ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
今回は一誠と一緒に一軒家へと向かう。
なんで手伝っているのかって?暇つぶ・・・いや、仕事を見てみたくてね。
ただ、イッセーの魔力が低く魔方陣での転移は無理なので自転車で行く事になっているけどね。
そうこう考えているうちに、依頼主の家に到着
「グレモリー眷属の者ですが、いますか~」
呼び鈴を鳴らしても、ドアを叩いても何の反応もない。
「・・・留守という訳ではないね」
家の明かりが付いているし、鍵だってかかっていない。
何かあったのかと思い、一誠と共に家の中に入ると、血の臭いがする。
リビングへ入ると、壁には逆さまの死体が貼り付けられていた。
腹部から中身が出ており、両の手のひら、足、胴体の中心には釘が刺されていた。
「惨い事をするな・・・」
「こ、これも、魔界の悪魔が殺したのかよ?」
「いや、瘴気の気配は感じない。このやり口から見て人間の仕業だな。相当、手慣れている・・・」
「ご~名~答~♪」
声の方を向くと振り向くとそこには白髪の男がいた。
「俺は神父♪少年神父~♪
デビルな輩をぶった斬り~、ニヒルな俺が嘲笑う~♪
おまえら、悪魔の首を刎ねて~、俺はおまんま貰うのさ~♪」
急に歌い踊る神父。そして、ニヤァッと笑い自己紹介をする
「俺の名前はフリード・セルゼン。とある悪魔祓いの組織している末端でございまですよ。
あ、別に俺が名乗ったからって、あんたらは名乗らなくていいよ。
俺の脳容量におまえの名前なんざメモリしたくないから、止めてちょ。
だいじょうぶ、すぐに死ねるから。てか、俺がそうしてあげる。
最初は痛いかもしれないけど、すぐに泣けるほど快感になるから、新たな扉を開こうZE!」
ビシッと指をさす神父のフリード・セルゼン。
なんともまぁ、カオス思想な神父だな。
「楽しい自己紹介は済んだか?この死体はお前の仕業か?」
「イエスイエス、俺が殺っちゃいました。だってー、悪魔を呼び出す常習犯だったみたいだし、殺すしかないっしょ」
「な、何言ってんだよ!?お前らは、悪魔を退治するのが仕事なんだろ!?」
「はぁーはっはっはっはっはっ!!ウケるっ!!なに悪魔の分際で説教してんだよっ」
腹を抱えて、盛大に笑った後・・・ハァーとため息をついてギロリッとこっちを見る
「いいか?お前ら悪魔は人間の欲を糧に生きてんだろ?
そんな奴が穢れる前に殺したんだよ、慈悲ですよ慈悲!!アーメン!!」
そう言って死体を何度も蹴る。
明らかに神父というより殺人狂か拷問狂の類な人だ。
「・・・そうか」
「お、解ってくれたんですね。じゃあ次は―「貴様は死ね」―なんだって?」
一気に間合いを詰めて、奴の腹部目掛けて掌打を撃ち込む。
フリードは窓ガラスが割れ庭へと吹き飛ばす。
「一誠は急いで逃げろ。俺が食い止める」
「だ、だけど・・・お前を置いてなんて、痛っ!?」
一誠が突然、バランスを崩して倒れた、見ると、左足から血が流れていた。
傷口から見ると銃弾か?だが、音だってしなかった・・・。
庭へと吹き飛ばされたフリードが何事も無かったかのように、割れた窓からリビングへと入る
「どうよ!光の弾丸を放つエクソシスト特製の祓魔弾は!銃声音なんざ発しません、光の弾ですからね。」
見ると奴は光の粒子でできた剣と銃を持っていた。
なるほど、対悪魔用の武器という訳か。
「それにしても、よくもやりやがったなクソ悪魔・・・。
そっちの奴は後でじっくりと嬲り殺して、テメェから細切れにしてやんよぉ!!」
「その前に・・・お前を粉砕すれば問題ないけどな」
あの神父の事だから弱っている一誠を狙う可能性だってある。
守りながら戦うとなると、こっちが不利となる。
「やめてください!」
突然、部屋に響いた女性の声。その場に三人は声のした方へ視線を向けた。
「・・・アーシア?」
そこには、ついこの間知り合ったばかりの優しきシスターのアーシア・アルジェントだった。
「おんや、助手のアーシアちゃんではあーりませんか。どうしたの?結界は張り終わったのかなかな?」
「あ、はい・・・え・・・?い、いやぁぁぁぁぁぁぁっ!」
壁に打ち付けられた死体を見てアーシアが悲鳴を上げる。
だが、フリードはケタケタと笑っている。
「かわいい悲鳴をありがとうございます!
