ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第四話 打ち明ける思い

「ギャスパー!俺が今から言う事を胸に刻め!『グレモリー眷属男子訓戒その一!男は女の子を守るべし』!ほら復唱!」

 

「お、男は女の子を守るべし!」

 

「次!『グレモリー眷属男子訓戒その二!男はどんな時でも立ち上がる事』!」

 

「お、男はどんな時でも立ち上がる事!」

 

「最後!『グレモリー眷属男子訓戒その三!何が起きても決して諦めるな』!」

 

「な、何が起きても決して諦めるな!」

 

男子以外誰も来ていない部室で、一誠はギャスパーに自分流の訓戒を唱えていた。

祐斗も一誠が唱えた訓戒を刻もうかなと言い出したり、アザゼルが半眼でぼやいたりしてた。

鋼弥は腕を組んで、静かに瞑想をしていた。

部室に皆が集まったところで、一誠が挙手してアザゼルに質問する。

 

「サイラオーグさんにも先生みたいにアドバイザーが付いてるんですか?」

 

「ああ、一応あっちにもいるぞ。皇帝さまが付いたそうだ」

 

「――――っ!ディハウザー・ベリアル!!」

 

アザゼルの一声に真っ先に反応したのはリアスだった

ディハウザー・ベリアルとは、ベリアル家の現当主にしてレーティングゲームの覇者。

将来、レーティングゲームで各タイトルを獲得する事を目標としているリアスにとって最大の壁となる最上級悪魔。

無論、上級悪魔を目指している一誠も例外ではない

 

「さて、お前達。サイラオーグ眷属のデータは覚えたな?」

 

アザゼルの言葉に皆が頷く

サイラオーグと眷属達は悪魔では珍しい修行をするタイプ。

"禍の団"でも相手にも戦っているらしい

実戦を積んでいるため、最大の強敵とも言えよう。

 

「……この相手の"兵士"、記録映像のゲームには出てませんよね?」

 

ロスヴァイセが険しい表情で呟き、全員の視線がその"兵士"に向いた

サイバーな仮面を被った謎の"兵士"、名前すらも明かされていない

サイラオーグの陣営は『女王』が1、『戦車』が2、『騎士』が2、『僧侶』が2とリアス陣営と似ている。

 

「そいつは滅多な事ではサイラオーグも使わない『兵士』だそうだ。

 情報も殆ど無くてな。仮面を被っているために、何処の誰だか分かりもしない。

 今回初めて開示された者だ。今度のゲームで使うって事だろう。

 サイラオーグもこいつを出来るだけ他者に引き合わせない様にさせているようだからな。

 ただ1つだけ噂で流れているのは、消費した『兵士』の駒が6つだか、7つと聞く」

 

『6つ!?7つ!?』

 

異口同音で驚愕の声が飛び交う

この『兵士』は相当な手練れか、潜在能力を持っている事になる

 

「データが揃っていない以上、この『兵士』には細心の注意を払って臨むべきだ。

 只でさえ、今回はどんな選手でも参加出来るんだからな。

 サイラオーグの隠し球、虎の子ってところか」

 

鋼弥はサイラオーグの兵士を見て、ある憶測が生まれる

 

(……この兵士は恐らく、生物ではないかもしれん)

 

 

◆◆◆◆

 

 

ミーティングが終わったその帰り―――。

 

「一誠、お前に話があるんだがいいか?」

 

「ん?話?」

 

「一誠、お前にとってリアスは何だ?」

 

「え……?言ってる意味がよく分からないんだけど――――」

 

「もう一度、聞く。一誠、お前にとってリアスはどういう存在なんだ?」

 

「俺にとって、部長は部長で――――」

 

一誠がそう言うと、鋼弥は指をさす。

 

「何故、名前で呼ばない?一誠、何を恐れている?」

 

「恐れているって……俺が?」

 

「リアスは泣いていた。お前がいつまでたっても名前を呼んでくれないことを」

 

