今回は番外編、クリスマスとなっております。
皆様はクリスマスを満喫しているのでしょうね。
私?私はクリぼっちですがなにか?
さ、寂しくなんかないんです!
番外編 クリスマス
今日の日付は12月25日、所謂クリスマスだ。世間が賑わってる。そして、俺たちもまたクリスマスを楽しもうとしていた。因みに俺は料理中。
「クーリスマスが今年もやーってくるー楽しかった出来事を消し去るように〜♪」
『マスター...その歌はどうかと思うのですが...』
あ、やっぱり?
「でもさ、なんか歌いたくなるんだよな...」
アーサーとそんなやりとりをしていると...
「お父様、何かお手伝いすることありませんか?」
クロエがやってきた。
この、俺を【お父様】と呼ぶ少女はクロエ・クロニクル。ある出来事がきっかけで俺と束の娘になった娘だ。まぁ、そのある出来事ってのはまた別の話だ。
「んー、じゃあケーキに使うクリームと他の料理の味見を頼む。俺だとどうしても味が濃くなるらしい」
「わかりました」
クロエは嬉々として味見をはじめる。
「そんなに喜んでやることか?」
「はい!お父様の料理はおいしいですから!」
「そうか、ありがとな」
素直に美味しいと言ってもらえると嬉しい。それが家族なら尚更だった。俺はついクロエの頭を撫でていた。
「ん...」
サラサラで手触りのいい銀髪を撫でているとクロエが目を細めて頬を緩ませる。少し、猫のようだと思った。我が娘は可愛い。
「お父様、味見が出来なくなります...」
「おっと、すまんすまん」
クロエに言われて手を離す。すると、クロエは名残惜しそうな顔をする。自分から言ったんじゃん...。
「また、後で撫でてやるからそんな顔をするな、今は味見、な?」
「はいっ!」
後で、と言う言葉を聞いてクロエは再び味見に戻る。...さて、俺も料理を仕上げますかね。
「...と、アーサー。今何時だ?」
『6時半です。マスター』
「さんきゅ、あとはケーキだけだが...クロエどうだ?」
「はい、全部問題ありませんでした。やはりお父様の料理はなんでも美味しいです!」
「よし、ありがとうなクロエ。戻って束の相手でもして待っててくれ」
「はい」
クロエがキッチンをあとにする。
「さて、ケーキを仕上げて、プレートに文字書いて...あとはアレを部屋から持ってこないとな...」
ケーキを仕上げて部屋にあるものを取りに行く。ま、あるものって言ってもプレゼント以外にないんだけど。
束side
「まっだかな、まっだかなー♪」
私、篠ノ之束は初めて好きな人とクリスマスを過ごします。娘のくーちゃんも一緒にね!くーちゃんは色々あって私の娘になったんだ!たまにしか【お母様】って呼んでくれないのがちょっと寂しい。けど、【お母様】って呼んでるときのくーちゃんは顔を真っ赤にして照れてるから恥ずかしいだけだってのも知ってる。だから、ちょっと寂しいけど悲しくはないんだ〜!照れてるときのくーちゃんはとても可愛い、それこそ天使なんじゃないかってくらいに可愛い。...これ以上は止まらなくなるからここら辺でやめとく。
私が今、何をしているかというと...
「寝室にクリスマスツリーを作っているのだー!」
「お、お母様?急に叫んだりしてどうしたんですか?」
いまだにお母様呼びに慣れてないくーちゃんが顔を真っ赤にして私に聞いてくる。
「くーちゃん?シロのとこにいってたんじゃないの?お手伝い〜とか言ってなかったけ?」
「お手伝いなら終わりました。お父様は、お母様の相手をしてこいと」
「んー、じゃあ、くーちゃんも一緒にクリスマスツリーを作ろうよ!」
「いいのですか?」
「いいのいいの!...くーちゃんは私と一緒に作りたくないの?」
「そんなことないです!」
「なら、大丈夫だね!さぁさぁ!」
「は、はい!」
そうして、私とくーちゃんは一緒にクリスマスツリーを作る。
「できた〜!」
「これがクリスマスツリー...」
完成した。初めて誰かと一緒に作るクリスマスツリー。...最近の私は初めての事だらけだ。それもこれも、みんなシロのおかげ。初めての好きな人、初めての家族。シロは私に色んな初めてをくれた。初めて、誰かと一緒にいたいって思った。初めて、誰かと一緒に食べるご飯が美味しいと思った。初めて、誰かと一緒に寝るのがあんなにも暖かいって思った。初めての告白...はちょっと混乱しちゃった。初めてキスはあんなにも幸せだった。全部、シロのおかげ。けど、時々思うの、私はシロから一杯幸せをもらってるけどシロはどうなんだろうって。私は、我侭だから、シロの迷惑になってないかって時々不安になる。前に一度聞いたことがあって、シロは『むしろ俺の方が束から幸せを貰っているんだ。逆に俺の方が迷惑かけてるんじゃないかって思うくらいだからな。しおらしい束も魅力的だが、俺はいつもの元気な束が一番好きなんだ、遠慮なんかしてくれるなよ?』って言ってくれた。その言葉を聞いたとき私はどうしようもないくらいに胸がポカポカした。あぁ、私もシロを幸せにしてあげれたんだって思った。でも、その時のことを思い出すといつも考える。私はシロのことを完全には信じてあげれなかったんだって自己嫌悪する。一応のけじめはつけたからあまり考えなくなったけど...偶に考えちゃう。
「お母様...?大丈夫ですか?」
「え!?うん、大丈夫だよ〜」
...折角のクリスマスなのにこんなんじゃダメだね!切り替えないと!
