ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第十話 =不死鳥VS赤龍帝&魔人法師=

三人は会場の中央で造られた空間に居る。ここはどれだけ戦闘を起こしても大丈夫だという。

その周囲にパーティの参加者たちが観戦しており、部長と部員たちは関係者席に座っていて、その隣に魔王サーゼクスがいる。

鋼弥&一誠、ライザーは空間の中央で対峙している。

一誠の手には、既にブーステッド・ギアが出現しており、戦闘の準備は出来ていた。

 

「おまえの力は割れている。能力の倍加、その倍増した力を仲間や武器に譲渡する新しい力が発現したそうだな。」

 

一誠の新たな力とは倍増した力を仲間や武器に譲渡する能力≪赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)≫。

なるほど、能力上昇魔法のカジャ系と同じ効果があるのか。

 

「部長!プロモーションの許可を!」

 

「良いわよ、イッセー!」

 

プロモーションの許可が出た

 

「プロモーション!女王(クイーン)!」

 

一誠が最強の駒に昇格する。騎士、戦車のような特化ではなくバランス的にとれている。

 

「部長、俺は・・・木場みたいな剣の才能はありません!

 朱乃さんみたいな魔力の天才でもありません!

 小猫ちゃんみたいな剛腕もないし、アーシアの治癒の力もありません!

 鋼弥みたいな武術や特殊能力は持っていません!

 それでも俺は・・・最強の『兵士』になりますッ!!」

 

「一誠、それは違う。君にしか持っていない力はある。それは・・・≪想い≫と≪心≫だよ。」

 

「≪想い≫と≪心≫・・・。」

 

「君にはリアスを強く想う気持ちと何事にも負けない不屈の心を持つ。

 これは、お前だけしか持っていない力だ。」

 

「俺の力・・・」

 

「心?想い?ハッ!!そんなものが何の役に立つと言うんだ?元は脆弱な人間が好きそうな言葉だな。」

 

「ライザー、脆弱な人間でも悪魔には持っていない物は多くある。」

 

悪魔の父からは人には無限の強さと不屈の心を秘めている事を教えられた。

人間の母からは人の心は脆く儚い、だからこそ美しく輝くものがある事を教えられた。

 

「お前が不死身の力を持って言おうと、俺たち二人の心が折れ無い限り負けはしない!!」

 

「ああ、その通りだ!!」

 

一誠はブーステッド・ギアを天に掲げる

 

「部長、あなたのためなら、俺は神様だってぶっ倒してみせます!

 このブーステッド・ギアで!俺の唯一の武器で!俺はあなたを守ってみせます!

 輝け、オーバー・ブーストォォォォォォォォッ!!」

 

『Welsh Dragon over booster!!』

 

籠手の宝玉から赤い閃光が解き放たれ、一誠の体を包み込む。

一誠の肉体が見る見るうちに赤い鎧を纏っていく。

姿はまさにドラゴンその物だ

 

「まさか、赤龍帝の力を鎧に具現化させたのか!?」

 

「これが赤龍帝の禁手(バランスブレイカー)赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)

 俺を止めたきゃ魔王さまに頼み込め!何しろ、禁じられた忌々しい外法らしいからな!」

 

「一誠、お前の覚悟を見せて貰った。俺も本気で出すしかないね。力を貸してくるか?」

 

(勿論です、マスター)

 

鋼弥から優しさが溢れる女性の声が聞こえた。

そして、足元に召喚の陣が現れ、七色に輝き温かい光の粒子が溢れてくる

 

「――ヒジリ!!」

 

召喚の陣から光の柱が帯び、鋼弥を包みこんだ。

其処に現れたのは紫のグラデーションが入った銀色のロングウェーブ。

白黒のゴスロリ風ドレス姿に表地が黒・裏地が赤のマントをはおった女性だ。

新しい姿の化身(アバタール)が出現したのだ。

 

「また新しい姿に・・・!?」

 

「ほぅ・・・あれが鋼弥君の能力か」

 

リアス達が驚く一方、サーゼクスは興味深く見ていた。

女性がゆっくりと目を開き凛とした表情でライザーを見る

 

【私の名はヒジリ、職業は僧侶と魔導師。マスター鋼弥様と契約を果たした魔人です】

 

―――魔人。

 

≪神でも悪魔でも人でもない存在≫、≪卓越した超力を持つ≫という種族。

鋼弥はあの恐ろしい魔人と契約を果たしたと言うのか!!

