ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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遂にサイラオーグ戦!!


第十二話 若手最強決定戦.6-1 最終決戦の始まり

祐斗たちが決死の思いで削ったダメージを与えたのだ。

昔だったら、悲しみに暮れていたはず。

眷属を失った痛みで、泣いて、もがいていたはず。

 

―――残酷になれたのか、愛が薄れたか―――

 

両方とも違う。

仲間の為に必死で戦った姿を見てリアスの中で劇的に変化したのだ。

身体だけじゃなく、心まで。

 

『さぁ、ラストゲームも終盤!!ダイスをシュートしてください!!』

 

実況者に促され、台の前に立つ。

リアスが出した目は5、サイラオーグが出した目は4だ。

合計で9。こちらはイッセー、あるいはスイッチを押して鋼弥と一緒に出すか。

すると、一誠が前に出て、妙な迫力の笑みを浮かべていた。

 

「部長、アーシア、鋼弥、いってきます」

 

それだけ言うと、転送の魔法陣に足を進める。

ちらりっとだけ見えた、それは憤怒に歪んでいた。

 

◇◇◇◇

 

転移された場所は人気のないコロシアムの舞台上だ。

相対するはクイーシャ・アバドン、一誠の妙な落ち着きに怪訝な表情を浮かべる。

 

「妙な落ち着きを見せますね、女である私ならばもっと喜ぶかと思いましたが……」

 

「…………。いえ、嬉しいっすよ!美人は歓迎します!」

 

その様子を見ていたリアス、アーシア、鋼弥は理解していた

 

「リアスお姉さま、鋼弥さん、イッセーさんは……」

 

「きっと、耐えていたのよ」

 

「ああ、怒りの炎がたぎっている」

 

誰よりも仲間思いの一誠は騒ぐことはしなかった。

仲間がやられたら、悲しみ、怒るがそんな感情を見せなかった。

 

「……みんな、俺はもう……無理だわ……」

 

試合が開始しされ、クイーシャは一誠の行動を待っていた。

カウントが済み、一誠は一言だけ漏らした。

 

「手加減はできません。

 死にたくなければ防御に全てをつぎ込んでください

 そうすれば、リタイアだけで済むと思いますから」

 

「……いいでしょう。私も全力で貴方に臨みます。赤龍帝だろうと我が主のため私は――――」

 

「忠告はしました」

 

一誠の体が赤い閃光に包まれて、"龍星の騎士"となった。

鎧をパージし、神速で飛び出し―――、眼前に辿り着いていた。

更に"龍剛の戦車"になり、

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

絶叫を張り上げて、肘の撃鉄を打ち鳴らしオーラを噴きながらクイーシャに容赦なくふりかかったが――――。

瞬間、クイーシャの体が光に包まれてフィールドから消えていった。

空を切った、絶大な一撃はコロシアムを跡形もなく破壊した。

そう、相手側は強制リタイアさせたのだ、"穴"を使う余裕すらもなく。

モニターの映像にサイラオーグが映りだす、表情は苦渋に塗れていた。

 

「俺が強制的にクイーシャをリタイアさせた。

 あのままでは、赤龍帝に殺されるところだったからな。

 いや、殺すつもりだったのだろう?」

 

「すみません。貴方達の敵意が止まらないもので。

 今のは後輩たちの分ってことで、許してください」

 

「……なんて目を向けてくれる、殺意に満ち溢れているではないか……!

 赤龍帝と銀流星と拳を交える瞬間を俺は夢にまで見た。

 委員会に問いたい。ルールで戦わせなくするのはあまりにも愚だ。

 俺は次の試合、こちらとあちらの全部で団体戦を希望する!!」

 

サイラオーグの提案にディハウザーがふむっ、と頷く。

数分の時間、実況席から一報がもたらされる。

 

『委員会から、報告を受けました!!団体戦を認めるそうです!!

 次の試合は……事実上の決定戦となる団体戦です!!

 両陣営の残りメンバーの総力戦となります!!』

 

会場が沸きだした。

次が決対戦となるから当然の反応だ。

いよいよ、最後の戦いとなる。

 

◇◇◇◇

 

サイラオーグ側は王のサイラオーグと仮面をつけた兵士。

リアス側は王のリアス、兵士の一誠、鋼弥。

アーシアは陣地に置いてきた、回復役は真っ先に狙われるため、危険だからだ。

どのみち、リアスかサイラオーグのどちらかが負ければ終わりだ。

 

『若手決定戦、最終試合!!開始してください!!』

 

最後の試合が開始される。

一誠と相手の兵士は"女王"にプロモーションされる。

 

「リアス。お前の眷属は素晴らしい。

 妬ましくなるほど、お前を想っている。

 それ故に……強敵ばかりだ」

 

サイラオーグは真っ直ぐに言い、次に一誠と鋼弥を見る

 

「遂にここまで来たか」

 

修学旅行前のやりあって以来だ。

あの時は、歯が立たなく敵わなかったが、あの時よりも強くなっている

 

