ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
兵藤家に集まるように指示された鋼弥たち。
なんでも、ヴァーリチームとある人物が来るという事だ。
ドアを開けると、そこにいたのは―――――。
「あれは……!!」
ゴスロリ衣装を着た少女が座っていた。
それは、禍の団のボスであり、グレードレッドを倒そうとしている龍神。
「オーフィス……!!」
全員が戦闘態勢に入るが、アザゼルが止めに入る。
「待って!!誰が来ても殺意は抱くなって!!
攻撃は無しだ!!こいつも攻撃を仕掛けてこない!!
やったとしても俺たちが束になっても勝てねぇよ!!」
「そのドラゴンは各勢力に攻撃を加えるテロリストの集団の親玉!
世界にも多大な損害を出しているいわば仇敵なのよ!?どうして、この怨敵を招き入れるの!?
同盟にとって重要な場所となっているこの町の、この家に!どうして、そこまでして!!」
「アザゼル、まさかだと思うが……。
サーゼクス殿、ミカエル殿、ルシファー陛下に知らせずに、
オーフィスの事を黙ってここに呼び寄せたのではないだろうな……?」
鋼弥の言葉を聞いて、皆は気づく。
サーゼクス、ミカエル、魔界勢力を黙ってまで、オーフィスを兵藤家に実行したという事になる。
リアスが更に激昂していた。
「協定違反だわ、アザゼル!
魔王さまや天使長ミカエル、魔界勢力に糾弾されても文句は言えないほどの!
誰よりも各勢力の協力を訴えていた貴方が……」
そこまで口にしたリアスは途端に語気を鎮めていった。
「協力体制を誰よりも説いていた貴方ですものね。
オーフィスを招きいれたのは何かしら理由があるのよね?」
確かに最初の時は胡散臭かったが、一番早く戦争から手を引いたのはアザゼルだ。
窮地を何度も突破できたのも、ここまで成長できたのも知識と協力があったからこそだ。
「……すまんな、リアス、皆。
俺がここに招き入れるためにいろんなものを現在進行で騙している。
だが、こいつの願いはもしかしたら"禍の団"の存在自体を揺るがすものになるかもしれない。
……無駄な血を流さないために、それが必要だと判断した。
改めて、おまえたちに謝り願う。頼む、こいつの話だけでも聞いてやってくれないか?」
アザゼルは頭を下げた。
プライドの高いこのヒトが頭を下げる事は大きな意味がある。
「俺は先生を信じます。俺がここにいるのは先生のおかげですから」
一誠はそう言い、籠手を消した。
眷属の皆も顔を合わせつつ、武器をしまった。
カナンは腕を組んで警戒している。
「それで、オーフィスの他にヴァーリチームから誰が?」
「それは―――」
アザゼルが言い終わろうとした時、小さい魔法陣が出現する。
京都で一時的に共闘したルフェイと灰色の大型犬だ。
鋼弥が大型犬を見て驚く
「あの時のフェンリルか?」
ヴァーリと共に別の場所へと飛ばされてその後は解らなかったがフェンリルを軍門に下せたようだ。
「ごきげんよう、皆さん。ルフェイ・ペンドラゴンです。京都ではお世話になりました」
ルフェイは物腰柔らかく挨拶する、フェンリルは敵意も無いようだ。
もう一つの魔法陣が出現し、現れたのは黒歌だ
「おひさ~銀流星ちん。ふふふ、益々、男らしくなっているにゃ~」
黒歌は抱き着いて、すりすりとする。
鋼弥はやれやれという顔をして頭を撫でる
「さて、このセッティングをするため、俺は他勢力を騙し騙してんだからな。
これがバレて悪い方向に進んだら、俺の首が本当の意味で飛ぶからよ」
とにもかくにも、オーフィスとの対話が始まる。
しかし、相手はじっと一誠を見ているだけだ。
「ドライグ、天龍をやめる?」
「あの、言っている意味が……」
「我は不思議。宿主の人間、違う成長をしている。ヴァーリも同じ、とても不思議」
一誠とヴァーリが違う成長をしている?
