ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第六話 姉と妹

「駐車場に死神が出現していました。相当な数です」

 

「ハーデスの野郎、本格的に動き出したって訳か!」

 

外の様子を見に行っていた祐斗が戻ってきた

曹操との戦闘後、皆はこの疑似空間のホテル上階を陣地に取っており、別室で怪我人の治療を行っている

60階まであるホテルの真ん中――――30階まで移動し、そこをルフェイの強靭な結界で幾重にも覆って陣地としている

傷を負った鋼弥、一誠、ゼノヴィア、アザゼルは完治済み、黒歌も治療を終えたが大事を取って別室で休んでいる。

一方、サマエルの呪いを受けたヴァーリは怪我は治っても呪いが解けず、別室で激痛に耐えていた。

ルフェイの解呪の術、アマテラスの常世の祈りを施してもサマエルの呪いはあまりに強力。

最善の処置をしたが自然に呪いが解けるのを待つしかないらしく、その間は呪いの苦痛に苛まれる。

 

「ヴァーリですら、あそこまで苦しむなんてな……」

 

「こうなると、ドラゴネルとコウリュウは出すことはできん」

 

アーシアは連続での治療から疲労が溜まり、隣の部屋で仮眠を取っている

ここから脱出の作戦を立てなければならない

この空間は言うまでもなく、『絶霧』の使い手ゲオルクが作り出した空間

最悪な事に『絶霧』の禁手――――『霧の中の理想郷(ディメンション・クリエイト)』は霧を用いて固有の結界を創る事が出来る

ホテルは勿論、駐車場や周囲の風景も疑似空間に創られており、見た目は本物宛らだが機械類などは使用出来ない

休憩中または看病しているメンバー以外の者が集結しているこの部屋でルフェイが嘆息した

 

「本部から正式に通達が来たようです。砕いて説明しますと

 "ヴァーリチームはクーデターを企て、オーフィスを騙して組織を自分の物にしようとした。オーフィスは英雄派が無事救助。残ったヴァーリチームは見つけ次第始末せよ"

 だそうです」

 

ルフェイの報告に驚く面々。

どうやらサマエルで奪った力の方が既に"本物"とされており、

こっち側にいるオーフィスは"偽物"と格付け、ヴァーリチームも一方的に裏切り者扱いにされていた

 

「そういう事になったのか。

 英雄派に狙われていた上に、オーフィスの願いを叶えようとしたヴァーリチームの末路がこれか。

 ……難儀だな」

 

アザゼルも嘆息、英雄派のやる事は相変わらず非道の一言に尽きるルフェイはガックリと項垂れた

 

「私達はグレートレッドさんを始め、世界の謎とされるものを調べたり、伝説の強者を探し回ったり、時々オーフィス様の願いを叶えたりしていただけなのですが……。英雄派の皆さんは力を持ちながら好き勝手に動く私達が目障りだったようです。特にジークフリート様は私達の事が相当お嫌いだったそうです。

 何より、元英雄派でライバルだった兄のアーサーがこっちに来たのがお気に召さなかったようでして・・・」

 

「そう言えば、京都でそんな事言ってたな」

 

「世界の謎と勇者の捜索とは?」

 

鋼弥の問いにルフェイが答える

 

「はい、次元の狭間を泳ぐグレートレッドさんの秘密に始まり。

 滅んだ文明――ムー大陸やアトランティスの技術、それに異世界の事について調査していました。

 北欧神話勢力の世界樹(ユグドラシル)も見てきましたし。

 そして、伝説の強者とは逸話だけを残して、生死不明となっている魔物や英雄の探索です。

 時折、組織の仕事もこなしてました」

 

「テロはついででやってんのか」

 

「……殆ど冒険だな」

 

「はい、大冒険の毎日ですよ!その末に強者とも戦ってきましたから。

 ヴァーリ様はドラゴンと言う存在が何処から発生したのか、それを調べようともしているのです。

 あと二天龍が封じられる切っ掛けとなった大喧嘩ね原因も調査してます。

 それと新しい神滅具(ロンギヌス)が発見出来ないか、それも調査の対象でした!

