ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
2014年も、温かな応援をよろしくお願いします。
あと少しの所で、追い詰めたというのに時間切れとなった。
二試合とも、引き分けだ。
「それにしても・・・嶺爾は疲れなんてものないかしら。
あれだけ連続で戦っているのに、顔にも出さないなんて」
「それだけ、奴は体力も精神も強靭というわけか・・・」
嶺爾の顔を見ても、疲れの色は出てない。
この三試合目で決着をつけるしかない。
「今度は私たちが相手になるわ」
「相手が鋼弥さんの兄でも手加減はしませんわ」
駒王学園が誇る二大お姉さまこと、リアスと朱乃が前に出る。
「鋼弥と対決する前に、俺たちが勝つ!!」
一誠も前に出る。
「貴方に負けない」
「私たちが相手にしてあげわ」
「私もです!!」
彗花、リーザ、リオも参戦する。
「私も行きますわ。兵士たちを痛めつけたその礼を返さなければいけませんわ」
フィーナは銀色の鎧を顕現させて戦闘準備に入る。
「素晴らしき友情というものか。だが、その程度で俺に勝てるのか?」
足元に大きめの召喚の陣が描かれる。
「来い・・・セト!!」
砂嵐が巻き起こり、晴れるとコカビエルを完膚無きに叩き潰した黒き翼竜の邪神セトが姿を現した。
セトは雄叫びを上げ、空気がビリビリと振動する。
翼を羽ばたかせて、一定の空へと留まりながら一誠たちを見下ろす。
「完全に私たちを見下している態度ね。地面に這い蹲らせてあげるわ!!」
リアスは魔力を練って、散弾して放ちセトを当てる。
「雷光よ!!」
朱乃は堕天使の光に雷を上乗せした雷光を球状にして、セトに向けて撃ち直撃させる。
「ドラゴンショット!!」
鎧で身を包んだ一誠はドラゴンショットを放つセトに当てる。
「アギダイン!!ジオダイン!!」
リオは呪文を唱えてセトに直撃させるが・・・セトは全く傷を負っていない。
あれほどの魔力の一斉砲撃に耐えたのだ。
「耐久力も高いというわけね・・・」
【今度はこちらの番だ・・・マグダイン】
セトの口から岩石を放つが、彗花は防御陣を構成させて、防いだ。
【無駄だ】
セトは頭を上に反らして、ハンマーのように振り下ろす。
その強烈な一撃は彗華の防御陣はガラスのように粉々に破壊された。
「くっ・・・!!防御陣が砕けるなんて・・・!?」
【我が悪の鉄槌・・・アゲンストペインの前では、どんな結界だろうと、粉砕する・・・】
口から、青白い炎を吐くが、フィーナが前に出て、月を模した扇子を円に広げる。
「サークルバリヤー!!」
放った炎が反射してセトにダメージを与える。
空へと飛び、上から攻撃を仕掛けようとしたが―――。
「逃がさないわ!!ローズウィップ!!」
リーザが右手を前にかざすと、無数のバラの蔓がセトを縛り付ける。
「もがけば、もがほど、植物の蔓は締め付けるわ」
フィーナは剣を顕現させて、両手で持ち、リーザの両手に紅い光珠が出現し回りを飛び交う。
「ムーン・ブレイド!!」
「クロス・スパーク!!」
フィーナは三日月上の斬撃波を、リーザは紅い光珠を交差しながら飛ばしセトに目掛けて撃つ。
もうもうと煙が立ち込むが、セトは翼を羽ばたかせて吹き飛ばす。
「彗花ちゃん、お願いします!」
「任せてください!」
リオと彗花は同時に詠唱して、魔法を放つ準備に入る。
「「マハブフダイン!!」」
合わさった氷魔法の凍てつく吹雪とツララはセトに直撃し、大ダメージを与えた。
一誠たちが有利しているが、セトはニヤリッと笑っている。
【くくく・・・この我にダメージを与えたらどうなるか、その身をもって教えてやろう!!】
グググッと身を縮めると、大気がシンッ――と止んだ。
「まさか・・・コカビエルを倒したあの技を繰り出す気!?」
荒れ狂う砂嵐を巻き起こすセトの最大技。
発動すれば、確実に全滅する。
「ラクカジャ×4!!」
防御力上昇魔法を4段階にまで唱える彗花。
【ミッドバル・アヴォン!!】
翼を思いっきり広げると大気が荒れ狂いだし、砂嵐が巻き起こる。
だが、コカビエルの時と違って、威力が増していた。
「くっ・・・!!」
「きゃああああああああああああ!!」
嵐が収まると、皆、地に倒れてしまった。
「一体どうなって・・・!?」
【教えてやろう。我の体力が減れば減るほどミッドバル・アヴォンの威力は大きくなる。
貴様たちは何も躊躇もなく、我に攻撃をしたというわけだ。そろそろ、止めを刺してやろうぞ】
セトは急降下し、大きな口を開けて、リアスを喰らいに掛かろうとする。
リアスは受けたダメージとセトの強さに怯んでしまい体が動かない。
「部長!!」
一誠はリアスを突き飛ばすが―――バグンッ!!
