メルヘヴン バカな救世主   作:悠之

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第八話 修行の内容教えます!【ブモル】

その頃、【修練の門】の外ではアランがアルヴィスと会っていた。

 

アルヴィス「お久し振りですアランさん」

 

アラン「おめぇ………っ!?懐かしいな覚えてるぜ!ガキのくせに6年前、俺達『クロスガード』の仲間だった変わり者。大きくなったじゃねぇかアルヴィス」

 

友好的な笑顔を浮かべたアルヴィスに対して、肩に乗っていた妖精ベルはアランを警戒しながら睨んでいる。

 

アルヴィス「怖がらなくて良いよベル。この人は味方だ」

 

アルヴィスにそう言われてもなお、ベルはアランを睨み付けていた。

 

アラン「………随分、侵されて来てるな」

 

睨んでいるベルよりも、アランはアルヴィスの半袖の服から出ている腕に注意が行った。白い腕にはまるで縛るような赤いタトゥーが半袖の中から手の甲まで伸びていた。

 

アラン「お互い、あの戦争での勝利の代償はデッケェな。……呪い、か。俺は犬との合体、そしておめぇは………」

 

アルヴィス「そうですね。身体中にこのタトゥーが伸びるまでもう時間が無い。だから今度こそファントムを倒さなければいけない。だから【門番ピエロ】を探し、発動させました」

 

アラン「成る程、ギンタをここに呼んだのはおめぇだったのか。俺が昔ダンナを呼んだ時は、お互い良いパートナーになったぜ。おめぇはギンタと行動を共にしねぇのかアルヴィス」

 

昔ダンナと共に行動していた事を思い出しながら、アランはアルヴィスに聞いた。

 

アルヴィス「……アイツは弱すぎます。パートナー?足を引っ張られるだけですね」

 

アルヴィスはなんの迷いも無く厳しく切り捨てる。

 

アラン(キツいね~)

 

アルヴィス「……それに、『クロスガード』に居る間、戦いに倒れていく仲間を何人も見てきました。兄のように思っていた人も、ダンナさんも……。共に行動しなければ、情も移らない、そんな思いもしないで済むでしょ」

 

アラン「確かに、よえーよあのバカ。少しも頼りがいがねぇかもしれねぇ。……けどな。おめぇが呼び出して俺が封印したバッボを手に入れたギンタ。こいつはただの偶然か?」

 

アランのその言葉に、アルヴィスは少しの間考えた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

異空間『ギンタ側』

 

バクバク

 

モグモグ

 

ガツガツ

 

【修練の門】の中、今は腹ごしらえをしながら休憩中だ。

 

―――バッボいったいどんな構造になってんだ?

 

ユウは【修練の門】の中に有った実を食べながら、同じように実を食べているバッボを不思議そうに見ていた。

 

メリロ「さて、ここでのトレーニング期間は異次元時間で約180日、半年です」

 

ギンタ「は、半年もここでぇぇ!」

 

バッボ「はんがぁぁ!」

 

メリロ「「それまでは外に出すな」それがメリロのご主人様、アラン様から仰せつかった指令です」

 

半年と言っているが、現実の世界の時間では3日。それでも180日はかなり多い。なにより……

 

―――あのおっさん。3日もÄRM発動しっぱなしかよ。すげぇな。

 

【修練の門】や【メリロ】【ブモル】がずっと居ると言う事は、アランは自分の作った異空間とは言えガーディアン二体を発動したままと言う事だ。並みのÄRM使いの出来る事ではない。

 

スノウ「随分気合い入ってるな~エド。私もそんな長いの初めて。でも、外での時間経過は60分の1でたったの3日だから良いよね」

 

ギンタ「た、逞しいなお前さん」

 

ユウ「まぁ、外だと思いっきり鍛練出来ないし調度良い」

 

ギ・バ・ス・メ((((た、確かに……))))

 

四人は現実の世界でユウがトールハンマーを振り回して、周りが瓦礫の山になるのを想像し、【修練の門】が有って本当に良かったと心の底から思った。

 

ギンタ「う~ん。簡単には行かねぇと思ってたが、あのオヤジ~!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

アラン『強くなりてぇんだろ』

 

ムカつくようなにやけ顔。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ギンタ「あ。途中で誕生日になったらどうなんだこの場合」

 

ユウ「こっちで一回祝ってから、あっちに戻ってまたその日になったら祝えば良いんじゃないか?」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

異空間『ジャック側』

 

ジャック「てやぁぁぁ!砕けろっ!」

 

カンッ

 

ジャック「砕けろっ!」

 

カンッ

 

ジャック「砕けろっ!」

 

カンッ

 

ブモル「ふ~、ふんっ!」

 

バシッ

 

ジャック「ぐほぉぉ!」

 

ドサッ

 

ジャックとドロシーの方の異空間では、ジャックが『割れずの門』に挑戦していた。だが、ジャックは【バトルスコップ】でデタラメに門を叩き、この異空間のサポーター【ブモル】に張り手で吹き飛ばされていた。

 

ブモル「やけくそで叩いてもÄRMが傷付くだけじゃろが!『シックスセンス』だって何べん言えば分かるんじゃ」

 

ドロシー「ジャックまだ~。ユウたんとギンタならもうとっくに割ってる頃だよ~」

 

ドロシーは既にÄRM使いとしては一流のため、ジャックの後ろから果実を食べながらのんびりしていた。

 

ブモル「ほらもう一度。180日間た~っぷり付き合ったるぞ~」

 

ジャック「ひひぃひ~(泣)」

 

ブモルの言葉にジャックは泣きながらまた『割れずの門』を砕こうと【バトルスコップ】で叩き始めた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