 ヴァーリ様の探求心は総督様の影響だと思います」

 

ルフェイが最後にそう付け加え、それを聞いたアザゼルは息を吐いて目元を細くする

まるでいたずらっ子の報告を受けた父親の顔だった。

 

「それにしても総督様、ここ最近は神滅具祭りですね。

 グリゴリにいらっしゃる『黒刃の狗神』の方はお元気なのですか?」

 

「『黒刃の狗神(ケイニス・リュカオン)』―――刃狗(スラッシュドッグ)か。

 あいつには別任務に当たらせている、そちらもそちらで充分に厄介な事件だ。

 あいつ、ヴァーリの事が嫌いでなぁ」

 

「はい、お話は窺っております」

 

ルフェイがクスクスと笑い、一誠はふとした疑問をアザゼルに投げ掛ける

 

「1番強い神滅具を曹操が持っているなら、誰かが2番目に強い神滅具を持っているんですよね?」

 

「『煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)』。それが2番目に強い神滅具だ。

 上位神滅具とは、『黄昏の聖槍』、『煌天雷獄』、『魔獣創造』、『絶霧』の4種の事を指す。

 『煌天雷獄』に関しても既に所有者も割れているし、主に天界が制御しているが……。

 イリナ、それで奴は――――『御使い』のジョーカーはどうしている?」

 

話を振られたイリナは首を捻りながら答える

 

「デュリオ様ですか?各地を放浪しながら、美味しいもの巡りをしていると……」

 

その答えにアザゼルは絶句した。

 

「か、仮にもセラフ候補にも選出されるかもしれない転生天使きっての才児だろうがっ!

 切り札役だぞ!?ミカエルは、セラフの連中はどうしているんだ!?」

 

アザゼルの質問にイリナは困惑する

一誠が「そのヒトもやっぱり強いんですか?」と訊くと、ルフェイが反応した。

 

「ヴァーリ様の戦いたい方リスト上位に載ってる程の方です。教会最強のエクソシストだそうです」

 

ここで元教会所属のゼノヴィアが反応する

 

「デュリオ・ジェズアルド、教会でも有名な存在だった。

 直接の面識は無かったが、人間でありながら凶悪な魔物や上級悪魔を専門に駆り出されていたよ」

 

「前から思ったんだが、神滅具は全部でどれくらいあるんだ?」

 

鋼弥の質問にアザゼルは説明する。

 

「ああ、神滅具(ロンギヌス)は――――、

 『黄昏の聖槍』、『幽世の聖杯』、『赤龍帝の籠手』、『白龍皇の光翼』、『獅子王の戦斧』、

 『蒼き革新の箱庭』、『永遠の氷姫』、『絶霧』、『煌天雷獄』、『紫炎祭主による磔台』、

 『魔獣創造』、『黒刃の狗神』、『究極の羯磨』。

 この13種の事だ。イッセー、よーくメモしとけよ」

 

直接出会った神滅具(ロンギヌス)は約半分

また新しい神滅具(ロンギヌス)が出てくる可能性もあるので不安と寒気しか生まれない。

ここで突然アザゼルが何かを閃いたかの様に立ち上がった

 

「あ!今俺は現世の神滅具(ロンギヌス)所有者の共通点を見つけたぞ。

 ――――どいつもこいつも考えている事がわるで分からん!

 おっぱい脳、戦闘狂、妙な野望を持った自分勝手な奴らばかりだ!

 これは後でメモしてやるぞ、くそったれ!」

 

「期待した俺がバカでした」

 

「それともう1つ、共通点を見つけた。

 ――――神滅具(ロンギヌス)の使い方が従来通りじゃない。

 殆どの連中が歴代所有者とは違う面を探して力を高めてやがる。

 現代っ子は俺達の範疇を超えているのか?」

 

独り言を長々と呟くアザゼルを見た2人が首を横に振っていると、オーフィスがこの部屋に戻ってきた

実は先程『この階層を見て回る』と言って出掛けており、今やっと帰ってきたのである

 

「具合はどうだ、オーフィス」

 

「弱まった。今の我、全盛期の二天龍より二回り強い」

 

「それは……弱くなったな」

 

「いやいや、封じられる前のドライグ達よりも二回りも強いんでしょ?

