ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
第十一話 京都戦終幕
一誠の新たな力を連続で食らった曹操は不敵な笑みをする
「怖いな。直接的な攻撃力は"覇龍"なしのヴァーリに匹敵するかな?
彼も日々成長しているから、現在は分からないが・・・それと予想以上にスタミナとオーラを消耗するみたいだ。
使いこなすにはまだまだと言う事かな。
いや、使いこなせたとしてもその消耗は尋常ではないか・・・」
曹操が傷だらけの体を起こし、冷静に分析している
バジッ!バジッ!
すると、突如空間が裂けていき、その様子を見た曹操が嬉しそうに笑む
「どうやら始まったようだ。
あの魔方陣、九尾、そして君達の膨大なパワーが真龍を呼び寄せたのかもしれないな。
ゲオルク、
曹操が言葉を止める
細めた目で次元の裂け目を睨み、疑問が生じた表情となる
「違う、これはグレートレッドではない!!この闘気はッ!
次元の裂け目から出てきたのは緑色のオーラを発する東洋のドラゴン
西海龍童(ミスチバス・ドラゴン)とは五大龍王の一角である
視線を向けると、小さな1つの人影がドラゴンの背中から地上に降り立った
「大きな『妖』の気流、それに『覇』と邪悪な『闇』の気流。
それらによって、この都に漂う妖美な気質がうねっておったわ」
年老いた男性の声音を出す小さな老人。
金色に輝く体毛と黒い肌、手には棍のような得物を持っている。
「誰だ、あの猿のようなじいさん・・・?」
「あれは・・・初代の孫悟空だよ」
「初代の孫悟空ぅぅぅぅ!!?あのじいさんが西遊記で有名な・・・!!」
遅れて来た鋼弥も初代の孫悟空の姿を見る
「アザゼル殿が言ってた、助っ人というのが・・・初代の孫悟空」
「赤龍帝と銀流星の坊や。よー頑張ったのぉ。
良い塩梅の波動だ、儂が助っ人じゃい。後はこのおじいちゃんに任せておきな」
初代孫悟空が手に持った棍をくるくる回して英雄派に視線を向ける
「曹操、ここまでにしよう。
初代孫悟空は"禍の団(カオス・ブリゲード)"のテロを何度も防いでいる有名人だ。
下手に攻撃したらせっかくの人材が傷付くよ」
「退却時か。見誤ると深手になるな」
英雄派のメンバーが素早く一ヵ所に集まり、霧使いのゲオルクが足下に巨大な転移用の魔方陣を展開する
「ここまでにしておくよ。
初代、グレモリー眷属、赤龍帝、銀流星、再び見(まみ)えよう」
捨て台詞を吐く曹操。
もちろん、一誠はこのまま逃がすつもりなど無かった
一誠は左籠手にキャノンを生み出してパワーを練り込む。
それを見た、初代が笑う。
「儂の役目、坊やがやるかぃ?まあ、ええ。あの坊主にお仕置きしてみぃ。
一時だけ力が出るよう、おじいちゃんが手伝ってやるわい」
初代孫悟空が一誠の鎧を棍の先で軽く叩くと、オーラが噴き出る
「曹操!お咎め無しで帰れると思ってるのか!こいつは京都のお土産だ!!」
キャノンから濃縮された魔力が放たれ、曹操に向かっていく
襲来してくる魔力に気付いたヘラクレスとジャンヌは曹操の盾になろうと前に出た
「曲がれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
撃ち出した一発が軌道を変え、聖槍を飛び越えて曹操の顔面に命中する
煙を上げる曹操の顔、右目から血が垂れ、曹操は手で右目を押さえながら狂喜に顔を歪ませた
「目がぁぁぁ・・・赤龍帝ェェェッ!!――――槍よッ!神を射貫(いぬ)く真なる聖槍よッ!
