IS〈インフィニット・ストラトス〉~未来へと繋ぐ英雄達~ 作:武御雷参型
オーブ首長国では、一隻の戦艦が宇宙に向けて出ようとしていた。
その戦艦の名前はアマツクサ。オーブ首長国海軍が最初に建造した艦である。しかし、それを改修し、宇宙での運用試験の為、ブースターを取り付け出撃準備を整えていた。
「では、これよりアマツクサは初めの第一歩を辿る事になる。機関始動」
アマツクサの艦長席に座るのは、ナタル・バジルールであった。元々、国際IS委員会の特殊部隊の専属艦であったアマツクサの艦長であり、現在もアマツクサの艦長に就任している。
「機関最大‼ 全速前進! 上げ舵45。このまま大気圏を突破する」
ナタルの指示でアマツクサは海面から離れて、
宇宙には国際IS委員会が建造した宇宙ステーションが存在する。そのステーションの名前は『アマノミハシラ』。かつてオーブ連合首長国が宇宙軍の拠点にしていた物であった。
しかし、この世界では、国際IS委員会の所属になっており内部では宇宙戦艦や宇宙用試作MSISが製造されている。キラ達に渡されている新たな剣には既に宇宙用MSISとして活動できるようにされている。だが、量産機での宇宙用はまだ製造されていないので、このアマノミハシラで製造する事になった。
「こちら、国際IS委員会所属宇宙用試作MSIS試験部隊隊長のスコールよ。ステーション。応答を願うわ」
『こちらステーション。お帰りなさい、スコール』
「ええ、ありがとう。それで、格納庫はどこに向かえばいいのかしら?」
『では、第二格納庫でお願いします。既に収容準備は整っていますので』
「了解したわ。聞いたわね、マドカ、オータム」
『『ああ』』
かつて、ハイネの部隊に所属していたスコール達三人であったが、正式に宇宙での試験部隊に配属される事になった。
本来の専用機は三人に与えられているが、この部隊では量産機の試験が目的である為、基本的には量産機で活動をしている。
スコールが搭乗している機体は『MSIS‐X01 ジン』マドカは『MSIS-X02 シグー』オータムは『MSIS‐X03 ゲイツ』である。武装面は特に変化は無く、動力源をバッテリー型を改良して循環バッテリーとISコアの両立型のBISコアを搭載しているこの動力源は従来のバッテリーよりも遥かに活動時間が延長され尚且つ、補給を一度行えば最低でも一日は持つと言われている。
スコール達三人は、ステーションから指示された格納庫に、機体をベッドに設置すると、解除した。すべての待機状態はネックレス型でジンが灰色の翼、シグーは純白の羽、ゲイツは碧色の羽である。今後のMSISの待機状態は羽で統一される事になっている。
「はぁ、これで量産機での宇宙活動のデータが取れたわね」
「そうだな。だが、まだ私達は帰れないのだろう?」
スコールは待機所にてスポーツ飲料を飲み呟く。それを聞いたマドカも、呟いた。
「だが、俺達はこのままじゃないだろ?」
「そうね。ギルバートは宇宙での活動はもう少しで終わるって言っていたけどね」
「そうか……(早くラクスの歌を聴きたいな)」
オータムの質問にスコールは答え、マドカはラクスの歌を聴きたいと願っていた。
その時、待機所でアラートが鳴り響く。
「「「ッ‼⁉」」」
すぐに反応した三人は待機所を出て第一格納庫に向かって行く。
その頃、アマツクサはアマノミハシラに向かって航行中であった。
「艦長、間もなくアマノミハシラに到着します」
「そうか……漸くこの艦も本来の役目を全うする事が出来るな」
CICからの報告でナタルは、アマツクサの本来の役目について考えていた。
元々、アマツクサは宇宙戦闘艦にする予定で建造されていたが、ロゴスとの戦闘が活発化した影響で設計を見直す事になり、宇宙戦闘艦から海上戦闘艦として就役する事になってしまった。
しかし、ロゴスとの戦争も一時的に終結し、アマツクサを宇宙軍第一艦隊旗艦と言う事で、先にアマノミハシラに配属される事になったのだ。
「さて、もう少しでアマノミハシラだ。気を抜くなっ‼」
『ハッ‼』
ナタルの言葉にアマツクサに乗艦しているクルーから一斉に返事が来るのだった。
しかし、その時であった。
「艦長‼ アマノミハシラより緊急入電です‼」
「なにっ⁉ 読み上げろ」
「はい『我、アマノミハシラ。前方距離約一万メートルにて巨大隕石を確認。このまま進めば地球に落下する恐れあり』です」
通信士からの報告でナタルは、焦りを感じる。だが、気持ちを切り替え、ナタルは艦内放送を開き、全乗組員に通達をする。
