ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第十三話 =男の意地=

教会へ侵入した一誠たち。

フリードは木場が退け、子猫ちゃんが、悪魔祓いたちを全て捻じ伏せた。

そして、俺は・・・夕麻ちゃん。いや、堕天使レイナーレと対峙していた。

 

「・・・あら、誰かと思ったら初心でバカな坊やじゃない」

 

「初めての彼女だったんだ。大切にしようって、デートプランもがんばって考えて・・・」

 

「えぇ、とても王道的なデートだったわ。おかげで死ぬほどつまらなかったけどね」

 

「・・・夕麻ちゃん」

 

「ふふ、いい名前でしょ。貴方を夕暮れに殺そうと思ったからその名前にしたの、なかなかステキでしょ。

 なのに死にもせず悪魔になんかなって、あまつさえ銀色のガキと一緒に私からその子をうばうなんてねぇ」

 

堕天使が俺とアーシアの方を冷ややかな目で見てくる。

 

「アーシアから神器≪聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)≫を取り出して私は至高の存在になるはずだったのに。

 いえ、これからなるのだけれどね・・・。」

 

そう言って妖艶な笑みを浮かべ、こちらを見てくる

 

「まあ良いわ、もう直ぐ外にいる他の堕天使達も来るわ。アーシアをこちらに渡すのなら、見逃してあげてもいいわよ?」

 

「誰がそんな事をするか・・・レイナァァァレェェェッ!!!!」

 

「腐ったガキがその名前を気安く呼ぶんじゃないわよ!!穢れるじゃない!!」

 

一誠が堕天使レイナーレに突っ込む。

レイナーレは光の槍を生み出し投擲するが、ギリギリで避ける一誠。

だが、次の光りの槍が放たれ、一誠の脚に刺さる。

 

「ぐあああああっ!!」

 

「イッセーさん!!」

 

アーシアは一誠を助けに入ろうとするが、肩を掴まれた。

振り向くと鋼弥だった。そこにリアス、朱乃の姿もあった。

 

「これは・・・一誠の、男の意地の戦いだ。手を出してはいかん。」

 

「でも!!このままじゃイッセーさんが!!」

 

「奴の目を見ろ、心は折れていない・・・。」

 

皆が一誠を見ると鋭い眼光がレイナーレを捉えていた。

 

「・・・解った。けど、本当にピンチになったら助けに入るよ。」

 

肯定の頷きをする鋼弥。

レイナーレは、こちらに気が付いたのかクスクスと笑う。

 

「貴方がアーシアを連れ去った悪魔ね。

 もう少し待ってて頂戴ね?もうすぐこの死に損ないを消して、次はお前の相手をしてやるわ!!

 そして、そこの小娘の神器≪聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)≫を頂くわ!!」

 

なるほど、それがアーシアの神器という訳か。

あの温かい力は確かに癒される。

けど、それは・・・お前の様な堕天使が持つようなものじゃない。

 

「レイナーレ、俺を八つ裂きにするのは構わん。それは、一誠に勝てたらの話だがな・・・」

 

「何を言うのかと思ったらそんな事?あいつなら・・・」

 

「うおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

レイナーレの言葉を一誠の咆吼が遮り、ゆっくりと立ち上がった。

その拍子に足の傷口から血が吹き出るが一誠はその痛みに耐えていた。

 

「なっ!?た、立てる筈が無いのに!?」

 

「こういう時は・・・神様に頼むのかな・・・」

 

「?」

 

「いや、神様はダメだ。悪魔、魔王様だな。ちょっと俺の願いごと聞いてくれないか?」

 

「何を言い出しているのかしら?ついに壊れたかしら?」

 

「お願いしますっ! ほかには何もいりません!」

 

痛みを堪えて、レイナーレをギリッと睨み叫ぶ

 

「一発、一発だけでいいです!こいつを殴らせてください!」

 

≪Dragon booster(ドラゴン・ブースター)!!≫

 

神器(セイグリット・ギア)から再び音声が聞こえ、今までなかった紋章が浮かび上がった。

篭手を着けている左腕を天にかざすと緑色の魔力が一気に溢れ始め篭手に龍の牙のが生え、形が変わった。

 

≪Explosion(エクスプロージョン)!!!!≫

 

籠手に埋まっている宝玉が眩しいくらいに輝いて、一誠を覆った。

あり得ないくらい力が湧いてきていた。

 

「そ、そんな・・・どうして・・・。それは≪龍の手(トゥワイス・クリティカル)≫でしょう?

