IS〈インフィニット・ストラトス〉~未来へと繋ぐ英雄達~   作:武御雷参型

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大変、長らくお待たせしてしまい誠に申し訳ありません。スランプに陥ってしまった事と、私情によるショックにより書けなくなってしまいました。
何とか立ち直れましたが、更新は今後もウ定期更新となります。申し訳ありません。


第十一話~日本の動き。そして、キラの思い

翌日の朝に日本の首相による全世界に緊急記者会見が行われる事になった。

この情報はネットや新聞の号外、テレビなどで知らされる事になり、日本中がテレビの前に集まっていた。

 

『国民の皆様。そして、この放送を聞いている全世界の皆様にお伝えします。我々、日本は、オーブ連合の一員として加盟する事にしました』

 

この言葉を聞き、驚くのは野党や国民であった。何も聞かされていない野党からすれば独断で考えた内容であった為、批判が殺到する事は待った無しであった。だが、この決断は、総理だけの考えでは無かった。他の大臣を含めた中での話し合いによって、決断された事であった。

 

『我が国、日本は今、戦火に合い見え様としています。隣国の中国、韓国は隕石破壊作戦に参加せず、オーブに攻撃を仕掛け、国家解体の制裁を受けました。ですが‼ その隣の北朝鮮はどうでしょうか‼ 既に我が国に入って来ている情報では、日本を含め、近隣諸国の殲滅を企てています‼ 私は最初は話し合いで解決しようと考えていました。ですが、この情報を見る限り、話し合いでの解決は不可能と判断し、ここでオーブ連合に加入する事に決断いたしました‼』

 

これには北朝鮮も黙ってはいなかった。すぐに軍備を整えようとした。しかし、先手を打ったのはオーブ連合であった。

オーブ連合は既に日本近海に来ており、いつでも入れる体制に準備を行っていた。

オーブが所有する艦隊は大きく分けて三艦隊ある。今回の作戦に参加しているのは第一艦隊、第三艦隊である。第一艦隊の主力は火力を持った戦艦で固められた、巨砲艦隊。第三艦隊の主力は航空機やMSISによる絨毯攻撃に特化している航空艦隊である。余談ではあるが、第二艦隊は潜水艦を主力とした隠密艦隊であった。しかし、今回の作戦には参加する必要性も無く、火力と航空力のみでの戦闘を目的としていた。

 

『国民、皆さまには不満があるでしょう。ですが、北朝鮮と手を組むよりも隕石による打撃を被った我々、日本を手助けしてくれたオーブ連合と手を組んだ方が、まだ未来はあります‼ そして、既にオーブのモルゲンレーテ社、利根川重工の二社と我が国の倉持技術研究所、山本重工の二社の四社によるMSISの合同開発を行う事になりました。自国は自国で守れ。それが私の先代総理からのお言葉でした。私は、それに則り、自国は自国で守るだけの力を持てるようにここに宣言いたします‼』

 

そう言うと総理が画面から消えた。だが、総理には待っている事があった。それは論弁であった。特に野党からの応答質疑が激しくなる事が目に見えていたのであった。

 

 

 

 

そして、総理からの重大報告が済むとデモ行進が始められた。戦争反対派、賛成派によるデモ行進は激しさを増し、中には自殺をする者までも続出するほどであった。しかし、一方で、自衛隊に入隊する若者達が増えたのも確かであった。

以前までの入隊の理由は“公務員だし、安定した収入が得られる”と言う考えを持った若者達が多かった。しかし、総理の演説後、入隊する若者たちが入隊理由を述べる時は決まっていた。

 

“自分達の国を護る為”

 

この言葉を述べる若者達が入隊していった。逆に、収入だけに目が眩んでいた者達は去って行くのであった。

 

 

 

 

 

オーブではウズミ、パトリック、シーゲル、カガリの四人が日本の総理の言葉を聞いていた。

 

「父上、我が国が既に日本近海にて軍事訓練をしている事を日本は知っているのでしょうか?」

 

「カガリよ。私達は先手を行かねばならない。今回の軍事訓練は決まっていた事だ。だが、まさか日本が加入してくるとは思いもしなかったがな」

 

カガリの言葉にウズミは笑いながら言葉を発する。

 

「そうだな。日本はどちらかと言えば昔のオーブだ。他国に攻めず、攻められずの信念であった。だが、この世界は向こうでは無い。一歩間違えれば、戦争になる。それは何処の世界でも同じ事なんだな」

 

「パトリック、ウズミよ。この後はどうするのだ?」

 

パトリックの嘆きの声にシーゲルは尋ねた。

 

「決まっておる。我が国は連合に加入した国家は見捨てない。委員会に連絡し、後続として利根川重工の第一主力艦隊、第二主力艦隊の連合艦隊で向かう様に伝えろ。既に準備はしているだろうがな」

 

