ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
=風と森林の国 ゲートポイント=
「たあああああああああ!!」
珠樹は刀を振りかざして機械兵士たちを斬り捨てる。
彗華は弓を引き搾り矢を放ち、機械兵士たちの頭を射抜く。
「せいっ!!」
シンディは鮮やかな回し蹴りで粉々にする。
ミランダはマハマグダインを放ち機械兵士の軍勢を押し潰す。
ゲートからゾクゾクと機械兵士たちが溢れ出し、その対処に追われている。
「物量作戦で攻めるという訳ね。替えなんて幾らでもあるし資材が尽きない限り、際限なく出て来るわ」
「鋼弥たちが止めるまで、我々が何としてでも死守するぞ!!」
レイハは大剣を構えて、疲れ切っている皆に気合を入れ直す。
(鋼弥、皆さん……。どうか無事で……)
シンディはディープホールへ向かったメンバーをただ安全であることを信じている。
=闇黒界ディープホール 機塞クレサレ・司令室=
内部へ突入した鋼弥たち。
司令室へたどり着くと、二機が待ち構えていた。
「ここまで来たようだな、軟弱生物ども。ここに足を踏み入れるとは誠に愚かだ」
アポリトが高圧的な態度で鋼弥たちを見下ろす。
オリジンは裏切者の三機と生みの親を見る
「フブキ、ナギ、ミヤビ、そして……博士。何故、そのもの達についているのです」
「私たちは二人の作戦に反対したからです。どうして、このような暴挙を?」
ミヤビは二人に問いかけるが、二人は表情を変えずに口を開く
「我らは人間世界に悲しみも苦しみもない"完全世界"をするために行動したまで」
「最終的に全ての生物を機械にして、ゾロアスターどもが力を蓄えないために」
感情もない機械なら負の感情を出すこともない。
そうすれば、ゾロアスターがこれ以上力を増すことはない。
これが彼女たちの計画―――"完全世界"。
「間違っている!!全ての生き物を機械にしてもそれは感情を無くした、死の世界だ!!」
鋼弥が前に出て異論を唱えるが二人は、冷たい視線で鋼弥を見る。
「それを決めるのは我々だ。貴様たちの意見なんか聞く必要はない」
「儚き命を持つ者たちよ。裏切者とともに久遠の眠りを与えよう」
アポリトとオリジンのマシンアームを解放し、臨戦態勢をとる。
「話し合いは無用というわけか……。メルア博士、こうなっては仕方ありませんが……」
「……お願いします。娘を止めてください……」
「その間に俺たちは機械兵士たちを停止するから、頼んだぜ」
メルアとアザゼルは暴走している機械兵士たちを止めるために、下の階へと向かう。
アポリトとオリジンは二人の後を追う素振りはしない。
「先に貴様たちを始末してから、あの者たちを始末すればよい」
「システムダウンしたとしても、また新たに作動させればいい」
「だったら、俺たちがお前たちを倒せば、いいだけのことだ!!」
「魔界、冥界、天界、地上世界を巻き込ませるわけにはいかない。お前たちの野望を止める!!」
一誠たちはアポリトを、鋼弥たちはオリジンと立ち向かう。
朱乃は雷光を、ロスヴァイセは魔法フルバーストを放ち、アポリトの動きを封じつつダメージを与える。
次に祐斗は聖魔剣、ゼノヴィアはデュランダルとアスカロンを構えて斬りにかかるがアポリトはアームをクロスガードして防ぎ弾く。
「部長、お願いします!!」
『Transfer!!』
一誠は赤龍帝の倍増をしてリアスに譲渡する。
「消し飛びなさい!!」
勝負を決めるためリアスは滅びの魔力を放つが――――アポリトの剛腕がリアスの滅びの魔力を破壊した
「そんな!?」
「俺の倍増の力が合わさった部長の滅びの魔力が!?」
驚愕する一誠たち、アポリトはフンッと見下す。
「無駄だ。貴様らの攻撃なんぞ我に勝つことは不可能。それとも、今のが貴様たちの切り札か?」
「まだ、負けたわけじゃねぇ!!」
一誠は禁手化し、鎧を身に纏いアポリトへ向かう―――。
◆◆◆◆
「でやああああ!!」
鋼弥は拳、蹴りと放つがオリジンは攻撃を受け流し掌打で鋼弥を弾き飛ばす。
「「「はあああああああああああ!!」」」
フブキ、ナギ、ミヤビは三人同時に攻撃を仕掛けるが、オリジンは白銀の翼で身を包み防ぐ
