しかも紋章も宿してったぞ!
べ、別にいらない紋章を押し付けたわけじゃないんだからね!
【視点・レイ】
日本に来たぜ!
え?唐突にどうしたって?
いや、ライフメーカーに「シエラに旧世界を見せてあげて」って言われて。
マジであの人、原作の面影が無いんだけど。
まあそれは置いといて、現在は俺、シエラ、フェイトの三人で日本に来ている。
正直フェイトはいらないと思う。
「何か言ったかな?」
「べっつに~」
「……そうかい。まあ、君が何を言おうとどうでもいいけどね」
この野郎……
互いにガン付け合っていたら、シエラが着物着たおっさんに鮎の串焼きを貰っていた。
「おっさんゴラァ!!物で釣ってシエラを誘拐する気だな!!」
「シエラ、知らない人から物を貰っちゃダメだといつも言ってるだろ?」
「おっさんって……まあ、おっさんだけども……」
「はむはむ」
シエラが可愛すぎるぅぅぅぅぅ!!!
カメラ!カメラが欲しい!!
でもまだないし……俺が作るか!?
いや、構造知らねぇや。
「とりあえず、自己紹介でもしねぇかい?俺は
「フェイト・P・アーウェルンクスだよ」
「クレイズ・V・メルフィスタだ!」
「……妾はシエラ・ミケーネじゃ」
「えっと……もうちょっと自己紹介してくんね?てか、不死者発言は無視ですかね……」
え、メンドクセェ。
おっさんに自己紹介しても、なぁ?
あ、このおっさん仲間とはぐれたらしく、何故か俺等にくっついてきている。
仲間探せよ。
「あ~まあ、あれだ……俺は500年ほど生きてるんだけど、君らは?同じ不死者なんだろ?」
「僕は200年ぐらいかな?」
「……同じぐらい」
「150年だったかな?」
「結構長生きじゃないの。それにしては、こう、精神年齢低くない?」
「「気のせいだ」」
「そっかね~?」
このおっさんウゼェ。
早くどっか行けよ。
そんなこんなで、適当に移動すること約3年。
デカい樹を発見した。
「世界樹だ!ここが原作の舞台か!ワクワクが止まらないな!」
「君は本当に……別に良いけどね」
「あ~この樹は世界樹じゃなくて
「……紋章よ」
シエラが世界樹に対して祈るようなポーズをとる。
すると、シエラと世界樹の間を中心に光が満ちる。
シエラの中から強大な力を放つ真紅の紋章が、世界樹へと移される。
その光景は、幻想的、これにつきた。
紋章が完全に世界樹に宿ると、シエラは立ち上がって世界樹の根元で丸くなって眠ってしまった。
「……シエラの嬢ちゃんは、何者だ?」
「僕の守るべき大切な人かな」
「俺の愛する女性だ!」
これ以外に当てはまる言葉なんてねぇ!!
ところで、あの紋章はなんの紋章だったんだ?
わからないなら聞いてみるべきなんだが……可愛い顔で寝てるのを邪魔できねぇな。
「とりあえず、一泊する準備でもするか?」
「まあ、シエラが動く気配が無いからね」
「じゃあ飯でも確保しますかね」
このおっさん、ホントにいつまでついてくる気なんだ?
【視点・フェイト】
数時間後、シエラが起きたので四人で食事にする。
シエラは紋章の力で食べる必要性が皆無だけど、作るのも食べるのも好きらしく毎日三食しっかり食べる。
実に健康的だと僕は思うね。
それに比べてライフメーカーは……いや、よそう。
折角の食事が不味くなる。
「そう言えばシエラ、世界樹に宿した紋章ってなんなん?」
食事中に喋るとは、これだからレイは……まあ、それは僕も気になっていたことだから何も言わないけど。
シエラはしっかり口の中のモノを飲み込んでから口を開く。
「太陽の紋章」
「太陽?」
「ん……真の紋章の一つ。この紋章が宿る場所は活性化する」
「へ~なら人に宿したら凄そうだな!」
確かに。
あれほどの力を持った紋章をただ場の活性化に使うのは、少し勿体無い気もするね。
「太陽の紋章の力は、大陸一つ簡単に焼き尽くせる。ただ、太陽の紋章単体を人に宿すと精神が崩壊して、ただ周囲を破壊するモノになる」
「……危ないからここに置いて行こうか」
レイと同意見だね。
というより、そんな危ないモノをずっと持たせていただなんて……くっ!!