そっか、アーシアちゃんはこの手の死体は初めてですねぇ。
ならなら、よーく、とくとご覧なさいな。
悪魔くんに魅入られたダメ人間さんはそうやって死んでもらうのですよぉ。」
「そ、そんな・・・えっ?フリード神父、その二人は・・・」
「人?違う違う。この二人はクソ悪魔くんだよ。ハハハ、何を勘違いしているのかなー?」
「えっ?イッセーさんと鋼弥さんが・・・悪魔・・・」
「あの野郎・・・」
衝撃の告白を受けて、戸惑うアーシア。
一誠は知られたくない事を知られてイッセーは苦い表情になる。
「なになに?キミら知り合い?わーお。これは驚き大革命。
悪魔とシスターの許されざる恋とかそういうの?マジ?マジ?」
「この子が道で迷っていた所を教会へ案内しただけだ、友人という関係だ」
「なーるほどねぇ。まぁ、そんな事はどうだっていいんだけどねぇ!!
悪魔と人間は相容れません!特に教会関係者と悪魔ってのは天敵さ!
それに俺らは神にすら見放された異端の集まりですぜ?
俺もアーシアたんも堕天使さまからのご加護がないと生きていけないハンパものですよ?」
その言葉にアーシアは暗い顔になる
堕天使の加護・・・、神に見放された異端の集まり・・・
そうか、主を裏切った悪魔バイザーは≪はぐれ悪魔≫。
だとすれば、このフリードは・・・
「あんた、≪はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)≫か?なら、先程の言葉が納得できるな。」
「ああんっ?それがどうかしたのか~?」
「・・・命乞いをする悪魔や契約した人間の命を助けると言う事はしないのか?」
「なぁーに、ブワァカな事を言ってんだ!?悪魔を助ける!?ハ、無理だね!!
悪魔と悪魔の契約した人間は見かけ次第、デストォロイするんだよ!!」
フリードは銃口を弱っているイッセーへと向けたが、アーシアがその前に立ち塞がる。
「・・・何の真似ですかぁ?」
「お願いです、フリード神父・・・この二人を見逃して下さい」
「鋼弥さんの言葉を聞いて、思うんです・・・。
悪魔に魅入られたからって人間を裁いたり悪魔のを殺すなんて・・・そんなの・・・」
顔を上げて、泣くのを堪えてキッとフリードを睨んで、叫ぶ
「そんなの、間違っています!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああっ!?
バカこいてんじゃねぇよ、クソアマが!悪魔はクソだって、教会で習っただろうがぁ!
おまえ、マジで頭にウジでも湧いてんじゃねぇのか!?」
「悪魔にだって良い人はいます!!」
「いねぇよ、バァァァァァカ!」
フリードはアーシアの胸ぐらを掴み、脅しにかかるがアーシアは只管、真直ぐに訴える
「私もこの前までそう思っていました・・・。
でも、イッセーさんと鋼弥さんは良い人です、悪魔だってわかってもそれは変わりません!
人を殺すなんて許されません!こんなの、こんなの主が許すわけがありません!」
自分が殺されるかもしれないのに、ここまで強く言うとは・・・聖女の鏡だ。
―――バシンッ!!
「キャッ!」
「アーシア!!」
「堕天使の姉さんからはキミを殺さないように念を押されているけどねぇ。
ちょっとムカつきマックスざんすよ。
殺さなきゃいいみたいなんで、ちょっとレ〇プまがいなことまでしていいですかねぇ?
それぐらいしないと俺の傷心は癒えそうにないんでやんすよ」
その時、部屋の空気が重くなった。
押し潰されそうな威圧感、凍りつくよな殺気。
その発生源は――――鋼弥だった。
彼の足元の影を見ると一誠は驚愕したのだ。
(鋼弥の影が・・・!?)