 なんで・・・あり得ないわ。どうして、私の力を超えているの・・・!?」

 

キッとレイナーレを睨み、駆け出す

 

「嘘よ!嘘よ!」

 

光の槍を投げてくるが、それを殴り、光の槍が消し飛んだ。

 

「い、いやぁぁ!」

 

恐怖したのか背を向けて逃げ出そうとするレイナーレの腕を即座に掴んだ。

 

「は、離して、わ、私は至高の・・・!!」

 

「吹っ飛べ!クソ天使ッ!」

 

一誠の怒り鉄拳はレイナーレの左頬を捉えて、吹き飛ばされ壁をぶち破った。

 

「ははっ、ざまーみろ。」

 

俺は倒れこんでしまいそうになったが木場が俺の肩を持って支えてくれた。

 

「お疲れ。堕天使を倒しちゃうなんてね。」

 

「遅せぇよ、色男・・・。」

 

へへっと笑う一誠。

 

「よく頑張ったわ、イッセー。堕天使を一人で倒すなんて流石は私の兵士(ポーン)ね。」

 

「あの部長、朱乃さん。他の堕天使は・・・?」

 

「それなら鋼弥さんが全部一人で倒してくれましたわ。」

 

「私達は突然出現した悪魔を相手にしてたけどね。」

 

「・・・部長、連れてきました。」

 

子猫は気絶したレイナーレをズルズルと引き摺り、リアス達の前に持ってく。

朱乃が水を呼び寄せて、レイナーレを起こす

 

「初めまして、堕天使レイナーレ。私はリアス・グレモリー。グレモリー家、次期当主よ。」

 

「無駄な事を、直ぐに増援が・・・」

 

「残念だけど、来ないわよ。ドーナシーク、カラワーナ、ミッテルトは鋼弥が全部倒したのよ」

 

「そ、そんな嘘よ!?あの三人がやられるなんて!?」

 

リアスが次に言おうとしたが、鋼弥が口を開いた。

 

「本当だよ。カラワーナとミッテルトはヘルハウンドが喰らい、ドーナシークは灰へと還った。」

 

「そ、そんな・・・。」

 

「ヘルハウンドになってても、あの堕天使の血と肉と臓物は美味しかったけどね」

 

一誠たちは鋼弥の顔は見えなかったが、レイナーレは鋼弥の顔を見て恐怖した。

それは・・・恐ろしいほどの笑みだった。明らかに他の悪魔とは違う異質な存在だと感じた

だが、リアスは続けて説明した。

 

「堕天使レイナーレ、兵藤一誠の神器はただの龍の手ではないわ。『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』という神器よ。」

 

「『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』!?神滅具(ロンギヌス)と呼ばれし神器がこんな者に・・・!?」

 

「そうよ、言い伝え通りなら持ち主の力を十秒ごとに倍にしていき、極めれば神を屠れる神器よ」

 

なるほど、自動的に能力が倍加すると言う神器か。

長期戦に持ち込めば一誠にとっては有利になると言う訳だ。

神器を確認しなかったのはレイナーレの最大の誤算ということだ。

 

「さて、貴女には消えてもらうとするわ・・・」

 

リアスは恐ろしいほどの殺意と魔力が溢れていた。

レイナーレは一誠を見て助けを求めた。

 

「・・・助けて!!一誠君!!こ、この悪魔が私を殺そうとするの!!お、お願い助けて!!」

 

「・・・おまえ、どこまで・・・部長、お願い・・・します。」

 

死刑宣告を受けてレイナーレは絶望に染まった顔になった。

 

「・・・解ったわ。」

 

リアスの手には魔力が集まる、死を覚悟してレイナーレは目を瞑る。

 

・・・・・・・?

 

いつまで、経っても死は訪れなかった。

恐る恐る目を開けると、そこには・・・

 

「なんのつもりなの、鋼弥・・・?」

 

レイナーレの前に鋼弥が立ち塞がっていた、これにはリアス達も驚きを隠せなかった。

 

「・・・このレイナーレを助けようと思ってな。」

 

この場に皆が、我が耳を疑った。

一誠を一度は殺し、今度はアーシアにも手に掛けようとしたコイツを助けると言ったのだ。

リアスは当然、そんな事は許せなかった。

 

「理由を聞かせてもらいましょうか?返答しだいでは許さないわよ。」

 

「"弱きものを助ける"、俺の信条だ。

 確かにレイナーレが行った事は許されない事だろう。

 だが・・・命で償わせるのも可哀相だからね」

 

「私も・・・私も鋼弥さんの意見と同意です。

 レイナーレさんが私の神器を狙って命を奪おうとする行為は許されません。

 けど、彼女にもう一度、真っ当な生き方をすればいいのではないかと思います。」

 

アーシアも鋼弥の言葉に便乗する。

リアスはため息をついて、仕方ないわねという顔をして・・・

 

「・・・解ったわよ、鋼弥の好きにしなさい」

 

「ありがとう。というわけだ、堕天使レイナーレ。お前を引き取るがいいか?」

 

レイナーレの方を向いて、告げる。レイナーレは観念したのか、目を瞑って・・・

 

「・・・好きにしなさい」

 

教会の戦いはこうして幕を閉じた。

そして、夜が終わり新しい日が昇り始めた・・・。

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