「恨みもありません、妬みもありません。これはゲームですから」

 

「だが、仲間の仇はとる。ここまで頑張ってきた仲間たちのためにも……必ず勝つ」

 

一誠と鋼弥の言葉にサイラオーグは心底打ち震えている様子だ

 

「お前たちは少なくとも仲間の敗北に耐えられる男ではない。

 よくぞ、ここまで耐えた。

 それでこそ、決着と思える戦いの始まりに相応しい!!」

 

一誠は鎧を身に纏い、背中のブーストを噴かせて真正面からサイラオーグに向かう。

対してサイラオーグは全身に闘気を纏わせて、地面を蹴って飛び込む。

一誠とサイラオーグの拳が交錯し―――クロスカウンターの要領で互いの顔面に拳が直撃した。

重く鋭い一撃はサイラオーグを口元をぬぐう

 

「次は俺だ」

 

鋼弥は高速でサイラオーグに近づき、腹部に掌打を連続で撃ちこむ。

 

「なるほど……中々、鋭い一撃だ。

 余裕がない分、的確に確実に中心点を狙ってくるな!!」

 

一方、リアスと対峙している兵士が仮面を静かにとる。

少年の顔だが、体中から快音を起こし、身体が盛り上がっていく。

全身に金色の毛が生えて、腕や脚が太く、たくましくなっている。

口が裂けて、鋭い牙を覗かせ、尻尾が生えて、首の周りにも金色の毛が揃えていく。

 

――ガゴォォォォォォォォォォォォォォォン!!

 

兵士が巨大なライオンだ。

額には宝玉みたいなものがうり、たてがみを雄大になびかせて、リアスの前に立つ。

アザゼルはライオンを見て驚愕する

 

『あれは……ネメアの獅子か!?いや、あの宝玉はもしかしたら……。

 ギリシャ神話に登場するヘラクレスの十二の試練が一つだが、聖書の神があの獅子の一匹に神器として封じ込めた。

 それは13ある"神滅具"として数えられて、極めれば大地を割るほどの威力を持ち、獅子の姿を取る―――"師子王の戦斧"

 しかし、所有者がここ数年行方不明になっていたが、バアル眷属の"兵士"になっていたとは……』

 

「俺が"師子王の戦斧"の本来の所有者を見つけた時は、

 既に怪しげな連中に殺された後でな

 神器となる斧が無事だったのは、意志を持ったかのように獅子に化けて、

 所有者を殺した集団を根こそぎ全滅させていた。

 俺が眷属にしたのはその時だ、獅子を司る母の血筋が読んだ縁だと思ってな」

 

単独で動き神器、まして神滅具クラス。

それを悪魔に転生できるのは、獅子の潜在能力か悪魔の駒の性能か……。

 

「所有者無しの状態のせいか、力がとても不安定でな。

 敵味方見境無しの暴走状態になって、勝負どころではなくなるから単独で出せるものではなかった

 今回、俺と組めるこのような最終試合だけだ、いざというとき、こいつを止められるのは俺だけだからな」

 

「だから、その"兵士"はサイラオーグと一緒でなければ出さなかったという訳か……」

 

「どちらにしても、私の相手はその神滅具の獅子ってことね」

 

リアスが獅子に構え、滅びの魔力を練りだし撃ちこむ。

一誠と鋼弥は再び、サイラオーグと対峙しと撃ちこむが倒れる様子はない……。

二人はサイラオーグにある異変に気が付いた

 

「鋼弥、サイラオーグさんの右パンチ、威力が低いような気がするが……」

 

「確かに、なぜだ……?」

 

右腕の方は――――前の試合だ。

祐斗とゼノヴィアの斬撃で斬りおとされたが、回復仕切れなかったという事だ

 

――――最高の状態であなたを赤龍帝と銀流星に送り届ける!!

 

あの時の試合は決して無駄ではなかった。

祐斗の思いを受け止めた二人は、サイラオーグを見据えて――――。

 

「龍剛の戦車!!」

 

トリアイナが一つを使い、アッパーを放ち撃鉄を撃ちこみ威力を上げる。

爆発音を響かせて、サイラオーグが宙高く投げ出されていく。

鋼弥はそれに合わせて跳躍し、両手から気を生み出し合わせる

 

「真覇螺旋崩!!」

 

螺旋に渦巻く気を至近距離に叩きこんで、サイラオーグを吹き飛ばす。

一誠はトリアイナ版の"僧侶"になり、背中のバックパック、両肩のキャノンが形成される。

 

「ドラゴンブラスタァァァァァァァァァァ!!」

 

絶大なオーラの砲撃を放ち、サイラオーグが飲みこまれていった。

だが、サイラオーグは翼を展開させて咄嗟に体勢を立て直し、左の砲撃はかわされていた。

 

「……強い。これほどのものか!!」

 

確実に効いているようだ、次はどんな手で攻めようとしたが……

 

「キャッ!!」

 

リアスの悲鳴が聞こえ、振り向く。

なんと、膝をつき血染めとなっていた!!

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