その言葉を聞いて、一誠は驚愕し鋼弥は更に告げる。

 

 

◆◆◆◆

 

 

ステージの下見が終わってから、鋼弥とリオがリアスが泣いていた理由を聞いていた

 

「リアスさん。どうして泣いていたのですか?」

 

「イッセーが……私の事を"部長"としか呼んでくれないの……」

 

「……それは、名前で呼んでもらえてないという事か?」

 

鋼弥の問いにリアスは頷いた。

よくよく思い出してみれば、一誠はリアスを名前で呼んでいなく"部長"としか呼んでいない。

もし、一誠がアノことを引きずっているのなら……。

 

「リアス、サイラオーグとのミーティングが終わった後、一誠と話を付ける

 他のメンバーも邪魔をしないようにな」

 

 

◆◆◆◆

 

 

「お前はそんな気持ちは無いと思っているだろうが、リアスの心は深く傷つけた。何故だ、一誠?」

 

「……鋼弥には関係ないだろ」

 

一誠はそう言って話を終わらせようとしたが、鋼弥は肩を掴む

 

「……当ててやろうか?レイナーレの事に関係あるのか」

 

「―――――ッ」

 

図星だったのか、一誠は即座に反応したが、すぐに目を逸らす

レイナーレ、今は魔界にいる身だが、一誠を殺し悪魔へと転生したきっかけを作った。

鋼弥は一誠の反応を見てほぼ間違いないと踏んだ

 

「…………一誠?」

 

「……初めての彼女だったんだ……」

 

一誠は重そうな口を開き、心の底にしまい込んでいた感情を吐き出した

 

「告白された時、本当に嬉しかった……あいつと付き合って、俺、すげぇ頑張ったんだ。

 初めてのデートとか、念入りにプラン立ててさ。将来の事だって真剣に悩んだ。

 バカみたいにクリスマスとかバレンタインの事まで妄想して、1人で脳内お花畑満開だった」

 

話していくと記憶にレイナーレの事がフラッシュバックされる

 

「でも、あいつ、敵でさ……!俺を殺して……!

 悪魔になった俺をすげぇ冷たい目で見てきてさ……!

 あれらの事が本当に芝居だったって分かって……」

 

一誠は耐えきれずに涙を流す、頬を伝う涙を拭い、話を続けた

 

「俺、怖いんだ。本当は女の子と仲良くなるのが怖いんだ……。

 また、あんな事になっちまうんじゃないかって……!

 部長やアーシア、皆優しくしてくれるけど、一歩踏み込んで仲良くなろうとしたら……

 拒否られてバカにされるんじゃないかって!悪くないのは頭じゃ分かってる!!

 だけど、ダメなんだ!もっと知ろうとするとブレーキが掛かる!

 あんな思いは二度と……嫌なんだ……」

 

一誠は顔を手で覆う。

いつもハーレムを目指すと宣言していた一誠が、実際は""女の子と仲良くなる勇気が無い""事を打ち明けた。

 

「そういう事だったのか。すまない、もっと早くお前の心境に気づいていればよかったな……。

 だが、過去は戻すこともやり直すこともできない。前に進まなければいけない

 それに、リアスもアーシアも……女性陣たちはお前を嫌う訳がない。

 後は……お前がリアスに告白する勇気を持て、言った方が色々とスッキリするぞ」

 

鋼弥の言葉に一誠は涙を拭い、決める

 

「……俺、決めた。

 サイラオーグさんとのゲームで勝ったら、部長に…リアスに告白する。

 サイラオーグさんを倒して、自分の気持ちに一歩踏み込んでみる」

 

「……良い目になったな。絶対に勝つぞ」

 

「ありがとうな、鋼弥」

 

「礼を言うのはまだ、はやい。サイラオーグと戦い勝ってからだ」

 

―――いよいよ、明日はサイラオーグとの対決の日が迫る。

 

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