ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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現れた最凶の悪神、そして―――再会。


第八話 復讐の魔王

ぺんぺん草ドコロか雑草すら生えない程に荒廃しきったフィールド。

一誠とリアスの合体砲撃により死神の大群を全滅させ、残るはジークフリート、ゲオルク、プルートのみ。

犠牲は……リアスの胸がペッタンコになっていた。

その姿は哀しく、小猫と変わらないじゃないかと、一誠は号泣していたが―――

 

ゴンッ!!!!

 

30階のある後衛の部屋から小猫が何かを投げつけて、一誠の頭部に当てたようだ。

言わずとも感じるものがあったのだろう。

鋼弥はハリハラの姿を解き、三人を睨みアザゼルは槍の切っ先を三人に向ける

 

「‥‥‥‥相変わらず、バカげた攻撃力だな赤龍帝」

 

ドラゴンブラスターの連射で結界に歪み始めて来た。

その時、空間に快音が響き渡り、穴が開き始めた。

ライトアーマーにマントと言う出で立ちの男性。

その男にリアスは驚く。

 

「シャルバ・ベルゼブブ、旧魔王派のトップ!!」

 

「あいつがカテレア、クルゼレイと同じ旧魔王、サルワと組んでディオドラを陰で操ってた者か」

 

ジークフリートが一歩前に出る

 

「シャルバ、報告は受けていたけど、まさか本当に独断で動いているとはね」

 

「やあ、ジークフリート。貴公らには色々と世話になった。

 ゾロアスターたちがバックアップしてくれたお陰で、我が野望も達成出来そうだ。

 貴公らの実験に協力したのが些か不満だったがな」

 

その時、急に周りが冷たく重い空気となった。

全員がシャルバの背後の方へと向ける。

闇の扉が出現し、重々しく開かれ、足音が響き渡りその姿を現す。

それがゾロアスターの筆頭者。最凶最悪の魔王。原初の悪神――――アンリ・マンユ

 

「貴様が……貴様が……アンリ・マンユか!!」

 

鋼弥は怒りを込めた目で睨む。

父と母を殺したゾロアスターが崇拝している大いなる悪神。

アンリ・マンユは笑みを浮かべてた。

 

【ああ、そうか、あの男の息子の一人か、顔と瞳は母親譲りか。喜べ。貴様に会わせたい人物がいるぞ】

 

アンリ・マンユの影から磔に縛られた銀髪の女性が姿を現した。

鋼弥は信じられないという顔をしていた。

幼い自分と兄を逃がした、人物―――涼刀千尋。

 

「母さん……!!」

 

【心配しなくても、涼刀千尋は生きているぞ。ゾンビでも霊でもない。

 部下共が殺そうとしたが、我が生かしておけという命令を出したのだ。

 お前とお前の仲間たちに惨たらしい死を与え、恐怖と絶望に染まらせてからな】

 

「貴様……!!」

 

【それ以上にいいことを思いついたので、シャルバと協力しているのだよ】

 

「その通りだ」

 

シャルバがマントを翻すと少年が姿を現した。

アンチモンスターを生み出した、英雄派のものだ。

ジークフリートとゲオルクはシャルバと共にいる少年を見て驚愕していた。

 

「レ、レオナルド!!」

 

「シャルバ!その子を何故ここに連れてきている!?

 いや、何故……貴様と一緒にいるのだ!?

 レオナルドは別作戦に当たっていた筈だ!連れ出してきたのか!?」

 

【それについては私が説明しよう。

 この人間が持つ能力が素晴らしくシャルバと結託し、部下たちに連れてこさせるよう命令を下したのだよ。

 邪魔をしてきた構成員どもは、ドゥルジの猛毒で死に絶えたがね】

 

「まず、手始めに私の復讐の幕開けだ!!」

 

シャルバが手元に禍々しいオーラの魔方陣を展開するとレオナルドにそれを近付け、魔方陣の悪魔文字を高速で動かす。

 

「うわぁぁぁぁぁああああああああああああああっ!」

 

絶叫を上げると同時に影が広がっていき、フィールド全体を埋め尽くす程の規模となっていく

その場で空中に浮き始めたシャルバが哄笑を上げる

 

「ふはははははははっ!『魔獣創造』とはとても素晴らしく、理想的な能力だ!