なんと、セトに食べられてしまった!!
自分のせいで、一誠が食べられてしまった・・・。
リアスは恐怖に駆られても、一誠を救出しようとするが、リーザが止めに入る。
「落ち着きなさい。彼は・・・食べられてないわ」
(BGM:Stand a Chance)
すると、セトの口がゆっくりと抉じ開けられていく。
そこには・・・
「んぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ!!」
一誠はセトに噛み砕かれないよう、必死に上顎を抑えている。
「イッセー!!」
一誠が無事だと知り、安堵の表情をするリアス。
鋼弥はホッと息をする。
【くくく・・・赤い龍帝。貴様の命運もここまでだ。このまま、噛み砕いてやる!!】
セトは力を込めて、一誠を噛み砕こうとかかる。
「勝負は・・・最後まで・・・わかんねぇぜ!!」
両手にバチバチと電気が奔り、竜の爪となりセトの顎を押し返す。
「ぬおおおおおおおおおおおおおっ!!」
【なにぃ・・・・!?】
「ダブル・ドラゴンクロウ!!」
両の爪を思いっきり振り下ろし、セトを弾き飛ばす。
セトの体から爪痕が出て鮮血が溢れる。
【ぬぐあっ・・・!!】
強烈な一撃でバランスを崩すセト。
だが、ギラリッと憎しみを込めた眼で一誠を睨みつける。
【小僧があああああああああああああああっ!!】
尾を振りかざし、一誠を地面に叩き付ける。
彗花は薙刀を風車のように振り回すと、雷が迸る。
朱乃はもう一度、堕天使の光に雷を上乗せした雷光を生み出す。
「雷神撃!!」
「雷光!!」
二重に合わさった大雷光は渦となり放たれセトに直撃する。
凄まじい雷が弾けてセトは煙を上げふら付きはじめる。
フィーナの手に持つ剣に光が集まり刀身が大きくなる
「アカシャアーツ!!」
強烈な剣突を放ちセトに一撃を与える。
「シャルラハロート・シューティング!!」
リーザは無数の緋色の弾丸を放ち、追撃をする。
「クリスタルダンス!!」
リオは呪文を唱えると、氷の刃が飛び交い氷塊でセトをぶつける。
これにはたまらず、セトが遂に息を上げ始めたのだ。
更に畳みかけようとするが・・・時間切れとなった。
セトの姿を解除し、嶺爾へと戻る。
「三回戦とも、倒すに至らなかったな・・・」
結局、鋼弥の出番が回ってしまった。
戻る一誠はすまなさそうな顔になる。
「ワリィ、鋼弥・・・。結局お前に任せてしまうことに・・・」
「気にするな。よく頑張った皆。あとは俺が引導を渡す」
遂に、鋼弥と嶺爾。兄弟との対決が始まろうとしていた。