ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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VSヘラクレスとVSジャンヌ!!


第六話 強さの意味

「ほう……これはまた、とんでもない者が現れたか」

 

ゲオルグはサイラオーグ、サーシャ、リアナを見てクククッと笑う。

 

「―――俺が行こう」

 

サイラオーグは金色の獅子レグルスをその場に留めさせ、一歩前に出る

サーシャとリアナもサイラオーグと並ぶように前へ出た

 

「私も手伝うわ」

 

「女だからと言って、止めるのは無しよ」

 

「……止めはせん」

 

上着を脱ぎ捨てたサイラオーグの身からは純粋な戦意――闘気が放出されていた

サーシャとリアナも続き、ヘラクレスを睨む。

 

「首都で暴れ回っていた旧魔王派の残党とゾロアスター兵のヨミクグツを一通り屠ったトコロでな。

 遠目に黒いドラゴン――――匙元士郎の姿が見えた。

 ゲームでの記録映像でしか見た事の無い姿だったが、直ぐに理解した。強大な何かと戦っていると」

 

「私たちは、都市に攻め込んでくる怪物たちの討伐に向かおうとしたけど、母さんは私とリアナに別任務を与えられた」

 

「グレモリー眷属と合流して、敵の本体を叩け―――。そうしたら、獅子王と合流したところね」

 

3人の戦意を受けたヘラクレスが嬉しそうな笑みを浮かべた

 

「バアル家の次期当主とマシンナリー・ドライバー最強格の2機か。

 バアルの方は知ってるぜ?滅びの魔力が特色の大王バアル家だが、滅びを持たずに生まれた無能な次期当主。

 悪魔のくせに肉弾戦しか出来ないって言うじゃねぇか。そんな訳の分からねぇ悪魔なんざ初めて聞いたぜ!」

 

ヘラクレスはサイラオーグを煽るが、サイラオーグは微塵も表情を変えない

恐らく、サイラオーグにとってこの程度の戯れ言は幾重にも浴びた罵詈雑言の小さな1つに過ぎず、気にする必要も無いのだろう。

サーシャが口を開く

 

「貴方が英雄ヘラクレスの魂を継ぐ者かしら?」

 

「ああ、そうだぜ」

 

その答えを聞き、サーシャは目を瞑ってため息をついた

 

「品性もなく弱い力を持つなんて英雄とは思えないわね」

 

「ああ、どうやら俺は勘違いしたようだ」

 

それを聞いたヘラクレスの額に青筋が浮かび上がる

 

「へっ、赤龍帝と銀流星との殴打戦を繰り広げたらしいじゃねぇか。

 ダセェな。悪魔っていや魔力だ。魔力の塊、魔力での超常現象こそが悪魔だと言って良い。

 銀流星はともかく、それが一切無い赤龍帝とあんたは何なんだろうな?」

 

ヘラクレスがいくら煽ろうとサイラオーグは眉1つ動かさず、リアナは嘆息するだけだった。

 

「人の事を煽っているばかりだけど、弱虫だから、それしかできないのかしら?」

 

「元祖ヘラクレスが倒したって言うネメアの獅子の神器を手に入れているって言うじゃねぇか。

 ――――皮肉だな、俺と会うなんてよ。それを使わなきゃ俺には勝てないぜ?」

 

ヘラクレスの物言いをサイラオーグは一言で断ずる

 

「使わん」

 

「あ゛っ?」

 

ヘラクレスは更にコメカミに青筋を浮かび上がらせ、怒りの口調で問い返すが―――。

 

「貴様ごときに獅子の衣は使わん。どう見ても貴様が赤龍帝と銀流星よりも強いとは思えないからな」

 

「戦いで関係の無い者を狙いながら攻撃する様な英雄の風上にもおけないわ」

 

「闇雲に力を振るうなんて―――――ガキ大将ね」

 

サイラオーグ、サーシャ、リアナは断言した。

それを聞いたヘラクレスは哄笑を上げる。

 

「ハッ、ハハハハハハハハハ!俺の神器は爆破出来ない物はねぇのよ!