我が内に眠る覇王の理想を吸い上げ、祝福と滅びの――――」
曹操が槍を構えて呪文の様な言葉を唱え出すが、ジークフリートが押さえる
「曹操ッ!唱えてはダメだ!『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』の禁手。
――――いや、『覇輝(トゥルース・イデア)』を見せるのはまだ早いッ!」
「退却だよ。レオナルドも限界の時間だろう。
流石にこれ以上の時間稼ぎは外のメンバーでも出来ないだろうしね。
各種調整についてもこれで充分データを得られる」
「分かっているさ。初代殿、そして赤龍帝と銀流星。
否、兵藤一誠。涼刀鋼弥。ここいらで俺達は撤退させてもらおう。
まったく、ヴァーリの事を笑えないな。土壇場で強くなる君達にしてやられたよ。
もっと強くなれ、ヴァーリよりも。そうしたら、この槍の真の力を見せてあげるよ」
それを言い残し、英雄派はこの空間から消えていった。
英雄派が消えた瞬間、2人の全身から疲れが生まれる
「曹操・・・。強い以上に不気味な奴だな」
「それにアンリ・マンユが蘇ってしまった以上、ゾロアスター達も本気で襲ってくるだろう。
けど、今はこの勝利を喜ぼう」
八坂に泣きながらすがり付く九重と、娘の頭を撫でる八坂の姿があった
「母上ぇ・・・母上ぇ!」
「九重、もう泣くでない。京都は――――わらわ達は助かったのじゃ」
母と娘が強く抱き合う。
鋼弥は幼い頃、優しい母親の事を思い出した。
僅かだけしか思い出せないが、温もりは覚えている。
少しだけ、九重を羨ましと思うが、無事に再会できた喜ぶ
―――――――――
修学旅行最終日。
前夜の大激戦のせいか、寝ても疲れは取れなかった
疲弊しきった体を引きずり、最後のお土産巡りを敢行。
土産を買い終え、京都駅の新幹線ホームで九重と八坂が見送りに来ていた。
「赤龍帝、銀流星」
「イッセーで良いよ」
「鋼弥と呼んでもいいよ」
「イッセー、コウヤ。母上を助けてくれてありがとう。また、京都に来てくれるか?」
「わらわも、お主逹にまた京都に来てもらいたい。今度は裏京都を案内しよう」
「その時を楽しみにしてます。」
鋼弥がそう言うと八坂が、鋼弥をギュッと抱きしめる。
突然のことで困惑するが八坂が・・・
「・・・せめて、こうさせてくれ。今はお主の母の代わりじゃ」
やっぱり、子を持つ母には解っていたようだ。
鋼弥は少しだけ、泣きそうになるがグっと堪えて、八坂の温もりを知る
セラフォルーはこのまま京都に残り、改めて妖怪側と交渉するらしく、初代孫悟空も同伴するとか
レイハとミランダは鋼弥たちと同伴する。
「ありがとう、イッセー!コウヤ!皆、また会おう!」
手を振る九重と八坂に手を振り返す2人
新幹線の扉が閉じ、発車しても九重は手を振り続けた
帰りはずっと寝ようかと思った矢先、一誠は何かに気付いたかの如く絶叫した
「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「どうした?」
「八坂さんのおっぱい、近くで見せてもらうの忘れてたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
一誠の無念の叫びが響き渡り、鋼弥はため息をして新幹線の中で眠りについた。
――――――――
それから、数日後。
京都から帰還して早々、兵藤家の一室でリアスに怒られている
一誠、アーシア、ゼノヴィア、祐斗、イリナは正座をしている。
鋼弥、リオ、ロスヴァイセは少し気まずそうにしている。
「なんで知らせてくれなかったの?
――――と言いたいところだけれど、こちらもグレモリー領で事件が起こっていたものね。
でも、ソーナは知っていたのよ?」
リアスが半眼で、朱乃と小猫も鋼弥に問い詰める
「どうして言ってくれなかったのですか?少しでも相談が欲しかったですわ」
「・・・そうです。水くさいです」
「・・・すまない、危険な事に合わせたくないから」
「で、でも、皆さん無事に帰ってきたのですから・・・」
「ギャスパァァァァァッ!お前は良い後輩だな!」
一誠は思わず泣いてしまう
「まあ、イッセーは現地で新しい女を作ってたからな。しかも、九尾の御大将その娘だ」
椅子に座っているアザゼルが現状を混乱させるような事を言う
「ちょっ!?誤解ですって!!人聞きが悪いな、先生は!!」
「悪い悪い。そういや、学園祭前にフェニックス家の娘が駒王学園に転校してくるそうだぜ?」
「レイヴェルが学園に?」
「リアスやソーナの刺激を受けて学びたいと申し出てきたらしい。
学年は1年だ。もう手続きは済みそうだって」
「良かったじゃないか、小猫、ギャスパー。同学年の知り合いが増えて」
「・・・どうでも良いです」
「まあ、良いわ。皆、無事に帰ってきたと言う事でここまでにしておきましょう。
詳しくは後でグレイフィアを通してお兄さまに訊いてみるわ。
さて、もうすぐ学園祭よ。あなた達がいない間、準備も進めてきたけれど、ここからが本番よ。
それに――――サイラオーグ戦もあるわ。
レーティングゲーム、若手交流戦では最後の戦いと噂されているけれど、絶対に気は抜けないわ。
改めてそちらの準備に取り掛かりましょう」
『はい!』
リアスの言葉に全員が大きく返事をした
いよいよ若手最強と言われるサイラオーグとの一戦が迫る
新しい力を手に入れたとはいえ、何処まで通用するかは分からない
一誠と鋼弥はサイラオーグに勝つと言う決意を内に秘めた
――――――――――――――――――――
"魔界・???"
「・・・・・・問題発生。
地上世界に異形者たちの戦闘の激化、闇黒神の復活を確認。
魔界と天界の敵となる者を排除、優先。
攻撃目標――――地上世界」
10体の機械乙女たちが、起動音が鳴り響き起き上がる。
これにて修学旅行編、終了!!
最後あたりは結局、飛ばし飛ばしの執筆ですがなんとか描けました~。
"学園祭&サイラオーグ戦"の前にオリジナル話を展開しますので、しばしお待ちぐださい。
これからもよろしくお願いします。