「アマツクサ艦長のナタル・バジルールだ。アマノミハシラからの緊急入電が先ほどあった。巨大隕石が地球に向かっていると言う内容である。この知らせに、皆も驚いているかも知れないが、私も当然の事だは驚いている。これより、我が艦はすぐにアマノミハシラに向かい、巨大隕石の破壊作戦へと移行する。これは訓練ではない。実戦だ。地球にいる家族、友人を救う為の作戦だ。貴官等の奮闘に期待をしている。私からは以上だ。アマツクサはこれより、超高速航行に移る。格納庫にいる者は速やかに、待避所に向かう様に。他の者達も待避所に向かう様に。超高速航行は十分後に行う。以上‼」
『了解』
ナタルの指示で全クルーが動いた。格納庫に設置されている物はすべて固定され、食堂でも同様に固定処置が取られた。他の乗組員は自分達の部屋に向かい、他の者達の物を固定していった。
「これより、アマツクサの超高速航行を行う‼ 機関最大全速前進。目標、アマノミハシラ‼」
ナタルが艦長席から立ち上がり、艦橋内にいる者達に指示を出した。そして、アマツクサは自身が出せる最高速でアマノミハシラに向かって行くのであった。
一方、地球ではアマノミハシラからの報告を受けたオーブ首長国と国際IS委員会、新国際IS学園、利根川重工はすぐに対策に入った。
オーブ首長国は各国家にアマノミハシラの報告を伝え、全国ネットで放送した。国際連合は、それを否定したがアマノミハシラからの映像を見せると黙り込んでしまう。だが、一部の国家は、巨大隕石の報告を否定をしていた。
内容としては『国際IS委員会が作った事であり、そんな事は我が国の衛星からは報告をされていない』と言って来た。その結果、一部の国家には巨大隕石の破壊作戦の参加を認められなくなった。
国際IS委員会は直ちに、緊急会議を行い、即席の部隊を作成した。また、疾風雷型の投入も可決される事になった。その際、地中を掘削する機械を宇宙に搬送する為に、雷華も使われる事になった。
国際IS学園は、避難所としての役割を受け持つ事になり、全校生徒並びに全教師が投入される事になった。また、海上保安部隊と国際IS学園防衛隊は、この作戦に参加しず、学園の防衛並びに護衛にそのまま継続される事になった。
利根川重工も同様で、国際IS学園を防衛する為に、全艦艇を投入する事でこの作戦に参加する事になったのだ。
全国ネットで放送する内容は、カガリが言う事になり、以下の事が全国ネットで配信された。
「全世界にいる皆さん。初めまして、私はオーブ首長国の防衛大臣を務めています、カガリ・ユラ・アスハです。皆様に緊急でこの放送を行っています。現在、宇宙にてオーブ首長国が保有する宇宙ステーションから巨大隕石が地球に向かってきていると言う報告を受けました。オーブ首長国はすぐに国際IS委員会と国際IS学園、利根川重工、国際連合に報告を行い、巨大隕石の破壊作戦を行う事になりました。これにつき、国際IS学園を一時避難所として開放する事になり、オーブ首長国は即席の宇宙軍を結成しました。また、国際連合の大半の国家はこれに賛同し、MSIS部隊をオーブ首長国に一任する事になりました。この即席の宇宙軍の指揮官を務める事になったのは、国際IS委員会所属、独立第一部隊隊長のキラ・ヤマト氏です。そして、オーブ首長国は新造艦二隻を投入する事になりました。ご覧ください」
カガリがそういうと、画面は疾風雷と雷華が映し出された。
「この二隻は先の旧国際IS学園防衛戦で活躍した戦艦です。手前に見えますのが疾風雷級ISコア搭載型強襲揚陸戦闘艦一番艦『疾風雷』です。その奥に見えますのが、疾風雷級ISコア搭載型強襲揚陸戦闘艦二番艦『雷華』です。この二隻には戦艦用ISコアが搭載されており、大気圏を突破する事が可能となっています。この二隻は、篠ノ乃束博士の協力の元、建造が進められました。さて、この作戦内容としては、この二隻で宇宙に上がり、宇宙ステーションに到着後、補給を行い巨大隕石の破壊に向かいます。破壊する際に使われる機械はこれです」
モニターに映るカガリが小さくなり、雷華に現在搬入されている物が映し出された。
「本来の使い方は地中を深く掘る物ですが、これを改良した物を現在、雷華に搬入しています。この機械の名前は『メテオ・ブレイカー』元々の名前が『ガイア・ブレイカー』です。その名の通り、隕石を破壊する為に改良しました。これをMSIS部隊が運び隕石に設置後、タイマーをセットし自動で隕石を細かく破壊します。これにより、隕石の落下を地球から逸らす事が目的となります。これが、今作戦の内容となります。長々と話してしまいましたが、オーブは全力を持って、この作戦に臨むことを此処に宣言いたします‼」
カガリはそう言い切ると、モニターから消えるのであった。
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