 たとえ、闘気に包まれたってなぁ!俺の神器にかかれば造作もねぇよ!」

 

手にオーラを纏わせながら飛び出し、サイラオーグの両腕を掴むと同時に爆破攻撃を開始した。

ヘラクレスの神器『巨人の悪戯』は攻撃と共に対象物を爆破する能力を持つ

爆音と共にサイラオーグの両腕が爆(は)ぜる。

 

「次はテメェらだ!!」

 

ヘラクレスはサーシャとリアナに拳打を打ち込んで再び爆破させる。

一旦距離を開けて、様子をうかがう。

 

「なるほど。――――こんな物か」

 

「案外大した事は無いわ」

 

「少し熱いぐらいだけね」

 

サイラオーグ、サーシャ、リアナは平然としていた。

血が噴き出ていても全く表情を変えていない。

ヘラクレスは完全に激怒した様子で両手のオーラを高まらせる

 

「へへへ、言ってくれるじゃねぇか。じゃあ、これでどうよッ!?」

 

路面に向けて拳を連打で繰り出し、路面ごと大規模に起きた爆破が三人を包み込む

煙、塵、埃が渦を巻いて辺り一面を激しく覆い、路面は完全に崩壊して瓦礫の山と化した

瓦礫の上でヘラクレスが再び哄笑を上げる

 

「ハハハハハハハハッ!ほら見た事かよ!何も出来ずに散りやがった!

 これだから魔力もねぇ奴は出来損ないってんだよ!

 たかが体術だけで何が出来るって――――」

 

そこまで言ってヘラクレスの口が止まり、表情も驚愕に包まれた

煙が止んだ車道の中央で三人は何事も無かったかの様に立っていたからだ

全身に軽度のダメージを負い、血を流しているが表情を一切変えていなかった

 

「――――この程度なのか?」

 

サイラオーグは全く闘気を薄めず、サーシャとリアナは髪をかき上げる

3人の様子にヘラクレスの表情が軽く戦慄する。

 

「ナメんな、クソ悪魔とクソ人形がッ!」

 

毒づくが、先程の余裕は無い。

 

「英雄ヘラクレスの魂を引き継ぎし人間と言うから、少しは期待したのだが……どうやら、俺の期待は悉く裏切られたようだ」

 

ヘラクレスが再び両手を構えるが、サイラオーグは瞬時にヘラクレスの眼前まで移動した。

 

「―――俺の番だ」

 

ドズンッ!

 

サイラオーグの重く鋭い拳打がヘラクレスの腹部に深々と突き刺さり、

その一撃の衝撃はヘラクレスの体を通り抜けて後方のビルまで破壊する。

 

「――――ッッッ!?」

 

予想以上の破壊力だったせいか、ヘラクレスの顔が当惑し苦悶へと変わる

その場に膝をつき、腹部を手で押さえ、更に口から血反吐が吐き出される

たった一発で形勢が逆転したのだ。

 

「サイラオーグと言ったわね、迷いが無い真っ直ぐな拳ね」

 

「赤龍帝と銀流星の二人と戦ったことあるでしょ?あの二人は強かったでしょ?」

 

「ああ、この一撃をくらっても一切怯まずに立ち向かってきた」

 

「二人が強いのは、実力や能力だけではない。決して折れぬことの無い不屈の心を持つ」

 

サーシャとリアナはヘラクレスの前に詰め寄り、同時に蹴り上げストレートパンチを叩きこむ。

 

「グガッ!?」

 

「どうした?さきほどの一撃はただの拳打だが?」

 

「それとも、たったこれだけで……ダウンしたのかしら」

 

それを聞いたヘラクレスはくぐもった声音で不気味な笑いを発し、

同時に激情に駆られた憤怒の形相で立ち上がった。

 

「ふざけるな、ふざけるなよ!!クソ悪魔ごときがッ!クソ人形ごときがッ!

