ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第六話 若手最強決定戦!!グレモリー眷属VSバアル眷属

ゲーム開始時間目前、鋼弥逹はドーム会場の入場ゲートに続く通路で待機していた。

ゲートの向こうから会場の熱気、明かり、歓声も聞こえてくる。

皆の戦闘服はお馴染み駒王学園の制服――――と言っても、ただの制服ではない。

耐熱、耐寒、防弾、魔力防御など、あらゆる面で防御力を高めた特別仕様である。

ゼノヴィアは自前の戦闘服(制服と同じ施し付き)、アーシアはシスター服(こちらも特別仕様)

ロスヴァイセはヴァルキリーの鎧姿、鋼弥はハンターの姿。

それぞれのリラックス方法で待機する中、リアスが重い口を開けた

 

「……皆、これから始まるのは実戦ではないわ。レーティングゲームよ。

 けれど、実戦にも等しい重さと空気があるわ。

 ヒトが見ている中での戦いだけれど、臆しないように気を付けてちょうだいね」

 

『さあ、いよいよ世紀の一戦が始まります!東口ゲートからサイラオーグ・バアルチームの入場ですッ!』

 

「「「「「「「わぁぁぁぁぁああああああああああああああああああぁぁぁっ!!」」」」」」」

 

ビリビリと伝わってくる声援と歓声に、ドーム会場は大きく震えた

 

「緊張しますぅぅぅぅっ!」

 

「……大丈夫、皆、カボチャだと思えば良いってよく言うから」

 

「ゼノヴィアさん、イリナさんがグレモリー側の応援席で応援団長をやっているって本当なのですか?」

 

「ああ、なんでもおっぱいドラゴンのファン専用の一画で応援のお姉さんをすると言っていた」

 

「そういえば、リオたちも試合の応援する言ってたな」

 

『いよいよ、西口ゲートからリアス・グレモリーチームの入場ですッ!』

 

「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!」」」」」」」

 

会場のボルテージは既にMAX。緊張が高まる中、リアスが皆を見渡して一言だけ言った

 

「ここまで私についてきてくれてありがとう。

 ――――さあ、行きましょう、私の眷属逹。勝ちましょう!」

 

「「「「「「「「はいッ!」」」」」」」」

 

―――――――――

 

ゲートを潜り、広大な楕円形の会場の上空に浮かぶ2つの巨岩、その1つにバアル眷属が揃っていた。

螺旋階段を上がって岩の上に乗り、陣地には人数分の椅子と謎の台1つ、後は一段高い場所に設けられた移動式の魔方陣。

 

『ごきげんよう、皆さま!

 今夜の実況は私、元72柱ガミジン家のナウド・ガミジンがお送り致します!

 更に今夜のゲームを取り仕切る審判-アービター-役にはリュディガー・ローゼンクロイツ!』

 

実況がそう言うと魔方陣が宙に出現し、銀髪の男性が現れた

 

「……リュディガー・ローゼンクロイツ。元人間の転生悪魔にして、最上級悪魔。しかもランキング7位」

 

「そんな重役の人が……今回はグレイフィア殿ではないのか」

 

「大王家が納得する訳ありませんわね。グレイフィア様はグレモリー側ですから」

 

グレイフィアはサーゼクスの『女王-クイーン-』。

家柄重視の大王派にとやかく言われない様にしたのだろう。

 

『そして、特別ゲスト!解説として堕天使の総督アザゼルさま!』

 

グレモリー陣営一同は画面を見て唖然とした

 

『いや、これはどうも初めまして。アザゼルです。今夜はよろしくお願い致します』

 

紹介が終わったところでカメラが隣に移り、灰色の髪と瞳を持つ男性を映した

 

『更に、もう一方お呼びしております!レーティングゲームのランキング第一位!

 現王者にして皇帝!ディハウザー・ベリアルさんですッ!』

 

今までに無い大歓声が上がり、ディハウザー・ベリアルが朗らかに口を開く

 

『ごきげんよう、皆さん。ディハウザー・ベリアルです。

 今日はグレモリーとバアルの一戦を解説する事になりました。

 どうぞ、よろしくお願い致します』

 

実況者がアザゼルとディハウザー・ベリアルに話を振る中、リアスは画面を通して真剣な表情で見ていた

皇帝ベリアルはリアスの将来の目標――――。

ゲームの各タイトルの総ナメに必ず立ちはだかる最後の壁である

 

「ディハウザー・ベリアル……いつか必ず――――。

 けれど、今は目の前の強敵を倒さなければ、私は夢を叶えるための場所に立つ事すら出来ないわ」

 

今はサイラオーグとの戦いに集中すべき時―――。

 

『まずはフェニックスの涙についてです。

 皆さまもご存じの通り、現在テロリスト集団――禍の団の連続テロ、ゾロアスターの襲撃により、

 各勢力間で緊張が高まり、涙の需要と価格が跳ね上がっております。

 そのため、用意するだけでも至難の状況です。

 しかーーーーしっ!涙を製造販売されているフェニックス家現当主のご厚意とバアル、グレモリー、両陣営を支持されるたくさんの皆さんの声が届きまして、

 今回のゲームで各チームに1つずつ支給される事となりました!』

 