 それで弱くなったって、以前はどれだけ強かったんですか……」

 

「それこそ、神と同等の力を持っていたという事になるかもしれん」

 

「なあ、オーフィス。訊きたい事があるんだ。なんで、あの時アーシアやイリナを助けてくれたんだ?」

 

承知の通り、現在オーフィスはグレートレッドとドライグ以外の者に興味を示してない

そうであるにもかかわらず、オーフィスは先程の戦いが始まる前に放たれた火炎の魔法からアーシアとイリナを守った

 

「紅茶くれた。トランプした」

 

オーフィスはたった一言だけ答える

 

「紅茶とトランプって、俺の家での事か?」

 

一誠の問いにオーフィスはただ頷く

 

「そ、それだけで?」

 

再び訊く一誠だが、やはりオーフィスは頷くだけ

 

(こいつ、悪い奴じゃないんじゃないか?)

 

(確かに、あの時の行動と今の言動から見れば……)

 

一誠と鋼弥は小声で話し合い、イリナも礼を言う

オーフィスからの状態を聞いたアザゼルが顎に手をやる

 

「しかし、二天龍よりも二回り強いぐらいか。……妙だな。

 曹操は絞りカスと今のオーフィスを蔑んでいたが……。

 正直これだけの力が残っていれば充分とも言える」

 

「曹操、多分、気付いてない。

 我、サマエルに力取られる間に我の力、蛇にして別空間に逃がした。

 それ、さっき回収した。だから今は二天龍よりも二回り強い」

 

オーフィスの言葉に全員が度肝を抜かれ、アザゼルが叫ぶ。

 

「それじゃあ、この階層を見て回ってくるというのは……、

 出ていったのは別空間に逃がした自分の力を回収する為か!?

 いや、だけど……曹操め、あいつはサマエルでオーフィスの力の大半を奪ったと言っていたが、

 オーフィスは力を奪われている間に自分の力を別の空間に逃がしていた。

 それをさっき回収して力をある程度回復させた。それが全盛期の二天龍の二回りとキタもんだ。

 ………オーフィスを舐め過ぎたな、曹操」

 

「力、こうやって蛇に変えた。これ、別空間に送った。

それ、回収した。でも、ここからは出られない。

  ここ、我を捕らえる何かがある」

 

オーフィスが指先に黒い蛇を出現させてタネを明かし、含み笑いをしていたアザゼルは直ぐに息を吐いた

 

「だが、死神がここに来たってことはある程度オーフィスの抵抗を想定しての事だろう。

 それに今のオーフィスは"無限"ではなく"有限"だ。

 俺たちが依然にとして慎重になるのは当然だろう……。

 ルフェイ、お前さんは黒歌と同様、空間魔法に秀でていたな?

 それで助けを呼ぶ術はないものか?もしくは少人数だけでもここから抜け出させることのできる方法とかよ」

 

「あることはあります……。ですが、黒歌さんが倒れた今、私だけでは限界があります。

 私と共にこの空間から抜け出せる魔法はありますが、二人が限界です。

 入替転移をしても、強固になっていますから無理でしょう。

 とっておきの転移魔法をしたとしても、ゲオルグ様に把握したと思われますので、チャンスは一度きりです」

 

アザゼルの問いにルフェイは説明する。

脱出は可能だが、ルフェイを入れて三人、チャンスは一度のみ。

カナンもまた、状況を見て答えを出す

 

「オーフィスだけが"捕らえる結界"を破壊して一緒に脱出するしかない。

 死神の鎌は斬られるとダメージと共に寿命を刈り取られる。

 "有限"となったオーフィスが鎌に斬られてしまえば弱ってしまう。

 だからこそ、オーフィスは死守しなければいけない……そういうことになるわよね、アザゼル」

 

「ああ、オーフィスの力がこれ以上他に流出したら問題は肥大化する。死神一行を差し向けたハーデスならな」

 

脱出メンバーはイリナ、ゼノヴィア、ルフェイと決まる。

エクス・デュランダルが壊されている以上、本来の力では戦えない。

更にルフェイから最後のエクスカリバーである『支配の聖剣』を入手。

今までは六種の力が宿っていたエクス・デュランダルだが、修復し七本全部の力が使えるようになる。

 

◆◆◆◆

 

脱出作戦を練るためにアザゼル、リアス、朱乃は別部屋に。

その間に鋼弥は黒歌の見舞いをする。

レイヴェルが看てて、ベッドの横には俯き気味の小猫が椅子に座っていた。

 

「黒歌、大丈夫か?」

 

「あら?お見舞いかしら?ふふ、優しいわね」

 

「小猫を助けてくれたからな」

 

「たまたまにゃん」

 

たまたまとは言えない、小猫の危機に身を挺してまで守った。

下手をしたら命を落としかねない行動だ。

 

「……どうしてですか?」

 

小猫は最初に小さく呟くが、途端に立ち上がって叫んだ

 

「どうして私を助けたんですか!?姉さまにとって私は道具になる程度の認識だった筈です!」

 

「……さーてね。よく分からないにゃん」

 

「茶化さないでください!あの時、私を置いて行ったのに!