 魔力もねぇ!神器も使えねぇ!ただの打撃でこの俺が――――」

 

激昂するヘラクレスは全身を輝かせ、体を包む光がミサイルの様な突起物を形成させていく

"巨人の悪戯"の禁手――"超人による悪意の波動"を発動させた。

 

「やられる訳ねぇだろうがよォォォォォォォォォォオオオオオオッ!」

 

叫声を上げながらヘラクレスは全身のミサイルを縦横無尽に放出。

無数のミサイルが町中の建物、路面、公共物を大きく破壊していく。

 

「ふんッ!」

 

サイラオーグは飛んできたミサイルを避けずに、拳だけで弾いて吹き飛ばす。

リアナは背中の四本のアームで飛んでくるミサイルを叩き落とし、サーシャは機械翼を振りかざしミサイルを切り裂く。

撃ち出されたミサイルの幾つかは避難を始めていた子供達のもとに飛来していく。

祐斗は思わず駆け出しそうになるが、ロスヴァイセが子供達の前に入って防御魔方陣を展開。

そのままミサイルの爆撃を完全に防いだ。

 

「新しい防御魔法です。私は"戦車"ですので、それならば特性を高めようと思いまして。

 故郷で強力な防御魔法をあらかた覚えてきました。

 特性を活かしつつ魔法を使えば禁手化して破壊力に特化した神器の攻撃でも余裕で耐えられるようです。

 ――――これは大きな成果ね」

 

ロスヴァイセが故郷の北欧に帰還した理由は自らの特性を高める。

強固な防御魔法を覚える事で自身の防御力を底上げした

 

(凄い!グレモリー眷属はどんどん強くなっているよ、イッセーくん!鋼弥くん!)

 

祐斗が仲間の強化に喜ぶ中、突然子供達から声援が送られた

 

「ライオンさん!がんばってぇぇぇっ!」

 

「ライオーンッ!負けないでぇぇっ!」

 

それはヘラクレスと対峙するサイラオーグへの声援。

その声援が予想外の物だったのか、本人はキョトンとしていた

それだけでなく――――。

 

「お姉ちゃんたちもライオンさんのおともだち?」

 

「ええ、協力して悪者を倒しているわ」

 

サーシャはそう答え、リアナも肯定の頷きをする。

子供たちは顔を見合わせて―――。

 

「金色のお姉ちゃん、頑張れー!!」

 

「銀色のお姉ちゃん、負けないでー!!」

 

金色というのはサーシャで銀色というのはリアナの事だ。

これには姉妹もお互い顔を見合わせて驚き戸惑う。

 

「ふ……ふふふ、ふはははははははははははっ!」

 

声援を受けたサイラオーグは嬉しそうに笑いを上げる。

それだけではなく闘気が勢いを増す。

 

「あの子達から『がんばって』、『負けないで』と言われてしまった。

 心地よいモノだな、兵藤一誠、涼刀鋼弥。これが子供達から貰える力か」

 

サーシャとリアナも嬉しそうな顔になり、目を瞑る

 

「不思議な気分ね、子供たちの声援から貰えると、心が温かくなる」

 

「これが"思いやり"と"慈しむ"。銀流星が護りたいもの」

 

姉妹は胸に手を当て、ハートが高まるのを感じ瞳の奥に熱い炎が宿る

 

「「「貴様に負ける道理は一切無くなったぞ、英雄ヘラクレス!!」」」

 

三人が同時に言葉を発する。

 

「あぁっ!?ガキ共にピーチクパーチク言われただけで喜んでんじゃねぇよォォォッ!」

 

悪態をつくヘラクレスの顔面にサイラオーグの拳が撃ち込まれる。

続けてサーシャとリアナはボディーブローを叩きこむ。

 

「な、なんなんだよ……このパンチはッ」

 

三人の拳をその身に受ける程、ヘラクレスの怯えが増していく

ただのパンチが敵の肉体と精神を深く、芯まで抉る

 

「子供から声援すら貰えない者が英雄を名乗るなッ!」

 

サイラオーグが迫力に満ちた顔をヘラクレスに向け、サーシャとリアナは鋭い目で圧倒させる。

ヘラクレスは力でも精神でも敵う見込みが無いと悟ったのか、絶望し切った表情となっていた。

懐に手を入れて――――ピストル型の注射器と小瓶に入ったフェニックスの涙を取り出した

ピストル型の注射器はジークフリートが使用していたドーピング剤の"魔人化"。

流れから察するに、フェニックスの涙で体力を回復させてから"魔人化"を打つつもりだろう

 

「く、くそったれめがッ!」

 

毒づきながらヘラクレスは注射器の先端を首もとに近付けるが――――何故かその手には迷いがあった

その状況を見てサイラオーグは問う

 

「どうした、それらを使わないのか?察するに強化出来るのだろう?

