ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第十話 =新しい仲間=

「やあ、赤龍帝と銀牙」

 

「お、おい。なんで教会側の人間がここに?」

 

「・・・悪魔になったのか」

 

「神がいないと知ったんでね、破れかぶれで悪魔に転生した。

 リアス・グレモリーから『騎士(ナイト)』の駒をいただいた。

 デュランダルが凄いだけで私はそこまで凄くなかった様だから、1つの消費で済んだみたいだぞ。

 更にこの学園にも編入させてもらった。今日から高校2年の同級生でオカルト研究部所属だそうだ」

 

ゼノヴィアの背から悪魔の象徴である翼を広げる

彼女の役割は≪騎士(ナイト)≫だそうだ

 

「部長、貴重な駒をいいんですか?」

 

「まぁ、デュランダル使いが眷属にいるのは頼もしいわ。これで祐斗と共に剣士の二翼が誕生したわね」

 

確かに伝説の聖剣使いが味方になれば、戦力の強化は間違いない

それに、騎士(ナイト)が二つ埋まったのだ。

 

「そういえば、イリナは?」

 

「イリナなら、私のエクスカリバーを合わせた五本とバルパーの遺体を持って本部に帰った。

 統合したエクスカリバーを破壊してしまったせいか、芯となっている『欠片』の状態で回収した。

 まぁ、奪還の任務には成功した訳だよ。芯があれば錬金術で再び聖剣に出来る」

 

「・・・教会を裏切って良かったのか?」

 

「一応あれは返しておかないとマズイ。

 デュランダルと違い、使い手は他に見繕えるからね。私にはデュランダルがあれば事足りる。

 あちらへ神の不在を知った事に関して述べたら、何も言わなくなったよ。

 私は神の不在を知った事で異分子になったわけだ。アーシア・アルジェントと同じさ・・・」

 

異端者はデュランダル使いでも捨てる、教会の者達は異端者を徹底に排除する。

ただ、唯一の救いなのは、イリナにはこの事は知られていないという事だ。

神がいなくという真実を知ったら、自分の生き方を否定されてしまうから。

 

「鋼弥、この私を哀れと思うか?あれだけ、神の事を信じていた私を・・・」

 

「・・・自分の弱さを知り、偶像を崇拝していない。君は強い女性さ」

 

「そうか、ありがとう」

 

ゼノヴィアはクスリッと笑う、今度はリアスが語りだす

 

「教会は今回の事で悪魔側・・・つまり魔王に打診してきたそうよ。

『堕天使の動きが不透明で不誠実のため、遺憾ではあるが連絡を取り合いたい』っと。

 それとバルパーの件についても過去逃した事に関して自分達に非があると謝罪してきたわ」

 

遺憾か・・・。いや、敵同士だから仕方ないか

 

「しかし、この学舎は恐ろしいな。ここには魔王の妹がもう一名いるのだもの」

 

この学園に上級悪魔は2人しかいない

1人はリアス、もう1人はソーナ・シトリー会長ということになる。

あのコカビエルから、サーゼクスとセラフォルーを知っていたからな。

 

「今回の事は、堕天使の総督アザゼルから、神側と悪魔側に真相が伝わってきたわ。

 エクスカリバー強奪はコカビエルの単独行為。他の幹部は知らない事だった。

 三竦みの均衡を崩そうと画策し、再び戦争を起こそうとした罪により、

 ≪地獄の最下層(コキュートス)≫の永久冷凍の刑が執行されたそうよ」

 

コキュートスか・・・。

神話では魔王ルシファーの半身が氷漬けにされたという地獄の氷界。

結局はそうなる運命だったという訳か

魔界では大罪を犯した者は≪アマラ深界≫の追放刑がある。

あの世界は無限に広がる奈落世界なので、二度と生きて帰る事は不可能と呼ばれるほどだ。

 

「近い内に天使側の代表、悪魔側の代表、アザゼルが会談を開くらしいわ。

 なんでもアザゼルから話したい事があるみたいだから。

 その時にコカビエルの事を謝罪するかもしれないなんて言われているけれど、あのアザゼルが謝るかしら」

 

よほど、アザゼルの事が大嫌いなのかリアスは忌々しそうに言う。

三大勢力の代表が一堂に集まると言う事は、今後の世界に影響が出そうな会談だな・・・

 

「私達もその場に招待されているわ。

 事件に関わってしまったから、そこで今回の報告をしなくてはいけないの。

 特に鋼弥は絶対に出ないといけないわ。

 ライザーやコカビエルを倒した貴方の兄について話さないといけないわ。

 ・・・辛いと思うけど」

 

そう、鋼弥の兄である嶺爾は冥界で危険視されている人物だ。

ライザーを徹底的に叩きのめし、コカビエルを圧倒的に倒したほどだ。

放っておくと、三大勢力も危険になる可能性がある。

だから、肉親である、鋼弥にはこの会談は絶対に出ないといけないのだ。

 

