ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
次の日の放課後。
オカルト研究部へと向かう、一誠とアーシアと祐斗と鋼弥。
「部長の悩み?」
「うん。最近部長の様子がおかしいのはイッセーくんも気づいていただろう」
確かにため息をついているのも多かったし、どうしたんだろうか?
「鋼弥は何か知らないか?」
「・・・昨日、リアスが俺の所へ押しかけて、俺を強引に押し倒した。」
・・・・・・・・・・・へっ?イマ、ナントイイマシタカ?
「は、ははは・・・お前が冗談言うなんて、」
「冗談ではない。」
「・・・・うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!てんめぇー鋼弥!!!!部長の身体を堪能したのか!!!?」
両肩を掴んでガクガクと揺らすが、鋼弥は冷静に答える
「落ち付け。イッセーが想像している展開は無い。」
「えっ?あっ?そ、そうなのか・・・。」
ホッとしてイッセーは胸をなでおろす
部室の前に立って、目を細めて顔を強張らせる木場。
気にせずに開けると、室内には部長、朱乃さん、小猫ちゃん、銀髪のメイドさんがいた。
明らかに不機嫌そうな部長。
いつも通りニコニコしているがどことなく冷たい感じの朱乃さん。
小猫ちゃんは部室の隅っこで椅子に静かに座っている。
メイドさんはなんかクールな感じだ。
(な、なんか張りつめた空気なんですけど・・・)
後ろで、木場が小さく「まいったね」とつぶやいた。
アーシアもちょっと、戸惑っている
そんな中をメイドさんが俺の前に歩いてきた。
「はじめまして。私は、グレモリー家に仕える者です。グレイフィアと申します。以後、お見知りおきを。」
「ど、どうも。リアス様の下僕で兵士(ポーン)の兵藤一誠です」
メイドさんのグレイフィアさんはピクリと片方の眉を動かす。
「リアス様、彼が?」
「ええ、そうよグレイフィア。彼が『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の使い手よ」
「・・・・『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』。龍の帝王に憑かれた者ですか」
異質なものを見る目で俺を見るグレイフィアさん。
な、なにかやらかしたのかな・・・?
ここで、グレイフィアさんは鋼弥の姿を確認しお辞儀をした。
「これは鋼弥様、昨日ぶりですね。」
「・・・ああ、昨日ぶりだね」
えっ?昨日ぶり?鋼弥の奴、グレイフィアさんとも知り合いかよ?
「挨拶は済ませたわね。それで、部活に入る前に話があるわ。実は・・・」
話をしようとしたその時、魔法陣が浮かび上がる。
そして、赤い炎が巻き起こり、そこから人が現れた。
「ふぅ、人間界は久しぶりだ。」
見た目は二十代前半と言ったところだろうか。
整った顔立ちだが、どこか悪ガキっぽい印象がある。ぶっちゃけホストにしか見えない。
男は部屋を見渡して、部長を捉えると口元をにやけさせた。
「愛しいリアス。会いに来たぜ」
愛しいリアス? こいつ部長とどういう関係?
部長の方は、一切歓迎しているとは思えない。
しかし、男は部長の様子など気にせず、近づいていく。
「さて、リアス。早速だが、式の会場に行こう。日取りも決まっているんだ」
「・・・放してちょうだい、ライザー」
イッセーは馴れ馴れしいホスト野郎に話しかけた。
「あんた、女の子にその態度はどうよ」
「あ? 誰、お前?」
明らかに不機嫌な口調で返される。
「俺はリアス・グレモリー様の下僕。兵士(ポーン)の兵藤一誠だ!」
「ふーん。あっそ」
興味なさそうに返事をするライザー。どうやら男には興味は無いという感じだ。
「話す必要がないから話してないだけよ」
「相変わらず手厳しいねぇ」
クククッと笑う男。感じが悪い空気だな。
「兵藤一誠様、涼刀鋼弥様。この方はライザー・フェニックス様。純血悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であります。」
「つまり、リアスと同じ爵位クラスの悪魔という事か・・・。」
「そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあります。つまりリアスお嬢様とご婚約されてるのです。」
「・・・ええええええええええええっ!!?」
一誠の驚いた声が響き渡る。
ライザーがここに来た理由はリアスを冥界へ連れ戻す事と純潔悪魔の子孫を残す為に親同士が決めた婚姻だという。
いつか、話していたが純潔悪魔の数が減ってしまったと言う大戦争。
けど・・・いくら、繁栄の為に本人が好きではない人と結婚しても長くは続かないし、其処には愛は無い。
つまり、この結婚は【政略結婚】という事か。それなら、リアスが昨日とった行動が理解できる。
「この結婚には悪魔、いや、冥界の未来がかかっているんだ。嫌ならお前のを眷属を焼き尽してでも連れて帰るぞ。」
「脅しを使うのは紳士(ジェントルマン)のやる事ではないな。それに貴方は、本当にリアスを理解しているのか?」
「何が言いたい・・・?」
「だったら、その鳥頭に解り易く説明してやる。
お前はリアスの事をグレモリー家の次期当主として見ていない。
リアス自身を見ていない君には、結婚する資格は無い。」
「なんだとっ!?貴様!?」
ライザーは怒りに燃えて、背中から炎の翼を広げる。
なるほど、フェニックス家というから炎を自在に操る能力に長けている訳か。
「そうだぜ、この焼き鳥野郎!!お前なんかに、部長は渡さないぞ!!」
「や、焼き鳥!?上級悪魔に対して態度がなってねぇぜ!リアス、下僕の教育はどうなってんだ!?」
席を立ち憤慨するライザー。
「イッセー、彼を焼き鳥というのは失礼だと思うよ。」
そう言うと、ファ○マ名物のファ○チキが大量に入っている袋を取り出す。
「こういうチキンがお似合いだ」
「アッハハハハハハハッ!!お、お前がそんな冗談を・・・ブハハハハッ!!」
「こ、鋼弥、意外と面白い事を言うわね・・・くくくっ」
大爆笑する一誠、笑いを堪えているリアス、朱乃も祐斗も笑いを堪えていた。
鋼弥は小猫にファ○チキの袋を渡し、黙々と食べている。
アーシアは意味が解らず、戸惑っていた。
そして、ライザーはワナワナと肩を震わせていた。
「き、貴様ぁぁぁっ!!今すぐ焼き殺してやろうかぁ!?」
「だったら、君を捻じ伏せるけど・・・チキン野郎。」
怒りが頂点に達したライザーの炎の翼が一層、激しく燃え上がる
対して鋼弥は凍りつくような視線でライザーを見る
グレイフィアが両者の間に入る。
「両者、其処までです。これ以上の話し合いが無駄なら・・・≪レーティングゲーム≫で決着をつけてください。」
レーティングゲーム。
かつて、はぐれ悪魔バイザーを討伐しに行った時に聞いたね。
「なるほど、それでもいいが・・・これじゃ話にならないんじゃないか?