「所詮、私とアポリトから生まれたコピー共の攻撃なんぞ……効かん!!」
一気に広げて、三機を弾き押し返す。
「召喚――英傑ヤマトタケル!!」
リオはタリスマンを掲げて、必殺ノ霊的国防兵器を召喚する。
現れたのは半人半神の英雄ヤマトタケル。
【国を憂えて幾星霜。必殺ノ霊的国防兵器ヤマトタケル。我が主の命により汝を倒す!!】
剣を構えて、斬りにかかるがオリジンは翼を巧みに操り攻撃を防ぐ。
「フツヌシ!!」
鋼弥は剣神フツヌシとなり、刀を構えてヤマトタケルと共にオリジンを斬りにかかる。
だが、二柱の怒涛の剣戟を機械の翼で全て防いでいる。
「いかに、剛で攻めようとも……私を倒す事は不可能」
目を輝かせて、両翼チョップで攻撃し、ヤマトタケルとフツヌシを地面に叩き付ける。
【なんという奴だ。我らの攻撃を簡単に防がれるとは……!!】
【殲滅兵器と呼ばれるだけあるという事か……】
「面白いものを見せてあげるわ」
オリジンの体の周りに呪文がまとわりつく。
それを解き放つと、フツヌシの姿が解除されヤマトタケルが送還されたのだ
鋼弥は業魔化身を発動させようとしたが、化身になれない。
「霊的国防兵器が召喚できない!?」
リオは再度の召喚をしようとしたが、何も起きない。
「無駄よ。悪魔召喚できないよう波動を起こしたわ。これで貴方たちの武器は封じたわ」
業魔化身やタリスマンが封じられたとなると、状況は不利になりつつある。
―――ドッゴオオオオオオオオオンッ!!
爆音が響き、見ると一誠たちも苦戦していた。
アポリトはオリジンと合流する。
「アポリト、あんな連中を直ぐに始末できるはずだが?」
「予想以上にしぶとい連中で手間取った。そちらも人の事は言えないようだな」
「……肯定はする。だが、まとめて始末すればいい話だ」
姉妹の体から電撃が奔りチャージする。
「滅びよ、形あるものよ」
アポリトは背中のマシンアーム・フォーフィストから、赤、青、緑、紫を生み出し、融合させる。
「殲滅行動、開始」
オリジンは背中のマシンアーム・デウスマキナを広げて、光を集める。
「ディザスター・クラスター!!」
「ユナイティリィ・ノヴァ!!」
ディザスター・クラスターは、無数の白色光線となり豪雨の如く降り注がれる。
ユナイティリィ・ノヴァは極太の黄色光線は薙ぎ払う様に撃つ。
圧倒的な実力の前に皆は死を覚悟をした。だが、鋼弥は前に立つ。
「諦めない……!!」
凄まじき魔力と闘気を放出し―――。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
鋼弥の右手に紫電の光剣を作り出す。
髪が長く伸びて悪魔の刻印が浮かび上がる。
横薙ぎ払い斬りをして、二機が放った必殺光線を切り裂いた。
その余波でアポリトとオリジンにダメージを与え後退させた。
「今のは…!?」
「オーバードライブ……でも……」
あの時の暴走状態ではない。
一瞬だったが、鋼弥はオーバードライブを発動したようだ。
鋼弥は護るために力を使ったのか、両膝をつき息は上がっていた。
「ふん、今ので力を使い果たしたか」
「次で終わらせてあげるわ」
第二波を放とうとした時、クレサレのシステムがダウンしていく。
「アザゼルとメルア博士がこの要塞の機能を停止したんだわ」
「これで機械兵士たちの動きも止まるのですね」
クレサレのシステムをダウンすれば機械兵士たちの活動は全て停止する。
これで、問題の一つは解決された。
「無駄だと、言っているだろ!!」
アポリトは巨腕を鋼弥、目掛けて振り下ろされるが大刀を持ったシェリルが受け止めて押し返す。
「大丈夫?」
「…シェリルなのか?」
「…鎧、壊されたから部分的につけている」
今のシェリルは膝から足首、両手、胴体部分だけ装着している状態だ。
兜は修理時間がないため、恥ずかしいのを我慢してここまで来たようだ。
カナン、アルスも遅れてやってきてアザゼルとメビウスも一緒だ。
「おまえら、よく持ち堪えたな。ここの要塞のシステムは全てダウンしたぜ」
「鋼弥、これを受け取れ!!」
アルスは鋼弥に目掛けて音符を投げる。
鋼弥はキャッチしてオカリナを取り出すと、二つの音符はオカリナに入り込んだ。
マシンナリードライバーが持っていた8つの音が全て揃い、奏でる。
