ドォォォンッ
【修練の門】に落とされたギンタ、バッボ、スノウ、ユウの組は、スノウ以外は着地に失敗していた。ギンタは分かるが何故ユウも失敗したかと言うと、落下した場所が悪かった。柱の上に着地するつもりが、脆くなって居たのか柱が崩れてしまい。ユウはバランスを崩し落下した。
ギンタ「痛ってて~!スノウは大丈夫か?」
スノウ「うん。ここには何回か来てるから」
ユウ「……何回も落ちてるのか?」
最初にこの世界に来たときの事を思い出したのだろう。ユウはこれから修行の度に落ちなければならないことに頭が痛くなった。
ギンタ「ここ?」
スノウ「ここはメルヘヴンのどこでも無いところ。異空間だね。エドが人間の姿の時だけ使えるÄRMで来ることが出来るんだよ。過去、『クロスガード』の人達もここで強くなったんだって」
ギンタ「すっげぇ!あ!ジャックとドロシーは?」
スノウ「ここじゃない、別の異空間に居るよ」
ユウ「ドロシーが居るんだ。何の心配も無いだろ」
ユウは瓦礫から脱け出しギンタとスノウの所に歩み寄った。
スノウ「私も強くなりたい。一緒に強くなろうね!ユウ、ギンタ!」
スノウの決意を聞いて、ギンタも改めて強くなりたいと思った。
ギンタ「おう!」
ユウ「勿論」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
その頃、別の異空間に飛ばされたジャックとドロシーは……
ジャック「ぎゃぁぁぁぁっ!!ここはどこ!?どこなん―――」
ドロシー「男ならピーピーすんな!(こりゃ異空間。あのおやじ、変わったディメンションÄRM持ってたね。そんなもん、あの一瞬で発動させるとは、並みの魔力じゃない)」
ジャック「こんな所に居たくないッス!」
ワーギャー
ワーギャー
ドロシー「ええ~いうっさぁぁいっ!」
パンッパンッパンッ
いつまでも煩いジャックに苛立ち、ドロシーはジャックに往復ビンタをした。
ジャック「ごはっ!」
バタッ
ドロシー「私はユウたんに会いたいのに、こんな猿じゃ無くて。こんな…はっ!ユウたんも今頃あの娘と別の異空間に(ギンタも)………いやー!あんなことやこんなこと!あー!なんだかイライラするー!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ギンタ「す、すげぇよスノウ。もっとよく見せてくれ」
スノウ「う、うんいいよ。でも、そんなじっと見られると恥ずかしいよ。えいっ!」
ドスンッ
スノウが雪だるまの形のÄRMを発動すると、そのままギンタ達より少し小さい雪だるまが現れた。
ギンタ「うぉぉぉ!雪だるまだ雪だるま!」
ユウ「ほんとに色んなÄRMが有るんだな」
スノウ「ガーディアンÄRM【スノーマン】って言うんだよ。私はゆきちゃんって呼んでるの」
ユウ「こいつ可愛いな。今まで見てきたのはゴツいのばっかだったから新鮮だ」
ギンタ「そうだな」
ここでユウは辺りの様子が気になり少し辺りを見に行った。そして暫くして戻って来たのだが……
ユウ「……あれ?バッボってそんな形してたっけ?」
帰ってきて見ればバッボの姿は無く、代わりにギンタの右手にバッボのハンマーの先端に球体が着いたような物が嵌まっていた。
事情を聞いてみると、ユウが行った後バッボが光だし、機械のようなしゃべり方をしだして、ダウンロードやらと変な事を言い始めたそうだ。そしてギンタに新しい能力を想像して創造しろと言い始め、それによりギンタが創造した今の形になったそうだ。
ユウ「面白いな。想像するだけでその能力が手に入るって訳か。よし、一発打ってこい」
ユウが手を広げてギンタの力を試そうとする。
ギンタ「うし!行くぞ!たぁー!」
ガシッ
ギンタ「っ!?」
スノウ「っ!?」
ユウ「なるほど。なかなか言いパンチだな。だが、一回止められたぐらいで動揺し過ぎだ。隙だらけだぞ」
ギンタの勢いの籠ったパンチはユウにあっさりと受け止められた。ギンタもユウの力は見たことが有るため知っていたが、まさか表情を一切変えずにあっさり止められるとは思って居なかったので驚愕を隠せずにいた。
ギンタ「やっぱユウはすげぇな!よーし!俺も頑張るぞー!」
パンチを止められた事により闘志に火が着いたのか、ギンタはシャドーボクシングを始めた。
ガラガラ
ガラガラ
ユウ「ん?なんだこれ?」
突然、周囲の岩が数ヵ所に集まり始めた。そして、巨大な岩石のゴーレムへと姿を変えた。
スノウ「ガーディアンÄRM【ストーンゴーレム】ここに野放しにされてる実戦と言う第一関門だよ。因みに、この異空間での時間の流れは遅くて外の60分の1。つまり、60日トレーニングしても1日分と言う事になって邪魔も入らないよ。ってことでお先!」
説明すると、スノウはユウとギンタの間をすり抜けて【ストーンゴーレム】へと走っていった。
スノウ(沢山の、ゆきちゃん!)