 使いたければ使え。俺は一向に構わんッ!

 それで強くなるのなら、俺は喜んで受け入れようッ!俺はそのお前を超えていくッ!」

 

ヘラクレスは悔しさに表情を歪ませ、目にはうっすらと涙が浮かぶ。

 

【何を迷う必要があるヘラクレス?】

 

そこに現れたのは、ゾロアスターの悪魔―――アカ・マナフだ。

 

【目の前の敵を倒すならば、使えばいいのに迷う必要がどこにあるというのだ?それとも、これが良いのか?】

 

アカ・マナフは黒いエネルギーを集めて、ヘラクレスにたたき込む。

すると、ヘラクレスが痙攣し黒い渦に呑まれていく。

三人が身構えて、警戒する。

 

―――黒い渦が晴れると、其処には鋭い歯が並んでいる4mもある黒い肌の巨漢だった。

 

口が開かれると白い息が吐きだされ、獣の咆哮を上げる。

 

「ゾロアスター、貴様……!!」

 

「勝負に横やりを入れて、怪物に貶めるなんて……」

 

【勝つためには必要な事をしたまでだよ。ヘラクレス、眼前の敵を捻り潰し、粉々にしろ】

 

変異ヘラクレスは大きな腕を振り上げて、横薙ぎ払いで三人をまとめて吹き飛ばす。

 

「止むおえぬか……レグルス!!」

 

サイラオーグはレグルスと合体し――――禁手化して獅子の鎧を身に纏う。

三人は同時に駆け出し、変異ヘラクレスへと向かう。

獣の様にただ力任せに振りかざすが、そんな攻撃では三人を止めることはできない。

リアナが四本のアームで、弾き、サーシャは顔面に三度の回し蹴りで、よろめかせる。

サイラオーグは、腹部に狙いを定めて殴打して、吹き飛ばす。

 

「フルウェア・フィスト!!」

 

最初にリアナは背中に装備している四本のマシンアームを同時に繰り出して、変異ヘラクレスを空へ打ち上げ、サーシャが追撃をする。

 

「アウェイク・ブラスト!!」

 

両手から黄金の光線を放ち変異ヘラクレスを更に打ち上げる。

リアナとサーシャは飛び出し、変異ヘラクレスを追い越し同時に背中を蹴り、降下する。

下にはサイラオーグは覇気を纏った拳を構えている。

 

「でやああああああああああああああああっ!!」

 

―――拳魂一擲の一撃。

 

気迫を込めた拳は変異ヘラクレスのボディに深く突き刺さる。

血反吐を吐き、仰向けに倒れる変異ヘラクレス。

闇が剥がれ落ちて、元の姿に戻った。

死んでいるわけではなく、完全に気を失っているようだ。

 

 

◆◆◆◆

 

 

ジャンヌもまた、グレモリー眷属と対決しようかと思いきや……意外な者たちが乱入してきたのだ。

 

「―――その戦い。私が引き受けよう」

 

カナンの母であり、現龍女帝ノア・ケシェットだ。

後ろには、ミランダ、レイハ、シンディもおり、冥界で暴れ回っていた魔獣たちを片付けたようだ。

 

「へー、魔界のドラゴン……それも女帝さんがお相手ね。ふふふ、お姉さん、張り切っちゃおうかしら!」

 

聖剣で作りだしたドラゴンに乗るジャンヌ。

ノアは一歩前に出る、独りで戦うつもりのようだ。

 

「心配はいりません。

 ノアはかつて……鋼弥の父と戦って引き分けに終わらせたぐらいに強い。

 ドラゴンを統率する龍女帝の称号は伊達ではありませんよ?」

 

シンディはそう言う。

ミランダもレイハも同意見を示し、頷く。

 