「てか、紋章ってなんだ?さっきのが太陽の紋章っていうのはわかったんだが……」
甚兵衛さんに紋章について説明するのは、避けた方が良いだろうか?
いや、シエラも気を許してるようだし、仲間に引き入れた方が良いのかも。
気に入らないが、レイとアイコンタクトで甚兵衛さんに紋章のことを説明するかどうか決めた。
甚兵衛さんに紋章について説明すると……
「へ~面白そうだな。俺はただ不死身なだけだから、そういうのがあると助かる。どんなのがあるんだ?」
「ん」
甚兵衛さんはシエラからどんな紋章があるか聞き、二つの紋章を宿してもらっていた。
左手に罰の紋章、右手に木漏れ日の紋章を宿した。
「罰の紋章ってマジでか……」
「その紋章、シエラの説明でかなりヤバいと聞いていたのだけど……大丈夫かい?」
「……あ~まあ、なんとか。俺にはちょうどいいかもな。俺が死んだらマズイが、死ななきゃ大丈夫だろ」
そういう問題でもないと思うんだけど……
まあ、彼は意外と死ななそうだし、ちょうどいいのかもね?
「さてと、そろそろあいつ等のところに戻らねぇと殴られちまう」
「なんだ、もう行っちまうのか?ここまでついてきたんだからこのまま一緒にいればいいのに」
……レイのあの顔、いなくなって清々してるね。
シエラが気に入ってるから、嫌われないように気を使ってると見たよ。
「縁があればまた会えるだろうよ。シエラの嬢ちゃん、またな?」
「……ん」
甚兵衛さんがシエラの頭を撫でるのを見てると、胸の辺りがチクチクするね。
レイがするとイラッとするんだけなんだけど。
「お前らも喧嘩ばっかしてないで、シエラの嬢ちゃんをちゃんと守るんだぞ?」
「言われなくてもわかってるっつーの!でも、こいつと仲良くは絶対に無理だ」
「忠告は受け取っておくよ。ただ、彼と分かり合う日は来ないだろうね」
「はは、時間はあるんだ、ゆっくりでいいさ。じゃあな~」
そう言って、甚兵衛さんはどこかに去って行った。
シエラは甚兵衛さんが歩いて行った方をしばらく見つめた後、世界樹?を見上げて呟く。
「帰る」
「じゃあ、帰ろうか」
「世界樹は放置していっていいのか?」
それは、確かに……太陽の紋章も宿っているし、放置は危険かな?
シエラを見ると、可愛らしく小首を傾げていた。
「もう紋章持ちじゃないと近づけない」
「……マジでか?」
「……それはそれで問題じゃないかな?」
レイを横目で確認すると、同じようにこちらに確認の視線を送っていた。
同時に肩を竦め、ここのことは忘れることにした。
「帰ろう」
「だな」
「ん」
そんなこんなで、それなりに長い旅行を終えるのだった。
甚兵衛は、もう出てこないかもしれない。
だって、罰の紋章面倒なんだもの。
太陽の紋章
破壊と再生を司る紋章(だと思われる)
真の紋章の中で最も強く顕在化した力を持つ紋章であるがゆえに、感情を制御できなくなる呪いを持ち、宿した者を破壊衝動で支配する。
土地に宿した場合、その土地を常に最高の状態にする。
人が使う場合、いくつかの方法で制御ができ、制御することができれば大陸一つ焼き尽くすことができる力を持つ。
罰の紋章
「償い」と「許し」を司る紋章
使用する毎に宿主の命を削る呪いを持っている。
ただし、償いの期間が終わり、許しの期間に入ると呪いを受けることはなくなる。
また、紋章には過去の宿主の記憶が残されている。(この作品では過去に宿された者がいないので特に意味はない)
宿主が死亡した際に、近くにいる者の中から継承者が選定される。
リスクがあるがゆえに、紋章としての力は強大。
木漏れ日の紋章
常に肉体を癒し続ける。