何かが蠢いている様な感じがし、影が天井まで伸びると異形なバケモノとなりユラユラと蠢いている。
瞳の色が血の様に真っ赤に染まり出している。
「貴様の様な、外道は生かしておけん。俺ガ食イ殺シテヤル」
「おおおうっ!?ビンビンに、殺気を出しているねぇ!?面白くなってきたかもっ!!」
光の剣を構えるフリード、鋼弥の口から鋭い牙が見える。
その時、床が青白く光りだした。光が徐々に形を形成していく。現れたのは・・・
「助けに来たよ。兵藤くん、涼刀くん」
現れたのは祐斗だった。
「あらあら。これは大変ですわね」
「・・・神父」
朱乃に小猫の姿も、あまり遅いから迎えに来たのか。
なんにせよ、有難い事だ。
「おおお!!悪魔団体さんだーひゃっほう!!」
悪魔が増えたのがうれしいのかフリードは斬りかかってきた。
だが、その刃は誰にも届くことはなかった、祐斗がフリードの剣戟を受け止めた。
「悪いね、彼らは僕らの仲間でさ!」
「おーおー!悪魔のくせに仲間意識がバリバリバリューですか?いいねぇ。熱いねぇ。萌えちゃうねぇ!」
「・・・下品な口だ。とても神父とは思えない」
「その神父は≪はぐれ悪魔祓い≫だ。ただ悪魔を殺すのが生きがいらしい」
「なるほど、それは一番厄介なタイプだね。悪魔を狩る事だけが生きがい、僕らにとって一番の有害だ」
「おいおい!悪魔に言われたくねぇなー。俺だって精一杯生きてんだよ。
てめーら、みたいなクソ悪魔に言われる筋合いはねぇよ!」
「あら、悪魔にだってルールはありますわよ?」
「おほっ!そこのお姉さん、いいよいいよ!最高だね、俺を殺そうって思いが伝わってくる。
最高の殺意だよ。殺意は向けるのも向けられるのもたまんねぇ!」
「なら、消し飛ぶがいいわ」
その発現と同時に紅色の魔力波がフリードの横擦れ擦れに飛んできて壁を破壊した。
フリードは微動だにせず、破壊された壁の外を見て関心していた。
「私は、私の下僕を傷つける輩を絶対に許さないことにしているの。
特にあなたのような下品極まりない者に自分の所有物を傷つけられることは本当に我慢できないわ」
そう言い終えると、リアスは一誠の傍へ向かう。
「イッセー、ごめんなさい。まさか、この依頼主のもとに≪はぐれ悪魔祓い≫の者が訪れるなんて計算外だったの」
「だ、大丈夫ですよ・・・。鋼弥が俺の事を護ってくれたし・・・」
「ありがとうね、鋼弥」
「別にいいが、お前らさっさと逃げた方がいいぞ・・・堕天使どもがこちらに来ている」
「なんですって!?朱乃、イッセーを回収しだい、本拠地へ帰還するわ。ジャンプの用意を」
「はい」
「ちょっと待ってくれ!!アーシアと鋼弥はどうするんだよ!?」
「無理よ、魔方陣を移動できるのは悪魔だけ。しかもこの魔方陣は私の眷属しかジャンプできないわ」
案外、不便な魔法陣だな・・・。
しかし、そんな事を言ってる時間がおしい。
「いや、お前たちは先に脱出しろ。俺はアーシアを連れてなんとかする」
「鋼弥・・・気をつけろよ」
俺はフッと笑い親指を立てて、一誠達を見送る。
「そうは問屋がおろさ―――ブボッ!?」
右前蹴りで外道神父をまた庭へ蹴り飛ばす。
吹き飛ばされた神父の方向を見て呆然とするアーシアだが、そんな事はお構いなしにアーシアを抱く。
「きゃっ!?あ、あの鋼弥さん!?」
うん、思った以上に軽い、アーシアは顔を真っ赤にしてアタフタしている。
まぁ、お姫様抱っこをしているので緊急事態だから仕方ない。
「さて、逃げる準備をするから少しだけ、待っててくれ」
そう言うと、鋼弥の足元に複雑な召喚陣が描かれる。
あの時の毒々しい気配ではなく金色に輝く優しい光だ。
「―――アンヴァル」
そう呟くと、眩い光が奔りアーシアは目を瞑る。
一軒家の窓から何かが飛び出し、堕天使たちは目を追いかける。
満月にくっきりと影が映っていた。
それは・・・馬の下半身を持った人間が屋根から屋根へと飛び移りあっという間に見えなくなった。