(BGM:eight melodies(Mother))
溢れ出でくる音は優しく、心が温かくなる音色だ。
一誠たちは不思議と幼い自分を思い出す。
泣いたり、笑ったり、楽しかったり、……いつでも自分の事を護って育ててくれた母と父がいた。
アポリトとオリジンも音を聞く
「この音は……」
遠い記憶を思い出す。
母が子守唄に歌っていた、優しくて、温かい音。
二人は頬が濡れていることに気づき、拭う。
「涙?」
「何故、私たちに涙が?」
機械に涙が溢れるなんてありえない。
だが、涙が止め処なく溢れている。
「オリジン、アポリト。 いや―――サーシャ、リアナ。
この歌は、君たちの仲間たちが持っていたんだ。メビウス博士の母の子守唄。
博士は君たちにもう一度、優しさを思い出させたいために」
その言葉を聞いて、二人はメルアの方を見る。
「二人を死なせないと、機械にしたわ。
いつか、本当のことを話そうとも思っていたけど、その勇気がなかった…。
二人を苦しませるようなことをして母親失格ね…」
メルアの言葉に二人は全ての事を思い出す。
凍結処分をしようとした時の母は悲しんで泣いていた。
どうして、その事を忘れていたんだろう。
二人から黒い影が飛び出し、影は煙を上げて消滅した。
オリジンことサーシャ、アポリトことリアナは戦意喪失し、武装を解除した。
「母さん・・・!!」
「お母さん・・・!!」
メルアはサーシャとリアナは抱きしめる
「私の事を母と呼んでくれるの・・・。ありがとう。ごめんなさい。辛い思いをさせて……」
サーシャとリアナは母の温もりを感じ、子供のように泣いた。
忘れていた記憶と母の優しい想いをもう一度、思い出すことかできた―――。
◆◆◆◆
=報告=
サーゼクス、ミカエル、アザゼルの三人はルシファーと会合。
あの時のマシンナリードライバーの凍結処分を下した上層部たちを調べた結果、ゾロアスターと関わりのある者たちだ。
そして、姉妹が取りついた影も上層部の差し金で事件を起こし、魔界政府の信用を無くすという計画だった。
鋼弥たちやグレモリー眷属の活躍で計画は見事に打ち砕くことができ、今回の事件の功労者として讃えられた。
メルアとマシンナリードライバーの処遇は――――無罪だ。
流石に御咎めは無しというわけにはいかなく、監視されることに。
機能停止したクレサレや機械兵士たちは二度と使われない様に破壊処分された。
こうして、マシンナリードライバー事件は終わった。
◆◆◆◆
魔界中央のパンデモニウムで戦いの癒しをしている鋼弥たち。
「流石に今回、死ぬかと思ったけど全員、無事でよかったぜ」
「ですが、不思議なのは……メルア博士の歌がバラバラに宿っていたのでしょうか?」
リオの疑問もそうだが、鋼弥はある可能性が浮かぶ。
「きっと、母の奇跡というものかもしれないな」
「母のって……メルア博士の?」
「ああ、サーシャとリアナを助けたいという強い気持ちが音符となったんじゃないかと思う」
子を思う母の強い想いは時には奇跡を呼ぶ。
強大な武器や力を振りかざそうとするサーシャとリアナだが、母の想いで二人に人間の温かみを思い出させた。
「しかし、世界を救った一行という事で結構有名人になるかもな、俺たち。
それに望紅は俺が死んで泣きべそかいたって?ふーん?」
「ニ、ニヤニヤすんじゃねぇよ!!」
ドルキーと望紅のやり取りに皆の間に笑いが広がる。
「さて、私たちも地上世界に戻って学園祭の準備をしなきゃね。
それに―――サイラオーグ戦もあるから、絶対に気は抜けないわね」
リアスの言葉にグレモリー眷属は気合を入れ直す。
翌日。グレモリー眷属、アザゼル、鋼弥、リオは地上世界に戻り学園祭の準備に取り掛かる。
若手最強、サイラオーグ・バアルとの戦いは近い――――。
マシンナリードライバー編、完結!!
この章では母と二人の姉妹の仲を取り戻すというのがメインですが、作者の頭ではこれが限界です、すみません。
近々、原作と同じように短編集を作ろうかと思います。
悪魔辞典やキャラプロフィールもそちらに引越しさせます。
次は原作の学園祭&サイラオーグ戦!!
今後とも、よろしくお願いします!!
特別ED{Mother:The End}