 しかも彼はアンチモンスターを作るのに特化していると言うではないか!!」

 

影が大きく波打ち始め、巨大な何かが頭部から姿を現していく

規格外に巨大な頭部、胴体、腕、その全てを支える脚

フィールドを埋め尽くす程に広がった影から生み出されたのは――――200メートル以上ある超巨大モンスターだった

 

『ゴガァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

鼓膜を破らんばかりの咆哮を上げるモンスター。

『魔獣創造』は所有者の力量次第でどんな魔獣でも生み出せる。

更に出現したばかりのモンスターより、サイズが一回り小さいモンスターが同じ影から何体も生み出される

 

【では、我もこれらを使わせてもらおう】

 

アンリ・マンユの影が伸び、100メートルの灰色の巨人たちが出現する。

 

「あれはガルガンチュア!?大昔に滅んだはずの造魔巨人!!」

 

リオが灰色の巨人―――ガルガンチュアの出現に驚く。

 

【化石のガルガンチュアを復元し、複製させて造ったのだよ】

 

アンリ・マンユが手で操作すると怪物達の足下に巨大な転移型魔方陣が出現した。

 

「フハハハハハハッ!今からこの怪物達を冥界に転移させて、暴れてもらう!

 これだけの規模のアンチモンスター……さぞかし冥界を滅ぼしてくれるだろう!」

 

シャルバが哄笑しながら叫ぶ。

魔方陣が輝きを発し、アンチモンスター軍が転移の光に包まれていく

 

「止めろォォォォッ!」

 

アザゼルの指示のもと、巨大モンスターに攻撃を放つが、全くダメージを与えられず。

アンチモンスターの群れは全て転移型魔方陣の中に消えていってしまった

 

‥‥‥‥‥グオォォォォォォォン――――――。

 

アンチモンスターが消えた途端、フィールドが不穏な音を立て始めた。

空に亀裂が幾つも入り、建造物が大きく崩壊していく

恐らく、強制的なアンチモンスター製造やガルガンチュア達の出現、転移の影響にフィールドが耐えきれなかったのだろう。

ゲオルクがジークフリートに叫ぶ

 

「装置がもう保たん!シャルバとアンリ・マンユめ!

 所有者のキャパシティを超える無理な能力発現をさせたのか!」

 

「仕方無い、頃合いかな。レオナルドを回収して一旦退こうか。プルート、あなたも――――」

 

ジークフリートが突然言葉を止める。プルートは既にこの場から消えていた

 

「……そうか、ゾロアスターとシャルバに影で協力したのは。

 あの骸骨神の考えそうな事だよ。嫌がらせの為なら、手段を選ばずと言う訳だね。

 『魔獣創造』の強制的な禁手の方法も奴らに教えたのか?

 あんな一瞬だけの雑な禁手だなんてどれ程の犠牲と悪影響が出るか分かったものではない。

 僕達はゆっくりとレオナルドの力を高めようとしていたのにね。

 これでは、この子は………」

 

ゲオルクとジークフリートは気絶したレオナルドを回収して、そのまま霧と共にフィールドから消えていった

 

――――ドォォォンッ!ドォォォンッ!

 

今度はホテルの方から爆音が鳴り響いてきた

見上げると、シャルバがヴァーリに攻撃を加えていた。

今のヴァーリはサマエルの呪いを受けた影響で満足に動けず、防御するので精一杯だった

 

「どうした!どうした!ヴァーリッ!ご自慢の魔力は!白龍皇の力は!

 どうしたと言うのだァァァァァッ!フハハハハハハッ!

