「あれ~?寺子屋ってココっスよね?」
鍵が閉まっていて、電気も消えている。これは完全に留守だ。
「慧音先生の居場所知ってる人、誰かいないっスかね?」
辺りをうろうろと走りまわっていると
「きゃ!」「!」
突然後ろで悲鳴が聞こえたのである。
(事件っスか!?)
と思って声のした方に首をむける。すると…
「急に抱きつかないでよ!」
「いいじゃん。減るもんじゃないし」
「見られたら私の信用が減るわ!」
「ガクッ」
…そこには二人の女性が楽しそうに言い争いをしていた。平和そのものだ。事件なんてとんでもない。というより
(すみません、見ちゃったっス。…信用、減ったんスかね?)
二人に気づかれない内にその場を後にした。
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
走りさった先には先程とは違う二人の女性の姿があった。探していた慧音先生と、昼間にあった鈴姉さん。
なにやら話していたようだがそんなことはお構い無し。
「慧音せんせーい!」
「ん?誰だ?」
またガクッっていきそうになったが、なんとかこらえる。
「どうも、慧音先生。それと鈴姉さんも、また会ったっスね。」
すると鈴姉さんは昼間よりもキリッとして答える。
「また会ったね。改めて自己紹介させてもらうよ、私は宵闇 鈴名、人里の警護者だよ。人里で慧音の次に役に立つ人だと思ってくれれば。これからよろしくね」
「よろしくっス!」
なんだ、ちゃんと挨拶できるじゃないっスか。と名刀は思った。
そして本題。
「それで、本題なんッスけれど、このカメラの持ち主が、俺やチルノちゃん、大ちゃんを盗撮していたんッスよ」
とカメラを見せると、鈴姉さんは何かを悟ったように地面に膝を付く。
「文ちゃん…盗撮はもう止めなよ…」
「犯人を知っているんスか?」
「ああ、うん。名前は射名丸 文、新聞をよく作っている烏天狗だよ、とりあえず写真を消してもらうように言いに行こっか。私は特にこれといった用事はないからね。」
「その、射名丸さんっスよね。気絶させたのでそこまであんないするっス!」
慧音先生は家に帰るらしい。挨拶をして目的地へ行こうとすると
「にゃあー」
「ん?君も帰る?」
なんと服から猫が、、、どこに入ってたんスかね?
「それじゃ行こうか」
猫が、、、気になる
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「そういえばさ、小孤さんは私のことどう思った?」
小狐?小狐…あ、小孤膝丸だから。
「俺のことッスか。まあ、シャイな人かなと思ったッス。ほら、傘で顔を隠してたッスよね」
「『しゃい』?まぁいいや、えーと、実はね、私はときどき酷い頭痛に悩むときがあるんだよ。急に起こる頭痛で、起こる予兆が感じられない。私からすれば一種の持病みたいな感じのがね」
「そうッスか。それで……初めての会ったときに頭痛があったということッスか?」
「うん、どうしてわかったの」
「それは、顔色が酷かったからッスよ。話を聞いたら誰だってわかると思うッス」
元気がなかったのもそれが理由なんスね。
「とりあえず、私は『しゃい』じゃなくて、もっと明るい性格だから気軽に話しかけてくれると嬉しいな~、っていうお話だよ」
「了解ッス!これからは鈴姉を頼ることにするッス!」
「その前に慧音に頼んでね」
慧音先生も鈴姉さんもしっかりしてるなぁ。としみじみ感じた。
そんな会話をして打ち解けているうちに、その射名丸さんのところへとついたらしい。辺りを見回している、黒い翼のついた少女が目の前にいる。
「あれ?鈴姉じゃないですか。お久しぶりです!」
「久しぶりだねー文ちゃん」
って再会を喜んでる場合っスか!乙女として許せないっス!と、怒りの炎がパチパチと燃える。
「どうして俺たちを盗撮してたッスか!」
「はいはい、小孤さん落ち着いて。文ちゃん、盗撮はもうしないっていう約束はどこへいったの?」
冷静だった!?
「えへへ、すみません♪どうしても撮りたいっていう欲望が……」
あ、やっぱりそういう趣味なんスね。と思って見ていると、鈴姉さんは無言で傘を閉じて振り上げる。標準は射名丸さん。
「ごごごごごめんなさい!!も、もうしませんから叩かないでください!!」
「……取材したいなら本人に聞いてからにしなよ。盗撮じたいはあんまり怒らないけれど、せめてかわいい姿を撮ってあげなよ。ね、小孤さん」
と、こちらを振り返った鈴姉さんから凄まじい霊力が…こ、怖いっス…
「は、はい!そうッスね!」
鈴姉さんは霊力が漏れていたことに気付いたようで、霊力を引っ込めた。が、あの霊力を感じた時の恐怖が拭いきれてはいない。
「とりあえず、今回は撮った写真を消しなさい。わかった?」
「はい!絶対に消します!」
…鈴姉さん、人間やめてないっスよね?
射名丸さんは逃げるように飛んでいった。
「それじゃあまたいつかに、今宵はよい夢を~」
「ありがとうございました!またよろしくっス!」
そして大ちゃんの家に帰ると、案の定チルノは布団から飛び出してお腹を出して寝ていた。チルノを抱えて布団に戻し、無意識による体勢の変化を防ぐ。これはあの娘にも何回かやっていた。そのうち寝相がよくなるのだ。
「あの娘、どこで何してるんスかね」
キラキラと瞬く星をみながら、名刀は物思いにふけるのだった。