「・・・いずれ、話さなければいけないことだ。」

 

目を瞑り、静かに語る鋼弥。

ここで、一誠が疑問に感じていた事をゼノヴィアに尋ねる

 

「ゼノヴィア、『白い龍(バニシング・ドラゴン)』は堕天使側の戦力なのか?」

 

「アザゼルは『神滅具(ロンギヌス)』を持つ神器(セイクリッド・ギア)所有者を集めている。

 何を考えているかは分からないが、ロクでもない事をしようとしているのは確かだね。

 『白い龍』はその中でもトップクラスの使い手。

 『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部を含めた強者の中でも四番目か五番目に強いと聞く。

 既に完全な禁手(バランス・ブレイカー)状態。現時点でライバルの赤龍帝よりも断然強い」

 

「一誠にとっては強力なライバルになるかもしれないな」

 

「・・・」

 

ゼノヴィアの視線がアーシアに移る

 

「・・・アーシア・アルジェントに謝ろう。

 主がいないのならば、救いも愛も無かったわけだからね。

 すまなかった、君の気が済むのなら、私を殴ってくれても構わない」

 

ゼノヴィアは頭を下げる

対してアーシアは聖母の様な微笑を彼女に向ける

 

「・・・そんな、私はその様な事をするつもりはありません。

 ゼノヴィアさん、私は今の生活に満足しています。

 悪魔ですけど、大切なヒトに、大切な方々に出会えたのですから。

 私はこの出会いと、今の環境だけで本当に幸せなんです」

 

アーシアの優しさに一誠は泣きそうになった

ゼノヴィアは部室をあとにしようとしたが、アーシアに引き止められる

 

「今度の休日、皆で遊びに行くんです。ゼノヴィアさんもご一緒にいかがですか?」

 

「今度機会があればね。今回は興が乗らないかな。ただ・・・」

 

「ただ?」

 

「今度、私に学校を案内してくれるかい?」

 

「はい!」

 

 

◇◆◇◆

 

 

~魔界・狩猟と闘技場の国~

 

いつもの通り、バーでコーラを飲む鋼弥。

仕事から戻って来たレイナーレと会話をしていた。

 

「アザゼル様が来るのって、本当・・・?」

 

「ああ、今度、三大勢力の会談があるから、駒王学園に来るそうだ」

 

「・・・そう、なんだ。」

 

「もしかして、会うのが怖いのか?」

 

「・・・部下を三人、失った上に私の独断で動いたもの。こうして、生きているから・・・」

 

「・・・大丈夫だ。きっと、アザゼルだって君を許してくれるよ」

 

頭を撫でる鋼弥。

レイナーレは頬を少しだけ赤めていた。

どうやら、満更でもないらしい。

 

「よぉ、カワイイ堕天使とデートかい?」

 

≪13≫という数字が書かれている帽子に、パンク風な服装を着た男が鋼弥に話しかけてきた。

 

「ああ、久しぶりだな、仕事が終わったのか?」

 

「まぁな、俺の高速と風の前じゃあ、相手にならなかったけどな」

 

「鋼弥、このキザっぽい男は誰なの?」

 

「紹介するよ、ドルキー・サーティン。修行時代の仲間さ」

 

「フッ、よろしくな。俺はマグマコーヒー・シュガー無しを頼む」

 

「かしこまりました。」

 

マグマコーヒーという飲みモノを聞いて怪訝そうな顔をするレイナーレ

 

「マグマコーヒーってなに?」

 

「マグマ色のコーヒーで、火山と温泉の国では名物品の一つさ。

 ここのマスターはその国の出身でマグマコーヒーを作る事が出来る」

 

「おまちどうさん」

 

マスターがコーヒーカップをドルキーに渡す、レイナーレはそのカップを覗くと、うわぁ、とした。

白いカップの中にゴボゴボッと煮えているマグマ色の液体が入っていた。

ドルキーはそれを半分飲むと、口から湯気が勢いよく噴出する

 

「仕事の一杯は、これに限るぜ。そういえば、師匠の所に行ったか?たまに、顔を見せて安心させろよ」

 

「・・・そのうち、会いに行くよ」

 

鋼弥はコーラを飲みほして、代金を払って店を出た。

残されたのは、レイナーレとドルキーだけだった。

 

「貴方と鋼弥の師匠ってどんな人なの?」

 

「鋼弥の亡くなった親父さんの親友でな。とにかく厳しく強い人だよ」

 

あの時の、修行時代は本当に厳しかった、とボヤくドルキー

 

「修行が終わって、俺は氷の国を治めるヘル様の所で働いて、アイツはハンターになったからな。

 でも・・・、アイツの目を見て優しくなったなと思ったぜ」

 

「鋼弥が優しかった・・・?」

 

ドルキーはマグマコーヒーを飲んで、こう語った

 

「昔の鋼弥の目は――――羅刹の目だったからな」

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