ドスンッ
ドガンッ
ドゴンッ
【ストーンゴーレム】の前に行くとさっき出したゆきちゃんをより巨大にし、更に大量に召喚した。召喚したゆきちゃんは【ストーンゴーレム】の頭上から【ストーンゴーレム】を粉砕した。
ユウ「……やるな」
ギンタ「……ほんとにアイツお姫さまなのか?おとなしそうに見えて逞しいし。よーし!ガーディアンにも通用するか試し打ちだ!」
勢いよくギンタは駆け出し、【ストーンゴーレム】に向かって飛び上がった。
ギンタ「はぁ!ハンマーÄRM!」
ズドンッ
ガラガラ
ギンタ「たぁ!」
ズガンッ
ガラガラ
ギンタ「とりゃぁ!」
ズドォンッ
ガラガラ
ハンマーÄRM状態のバッボで次々と【ストーンゴーレム】を倒していき、いつの間にかその魔力は先程まで0だった者とは思えない程に多くなっていた。
ユウ「さて、俺もやりますか。トールハンマー」
ギンタが倒した後にも続々と出てくる【ストーンゴーレム】を前にユウはその手にトールハンマーを出した。
ユウ「せー、のっ!」
ゴォォッ
ズガガァァァァッ
ユウは前にドロシーを助けた時のようにトールハンマーを振り抜いた。だが、今回は攻撃する先に【ストーンゴーレム】しか居ないため、威力は桁違いに上がっていた。結果―――
ギンタ「………」
スノウ「………」
ユウの前方は地面ごと抉れ、【ストーンゴーレム】も跡形もなく吹っ飛んでいた。
ユウ「……悪いスノウ。少しやり過ぎた」
現状を見てユウも流石にやり過ぎたと思いスノウに謝罪する。
抉れた地面を見て唖然としていると、空から下に鈴が着いたチェーンのÄRMが降りてきた。
ユウ「次の敵か?」
スノウ「ち、違うよ!あれは―――」
ポンッ
ÄRMが発動するとメイド服に身を包んだ猫耳、尻尾の女性に変わった。
スノウ「ガーディアンの【メリロ】さん」
メリロ「こんにちはスノウ。あら?知らない人。スノウ以外の人なんて6年ぶりね。はじめまして」
ギンタ「………うおぉぉぉ!喋ってる!」
スノウ「喋るガーディアンも居るって言ったよ。ギンタちゃんと話聞いてなかったでしょ」
どうやら二人はユウが居ない間にÄRMについて色々と話していたらしい。
ユウ「……あのおっさん、そう言う趣味が有ったのか?」
スノウ「そ、そうじゃないよ!メリロさんはこれからの私達の修行のサポートや内容を教えてくれるナビゲーターなんだよ。修行をするのにメリロさんが最適だから、ここで私達をサポートしてくれるの」
ユウ「じゃあジャックとドロシーのとこにも?」
スノウ「うん。ガーディアンの【ブモル】さんが居る筈だよ」
―――………なんか知らんが、ジャックにすげぇ同情したくなったな。
メリロ「では、こちらへどうぞ」フリフリ
ギンタ(……ÄRM、奥が深いぜ!)
メリロに連れられて階段を登ると、意味不明な文字が書かれた深緑色の壁の前に来た。
メリロ「割れずの門です。ÄRM使いとしての戦闘力がまずまずなのは、先程見させていただきました。次の試練は更なるÄRMとのシンクロ、この門を“割る”のではなく“砕いて”下さい」
ユウ「任せろ。割るんじゃ無くて、粉々に砕けば良いんだな」
ユウがまたトールハンマーを出して前に出ると、スノウが慌ててユウの前に来て止めた。
スノウ「ゆ、ユウの力は十分だから、今回はギンタにやらせてあげて、ね」
メリロ「そ、そうですね。私も見ていましたが、今の貴方の力なら恐らくこの試練は必要無いでしょう」
ギンタ「俺ももっと強くなりたいし、今回は俺に譲ってくれないか?」
バッボ「わ、わしもそう思う。ユウはもう十分強い。だから、今回はわしとギンタに任せてくれ」
スノウに続き、メリロ、ギンタ、バッボも【ストーンゴーレム】の時の破壊力を思いだし、「またあれを使われたら壁が消える」と頭の中に浮かび、ユウを試練に挑戦させないようにする。
ユウ「………そこまで言うなら」
全員に止められ、少し拗ねながらトールハンマーを消す。そして、そんな拗ねたユウを見て―――
ス・メ((か、可愛い♥))
萌えていた。
普段、あまり表情を変えないユウが時たま見せるギャップに女性陣はやられるようだ。因みに、ドロシーも氷の城で微笑を浮かべながら敵を圧倒したユウを見て、密かに萌えていた。
この後、ギンタは無事割れずの門を砕く事が出来た。