赤龍帝の鎧を見に纏った一誠に優しく語りかける

 

【参りましょう、赤龍帝の力を宿せし少年よ。あの不死鳥を倒し、貴方の大切な人を取り返しましょう】

 

「はいっ!!」

 

一誠は両手の間に魔力の塊を生み出し、ライザーに向けて発射する

ライザーは撃ち出された魔力を避け、前を見るが、ヒジリは氷結魔法―マハブフダイン―を唱えると8つの電柱ほどのツララがミサイルの様に撃つ

 

「ちっ!!」

 

炎でツララを破壊するが・・・これは作戦の一つだった。

あの質量の氷を溶かすと凄まじい蒸気が発生する、つまり、何も見えない状態だった。

だが、イッセー達にも見えないはずだが、ヒジリが相手の気配に指を指す

 

【ライザーの位置は真っすぐに突き進めばいます】

 

「よっしゃ!!」

 

一誠の鎧の背部にあるロケット噴出口から魔力が噴き出し、ライザーにタックルをブチかまし、壁に激突する

 

「ぐあああっ!!」

 

一誠は直ぐに離れ、ライザーはゆっくりと立ち上がりギンッと睨む

 

「赤龍帝のクソガキ!魔界のハンター!悪いが手加減しないぜ!

 認めたくないが、今のお前達はバケモノだ!主であるリアスの前で散れ!」

 

ライザーの背中に巨大な炎の両翼が出現し、両手に炎が燃え盛っている

 

「火の鳥、鳳凰!そして、不死鳥フェニックスと称えられた我が一族の業火!その身で受けて燃え尽きろォォォッ!」

 

「てめぇのチンケな炎で俺が消える訳ねぇだろォォォォォっ!!」

 

同時に駆け出し、互いの拳が顔面にぶつかり合い、一誠は痛みと熱のせいで吐血してしまう

 

「やはりお前はブーステッド・ギアが無ければただの―――ゴバッ!」

 

ライザーが何故、吐血をしたんだ?

その答えは、一誠の左手に悪魔の天敵アイテム――十字架(ロザリオ)がある

 

「うちの僧侶は元シスターでね。奥にしまっていた物を借りてきたんだ!

 十字架の効果を神器で増大させて、あんたを殴った。

 高めに高めた聖なる攻撃は、たとえ不死身のフェニックスでも早々癒せないんじゃないか?」

 

【考えましたね、あの赤龍帝の少年。しかし、その代償は重いですが・・・】

 

ヒジリの言葉に理解が出来なかったが、リアス達は一誠の左手を見るとある事が解った。

間近で見たライザーもその答えは解った

 

「まさか、貴様は籠手に宿るドラゴンに・・・・・・・自分の腕を!?」

 

「ああ、俺はこの力を一時的にでも得るために、左腕を代価にくれてやった。

 俺の左腕は本物のドラゴンの腕だ。だから、十字架は効かない・・・!!」

 

「正気か貴様!?そんな事をすれば二度と元の腕には戻らない!お前はそれが分かっているのか!?」

 

「俺みたいな奴の腕一本で部長が戻ってこられるんだぜ?こんなに安い取り引きは無いだろう・・・!!」

 

狼狽するライザーに一誠は迷いなく言い放つ。

その目を見た時、ライザーは僅かだが一誠に恐怖感を感じた。

いや、そんな事は無い・・・俺がこんな下級悪魔に恐怖なんか・・・!!

 

【では、私も便乗しましょう。業魔人経巻!!】

 

紫色の巻物を広げると紙ではなく、七色に輝く様々な呪文が浮かび上がっていたのだ。

ヒジリの周りに光輝く白い御符が幾つも出現した。

 

【マハンマオン―――!!】

 

唱えると無数の御符がライザー目掛けて飛び、張り付く。

 

「ふん、こんなチンケな紙なんぞ、燃やして――!!」

 

次の瞬間、御符から眩い光が放たれた

 

「ぐあああああああああああっ!!!!」

 

ライザーが悲鳴を上げのた打ち回る。

破魔系は主に光に属する者たちが怨霊や悪魔達を一撃で浄化させる光魔法。

もっとも完全浄化は抑えているがそれでも、最大の苦痛が襲い掛かる。

ライザーに張り付いていた御符が消えた。

一誠は更に攻撃を加えようとしたその時、鎧が解除されたのだった。

一誠は籠手に話しかけた。

 

「な、なんで鎧が!?まだ10秒経ってないのに!?」

 

『お前がこの力を得るために、代償は十分だったが・・・お前の基礎能力では鎧の力を制御するのに足りな過ぎる』

 

「じゃあ、また代償を払ってやる!!目でも、足でも、何でもくれてやる!!」

 

『代償を払ったとしても、お前の身体が持たん。バラバラになるだけだ』

 

「くっそ、ここまで来て・・・!!」

 

ライザーは鎧が解除された一誠にここぞとばかり反撃し、炎を飛ばす。

よろける事も出来ずに直撃して、吹き飛ばされる一誠。

 

「イッセー!!」

 