異空間『ギンタ側』

 

ギンタ「まぁ、ジャックも違う空間で頑張ってるんだろうし、180日か。やっぱそのくらいしねぇとチェスとは戦えねぇな」

 

スノウ「……ギンタ」

 

ギンタ「いっちょやるかスノウ!」

 

スノウ「うん!」

 

バッボ「うむ」

 

ユウ「おう」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

【修練の門】の外

 

アラン「俺は偶然とは思わねぇ。もしかしたらあのバカ、今度こそメルヘヴンを救う救世主になるかもしれねぇぜ」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

PM5:12

 

『アカルパポート』

 

夕日が照す中、アカルパポートの港では漁師達が魚を大漁に捕って漁から帰ってきていた

 

住民1「大将!今日も生きのいいのが沢山捕れたな!」

 

住民2「おうよ!大漁大漁!」

 

住民3「どうだい後で一杯」

 

住民4「良いね~」

 

住民1「海の神さんに乾杯だ」

 

住民2「今日も良い一日で終わりそうだ」

 

バサバサ

 

バサバサ

 

平和な日常の風景、しかしそれは突然消え去る事になった。漁師達が平和な会話をしていると、海鳥達がいっせいに飛び立ったのだ。……まるで恐ろしい何かを怖がるように。

 

漁師達や他の住民も海鳥達が飛び立った場所を見ると、夕日を背に黒いローブに仮面を着けた集団が横一列に並んでいた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

同時刻

 

『ゲイレルル城』

 

城内の兵士は、誰も怪しい輩が侵入しないように警備していた。

 

兵士1「ふぁ~あ、暇だな。だ~れも来ないな」

 

兵士2「そう言うなって、もうすぐ交代の時間 ん?」

 

カタカタ

 

バタンッ

 

二人の兵士が門を見ると、勝手に門が降りていた。そして、門が降りた先にはボンテージファッションを着たグラマラスな長髪の仮面を着けた女性が立っていた。

 

仮面の女性「うっふふ」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

同時刻

 

『エルトタウン』

 

ゴーンゴーン

 

町の鐘の鳴るなか、巨大な異形が町の中に突如現れた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

同時刻

 

『レギンレイヴ城』

 

城の城壁の上に、黒いローブに仮面を着けた集団が現れた。リーダーらしき一人が腕を挙げると、黒いローブの集団は城の中へと降りていった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

『レスターヴァ城』

 

ファントム「僕たちを忘れている。それはとても我慢のならない事だ。だから、こういった形で思いださせて上げる。『チェスの駒』の存在を……」

 

空中に浮かぶ城の中、No.1ナイト『ファントム』とNo.2参謀を担う『ペタ』が各地で暴れている『チェスの駒』をディメンション系のÄRMを通して見ていた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

異空間『ジャック側』

 

ザー

 

ザー

 

異空間の中、水浴びに最適な滝の近くにジャックは隠れていた。滝にはうっすらと人影が見える。

 

ジャック(ドロシーね~たま~♥)

 

どうやらジャックはドロシーの水浴びを覗きに来たようだ。ばれれば恐ろしいお仕置きが待っていると言うのが分かって居ながら覗いて仕舞うのは男の悲しき性。

 

やがて人影はゆっくりと滝から出てきた。

 

ザバー

 

ジャック「おっほっほー♥」

 

ブモル「ん?」

 

出てきたのはなんとジャックの想像とは違い、ブモルが出てきた。

 

ジャック「んがぁぁぁぁぁっ!!?」

 

 

 

 

ドロシー「………」スー

 

その頃ドロシーは木陰でお昼寝をしていた。

 

ジャック「びゃぁぁぁぁぁっ!?」

 

ドロシー「ん?」

 

気持ちよくお昼寝をしているドロシーにジャックの悲鳴が聞こえてきた。

 

その悲鳴の後間もなくドロシーの居る木から少し離れた場所を、ジャックが悲鳴を上げながら走っていった。その後をブモルが追い掛けていった。

 

ジャック「びゃぁぁぁぁぁっ!?」

 

ドタドタドタッ

 

ブモル「待てこらぁぁぁぁっ!!」

 

ドタドタドタッ

 

ジャック「びゃぁぁぁぁぁっ!?」

 

ドタドタドタッ

 

ブモル「このエロ猿がぁぁぁっ!!」

 

ドタドタドタッ

 

ドガンッ

 

ジャック「ぎゃぁぁぁぁっ!?」

 

ドスンッ

 

ブモルから逃げていたジャックは遂に追い付かれてしまい、ブモルに拳骨で吹っ飛ばされてしまった。

 

ブモル「修行をサボってなにやっとんじゃ」

 

ドロシー「……あんた、覗いたね」

 

ジャック「ご、ごめんなさい!も、もうしません!」

 

ドロシーを覗けなかったとは言え、覗いた事には変わり無い。ジャックはお仕置きを恐れて急いで土下座をした。

 

ドロシー「ねぇジャック。『割れずの門』を攻略出来たら、ご褒美に良いものあ・げ・る♥」

 

ドロシーが大人の色香を漂わせながらジャックに言う。

 

ジャック「ほ、ほんとッスか♥見てて下さい!男ジャック、美しいドロシー姉さんのために必ずや『割れずの門』を攻略してみせます!」

 

「ご褒美」と聞いてジャックは急に元気を取り戻し、『割れずの門』を攻略しに戻っていった。

 

ドロシー「うふふ。あの猿も別の意味で可愛い奴なんだけどね。ユウたん、頑張ってるかな?」

 

 

 

 

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