ウズミの言葉通り、既にデュランダルは利根川重工の社長である利根川・T・マサヒロに連合艦隊の出撃命令を出していた。

 

「これで、また戦争に一歩近づいてしまったな」

 

「ああ、だがロゴスのいない今が絶好のチャンスなのかも知れないな」

 

ウズミの言葉にパトリックとシーゲル、カガリは頷くのであった。

 

 

 

 

総理の演説はIS学園でも話題になっていた。

キラの部屋に一夏だけが単独で来ていた。と言うのも、一夏を好いている女子達による攻撃を回避する為の裏技でもあった。

 

「キラ…じゃなかった。ヤマト先生。今回の事をどう見ますか?」

 

世界で初めてIS操縦者として発見された男、織斑一夏がキラに尋ねた。

 

「そうだね。じゃぁ、質問を質問で返すけど、一夏。君はこの総理の演説をどう見る?」

 

「………日本には力が無いから他国の力を頼る為の演説?」

 

キラの質問に一夏が答えるが、キラにとっては想定済みの回答であった。

 

「うん、君がそう言うと思っていたよ。僕達、遊撃隊の考えは違う。日本は盾が無い。これの意味がどういう事を言っているか判る?」

 

「………判らないです」

 

「だろうね。盾が無いと言う意味は、中国、韓国が無くなった今、北朝鮮にとっては最高の条件が整ったと言う事だよ。今まで北朝鮮と韓国、中国は睨みあいをしていたよね? でも、睨む相手が居なくなったと言う事は、行動の自由が確立されたと言う事でもあるんだ。北朝鮮の行動を止める相手が居なくなった事もあり、次に標的にされるところと言えば?」

 

「……ッ⁉ そうか‼ 日本か‼」

 

「そう言う事だよ、一夏」

 

一夏の回答にキラの顔は綻びていた。

 

「委員会から何か通達はありましたか、キラ?」

 

「あっ、ラクス。まだ、何も来ていないね。僕達は今は、待機命令しか出ていないから、現状はこのままかな?」

 

「そうですか………」

 

一夏とキラの話し合いにラクスが参戦する。だが、一夏は言葉を失った。なぜならば、ラクスの姿が一夏にとっては刺激的であったからである。

 

「って、ラクスっ⁉ またそんな恰好で出て来ちゃダメじゃないか‼」

 

「あら、わたくしったら同じ過ちをしてしまいましたわ」

 

ラクスは「おほほ」と笑いながらシャワールームに消えた。

 

「一夏、判っているよね?」

 

「………はい」

 

キラのニコヤカな笑顔を当てられた一夏は顔面蒼白になりながら頷くしかなかった。

 

「話を戻そう。一夏、君にはまだ当分の間は学園内で楯無さんにISの操縦技術を見てもらう事になった」

 

「どうしてだ‼ 俺は此処で護りたい奴がいるんだぞ‼」

 

「君の言葉は僕にも判るよ。昔の僕もそうだったからね。でもね、一夏。気持ちだけで護れる命は無いんだよ? 僕はそれを沢山、見て来た。君の言っている事は正しいのかもしれない。間違っているとは言えない。でも、君が護りたいと思っている人達は君が思っているほど、弱い存在なの? 今一度、君の行動を振り返って欲しい。もし、僕の声が心に響いているのであれば、言っている意味が自ずと判るはずだよ?」

 

「…………」

 

一夏はキラの言われた通り、今までの行動を振り返っていた。だが、一夏は判らなかった。どうして、自分の行動すべてが否定されているのかが。

 

「君の表情を見て判ったよ。僕は何も言わない。君の行動についても何も言わない事にするよ。でも、最後にアドバイスとして僕の言葉を受け取って欲しい。これは、今後、周りが君に対する接し方が君の行動一つで変わる可能性がある事だ。一夏、世界は甘くないよ。君が思っているほど世界は甘くない。特に今の世の中はね。僕からすれば、甘々な世界だけど、これは僕が今まで経験して来た事だから言える事だ。だけど、君は僕やラクス、カガリ、アスラン、シンやルナマリアとは違う。経験も無ければ、世界の事も判っちゃいない青二才なんだ。君の思っている事は確かに素晴らしい事だけど、君はそれを違う意味での行動に映し出している。これを続けるのであれば、君の周りには誰一人、いなくなるよ? これを忘れないで」

 

キラはそう言うと、もう用は済んだとばかりに一夏の方を見なくなった。一夏はキラと一緒にいる事が出来なくなり、部屋を後にした。

 

「キラ、少し言い過ぎではないのですか?」

 

「……ラクス。彼はこんなことで挫ける様な人間じゃないと、僕は考えている。でも、彼も人間だ。一度は挫折してからでも遅くは無いと思っているよ」

 

キラの表情は晴れ渡っていた。それに加え、一夏に対する信頼もしていたのであった。




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