 所詮、人と混じった雑種風情が、真の魔王に勝てる道理が無いッ!」

 

「……他者の力を借りてまで魔王を語るお前には言われたくはない」

 

「フハハハハハハハハハハハハハハッ!最後に勝てば良いのだよ!さて、私が欲しいのはまだあるのだ!」

 

シャルバがオーフィスに手を向けると、オーフィスの体に悪魔文字を表現した螺旋状の魔力が浮かび、縄の様に絡み付いた

 

「情報通りだ!今のオーフィスは力が不安定であり、今の私でも捕らえやすいと!

 このオーフィスは真なる魔王の協力者への土産だ!私に"蛇"も与えてもらおうか!

 そう……呪いだ!これは呪いなのだよ!私自身が毒となって、冥界を覆い尽くしてやる!

 私を拒絶した冥界なぞ、最早用無しだッ!もうどうでも良いのだよッ!

 冥界の覇権も支配も既にどうでも良い!フハハハハハッ!

 このシャルバ・ベルゼブブ、最後の力を持って、魔獣達と共にこの冥界を滅ぼす!!」

 

「させるかよ!」

 

一誠がドラゴンの両翼を広げて一気に詰め寄り、狂喜に包まれたシャルバは一誠に指を突きつけた

 

「そうだな、貴殿が大切にしている冥界の子供も我が呪い――――魔獣どもによって全滅だよ。

 赤龍帝!我が呪いを浴びて苦しめ!もがけ!血反吐を吐きながら、のたうち回って絶息しろッ!

 傑作だな!下級、中級の低俗な悪魔の子供を始め、上級悪魔のエリートの子息子女まで平等に悶死していく!

 これがお前達の宣う『差別の無い冥界』なのだろう?フハハハハハッ!」

 

「ここまで怨み積もっているか……!!」

 

鋼弥はシャルバの呪詛に怒りに燃える。

 

「もう、このフィールドは限界にゃん!

 今なら転移も可能だから、魔方陣を展開するわ!

 それで皆でここから、おさらばするよ!」

 

ホテルの室内にいる黒歌が叫び、展開された魔方陣のもとにグレモリー眷属達が集結する。

だが、一誠と鋼弥は動こうとしなかった。

シャルバとアンリ・マンユに囚われているオーフィスと千尋を助けたいという感情がある。

二人はやるべきを理解し、頷く。

 

「俺はオーフィスを救います。ついでにあのシャルバもぶっ倒します」

 

「俺もここに残る。母さんを救うために……!!」

 

二人の言葉に驚愕する一同。

 

「一誠くん、鋼弥くん僕も戦うよ!」

 

「そうよ、全員で立ち向かえば!」

 

祐斗とリオは前に出るが、二人は止める。

 

「いや、俺と一誠だけで充分だ。皆は各勢力にこのことを伝えてくれ」

 

「どちらにしてもフィールドはもう保たないだろう?

 俺は鎧を、鋼弥はオーバードライブしていればフィールドが壊れても少しの間、次元の狭間で活動出来る筈だ。

 ヴァーリもそうやって次元の狭間で活動していた頃があるんだろうから。

 今、シャルバを見逃す事も、オーフィスも鋼弥の母さんを何者かの手に渡す事も出来ません」

 

「もう限界にゃん!今飛ばないと転移出来なくなるわ!」

 

「兵藤一誠……涼刀鋼弥……」

 

「ヴァーリ!お前の分もシャルバに返してくる!」

 

「今は治すことに専念しろ。俺たちが叩きのめしてくる」

 

一誠と鋼弥の意気を聞いたヴァーリは口の端を笑ませた

 

「イッセー!鋼弥!あとで龍門を開き、お前らを召喚するつもりだ!それで良いんだな?」

 

アザゼルの提案に頷く2人

一誠はドラゴンの両翼を広げ、背中のブーストを噴かした。

鋼弥はオーバードライブ化し、魔力と気を高める。

 

「イッセー!必ず私の所に戻ってきなさい!」

 

「ええ、必ず戻ります!」

 

「鋼弥さん!どうか無事に帰ってきてください!」

 

「……約束する」

 

―――最悪な状況下で二人はいざ、戦いに挑む。

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