ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
獅子はリアスの前に立ちふさがる。
いつでも、止めを刺せる態勢だ。
『リアス・グレモリーはこのままいけば、失血でリタイアとなるだろう』
なんと、獅子が喋った。
どうやら、対話もできるようだ。
『助けたければ……フェニックスの涙を使用するしかない』
「わざとだな……。
あの獅子はいつでもリアスを倒せる強さを持っている。
それをしないのは、こちら側に涙を使わせることか」
おそらく対決を見守る一方で憂いを絶とうとしているのだろう
「"余計な事を"と言えば、俺の"王"としての資質に疑問が生まれるな。
いいだろう、それは認める。
だが……この二人の対決はやらせてもらうぞ、レグルス」
『わかっております。申し訳ございません、主を想ってこその行動でございます』
一誠と鋼弥は警戒しつつリアスと合流し、涙を取り出す。
「……情けないわ。私が枷になるなんて……」
リアスは悔しそうにしていた。
獅子に抵抗できなかった自分自身が心底許せないだろう。
だが、ゲームのルールを考えればリアスがリタイアしたら敗北となる。
一誠は涙をリアスに振りかけると、リアスの怪我が消失する。
『サイラオーグさま!!私を身に纏ってください!!
あの禁手ならば、あなたはあの御二人をはるかに超越する!!
勝てる試合をみすみす本気をも出さずに――――』
レグルスの言葉にサイラオーグの怒号が飛んだ
「黙れッ!!
あの力は冥界の危機に関してと時のみに使うと決めたものだ!!
この二人の前であれを使って何になる!?
俺はこの体のみでこの二人と戦うのだ!!」
まだ、強くなるという訳か……。
その言葉を聞いた二人は互いに顔を見合わせて、頷く。
考える事は一緒という事だ
「サイラオーグさん、獅子の力を使ってください」
その言葉に驚く、リアスとサイラオーグ。
皆が作ったチャンスを捨てようとしている。
だが、それでも……!!
「それを使った最高の状態であるサイラオーグさんを倒して、勝利を掴む。
互いの夢のために戦っているんだ!!本気の貴方を倒さないで何になるんだよ!!」
続けて鋼弥が言う
「一誠のトリアイナ、俺の業魔化身の使用を許可してくれた。
ならば、その神滅具を使って、本気の貴方と勝負をしたい!!」
二人の言葉にサイラオーグは両目を瞑り笑みを浮かべた
「……すまなかった。
心のどこかで、ゲームなのだと、二度めがあるのだと、
そんな甘い考えを頭に思描いていたようだ。
なんて、愚かな考えだろうか……!!」
カッと目を開き、強く言う
「このような戦いを終生一度、
あるかないかと想像すらできなかった自分があまりにも腹立しい!
レグルスゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」
『ハッ!!』
レグルスの全身が黄金に輝き、光の奔流と化しサイラオーグに向かう
「俺は今日この場を死戦と断定する!!殺しても恨むなよ、兵藤一誠!!涼刀鋼弥!!」
黄金の光を全身に纏ったサイラオーグは高らかに叫んだ。
「我が獅子よ!!ネメアの王よ!!師子王と呼ばれた汝よ!!我が猛りに応じて、衣と化せ!!」
フィールド全体が震えだす。
本気を出すと異空間であるフィールドが耐えられなくなってきたのか
サイラオーグが眩い閃光に包まれていく
『「
閃光が止んだとき、金色の姿をした獅子の全身鎧だ。
頭部の兜にはライオンのたてがみと思わせる金毛がなびく。
「"師子王の戦斧"の禁手化―――"師子王の剛皮"。
兵藤一誠、涼刀鋼弥。俺に本気を出させてくれたことに関して心から礼を言おう。
だからこそ、お前に一撃をくれてやる。
――――あの強力な"戦車"で攻めてみろ」
一歩一歩近づくにつれて、圧倒的な存在感がある。
『直接攻撃重視の使い手に取って究極に近い形だからだろう。
力の権化である鎧を身に纏い、直接殴る。
だから、どうしても果てがあの様な形になるのだろう』
ドライグが一誠にそういう。
「さあ……一発撃ってみろ」
一誠はトリアイナ版"戦車"になり、鎧が分厚くなり両腕が太くなる。
巨大な拳を振り上げ、撃鉄を打ち鳴らしインパクトの威力を上げて―――。
ガンッ!!
「止めた……!?いや、まだだ!!」
もう一度、撃鉄を撃ち威力を上げて、叩き付けたが――――。
ガゴォォォォンッ!!
一誠の巨大な拳はサイラオーグの掌底にやられて無残に破壊された。
ガギャァァァァァァァァァァァァンッ!!
サイラオーグの拳が一誠の分厚い装甲を破壊し、内部の肉体にまで届き、破壊した。
口から大量の地を吐き出し、一誠は倒れた。
「一誠!!」
サイラオーグは鋼弥の方へと向く。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
鋼弥は連続で拳を叩きこむが、サイラオーグは効いていない。
「はああああああっ!!」
鋼弥の右拳に闘気が宿り、駆け出す。
「真覇衝閃撃!!」
必殺の拳を放つが、サイラオーグはダメージを負わなかった。
「ぐ……あ……!!」
貫けなく右の拳に鮮血が流れた。
あまりにも鎧が固すぎるのだ。
「これで、終わりか」
サイラオーグの前蹴りが鋼弥の腹部に突き刺さり、蹴り飛ばされてた。
口から血を吐き、鋼弥は立ち上がろうとするが、前のめりに倒れた。
―――――ドクン
「フゥ………フゥ…………グゥゥゥゥゥゥ……】
鋼弥の体に異変が起き、髪が伸び銀髪が黒へと染まり、紅の双眸となる。
【グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!】
あの時―――サルワと戦った時の怒りに身を任せた暴走オーバードライブだ。
凄まじき覇気が溢れ、試合会場に罅が入る。
【ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!】
天に向けて吼え、大気がビリビリと振動する。
前の時よりも、遥かに力が増している。
「これほどの力とは……!!」
サイラオーグは暴走した鋼弥に押されそうになった。
しかし……鋼弥は両膝を地に突き頭を押さえた。
まるで暴走を抑え込むかのように。
「あのまま抑え込んでも、身体がバラバラに吹き飛んでしまいます!!」
「ミランダ!!サーゼクス殿に行き、試合の停止を!!我々はあの場所へと飛ぶ!!」
シンディとレイハは試合場所へと向かおうとするが――――。
「待って!!何か、来るぞ……!!」
試合の景色を見ると、空間がガラスの様に割れ黒い球体が現れる。
球体が半分に割れるとトコヤミノスメラギだった。
「まさか……!!」
驚愕するリアス。
彼女の姿を解かれると――――――涼刀嶺爾が現れた。