ラブライブ!~灰色少年は薔薇色を望まない~ 作:ユカタびより
書き直しました。
またよろしくお願いします。
4月。
桜吹雪が舞う新学期と呼ぶにふさわしいこの季節。
俺が通うこの音ノ木坂学院では現在、緊急の全校集会が開かれている。
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国立音ノ木坂学院。
9割女子 1割男子と性別が非常に偏ってしまっている”元”女子高。
この学校は古く伝統のある女子校であったが、学生数の減少により去年、『共学化』になった。
この案を良く思わない者は、生徒会長をはじめとして大勢いたようだ。
まぁ個人が入学する学校を選ぶ理由なんていうのは人それぞれだが、女子高と限定された学校をわざわざ選ぶということは、本人自身が人には簡単には言えない『特別な事情』を抱えていたり、娘を溺愛している親が入学を決めたり、と色々複雑なものがそこにあるんだろうな。俺みたいにただ単に家が近いからとか学力が一番見合うところだったからという生徒と違って、さぞ悩ましい問題だったのだろう。
しかし、色々とそんな悩ましい問題もあった中、なんとか共学化したわけだが…
「本日は、生徒の皆さんに悲しいお知らせがあります」
そんなものはただの…
「…この音ノ木坂学院は3年後の4月を以て、”廃校”となります」
問題の先送りにしか、過ぎなかったわけだ。
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廃校。
廊下の掲示板には、その2文字が書かれたお知らせの紙が掲示されていた。
たった2文字のその言葉は多数の生徒の心に衝撃を与えた。ただしそれは、殆どが2年生3年生の生徒たちである。
入学したての1年生は、当然ながら愛着というものなどないだろう。
聞こえてくる声は
「ふ~ん、そっかぁ」
「まぁ仕方ないよね~」
「それより部活どこ入るか決めたー?」
こんなものである。
ある者は、廃校の事実を再認識し…
「私の輝かしい、高校生活が!?…」
ある者達は、その事実を受け入れ…
「穂乃果!?」「穂乃果ちゃん!?」
またある者達は、廃校のことなど考えず、これから始まる学院生活にただ胸を躍らせ…
「いこっ、かよちん!」 「えぇっ!?ダ、ダレカタスケテー!」
またまたある者は当然愛校心などなく、これからも1人になることが多いだろうと考え、行動し…
「…音楽室の場所だけ確認しておこうかしら」
さらにまたある者は、廃校の事実に驚き、自分のやりたいことを叶えられなかったことをただ悔やむ…
「廃校…か。 3年もあったのに案外叶えられないものね…。 受験がすぐだし、もう諦めるしかないわよね…」
そしてさらにまたまたある者達は、廃校が知らされてもなお強く抗う者、そしてその者をただ見守る…。
「希、理事長のところへ行きましょう」「エリち。あんまり無理のしすぎはアカンよ?」
このように、新学期の幕開けと同時に知らされた『廃校』という突然の悲報。
それぞれの心中・思惑が飛び交ってはいるが、ちょっと待ってほしい。
廃校っていうのは3年後だ。
何も来年とかって言ってるわけじゃない。
新入生を含めた俺たち在校生は卒業するまでは健在だということなのだから、編入の心配とかもなければましてや進学とか就職に支障を来すなんてこともあり得ない。
まさか理事長が言い放った廃校の言葉の意味を理解してないバカはいないだろう。
以上のことを踏まえて、
俺こと『中原 臨也』は特になんら変わらずいつも通り、特にこんな天気のいい日はのんびりと過ごす。
これが本当ののんのんびよりなのん。違うか、違うな。
2年の教室に入り、俺は自分の席に座る。
桜が舞い、外から入ってくるポカポカした陽気と心地よい風を浴びながら、俺は机に突っ伏す。
正直に言って、
この学校が無くなろうがどうなろうが俺にはどうでもいいことだ―――…
お疲れ様でした。
1話は本日14:00投稿予定です。
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