リアスは一誠を助けに飛び出そうとしたが、サーゼクスが手で制止する。

余計な手出しはするなと言う事だ。リアスは、ただ一誠と鋼弥が勝利する事を信じるしかない。

 

「貴様は、後で倒してやる。俺がリアスの婿になったら、じっくりと鍛えてやる」

 

ライザーはヒジリへと狙い定める。

 

「お前も中々の美女だな、どうだ?そんな銀髪の小僧と契約を止めて、俺の所に来い」

 

【お断りします。私は鋼弥様と契約を交わしました。貴方の所へは行きません】

 

「そうか・・・よ!!」

 

ライザーは無数の火炎弾を勢いよく放つが、ヒジリは掻い潜るがライザーは炎の刃でヒジリに斬りかかる。

だが、それに臆することなくヒジリは、ライザーの頭部目掛けて回し蹴りを放つ

 

【テヤアアッ!!】

 

直撃して、ライザーはきりもみに吹き飛ばされるが炎の翼を展開させて立て直し頭部は再生していた。

更なる一撃を入れようとするが、ライザーは熱風を放ちヒジリを弾いた。

熱風をまともに喰らってか、服が焼け焦げており、肌が見えていた。

 

【流石は不死鳥フェニックスと同等の力を持つ悪魔ですね・・・】

 

「その通りだ。俺はこの力がある限り、貴様等に絶対に負けない。諦めるんだな」

 

勝利を確信しているライザーだが、ヒジリはフッと笑っていた。

 

【確かに、そうでしょう・・・。ですが、私の役目は果たせましたね】

 

役目、何の事だと思うライザーだが、あの赤龍帝の小僧の方を振り向いた。

立ち上がっており、強くまっすぐな目でライザーを睨み駆け出す。

 

「こいつを・・・喰らえッ!!」

 

一誠が取り出すと、聖水だった。

悪魔にとっての最大の弱点である聖水を出すと、会場のあちこちから悲鳴が上がった。

ライザーは一誠を焼き殺そうとしたが、ヒジリは巻物でライザーを締め上げ動きを封じる。

 

「しまっ――」

 

一誠は瓶を開けて聖水をライザーにぶちまけた

 

ジュワァァァァァァァッ!!

 

水が熱で蒸発する時に出る音が会場に響き渡る。

ライザーの顔は苦悶に変わり―――。

 

「がぁぁあああああああああああああああああああああああっ!!!!」

 

倍増の力が聖水に譲渡され、聖水がライザーの体を激しく痛めつけた。

一誠は十字架を左手で拾い、二つ目の聖水を拳に振りかける。

 

「アーシアが言っていた。十字架と聖水は悪魔が苦手だって。それを同時に強化して、使ったら悪魔には相当なダメージだよな」

 

一歩一歩、ライザーに近づく一誠

 

「木場とジャックフロストが言っていた。視野を広げて相手と周囲も見て、動きを予測しろと」

 

≪Transfer!!≫

 

十字架と聖水に力が譲渡された。

 

「朱乃さんが言っていた。魔力は体全体を覆うオーラから流れる様に集める。意識を集中させて、魔力の波動を感じればいいと」

 

打撃を繰り出すために拳を構える

 

「小猫ちゃんが言っていた。打撃は体の中心線を狙って、的確かつ抉り込むように打つんだと!」

 

一誠が拳の照準をライザーに定めた

 

「そして、鋼弥が言っていた!強い気持ちと折れない不屈の心を持てと!」

 

「ま、待て!分かっているのか!

 この婚約は悪魔の未来のために必要で大事なものなんだぞ!?

 お前の様な何も知らないガキがどうこうする様な事じゃないんだ!」

 

「難しい事は分からねぇよ・・・。でも、お前に負けて気絶した時、うっすらと覚えている事がある。

 それは・・・部長が泣いてたんだよ!俺がてめぇを殴る理由はそれだけで充分だッ!」

 

「ぐ・・・っ」

 

【見苦しいですよ】

 

ライザーの背後にヒジリが立っており、その表情は静かな怒りだった。

右拳にバチバチッと稲妻が走っている。

 

【鋼弥様が言っていた事を覚えていますか?

 "人間には強い想いと何事にも負けない不屈の心を持っている"、と

 貴方はそれを軽視し、ここまで追い詰められたのです】

 

左手には数珠を持っており拝む態勢に入っていた。

 

【さぁ、往生しなさい・・・南無参―――!!】

 

一誠がライザーの腹を、ヒジリは背中と同時に正拳突きを撃ちこんだ。

ライザーは吐血し、グラリッと傾き膝をつき前のめりに倒れた。

ヒジリの姿を解除し鋼弥へと元に戻り、二人は親指を立てて勝利の宣言をした。

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