「……ジャンヌ。ジャンヌ・ダルクか。貴様は聖人オルレアンの乙女の魂を受け継ぐ者か?」

 

「ええ、その通りよ」

 

ノアは両目を瞑り、溜息をつく。

 

「貴様には高潔も慈愛も無い。あるとすれば、英雄としての名声が欲しい欲深き心しかない」

 

「あらあら、ずいぶんな評価ね。英雄は怪物を退治してこそでしょ?」

 

「お前たちはただ破壊と混沌を振りまくだけだ。――――本当の英雄ではない」

 

ノアは力を解放すると、竜のオーラが溢れ出し風が大きく唸る。

これにはジャンヌも冷や汗をかき、余裕がなくなる

 

「なら、本気でいかせてもらうわよ!!」

 

ピストル型の注射器を懐から取り出すと、ジャンヌはそれを首もとに針を当て打ち込んだ。

次の瞬間、ジャンヌの体が大きく脈動し、顔中に血管が浮かび上がっていった。

ジャンヌは体を僅かによろめかせるが、不気味な笑みを浮かべた。

 

「これでいいわ。力が高まっていくのがわかる……!」

 

「魔人化というやつか。そうやって代償を払い力を得るか。―――本当の力を、見せてやろう」

 

ノアは言葉と共に、その身が炎に包まれていく。

火炎の渦から鋭い爪を持つ両腕が突きだされ、竜の脚、竜の尾、竜翼。

 

―――ガァァァァオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォン!!!!

 

ノアの体は竜化し、雄たけびを上げると炎が四散し、火の粉が舞う。

 

「これが、竜王家の力―――"古炎竜王(エンシェン・フレア・ドラグーン)"」

 

凄まじき威圧を放つが、ジャンヌは少し怯んだだけであり、直ぐに戦う意志を見せる。

すぐさま、無数の聖剣を束ねて生み出したドラゴン、いや……ジャンヌが聖剣に包まれていく。

降臨したのは聖剣で形作られた大蛇で頭部にはジャンヌが上半身だけ露出している。

 

『うふふ、この姿はちょっと好みではないけれど、強くなったのは確実よ。これであなたを斬り刻んであげるわ』

 

低い声となったジャンヌ、だがノアは臆する様子はない。

先に仕掛けたのはジャンヌだ。

大蛇の蛇腹をうねらせて高速でこちらに迫り、聖剣の蛇尾をノア目掛けて振り下ろし、クレーターを作る。

 

『ハハハハ!大口を叩いていた割には手も足も出ないじゃない!次はあんたたちの……!!』

 

そう言いかけたが、バキリッと折れる音が響いた。

ノアは蛇尾を握り潰し、破片はパラパラっと落ちる。

 

「……貴様は友、家族のために力を奮うか?」

 

『こんな時に、何を言っているのよ!!』

 

幾重の刃を振りかざすジャンヌ、ノアは避けようともせず、炎の拳で次々と叩き落とす。

 

「剣に魂が宿らず、ただ闇雲に力を奮う。

 なるほど……貴様は聖女ジャンヌ・ダルクを名乗る資格は無い」

 

鋭い眼光でジャンヌを威圧する。

 

『怪物が……説教するんじゃないわよ!!』

 

大蛇の腹部から大量の聖剣が放たれる。

ノアは迫りくる聖剣を次々と叩き落とし、ジャンヌへと迫る。

 

「竜王の怒りを――――思い知るがいい!!」

 

右手を天に掲げ、炎が集まり、左手で支え構える。

「イリス……アァァァァァァァァァァクッ!!!!」

 

火炎の龍が唸り声を上げてジャンヌへと向かい、大きな口を開けて呑み込む。

瞬間―――炎の柱が舞い上がり、ジャンヌは爆炎へと飲まれた。

煙が晴れると、聖剣の大蛇は粉々になっておりジャンヌは倒れていた。

 

「覚えておけ人間よ。急激な力を得ても寿命を減らす、そのことを忘れるな」

 

祐斗たちはノアの実力を肌で間近で感じた。

これが魔界のドラゴン達を束ねる最強の龍女帝の力を――――。

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