「そうですか?」
くーちゃんに心配かけちゃったかな...?
「おーい!!束ー!クロエー!ご飯できたぞー!」
あ、シロの料理が完成したみたい!
「よ〜し!くーちゃん、いっくよー!」
「あ、待ってください!」
シロの待つキッチンへ行く。どんな料理かたのしみだなぁ!
sideout
白side
料理が完成したから束とクロエを呼ぶ。
「シロ〜来たぜぃ」
「おぉ、リビングまで料理持ってくの手伝ってくれ。流石に俺一人じゃこの量は無理だ」
「おっけー。束さんにまっかせなさーい!」
「わ、私もお手伝いします!」
束に負けじと声を上げるクロエ、うーん...微笑ましい...。
「よし、頼んだぞ。今日の料理は自信作だから落としてくれるなよ?」
「私がそんなことするわけないじゃ〜ん」
「お父様の自信作...」
クロエが目を輝かせて俺の料理を見てる...珍しいな。クロエは俺らに対して畏まってる節があるからあのような年相応の反応は珍しい。
「よし、運び終わったな。ありがと、束、クロエ」
「へへーん♪束さんにかかればこれくらい簡単だよ♪」
「お役に立ててなによりです」
「よし、じゃあ、食べようか」
「うん♪」
「はい!」
そうして俺たちはそれぞれの場所に腰をおろす。因みに我が家の食卓は円形なので誰が誰の隣みたいなことは起きない。
「「「いただきます」」」
同時にそう言って食べ始めた。
「ん〜♪おいし〜♪シロの料理はいつも美味しいけど今日のは自信作って言うだけあっていつもより美味しいね!」
束が満面の笑みで言う。
「本当に美味しいです!」
クロエも満面の笑みだった。ここまで喜んでもらえると作ったかいがあったってもんだ。
...さっき束が少しだけ悩んでる顔をしていた。クロエはわからなかったかもしれないが俺にはわかる。十年も一緒に過ごしたからな。束はいつも元気なくせに悩み出すとずっと引き摺るんだよな...。最近ってことはあれか、束が俺に迷惑かけてるって思ってたやつか。...そんなことないって言ったから大丈夫なはずだから、大方その時のこと思い出して自己嫌悪でもしてるのか?
そんな考え事をしていると、それを不審に思ったのかクロエが話しかけてくる。
「お父様...どうかしたのですか?さっきからあまり食べていないようですが...」
「んにゃ、そんなことねぇよ。少し考え事してただけだ。すまんな、心配かけた」
「い、いえ!そんなことはないです!」
「ふふーん♪ぼーっとしてると束さんがシロ分も食べちゃうんだからね〜」
「あ、ちょ、おい!」
目を離した隙に束にフライドチキンを盗られていた。おのれ...!仕返ししてやろう。
「束、ケーキ抜きな」
「えぇぇぇぇぇ!?シロ、それはないって!フライドチキン盗ったのは謝るからさ!」
俺にしがみついて必死に謝ってくる束。...涙目の上目遣いは反則だと思うんです。あと、束の胸の感触がガガガガガガ。
「お母様、お父様がショートしてます」
「え!?あぁ!シロ、しっかり!」
...はっ!俺は何をしていたんだ...?
