東方遊戯界~全てを護りし刀傘~   作:reira

3 / 6
妖怪を越える人間

「あれ~?寺子屋ってココっスよね?」

 

鍵が閉まっていて、電気も消えている。これは完全に留守だ。

 

「慧音先生の居場所知ってる人、誰かいないっスかね?」

 

辺りをうろうろと走りまわっていると

 

「きゃ!」「!」

 

突然後ろで悲鳴が聞こえたのである。

 

(事件っスか!?)

と思って声のした方に首をむける。すると…

 

「急に抱きつかないでよ!」

 

「いいじゃん。減るもんじゃないし」

 

「見られたら私の信用が減るわ!」

 

「ガクッ」

 

…そこには二人の女性が楽しそうに言い争いをしていた。平和そのものだ。事件なんてとんでもない。というより

 

(すみません、見ちゃったっス。…信用、減ったんスかね?)

 

二人に気づかれない内にその場を後にした。

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

 

走りさった先には先程とは違う二人の女性の姿があった。探していた慧音先生と、昼間にあった鈴姉さん。

なにやら話していたようだがそんなことはお構い無し。

 

「慧音せんせーい!」

 

「ん?誰だ?」

 

またガクッっていきそうになったが、なんとかこらえる。

 

「どうも、慧音先生。それと鈴姉さんも、また会ったっスね。」

 

すると鈴姉さんは昼間よりもキリッとして答える。

 

「また会ったね。改めて自己紹介させてもらうよ、私は宵闇 鈴名、人里の警護者だよ。人里で慧音の次に役に立つ人だと思ってくれれば。これからよろしくね」

 

「よろしくっス!」

 

なんだ、ちゃんと挨拶できるじゃないっスか。と名刀は思った。

そして本題。

 

「それで、本題なんッスけれど、このカメラの持ち主が、俺やチルノちゃん、大ちゃんを盗撮していたんッスよ」

 

とカメラを見せると、鈴姉さんは何かを悟ったように地面に膝を付く。

 

「文ちゃん…盗撮はもう止めなよ…」

 

「犯人を知っているんスか?」

 

「ああ、うん。名前は射名丸 文、新聞をよく作っている烏天狗だよ、とりあえず写真を消してもらうように言いに行こっか。私は特にこれといった用事はないからね。」

 

「その、射名丸さんっスよね。気絶させたのでそこまであんないするっス!」

 

慧音先生は家に帰るらしい。挨拶をして目的地へ行こうとすると

 

「にゃあー」

 

「ん?君も帰る?」

 

なんと服から猫が、、、どこに入ってたんスかね?

 

「それじゃ行こうか」

 

猫が、、、気になる

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

 

「そういえばさ、小孤さんは私のことどう思った?」

 

小狐?小狐…あ、小孤膝丸だから。

 

「俺のことッスか。まあ、シャイな人かなと思ったッス。ほら、傘で顔を隠してたッスよね」

 

「『しゃい』?まぁいいや、えーと、実はね、私はときどき酷い頭痛に悩むときがあるんだよ。急に起こる頭痛で、起こる予兆が感じられない。私からすれば一種の持病みたいな感じのがね」

 

「そうッスか。それで……初めての会ったときに頭痛があったということッスか?」

 

「うん、どうしてわかったの」

 

「それは、顔色が酷かったからッスよ。話を聞いたら誰だってわかると思うッス」

 

元気がなかったのもそれが理由なんスね。

 

「とりあえず、私は『しゃい』じゃなくて、もっと明るい性格だから気軽に話しかけてくれると嬉しいな~、っていうお話だよ」

 

「了解ッス!これからは鈴姉を頼ることにするッス!」

 

「その前に慧音に頼んでね」

 

慧音先生も鈴姉さんもしっかりしてるなぁ。としみじみ感じた。

 

そんな会話をして打ち解けているうちに、その射名丸さんのところへとついたらしい。辺りを見回している、黒い翼のついた少女が目の前にいる。

 

「あれ?鈴姉じゃないですか。お久しぶりです!」

 

「久しぶりだねー文ちゃん」

 

って再会を喜んでる場合っスか!乙女として許せないっス!と、怒りの炎がパチパチと燃える。

 

「どうして俺たちを盗撮してたッスか!」

 

「はいはい、小孤さん落ち着いて。文ちゃん、盗撮はもうしないっていう約束はどこへいったの?」

 

冷静だった!?

 

「えへへ、すみません♪どうしても撮りたいっていう欲望が……」

 

あ、やっぱりそういう趣味なんスね。と思って見ていると、鈴姉さんは無言で傘を閉じて振り上げる。標準は射名丸さん。

 

「ごごごごごめんなさい!!も、もうしませんから叩かないでください!!」

 

「……取材したいなら本人に聞いてからにしなよ。盗撮じたいはあんまり怒らないけれど、せめてかわいい姿を撮ってあげなよ。ね、小孤さん」

 

と、こちらを振り返った鈴姉さんから凄まじい霊力が…こ、怖いっス…

 

「は、はい!そうッスね!」

 

鈴姉さんは霊力が漏れていたことに気付いたようで、霊力を引っ込めた。が、あの霊力を感じた時の恐怖が拭いきれてはいない。

 

「とりあえず、今回は撮った写真を消しなさい。わかった?」

 

「はい!絶対に消します!」

 

…鈴姉さん、人間やめてないっスよね?

射名丸さんは逃げるように飛んでいった。

 

「それじゃあまたいつかに、今宵はよい夢を~」

 

「ありがとうございました!またよろしくっス!」

 

そして大ちゃんの家に帰ると、案の定チルノは布団から飛び出してお腹を出して寝ていた。チルノを抱えて布団に戻し、無意識による体勢の変化を防ぐ。これはあの娘にも何回かやっていた。そのうち寝相がよくなるのだ。

 

「あの娘、どこで何してるんスかね」

 

キラキラと瞬く星をみながら、名刀は物思いにふけるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。