 その後、私がどれだけ周りのヒト達に酷い事を言われたか。

 冥界でのパーティの時だって、無理矢理私を連れて行こうとしました。

 私には姉さまが分かりませんッ!」

 

自分の中で溜まっていたモノを吐き出した小猫は部屋を飛び出し、後を追おうとするが。

 

「ご安心を。私が追いますわ」

 

レイヴェルが小猫のあとを追う。

鋼弥は小猫が座っていた椅子に腰を下ろした

 

「黒歌、前の主と何があった?」

 

「別に、嫌な奴だから殺しただけにゃん」

 

そう言った直後、黒歌は笑みを止めて真面目な表情になる

 

「……ネコショウの、私達の力に興味を持ち過ぎたから目障りになったのよ。

 私はともかく、当時の白音じゃ、私の元バカマスターに仙術を使うよう言われたら断らずに使用して、そのまま暴走しちゃっただろうし。

 あの子、正直だから。あいつは眷属の能力向上を目指して、無理矢理な事をしまくってたわね。

 眷属ならまだしもその身内――――血縁者にも無茶な強化を強要したにゃ」

 

黒歌の目が少しだけ優しげに見える。

お尋ね者になったのは妹を護るために自分の主を殺した。

鋼弥は今までの話を聞いて理解出来た

 

「あの時、冥界で俺達から無理矢理連れて行こうとしたのも、"力"から離そうとした。

 俺と一誠が力を引き寄せる赤龍帝と業魔化身だから」

 

「イタズラは生来好きよ?力の使い方も面白い事も大好き。

 所詮、私は野良猫、自由気ままに気の合った仲間達と放浪しながら生きた方が良いだろうし?

 でも、白音は逆。飼い猫の方が合ってるにゃん。だからさ、コーくん。

 力の塊になっても良いから、キミもヴァーリみたいにバカ正直なヒトになって欲しいのよ。

 そうすれば、あの子もバカ正直なまま幸せになれるだろうしね」

 

仙術に飲み込まれて力に酔えど、イタズラや戦いも好き。

だが、本当の姿は妹を―――小猫を大事にしたかったのだろう。

不器用だが、全ては小猫を護るためのことだった。

 

「……黒歌。俺は君の事を誤解していた。

 ただ力を求めた者じゃなく小猫を護るためにそこまでの事をしたんだと。

 冥界で、君に言った暴言を許してくれ」

 

鋼弥は頭を下げて謝罪するが、黒歌は少し驚くが―――笑って許した。

 

「いいのよ、そう思われても仕方ない事をしたもの。

 ……コーくんは本当に優しく強いわね、この話はおしまい」

 

鋼弥は黒歌の頭を撫でた後、部屋を出る。

 

「…………ありがとう」

 

 

◆◆◆◆

 

 

一同が集まり、アザゼルが作戦の説明をする。

 

「1つ、術者――――ゲオルクが自ら空間を解除する事。これは京都での戦闘が例だ。

 2つ、強制的に出入りする。これはルフェイや初代孫悟空と玉龍がやってのけた事だ。

 さっきも説明したが、こいつは相当な術者でなければ不可能。

 ルフェイの場合は現状一度が限界で連れて行けるメンバーも限られる。

 ルフェイの術での三度目の出入りは無理だ。ゲオルクが結界を更に強固にするだろうな。

 最後は単純明快。術者を倒すか、この結界を支えている中心点を破壊する事だ。

 アーシアが捕らえられた時イッセーが結界装置を破壊したが、あのように結界の中心となっている装置を壊す」

 

 

結界の鍵となる部分を破壊すればこの疑似空間は崩壊するが、問題はソレが何処にあるかだ

アーシアの時は彼女と繋がっていた装置が結界を支える中心点だった。

ここの装置については、既にルフェイと黒歌が魔法や仙術で探りを入れている

部屋の床にホテルの見取り図を置き、そこに紙で折った鶴を複数置く

瞑目するルフェイが手を見取り図に向けると、折り鶴が動き出し、魔術文字が光って灰が紋様を描いていく

 