「大丈夫!?ショートしてたよ!?」
「大丈夫だ、問題ない」
「その台詞は問題しかないよ!?」
うん、全くもってその通り。
「まぁ、気にすんな。あと、束のケーキ抜きは冗談だ」
「え、ほんと!?よかったぁぁぁ〜」
「これに懲りたら人の食べ物を盗ったりするなよ?」
「はぁ〜い」
「今のやりとりのお父様とお母様は夫婦というより親子ですね」
「否定できないな。こいつはほっとくと何しでかすかわからんからな」
「むっ、ひど〜い。私にだって常識くらいあるよ」
「その常識が間違ってことがあるから心配なんだ」
「む〜。シロに言われたくないかも、まぁ、心配してくれるのは嬉しいけどさ」
束がそっぽ向きながら言う。
「なに拗ねてんだよ。別に責めてるわけじゃないんだからさ」
「ふふふっ、冗談だよ。私がこんなことで拗ねるわけないじゃん♪」
「どーだか」
そんなこんなで俺と束とクロエは話しながら料理を食べ終わった。
「「「ごちそうさまでした!」」」
「皿はキッチンに置いといてくれ。後で洗う」
「りょうか〜い」
「わかりました」
二人が食器を持ってキッチンへ行く。よし、今のうちにケーキとあいつらへのプレゼントを持ってくるか。
「置いてきたよ〜。お!ケーキだー!」
キッチンから戻ってきた二人はケーキを見た途端に目を輝かせて此方へくる。
「おっと、ストップ。その前にやることがある」
「なにかな?」
「お父様のケーキ...」
クロエはケーキから戻ってきなさい。
「二人に渡したいものがあってな」
「...!それって!」
「そう、クリスマスプレゼントだ」
「やったぁ!なになに、なにくれるの!?」
「落ち着け、まずはクロエからな」
「わ、私からですか!?」
「ほい、メリークリスマス。クロエ」
そう言って小さめの白い箱に黒いリボンでラッピングされたものを渡す。
「プレゼント...あ、開けてもいいですか!?」
「おう、開けてみろ」
「はい!......これは...!」
クロエが箱を開けると、そこにはプラチナのブレスレットがあった。
「クロエの髪の色は銀だけど銀じゃクロエに釣り合わないなって思ったからプラチナにしてみた。どうだ?」
「はい...!とっても嬉しいです!大事にします!」
「シロー!私もー!」
「はいはい、落ち着け。ちゃんとやるから」
そう言って俺は黒い箱を取り出す。
「ほら、束。メリークリスマス」
「うん!ありがと♪...ねぇ、開けていい?」
「勿論」
「なにかななにかな〜♪......っ!」
箱を開けた束は驚いて固まってしまった。が、すぐに復帰してこちらに顔を向ける。
「し、シロ...これって」
「あぁ、指輪は、まだ渡してなかっただろ?」
束の震える手にあったのは指輪。装飾はひとつだけで、そこにはダイアモンドが輝いていた。
「シロっ!」
感極まったのか束は俺に抱きついてくる。
「おっと、どうした?」
「嬉しいの、シロが私のことを想ってくれていることが...!」
「二十四時間三百六十五日いつだってお前のことを想っているさ。忘れたことなんて一瞬もない」
我ながらちょっと恥ずかしい台詞を言ったが気にしない。だって事実だから。
「私だっていつもシロのこと想ってるよ!ありがとう、シロ!」
俺に抱きつきながら涙目でしかし、しっかりとした笑顔で束は言った。
「メリークリスマス♪シロ、大好き♪」
そして、束は俺にキスをした。
まぁ、クロエも一緒にいるわけでキスの場面をばっちり目撃された束は恥ずかしさのあまり部屋に籠ってしまうのだがそれはまた別のお話。
こうして、俺にとって初めての恋人と娘と過ごすクリスマスが終わった。最後がちゃんと締まらないのも俺達らしいっちゃ俺達らしいのかもしれない。
如何でしょうか?
恋愛経験のない私には難しい描写が続きましたがなんとか最後まで書ききりました。戦闘描写の次に苦手かもしれないです。
さて、今週はクリスマスということで番外編をやらせていただいたのですが、よく良く考えたら来週も大晦日や正月あるんですよね...。やっぱり書いたほうがいいのでしょうか?それとも本編の続きのほうがいいのでしょうか?
誤字脱字など気付いた点あれば報告お願いします。感想や評価もまってますよー!
では、また次回、大晦日&正月編もしくは本編第五話でお会いしましょう。