拙いですけど読んでくれると嬉しいです。
とある歓楽街にある寂れた店。
中はただのバーにしか見えないのだが、この店の地下には知る人ぞ知る秘密の場所があった。
そこは麻薬、ドラッグといったものが飛び交うクラブだった。
中にはそのような物よりもっと危険な物もある。
クラブの中にある一室、取引などで使うために防音処理なんかが施された部屋で、黒服の集団と白服の集団が向かい合っていた。
「……確認した。取引は成立だ」
白服の中でも一番偉いのであろう、インテリ風の男がそう言う。
黒服の集団から札束がぎっしりと詰められたジュラルミンケースを受け取り、それと引き換えにまだ開けられていないケースを渡す。
黒服のトップが中を確かめるため、そのケースを開けた瞬間、ドアが吹き飛んだ。
吹き飛んだドアと一緒に外で見張りをしていた黒服と白服の男も転がってくる。
「こんばんわ、財団Xの方々と、え~っと…………、もう黒服でいいや。の方々」
突如乱入してきた青年にそこにいた全員が警戒を顕にする。青年はそれも何処吹く風、と言ったように続ける。
「メモリ、メダル、スイッチに続いてロックシードまでですか。ほんっとよくやりますよねぇ。やっぱり、ユグドラシルも支援してたんですかね?それとも内通者?」
「……貴様、何者だ」
「ん?あぁ、俺かい?名乗る名なんてないよ。しいて言うなら、そう、〝ナナシ〟かな?」
「……まあいい。どのみち生かしておけん。ここで始末させて貰おう」
インテリ風の男は懐からメモリのようなもの出し首に挿す。すると瞬く間に怪物に変身した。
それを皮切りに白服の、財団Xのメンバーはそれぞれメモリやスイッチを取り出し怪物に変身する。
黒服の男達はイニシャライズされていない、量産型の戦極ドライバーを取り出し装着しロックシードを開錠する。それを戦極ドライバーにセット、カッティングブレードを倒し黒影トールーパーに変身した。
「げ、戦極ドライバーまで。こりゃ相当な数が量産されてると思った方がいいですかね?」
相手は皆変身したというのに、青年さ相変わらず落ち着いていた。
そんな様子に痺れを切らしたのか黒影トールーパーの一人が襲い掛かってくる。
青年は突き出された槍を避けると、外れた槍は壁をぶち抜いた。
その音で気付いたクラブに居た客達が青年を睨み付ける。
楽しんでいたところを邪魔されたことに腹が立った一人がマスカレード・ドーパントに変身し青年に殴りかかる。
青年はそれの拳を掴み、振り回して先程の部屋の方に思いっきり投げた。
「ここにいる全員が敵、ってことですか。ま、分かりやすくて結構ですけどさ」
そう言った彼は懐から一つのベルトを取り出す。それはイニシャライズされた戦極ドライバーだった。
戦極ドライバーを腰に巻いたところで客は全員がドーパント、ゾディアーツに変身していた。中にはインベスを召喚してる者も居る。
「ま、行きますか」
『ナシ!』
そう言って少年はロックシードを開錠する。
頭上の空間が裂けるようにクラックが出現し、ナシのアーマーが降りてくる。
ナシロックシードを戦極ドライバーにセット、法螺貝の音流れ出したところで怪物にになった財団Xのメンバー、客、黒影トールーパーに変身した黒服達が襲い掛かってきた。
「ちょ、変身中は攻撃しちゃダメってお約束でしょ!?」
訳の分からないことを叫びながらも攻撃をいなし続ける。
いなし続けながらも、隙を見てカッティングブレードを倒す。
『ソイヤッ!!』
青年の体をライドウェアが包み、ナシのアーマーが広がっていく。
『ナシアームズ!!』
そのアーマードライダーは鎧武者のような和風の鎧兜のような格好をしていた。
「さてと、行きますか!!」
名無しのアーマードライダーは、専用のアームズ、梨之大太刀を手に敵に立ち向かって行った。
◇
「ふ~、やっと終わったか」
クラブの中は元の面影など何処にもなく、辺りは死屍累々と言った様子だった。
「取り敢えずメモリとスイッチは壊しといて……ロックシードと戦極ドライバーは持ってくか」
青年は転がっている壊れていないロックシードを拾いながら一人呟く。
「さてと、次は何処に行くかな」
青年へ百合を模したロックシードを開錠するとそれは変形しバイクになる。
名無しのアーマードライダーは、愛車リリーストライカーと共にまた何処かへと走り出した。
読んでくれてありがとうございます。
ナナシとナシ、駄洒落かよ、って思った方々、偶然です。
作者が梨好きなのです。