フェニックスの涙が使用できる報せに会場が沸いた

回復出来るのはありがたいが、逆にバアル側も一度だけ使える事にもなる、そして使うのは勿論……。

 

「……サイラオーグ・バアルを二度倒す覚悟を持たないといけないみたいだね」

 

祐斗が険しい面持ちで呟く

 

「向こうが涙を使うのはサイラオーグだな。後は如何に少ない損害でフェニックスの涙を使わせるかだ」

 

「こっちは誰に使うのかが問題だよな」

 

鋼弥の言葉に一誠も続き、緊急時の対処を考えていると再び実況から説明が入る

 

『このゲームには特殊ルールがございます!

 特殊ルールをご説明する前にまずはゲームの流れからご説明致します!

 ゲームはチーム全員がフィールドを駆け回るタイプの内容ではなく、試合方式で執り行われます!

 これは今回のゲームが短期決戦を念頭に置いたものであり、観客の皆さんが盛り上がるように設定されているからです!

 若手同士のゲームとは言え、その様式はまさにプロ仕様!

 そして、その試合を決める特殊ルール!両陣営の「王-キング-」の方は専用の設置台の方へお進みください』

 

実況に促されたリアスとサイラオーグがそれぞれの設置台前に移動し、台から何かが現れた

画面に映し出されたのは――――サイコロだった

 

『そこにダイスがございます!それが特殊ルールの要!

 そう、今回のルールはレーティングゲームのメジャーな競技の1つ!

 ――――――ダイス・フィギュアです!』

 

聞き慣れない単語に一誠は首を傾げ、祐斗が説明を始める

 

「本格的なレーティングゲームには幾つも特殊なルールがあるからね。

 僕達がやってきたのは比較的プレーンなルールのゲームだ。

 その他に今回みたいなダイスを使ったり、フィールド中に設置された数多くの旗を奪い合う――――"スクランブル・フラッグ"と言うルールもあるよ。

 ダイス・フィギュアはダイスを使った代表的なゲームなんだ」

 

ルール解説が更に続く

 

『ご存じではない方のために改めてダイス・フィギュアのルールをご説明致します!

 使用されるダイスは通常のダイス同様六面、1から6までの目が振られております!

 それを振る事によって、試合に出せる手持ちが決まるのです!

 人間界のチェスには駒の価値と言うものがございます!これは基準として「兵士」の価値を1とした上で盤上での活躍度合いを数値化したもの。

 冥界のレーティングゲーム、悪魔の駒でもその価値基準は一定の目安とされておりますね!

 勿論、眷属の方が潜在能力以上の力を発揮して価値基準を超越したり、

 駒自体にアジュカ・ベルゼブブ様の隠し要素が盛り込まれていたりして想定以上の部分も多々ありますが!

 しかし、今回のルールではその価値基準に準じたもので執り行います!

 まず、両チームの王がダイスを振り、出た目の合計で出せる選手の基準が決まります!

 例えば出た目の合計が「8」の場合!この数字に見合うだけの価値を持つ選手を試合に出す事が出来ます!

 複数出場も可能です!「騎士」なら価値は3なので、2人まで出せますね!

 駒消費1の「兵士」ならば場に8人も出せます!

 勿論、駒価値5の「戦車」一名と駒価値3の「騎士」一名も合計数字が8なので出す事が可能です!

 数字以内ならば違う駒同士でも組ませて出場が可能と言う事です!

 そして複数の駒を消費された眷属の方もその分だけの価値となりますので、グレモリーチームであれば「兵士」の駒を8つ使われたと言う赤龍帝の兵藤一誠選手が駒価値8となります』

 

「つまり、出た数字が最大の12ならその数だけ眷属を試合に出せるって事か」

 

「しかし、助っ人の鋼弥はどうするんだ?」

 

一誠がそう言うと、グレモリー側に赤いボタンが出現した。

 

『助っ人として活躍している涼刀鋼弥選手は赤いボタンを押してください。

 3回まで試合に出すことができます。

 出せる選手の数字にも変化があると思いますのでそれはその都度、お互いの手持ちと合致するまで振り直しとなります!

 「王-キング-」自身の参加は事前に審査委員会の皆様から出された評価によって、出場できる数字が決まります!

 無論、基本ルール通り「王-キング-」が負ければその場でゲーム終了でございます!』

 

「三回までか、出すところが重要になるな」

 

「それにしても、『王-キング-』の出場は審査委員会の評価で決めるって何だ?」

 

一誠が疑問を口にすると朱乃が補足説明をする

 

「説明の通りですわ。

 事前にゲームの審査委員会が部長とサイラオーグ・バアルが、ダイス・フィギュアでどのぐらいの駒価値があるか評価を出しているのです。

 それによって、両者が試合に出場できる数字が決まりますわ。

 これは『王-キング-』自身の実力、手持ちの眷属の評価、対戦相手との比較などから算出されるそうです。

 だから、ゲームによって『王-キング-』の数字は変動しますわ」

 

『それでは、審査委員会が決めた王-キング-」の駒価値はこれですッ!』

 

実況者の叫びが合図となり、巨大モニターに表示された2人の名前

その下の高速で数字が動き出し、表した。

 

『サイラオーグ・バアル選手が12!リアス・グレモリー選手が8と表示されました!