鋼弥は以前、アザゼルやオーディンが今までの二天龍を思い出す。
"赤と白の龍は出会っては戦い、覇龍を使い、島という島を破壊した"
(つまり、オーフィスはそれまでの戦いを見ていた。
だが……今度の宿主である一誠とヴァーリは違う成長していて、共闘していた時があった)
だから、オーフィスは不思議に思っているんだろう。
今度はドライグとオーフィスが会話している。
オーフィスは"無限"、グレードレッドは"夢幻"として"覇"の力を呪文に混ぜた。
つまり、覇龍の誕生がこれになるというわけだ。
サイラオーグとの闘い、一誠が神器の深層意識の中で歴代の所有者たちを説き伏せて新たな可能性――"紅の鎧"へと昇華した。
オーフィスは鋼弥を見る
「涼刀鋼弥、一度は黒い修羅の姿になった。今度は力を制御して銀の修羅となった。
我、とても不思議。修羅となったモノは全てを破壊し戦うだけの存在となる。
一体何者になろうとしている?」
「オーフィス、俺と一誠は何者にもならない。友達を、家族を、愛する人を守る者となる。……それだけだ」
鋼弥がそういうと一誠も同じように頷く。
オーフィスは表情は変わってないが何か納得しているようだ。
結局、オーフィスは兵藤家にしばらく居座ることに……。
◆◆◆◆
【なに?オーフィスが?】
【姿が見えなくなったんだと。英雄派の連中も何をしているんだかさ】
【オーフィスの"無限の蛇"は力を増強させるから貴重なのに、フラフラと出て行くなよ】
【あいつの目的はグレードレッドを倒して、静寂な世界に戻りたい。……バカげているな】
【疑うということを知らないからね。まぁ……こっちはこっちで楽だけどさ】
そんな会話をしているなか、王座に座っている悪魔は立ち上がる。
【英雄派の者たちを監視しろ。
オーフィスを追っていれば銀牙もいる。その時は、我が直接出向こう。
封印から解かれた体を慣らさなければな】
深き闇黒の世界で、悪の神は嗤う。
◆◆◆◆
=涼刀事務所=
オーフィスが兵藤家に居候してから数日が立ち、一誠ばかりを観察していただけだった。
アーシアとイリナはオーフィスと紅茶を飲んだり、トランプをしたりとしていた。
そもそも、アーシアはヴァーリと普通に話をしていた。
天真爛漫にどんな相手とも話ができる二人だからこそだ、親善大使という役職が似合うかもしれない。
別件依頼を終わらせて、部屋に戻ろうとした時―――部屋のドアが開いて言い争う声が聞こえる。
あの声から察して―――。
「一目で白音が発情期に入ったってわかったにゃん。
あの男の遺伝子が欲しくてたまらないのかにゃ?」
「……姉さまには関係ない事です。出てってください」
黒歌と小猫の二人だ。
同族、まして血の繋がった姉妹だから小猫の異常は直ぐにわかっているようだ。
流石に何かやらかす前に、止めに入るとしよう。
「黒歌、小猫に何をしようとした?」
「心外にゃ。
私は白音を見て発情期に入っちゃっているってわかったから、様子を見に来ただけよ。
姉として当然でしょ♪」
黒歌はそういうが、小猫は険しい表情をする。
「嘘だな。興味が湧いたから観察しに来たのだろ?」
「んふふふっ。この状態はとても敏感にゃ。こうするとね―――」
黒歌は小猫の腕を引っ張り、鋼弥の方に突き出し、胸に飛び込む小猫。
途端に、切ない表情をして目元を潤ませる。
「にゃぁぁぁ……先輩……」
官能的な声をあげて、小猫の尻尾が鋼弥の腕に巻き付いてくる。
「どんなに我慢しても好きな男の肌に触れてしまえば、途端に子作りはたくなってしまうのよ。
銀流星、白音はあんたの子供が欲しくてたまらない状況になっているのにゃ」
「先輩、私の体じゃ、ダメですか……?エッチできませんか……?
私は十分に先輩を受け入れられます……。
いろんなところがちっこいですが、女の子の体です。
だから……先輩の赤ちゃんが欲しいです……」
鋼弥は後退りしようとしたが、よろけてしまい尻餅をつく。
小猫と同じ目線となり、小猫は覆いかぶさるように抱き着いてきた。
「……鳥娘には負けたくない。先輩をとられたくないです……。
マネージャができなくても、先輩の欲求を満たすことはできると思います……」
何気ない素振りを見せていたが、レイヴェルの事を気にしていた。
どうすれば役に立てるのかと考えていたのかも、だけど……。
「小猫、身体で役に立てようというのは間違っている。小猫にしかない良い点がある」
小猫の両肩を優しく置いて、向き合う。
「ふーん……。耐えるのね。けど、目の前でいただくというのも有りね」
黒歌は近づき、鋼弥の首筋を舐める。
ネコ特有のザラザラ感とぬめっとした温かい感触だった。
「二回目だけど、やはり美味しい味にゃん。
白音、お姉ちゃんが猫又流の交尾を教えてあげるわ。
まずは銀流星の味を覚えるの」
今の小猫は理性が失いつつあり、曖昧な瞳を浮かべたまま行動をする。
小猫が小さな舌で首筋を舐めつつ、甘噛みをする。
「………ぅぁッ!!」
鋼弥は身体がビリっと電気が流れてたかのような形容しがたい快感が襲ってくる。
黒歌は小猫の首筋を軽く突いた。
すると、ビクンッと跳ねて力が抜け落ちたかのように倒れ込んだ。
「とりあえず、ここで止めておいた方がいいわよ?
他の女に感化されて発情期が来てしまったようだけれど……そんな体で子を宿せば死ぬにゃん。
どうしても欲しいのなら、私みたいにコントロールできるようになりなさい」
「小猫に何をしたんだ?」
「心配しなくてもいいにゃん。いつもの白音に戻っているわよ。
貴重なネコショウ、大事にしないと種族的に危機にゃん」
黒歌はそう言って、去っていた。
小猫がゆっくりと目を開けて、体を起こす。
鋼弥はもしや、と思い頬に手を触れた。
「小猫、身体は何ともないか?」
「……はい、普通に戻っています」
おそらく黒歌は術か気で発情期を止めたんだと思う。
真意は解らないが……、元に戻ってよかった。
小猫は申し訳なさそうな顔をして、謝る。
「ごめんなさい、先輩。私が無理に発情して……」
「気にするな。小猫の気持ちを分かってあげられなかった俺にも落ち度があった」
鋼弥は小猫の頭を優しく撫でる。
小猫は気持ちいいのか、鋼弥に体を預けて目を閉じる。