リアスの"女王"である"雷の巫女"ぐらいしか俺のかわいい下僕に対抗出来そうにないな。」
ライザーが指を鳴らすと魔方陣が光り出し、その魔方陣からライザーの下僕が続々と出現していく
レーティングゲームに参加出来る駒の数は最大で15。
一方のリアス組は7人しかいない、確かに圧倒的にこちらが不利だ。
それにしても・・・全てが女性とは偏り過ぎるのも程がある。一誠は大泣きしているレベルだ。
「お、おい、リアス・・・。この下僕くん、俺を見て大号泣しているんだが・・・」
ライザーはドン引きの表情で一誠を見て言った。リアスもそれを見て、困り顔で額に手を当てる
「その子の夢がハーレムなの。きっと、ライザーの下僕悪魔達を見て感動したんだと思うわ」
ライザーの下僕悪魔は一誠を心底気持ち悪そうにした
「そう言うな、俺のかわいいお前達。上流階級の者を羨望の眼差しで見てくるのは下賤な輩の常さ」
良く言うよ、種まきチキン。
すると、スィームルグが話しかけてきた。
(全く・・・フェニックスと名乗る者があんな色魔だなんて、同じ霊鳥として情けない)
(まぁ、ソロモン72柱の魔神としては、不死鳥のフェニックスと区別するためにフェネクスと呼ばれる事もあるが・・・。)
(それでも、見ているだけで反吐が出るわ。)
そんな会話をしていると、ライザーはクククッと笑う。
「よし、あいつらに見せつけてやるか。ユーベルーナ」
「はい。」
ユーベルーナと呼ばれた女性がライザーの側へ行き、2人は濃厚なキスをし始めた
その光景にリアスは呆れ、一誠は羨ましそうにしていた
鋼弥は子猫とアーシアの眼を塞いだ。
「鋼弥さん、み、見えないです。」
「・・・何も見えないです。涼刀先輩」
「君たちに見せるのはダメ。教育上、ヨロシクないから我慢しなさい」
(あらあら、お父さんみたいね。)
うふふっ、と笑う朱乃。
「この野郎!!ぶっ飛ばしてやる!!」
イッセーが左手の"赤龍帝の篭手"を具現化されて駆け出すが、ライザーはため息をついて。
「・・・ミラ、相手をしてやれ。」
「はい、ライザーさま。」
ミラと呼ばれた棍を持った女性がイッセーの前へと立ちはだかり振りかざしたが、両者の間に鋼弥が割って入りイッセーを吹き飛ばし、ミラの棍を片手で止める。突然の出来事に、周りが驚く。
「鋼弥・・・?」
「後先を考えずに行動するな。」
「わたしの一撃を受け止めるとはっ・・・!」
「そちらも退かぬなら、このまま戦うけど?」
「くっ・・・!!」
悔しい顔をしてライザーの元へと戻るミラ。ライザーは興味深そうに鋼弥を見る。
「ほうっ?中々やるな。リアス、さっきの兵士よりもこいつの方が強そうだな。こいつの駒はなんだ?」
「悪いが、俺はリアスの眷属になった覚えは無い。強いて言えば、魔界の雇われハンターと言えば良いかな。」
「なに・・・?魔界のハンター?」
魔界という単語に初めて聞く、ライザーとその眷属たち。リアスはそのことを説明したのだ。
「なるほど、その魔界とやらにも悪魔が住んでおり、お前はその世界の者という訳か。」
「そういうことだ。所で、グレイフィアさん。俺もそのレーティングゲームに参加できるか?」
「特例として駒の人数が合わない場合、補充要員として参加できますが死亡した場合の責任は負いかねます。」
「なるほどな・・・。リアス、俺も参加するからよろしく」
「え、ええ・・・。」
「それで、今直ぐに始めるか?」
「待て待て、十日後にレーティングゲームを行おうじゃないか。その間に修行すればいいさ。最も付け焼刃かも知れんがな。」
笑いと共にライザー達は去って行った。グレイフィアはペコリッと頭を下げて、帰って行った。
「・・・鋼弥いいの?」
「良いんだよ。それに戦う理由が出来たからだ。」
「理由・・・?」
「あのチキンに鉄拳制裁するという理由がな。」
フッと笑う
かくして、グレモリー家とフェニックス家のレーティングゲームが決まった。
残された期間は10日、修行が始まる