八日後。
大勢の人に別れを惜しまれながら、ガッツはこの村を離れようとしていた。
どうしてこんなことになったのか、軽く頭を抱えながら戦闘後に起きた事を思い出す。
そう、あの後青年たちが間を置かずにガッツのもとへやって来た。
そして自分が殺した腐敗し風化していく魔物の死体を見ながら、英雄だのなんだのと言われ、祭りが開かれたのだ。
出た食事はお世辞にも豪華とは言えなかったが、それでも最大限真心を込めたということが理解できるものだった。
正直、勘弁して欲しかった。こんな扱いには慣れていない。
周りに集まっている人達から抜け出そうかと考えもしたが、情報を得るにはまたとない機会だろう。
渋々参加した。
「ミットランド?クシャーン?聞いたことないな」
「お前は知っている?」
「いや、俺も聞いたことがない」
「神官様なら知っているかも、物知りだしね。あそこにいるよ」
その老人の神官に問いを投げかける。
「すみません、私も聞いたことがありません。」
「・・・そうか」
この村にガッツが知りたい情報を知ってる人物はいなかった。
「ただ、ホルムの町にならば誰か知っている者がいるかもしれません」
「ホルム?」
「はい。領主カムール殿が住まわれている町です。その町の近くの森の洞窟から魔物、夜種とも呼ばれていますがそういったものが湧き出し続けているようです。洞窟の奥には古代の遺跡が発見されたりもしたとか。そのため、大公閣下は探索者を募り、原因を突き止めたものには褒賞を出すと」
「・・・いろんな奴が集まりそうだな」
盗っ人、墓荒らし、傭兵に食い詰め者。武者修行の騎士に考古学者。
世界中から多種多様な人物がお宝目当てに流れ込んでいそうである。
若い頃の自分なら喜び勇んでその地を訪れたかもしれない。
「はい、そこならば存する方がいるかと」
神官の話を聞き終えた後、食べ物に手を伸ばす。
差し当たっての目標は決まった。
明日にでも発つか。
と思っていたが、青年に狩りに行く約束は?と問い掛けられた。
金欲しさもあり、また渋々だが引き受けた。
といった感じで、ずるずるとこの村に滞在した期間が延びた。
そして今現在、ようやくシリン村を旅立った。
オーセルという村を経由しホルムを目指す。
特に何事もなくオーセル村に到着した。
シリン村よりほんの少し大きいだろうか?といった程度の村だ。
ここにも恐らく情報がないだろうと思いながら聞き回った。
案の定、空振りだった。
ホルムの町を目指すとしよう。
オーセル村からホルムの町に行くには森を通らねばならない。
この森はさほど深くないのだが、夜種達が潜んでいる。
とはいっても、小鬼と呼ばれる者と獣鬼ぐらいだ。
それらを歯牙にもかけず薙ぎ払う。
そうして、ガッツはホルムの町に辿り着いた。
シリン村
平原に面している。
神殿を中心にして、小さな家々が軒を並べている。
オーセル村
森の中にある村。
小川のそばにある。