ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
今回は真・女神転生Ⅳに関する様な物が出ているかもしれませんので、ご注意を
ある日の昼下がり、紙袋を被っている不審人物、もとい男の娘がいた。
彼の名はギャスパー・ヴラディ。
リアス・グレモリーの僧侶で魔力も高く、時間停止の神器を持つ実力者だが―――。
極度の引き籠りで臆病な性格をしている。
そのため、段ボール箱や紙袋を被っている事が多い。
ちなみに、なにをしているのかというと・・・対人恐怖を直す為に、一人で歩いているのだ。
傍から見れば、不気味で変出者が100%溢れ出ている。
【不審人物かと思ったら・・・あの時の坊やじゃない】
背後から声が聞こえ、振り返るギャスパー。
白い日傘を持った少女がギャスパーに話しかけてきた。
恐る恐る紙袋を取ると見覚えのある人物だった
「あ、貴女って確か・・・ネラプシさん?」
【あら、覚えていたのね。会うのは二度目かしらね?】
「も、もしかして・・・鋼弥先輩のお兄さんの・・・」
【ああ、嶺爾の事?彼は別行動をしているわよ】
クスクスとイタズラの笑みを浮かべるネラプシ。
【不思議そうに思っているわね。私の様にマグネタイト量が多いと単独で行動ができるのよ】
「で、でも・・・太陽の下にいても平気なんですか?」
【私はそんじゃ其処らの吸血鬼より、遥かに特殊だから平気なのよ。
あんたみたいに人間の血が混ざっている訳じゃないからね】
混ざりモノという言葉に反応したギャスパーは顔を下へ向けた。
ネラプシが至近距離でギャスパーを品定めするかのように見ている。
ギャスパーはオドオドとしていた。
【なに、ビクビクしているのよ。男の子なんだから、ドンッとしてなさいよ】
「す、すみません・・・」
【ねぇ、暇なら私とデートしない?】
「デ、デ、デートですか!?」
【なによ?私とあんたは昼間は平気でしょ?ほら、行くわよ】
ネラプシはギャスパーの手を掴んで、駆けだす。
街で色々な店を巡る二人、ファッション店で服やアクセサリーを見たり、フード店でアイスやクレープを食べたりしていた。
公園で一休みしている二人、ネラプシは野良ネコ達と戯れていた。
【ふふふ、私が用意した缶詰を食べて、平伏すがいいわ】
缶詰を開けて、野良ネコ達に分けているネラプシ。
言っている事は悪のボスだが、やることが平和だ。
【んっ?どうかしたの?】
「最初、貴女を見た時は恐ろしいと思いましたけど、今日で違ったかもしれません・・・」
【あらっ?最初のデートで印象が変わったの?甘過ぎるわね、アイスの様に甘いわ】
「そ、そうですか・・・」
ションボリするギャスパーだが、ネラプシは頬を少しだけかいて小言で喋る
【・・・でも、そう言って貰えるのは少しだけ嬉しいけどね・・・】
「何か言いました?」
【何でも無いわよ。それより、まだまだ付き合う時間はあるかしら?ゲストが入り込んだからね】
ネラプシがそう言うと、何かの気配を感じる。
召喚の陣が出現し、瘴気が溢れだしてきた。
今までよりも、強力な魔力や妖気が溢れだしてくる。
現れたのは、スダマ、ツチグモ、カワンチャ、ティターンと言った地霊で構成された悪魔軍勢だ。
「ええええっ!!?な、何でこんなに!!?」
【百鬼夜行みたいに徒党を組んで、襲う連中もいるのよ。数で攻めると言う感じにね】
ネラプシが説明しながら、猫たちを安全な場所へと避難させる。
地霊の軍勢は、ネラプシを見つけると一斉に口を開いた。
【見つけたぞ!!吸血鬼!!】
【ワシらの友人たちをよくも食料にしてくれたな】
【仲間の仇をとってやる!!】
口を開けば恨み、怒りと言った言葉を吐いてくる。
ネラプシは涼しそうな顔をしている。
【そんな事を言ってないで、さっさと掛ってきなさいよ。三下ども】
挑発すると、地霊の軍勢は雄叫びをあげて行進した。
まるで大地が怒り様な足音が響きわたる
ネラプシはギャスパーの手を掴み、翼を展開させて空へと飛び立つ。
【ねぇ、ギャスパー。私と踊りながら今の状況を楽しみましょう】
「えっ?えっ?えええええっ!?」
【だって・・・】
ネラプシは空を見てクスリッと笑う。
ギャスパーも空を見ると満月が赤く輝いていた。
【こんなにも、赤く輝いているもの・・・】
《BGM:亡き王女の為のセプテット》
スダマ達は衝撃魔法ザンを一斉に放ちネラプシとギャスパーを撃ち落とそうとする。
しかし、ネラプシはギャスパーを抱えて、軽く避ける。
【あんた達は炎に弱い筈よね?】
空いている手からマハラギダインを放ち、スダマたちを焼き払う。
ツチグモとカワンチャ達はマグナスを放つが、ネラプシは真紅色の槍を作り、切り払う。
【遅いわよ】