「駐車場に1つ、ホテルの屋上に1つ、ホテル内部の二階ホール会場にも1つ、

 計3つの結界装置が確認出来ました。

 それらは蛇―――いえ、尾を口にくわえたウロボロスの形の像です」

 

ウロボロスの像を破壊すれば、オーフィスと共に脱出はできるという事か。

本来のオーフィスならば問題ないが、サマエルに力を削がれ封印と言う前提で用意されたものだ。

特に駐車場に敵が集まっており、ジークフリート、ゲオルグがいるようだ。

更にはリアスがとっておきの提案があるようで、一誠に夢中だからこそ思いついた作戦とのこと。

 

「さぁ、皆、集まって。

 私の大事な眷属たち。ここをさっさと突破しましょう。

 さの作戦を一から説明するわ!!」

 

 

◆◆◆◆

 

 

鋼弥と小猫は廊下の一角に立っており。

近く部屋に隣には一誠が鎧を身に着けて準備、共にルフェイ、イリナ、ゼノヴィアもいる。

他の部屋には他のメンバーは窓際に集結していた。

いつでもオーバードライブ化になれる準備も済ませている。

小猫とレイヴェルが口げんかしていたのかスッキリしていたようだ、レイヴェルは本当に凄腕のマネージャーだ。

 

「……小猫、黒歌は仙術に魅入られて力を求め、テロリストに身を置いているが小猫の姉だ。

 野良でイタズラ好きな猫だが、妹を想う気持ちだけは消えていない。

 黒歌は小猫のたった一人の姉なんだ」

 

「姉さまのせいで私はツラい目に遭いました」

 

どんな理由があろうと、悪魔の世界にとって主殺しは大罪

小猫は"はぐれ悪魔"となった姉の罪を浴びて心が壊れそうになった。

 

「姉さまを恨んでいます。嫌いです。でも、私をさっき助けてくれました」

 

小猫が強い眼差しを秘めて鋼弥に言った

 

「今だけは信じようと思います。少なくともここを抜け出るまでは」

 

「それで充分だ。黒歌に何か変な事されそうになったら俺を呼べ」

 

鋼弥は小猫の頭を撫でると、小猫は鋼弥に抱き付いた

 

「先輩のおかげで強くなれたんです。

 先輩のおかげでギャーくんや皆も強くなれた。

 だから、私も強くなろうと思って……」

 

「そんなことはない。小猫は俺よりも強いよ。心も体も。自身を持て」

 

「大好きです、先輩。

 朱乃さん、ゼノヴィア先輩、カナンさんが先にいても、必ず追い掛けていきます。

 だから――――」

 

抱き付いたまま小猫は真っ直ぐに鋼弥を見上げて――――。

 

「おおきくなったら、お嫁さんにしてください」

 

「「「「「「「「えっ!?そこで逆プロポーズしちゃうの!?」」」」」」」」

 

「覗きをするのは悪趣味だよ。リオとカナンまで…………」

小猫の告白を鋼弥が驚く前にリアス、アーシア、朱乃、ゼノヴィア、イリナ、レイヴェル、リオ、カナンが驚愕していた。

薄々だが、小猫が好意を持っていたのは知っている

 

「ありがとう、小猫」

 

小猫と同じ視線に屈んで、抱きしめる鋼弥。

途端に小猫は顔を朱色に染め、更なる気合いを入れた

 

「まずは牛乳たくさん飲んで、もう少しお乳と背をおっきくします」

 

「フフ、気合は十分だな」

 

やっぱり、小猫は強いと思う鋼弥。

ルフェイの術式が組み終わり準備は整った。

一誠はトリアイナ版僧侶、鋼弥はオーバードライブとなり―――。

 

「ドラゴン・ブラスタァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

「真覇断空拳!!」

 

赤いオーラ砲撃は下に、極大の手刀波は上に同時攻撃。

ホテルが大きく揺れて、天井と床の大きな穴が生まれる。

死神たちごと結界装置は破壊されて、残るは……駐車場の結界装置のみ。

この隙を逃さず、ルフェイ、イリナ、ゼノヴィアは無事に脱出に成功する。

 

――――さあ、反撃の始まりだ。

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