 おおっと、サイラオーグ選手の方が高評価ですが、

 逆に言いますとマックスの合計が出ない限りは出場できない事になります!』

 

「……内容で巻き返すだけだわ」

 

リアスの数字は朱乃より低く、一誠より高い

サイラオーグより低いものの、二桁代の数字が出れば誰か1人と組み合わせで出場できる

逆にサイラオーグは単独でしか出場できない。

 

「12が出たら確実にサイラオーグさんが来るのかな?」

 

「サイラオーグさんが必ずしも出るとは限らないかも。特に序盤はね」

 

「なんでだ?」

 

「それで勝利出来たとしても場合によっては評判が少し落ちる。

 ワンマンチームはあまり評価されないからね。

 ゲームでは眷属の力をフルに活用してこそ、評価されるもの。

 しかも『王-キング-』自身のワンマンゲーム進行だったら、冥界メディアも黙ってはいないだろう。

 『王-キング-』の将来自体が危ぶまれる事になる」

 

「ふむ、意外と細かい評価を見ているのか……」

 

世間からの評判も視野に入れなければ将来が暗転される

勝つ事だけじゃなく、見せ方も重要だと言う事だ

 

『それともう1つルールを。同じ選手を連続で出す事は出来ません。これは「王-キング-」も同様です!』

「最初の数字が12だとしても、サイラオーグ自身が序盤から出てくるなんて事は無いと思うわ。

 彼の性格上、きっと自分の眷属をきちんと組み合わせて見せてくる。

 そのために厳しいトレーニングを重ねたのでしょうから。でも、きっと彼自身も出てくる。

 合計数字次第だけれど、何処かのタイミングで仕掛けてくるでしょうね。

 バトルマニアなのは確かだと思うから。

 このルールだとアーシアを単独で出すのも、組んで出すのも悪手ね」

 

「唯一の回復役を集中的に狙ってくのは確実。

 アーシアはここに残った方がいいが……向うだって読まれるな」

 

「ええ、こちらは実質、戦闘要員が九名となるわ」

 

『さあ、そろそろ運命のゲームがスタートとなります!両陣営、準備はよろしいでしょうか?』

 

実況者が煽り、審判が手を大きく挙げた

 

『これより、

 サイラオーグ・バアルチームとリアス・グレモリーチームのレーティングゲームを開始致します!

 ゲームスタート!』

 

 

――――――――――

 

 

両、『王-キング-』が台の前に立ち、審判の掛け声を合図にダイスを振る

 

『リアス・グレモリー選手が出した目は2!対するサイラオーグ・バアル選手が出した目は1!

 合計3となりその数の価値分だけ眷属を送り出す事が出来ます!』

 

『作戦タイムは5分。その間に出場選手を選出してください。

 なお、「兵士-ポーン-」のプロモーションはフィールドに到着後、昇格可能となります。

 その都度、フィールドでプロモーションを行ってください』

 

審判がそう宣言し、作戦タイムが始まると同時に両陣地が結界に覆われた

作戦が外部に漏洩しないようにするためだろう

合計数字が3となった以上、出せるのは騎士の祐斗とゼノヴィア、僧侶のアーシアとギャスパー、そして、鋼弥。

アーシアとギャスパーはサポートタイプなので除外、鋼弥は3回までは試合に出す事はできる。

 

「ゼノヴィアはパワータイプだから、

 あちらの騎士は二名、僧侶は二名、兵士一名と単独で戦う場合。

 テクニック……ハメ技を貰うリスクが高いのよ」

 

「確かにゼノヴィアは後先考えずに力で押すな」

 

「それはどういう意味だ鋼弥!私が何も考えていないと思ってるのか!?」

 

「酷な事を言うが……お前の戦い方は単純に力で叩き伏せるという戦法だ。

 テクニックやスピードが得意な敵と戦うと負けてしまう、皆はどう思っている……?」

 

鋼弥がゼノヴィア以外の全員に目配せすると、皆はゆっくり目線を逸らした

どうやら他の皆もゼノヴィアは何も考えていないと思っていたようである

 

「……酷いぞ、鋼弥」

 

「すまない、お前の事を心配しているから」

 

少しだけ涙目になり拗ねるゼノヴィアを慰める鋼弥、祐斗が襟元を直しながら一歩前に出る

 

「読まれていても行かなきゃね。――――行くよ」

 

「なら、俺も祐斗ともに出よう。残り一回はサイラオーグ戦に出れば問題ない。いいなリアス?」

 

「……解ったわ、お願いね鋼弥」

 

リアスは赤いボタンを押して鋼弥を出す合図をした。

鋼弥と祐斗はいざ、バトルフィールドへ。

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