下に向けて投擲すると、槍が数十、数百となり、ツチグモとカワンチャ達を串刺しにした。
残るのはティターン4体だが、彼らは地霊の中でも巨体を誇り、生半可な物理攻撃は通用しない。
【これなら、どうかしら?】
口から桃色の吐息をティターン達に吹きかける。
すると、ティターンたちが同族と殺し合いを始めたのだ。
「な、何が起きたんです?」
【彼には"魅惑の吐息"を吹きかけたのよ。魅了状態にかかって、仲間同士で殺す。
あいつらは物理に強いけど、状態変化の多い魔力属性が弱点というわけ】
ネラプシが説明している間にティターンたちは力尽きて倒れた。
これで全てが終わったと思いきや、陣から瘴気から溢れ出ていた陣から強大な力を感じる。
現れたのは土の身体、注連縄、稲を束ねて隙間から眼を光らせた巨人が現れた。
先程のティターンよりも大きい、6mクラスはある
【クエビコ・・・地霊を束ねる者まで現れるなんて、ついているわね】
【貴様、我が同胞を痛めつけ、殺戮の限りを尽くす穢れし悪鬼め。ワシが握りつぶしてやる!!】
雄叫びをあげて、掌を振り上げて地面に叩き付ける。
【はっ!!】
槍で身体を削るが、クエビコが削れた部分が元に戻った。
土でできている為、其処らの土を吸収すれば元の状態になる事は容易い。
【ちっ・・・面倒な敵ね】
【ワシの身体を傷つけようとも、土があれば直ぐに元気になるわい!!】
剛腕を振りかざすクエビコ、ネラプシは避けつつも攻撃を与えるが、やはり再生してしまう。
地霊の中では、最も大地に深く根付いている悪魔なだけあって、恩恵も桁違いだ。
【マグダイン×3】
クエビコは土属性のマグダインを三重に重ねると、頭上に岩の塊が幾つも生み出された。
【マハマグダイン!!】
技の名を叫ぶとともに岩の塊が隕石の様に降り注がれる。
ネラプシはギャスパーを抱き寄せたまま、隙間からスイスイと飛び避けていく。
【ひいいいいいいいっ!!速いですぅぅぅ!!怖いですぅぅぅ!!】
【喋ると舌を噛むわよ】
ギャスパーが泣くのも無理も無い。
迫りくる岩石の雨をギリギリの所で避けていくのは恐怖だ。
避けきると、スッと地面に降り立ち、クエビコを睨む。
【終わりにしてあげるわ】
ネラプシの足元から、雪が溢れ出で来る。
【ブフダイン×5】
氷属性のブフダインを五重に重ねると雪の結晶が出現する。
集中すると、周りに氷の支柱が地面から生えてきた。
【大冷界!!】
八角形の氷の支柱がクエビコを囲み、頭上に氷塊が落ちてきて押しつぶした。
【グオオオオ・・・グガアアアアアアアアアッ!!!!】
クエビコは悲痛な雄叫びをあげて、氷漬けになった。
最早、動く事はできないだろう。
【あんたが、地変に効果がなければ、氷結が弱点といわけね】
あの戦いで、クエビコの弱点を探っていたのだ。
身体を削っても土があれば再生する、ただ闇雲に攻撃していた訳では無かったのだ。
そのまま、氷漬けのクエビコを破壊しようとするが・・・
「あ、あの・・・クエビコさんを元の魔界に帰してあげたらどうでしょうか?」
【あんた正気で言ってるの?私はやられはしないけど、あんたも殺される所だったのよ?】
「そ、そ、それでもです!!」
ギャスパーは力強くネラプシに抗議して、真っ直ぐ見る。
ネラプシはギャスパーを見ると、膝が震えている。
もしかしたら、殺されるかも知れないと言う恐怖に駆られているが・・・逃げたくないと言う意志を表している。
【・・・解ったわよ。あんたの勇気に評価して、コイツは見逃してあげるわよ。
魔界に着いた時は、溶けるし、コイツは土だから血なんか吸血できないしね】
ネラプシは、魔界へ送還する陣を描きクエビコを放り投げる。
眩い光と共に、クエビコは魔界へと送られた。
【さて、あたしはそろそろ帰らなきゃね。嶺爾に怒られちゃうし。今回は仲良しごっこだけど、次に会った時は覚悟を決めなさい】
ネラプシはそう言いながら、翼を大きく広げて夜空へと飛び去った。
◇◆◇◆
今は使われてない廃工場。
ここで、嶺爾は魔力と気配を完全に消して住んでいる。
今は、本を読んでいるようだ。
「・・・帰ってきたようだな」
【ただいま、人間の街って案外、面白い物がたくさんあるわね】
「・・・こちらも暇ではないからな、単独の行動は控えてくれよ」
【たまには、リフレッシュしたい時もあるのよ。それぐらい許しなさいよ】
―――今日は本当に楽しかったと思っている。
臆病でビクビクしているけど、いざという時は怯えずに向かう勇気がある。
後は、力を磨けば・・・鋼弥と同じ様な脅威となるかもしれない。
(貴方の隠された力、どう使いこなすのか・・・楽しみにしているわよ。ギャスパー坊や)
楽しみが増えて、笑みをこぼすネラプシだった。
特別ED【Dancing in the velvet moon(水樹奈々)】