れる程に悔しいことはヨリトモにも伝わった。

 

 「副作用なら調整さえ出来れば、すぐ現場に戻れる筈だ。俺はトウジとともにお前の援護を待っている。だからすぐに基地に戻るのだ」

 

 「初めてです。この悔しいと似ていますが少し違う感情を抱いたのは!」

 

 「違うか……、俺はそれも一つの悔しいという感情だと思うがな。ただお前が前に思った悔しいとはベクトルが違う、尊いものであるとは認識できるがな」

 

 提督、点呼完了致しました!

 

 各班のリーダーが、ヨリトモに報告した。それを聞いたヨリトモはすぐさま帰還を部下達に命じる。

 

 ポータルを通り現代に帰還後、本部に連絡を入れた。帰還したことを告げるため、もう一つは現状を聞くためである。

 

 「こちらヨリトモだ。只今帰還した。現状の報告を頼む」

 

 「了解致しました。現状、マモノの残党及び竜種の残党を排除している段階であります」

 

 「なに!? 帝竜はどうした!」

 

 「帝竜級は既に撃破されました」

 

 「まさか……やったのはトウジか!」

 

 帝竜級の撃破。それは余りに早すぎることだった。それに横須賀に残っていた戦力では帝竜級の討伐など不可能に近い。よってこの予想は至極当然といえた。

 

 「いいえ、それが謎なのです。それにハルミネ大尉は行方不明となっております」

 

 「なに、トウジが! 訳がわからん! もっと詳しく報告するんだ」

 

 「それがこちらでも何が起こったのか掴めていないのです。その情報に関して只今収集中の状態です。それと帰還後ヨリトモ提督には基地の方へ戻られるように指示が出ております」

 

 「了解した。俺が戻るまでに詳細な報告が出来るようまとめておけ!」

 

 ノーデンスのポータルから、各班が駆け足で自分達が指示された現場に向かう中、ヨリトモとユウマは頭を抱えていた。

 

 「一体なにがあったというのだ。トウジ!」

 

 誰にも聞こえない程の声で、崩れ落ちそうなユウマを肩で支えながらヨリトモは吠えた。

 

 

 





 次回、第二回ネタバレ回予定。
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