名刀は家から勢いよくとびだして湖の周りでチルノを探した。しかし、見つかることはなかった。それでも諦めずに叫び続ける。
「チルノー!大ちゃーん!」
ーーー名刀は焦っていた。名刀の主も、ふと気がついたらいなくなった。
初めてできたお友達を、また失いたくない
「…またいなくなるんスか?なんでみんな俺をおいてけぼりにするんスか?」
名刀は近くの木に寄りかかって空を見上げる。
「ハハハ、俺の大切な人はみんな俺をおいていく。
俺と仲良くなった人はみんな俺を忘れる。
…そして誰もいなくなる。」
いつかは刀傘を手放す時がくる。主が成長して働き初めたら、もう刀傘なんて使われない。これは絶対ともとれる運命である。頭では理解できていた。それでも…
「ハハハ・・・」
寂しい。気がついたら頬から涙が溢れていた。体育館座りで顔を伏せ、嗚咽を漏らす。
「大丈夫、みんな忘れているわけではありませんよ」
「!」
体育館座りで一人泣いていると、誰かが後ろから背中をさすってくれた。
顔をあげてその人を見るが、涙で視界がグショグショになってしまって見えない。でも…
「きっとそのお友達だって、あなたをさがしてますよ」
うぅ、もうダメだ。
人のぬくもりを感じたい。忘れられたくない、離れられたくない。
この溢れる気持ちを抑えられない。
「うわぁぁぁん!!!」
「え、ちょ!?」
「うぅ…忘れないでよぉ・・離れないでよぉ・・グスッ」
「………」ヨシヨシ
思わずその人を抱きしめて泣きじゃくった。この人は小さな体だったけど、俺より心が大きい。
僕が抱きしめた人は、俺が誰かも知らないのに背中を優しくさすってくれていた。俺が泣いている間中、ずっと。
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俺が盛大に泣きじゃくった後、俺が抱きしめた人は友達の居場所を能力で教えてくれた。
…本当に優しい人だなぁ。
「ご、ごめんなさいっス!」
「別にいいですよ、僕慣れてますから」
俺が抱きついて泣いていたのは、男の子だった。
な、なんか恥ずかしい…顔が熱くなるのを感じる。
「逆に、あなた女性だったんですね?気がつきませんでした…」
「別にいいっスよ、慣れてるっス」
「本当ですか?顔真っ赤ですよ?」
「え!?こ、これは…その………なんというか……」
なんだか上手くいえなくて、言葉で表現出来ない。
何と言おうか考えていると…
「えぇっ!?」
いきなり目の前の人がすっとんきょうな声で叫び、顔が真っ赤になる。
「だ、大丈夫っスか?」
「え!?えぇと、その…僕はもうそろそろ先へ行かないと!じゃあね!」
「待って!」
突然走り出しそうになった人の服の裾をあわてて掴む。
「な、何かな?」
「え、えぇと…その……お、お名前を聞いてもいいっスか?」
何言ってるんスかね、俺?何か別のことを言おうとしていた気がするけど…やっぱり上手く言葉に出来ない。
「な、名前?
「俺は…め、
「そうですか…じゃあまたね、名刀」
そういって蓮がみせてくれる笑顔をみると、なぜか胸がドキドキする。なんでだろう…
そんな俺をよそに走りさる蓮。そんな蓮を
「れえぇぇぇん!」
「な、何?」
俺は呼び止める。俺が一つだけわかったことを、まだ伝えてないから、伝えたい。だから叫ぶんだ。
「ありがとおぉぉ!!かっこよかったぁぁぁ!!!!」
「ーっ!?」
俺が言いたかったことを叫ぶと蓮は顔を真っ赤にして走り去っていった。
「ーー本当に、カッコいい人だったっス…」
何故か、まだ胸がドキドキしていた。また会いたい。蓮を追いかけることも出来る。けど…
「…チルノ達を探さなきゃ」
蓮はチルノ達の場所と、そこまでの道のりを教えてくれたっス。だから…行かなくちゃ。