ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
今日は授業参観の日
「気が乗らないわね・・・」
リアスはため息をついていた。
何せ、父のグレモリー郷と兄のサーゼクスが来るのだ。
紅髪の男性が二人も教室に訪れたら、話題になるからだ。
「それに関しては同情します」
リアスたちと玄関口で別れ、自分達の教室へと向かった。
一誠の両親も来るのだが、目当てはアーシアだと思う。
特に一誠の母は女の子が欲しかったということで、可愛がっているとのことだ。
・・・家族、か・・・
「鋼弥」
いつの間にかゼノヴィアが近づいていた
男子は勿論、身体機能も高いから女子にも人気があるそうだ
「どうしたゼノヴィア?」
「鋼弥、先日は突然あんな事を言って申し訳なかった」
「あの件か、気にする必要は無い」
「私は君の事を考えずに突っ走り過ぎた。やはり、いきなりそんな事は難しいと思う。だからこそ―――――まずはこれを用いて練習しよう」
ゼノヴィアはスカートのポケットから小さな袋に包まれた物を取り出した
それは、コン○ームである
鋼弥は目にも止まらぬ速度で、コ○ドームを粉々にする
「な、何をするんだ!?」
「・・・・君は一度、恥じらいを覚えることだ」
深くため息をついて、頭を横に振るう。
ゼノヴィアは物凄くご立腹なようだ。
「イッセーさん、ゼノヴィアさんは一体何を取り出したんですか?」
「さ、さぁ・・・?」
どうやら、一誠はゼノヴィアが取り出し物を知っているようだが、アーシアには教えなかった
時刻は昼時。鋼弥は昼食を済ませて、一人で自動販売機で飲みモノを買いに行く途中の事だった
廊下に誰か立っている、銀色の髪をオールバックの男の姿
「嶺爾・・・」
「そう身構えるな。貴様と少し話がしたいだけだ」
どうやら、人払いの陣を使っている。
一般人はもちろん、上位悪魔たちですら、気がつかれる事は無い。
「話だと・・・?」
嶺爾はゆっくりと歩き、鋼弥の横へ並び口を開く
「お前は何のために戦っている?魔界の貴族どもの命令で戦っているのか?それとも俺が憎くて戦っているのか?」
「・・・何故、俺の前から消えたのかその答えを探す為と今の仲間を護る為にだ」
力強く、そう答えた。嶺爾はフッと笑って、冷酷な表情となる。
「甘い、相変わらず甘い男だ。情や優しさがあると戦いを鈍らせる。
俺は常に修羅の道を歩む、例えその先が何があろうともな。
・・・止めたければ、俺に追いついて来い」
そう言うと、嶺爾は消え去った。
人払いの陣が解けたのか、いつもどおりの風景となった。
すると、反対の方から祐斗が走って来た。どうやら、俺の事を探していたんだろう。
「あ、鋼弥くん。こんな所に居たんだ」
「祐斗か?どうしんたんだ?」
「実は、魔女っ子が撮影していると聞いて見に行こうかなと思ってね。部長達もそっちに行ってるよ」
◇◆◇◆
イッセー達と合流して、直ぐに現場まで行った。
カシャカシャッ!
フラッシュの音が聞こえ、カメラを持った男逹が廊下の一角で何かを撮影してるのが見えてくる
魔女っ子らしい美少女が様々なポーズをとっていたのだ
手にはアニメや漫画で見る様な魔法スティックをくるくる回しており、時折パンツがチラリッと見えてしまう
「なっ!?」
人垣を通り抜けてきたリアスが魔女っ子見た途端に慌てふためく。
鋼弥もコスプレ美少女を見た途端、ある気配を感じ正体を見破った。
「ほらほら、解散解散!今日は公開授業の日なんだぜ!こんなところで騒ぎを作るな!」
生徒会の知り合いである匙が、メンバーの女子と共に撮影現場にいる男子逹を追い返す
「あんたもそんな格好をしないでくれ。それとも親御さんですか?
そうだとしたら、場に合う衣装をちゃんと選んで貰わないと困ります」
「え~、だってこれが私の正装だもん☆」
匙の注意をコスプレ少女は軽く流し、聞く耳を持たなかった。
そうしている間にソーナがサーゼクスとグレモリー郷、シンディを連れてやってきた。
「何事ですか?サジ、問題は簡潔に解決しなさいといつも言って――――――」
「ソーナちゃん!見つけた☆」
「生徒会長を『ちゃん』付け?」
「ああ、セラフォルーか。キミもここへ来ていたんだな」
サーゼクス・ルシファーがコスプレ美少女に声をかけた
その時に出た≪セラフォルー≫と言う名前に、まさかと思った
「部長、セラフォルーってまさか・・・レヴィアタン様?」
「そうよ、あの方は現四大魔王のお一人、セラフォルー・レヴィアタン様。そしてソーナのお姉さまよ」
「ええええええええええええええええええええっ!?」
一誠の絶叫が廊下に響き渡る。
四大魔王の中で唯一の女性魔王を、大人の色気溢れる女性だと思い込んでいたのだろう
ちょっと、落ち込んでいた
「セラフォルー様、お久しぶりです」
「あら、リアスちゃん☆おひさ~☆元気にしてましたか?」
「は、はい。おかげさまで。今日はソーナの授業参観に?」
「うん☆ソーナちゃんったら酷いのよ。今日の事を黙ってたんだから!
お姉ちゃん、ショックで天界に攻め込もうとしちゃったんだから☆」
(そんな些細な事で攻め込まれたら、また戦争になりかねん・・・)
果たして、本気なのか冗談なのか分からない態度に鋼弥は少し呆れていた
「ふむ。セラフォルー殿。これはまた奇抜な格好ですな。いささか魔王としてはどうかと思いますが・・・」
「あら、グレモリーおじさま☆ご存じないのですか?いまのこの国ではこれが流行りですのよ?」
「ほう、そうなのですか。これは私が無知だったようだ」
「ハハハ、父上。信じてはなりませんよ」
なんとも、平和的な会話だな。
後で聞いたが、冥界側の四大魔王のプライベート話はこんなに軽いとの事だった。
「イッセー。ご挨拶なさい」
リアスの言う通り、一誠は頭を下げてセラフォルー・レヴィアタンに挨拶する
「は、はじめまして、兵藤一誠。
リアス・グレモリー様の下僕『兵士(ポーン)』をやってます!よろしくお願いします!」
「ねぇ、サーゼクスちゃん。この子が噂のドライグくん?」
「そう、彼が≪赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)≫を宿す者、兵藤一誠くんだ」
「はじめまして☆私、魔王セラフォルー・レヴィアタンです☆『レヴィアたん』って呼んでね☆」
ピースサインを横向きチェキをする魔王レヴィアタン。
しかし、≪レヴィアタン≫と≪レヴィアたん≫、どうも、呼びづらい気がする・・・。
「ほら、鋼弥。貴方もよ」
「初めまして、涼刀鋼弥と申します。」
「あなたが色々な悪魔に変身する、魔界のハンターさん?」
「はい、今はリアス達の助っ人としています」
「ふ~ん・・・」
セラフォルー・レヴィアタンは鋼弥の周りを歩きながら品定めする様に見ている
「・・・何か?」
「カッコいい人だなと思って☆
色々な悪魔に変身できるし、そのままでも強い、赤い瞳で、背が高いから私の好みかも☆」
「そうですか、どうもありがとうございます」
告白に近い様な褒め言葉を言われて、少し照れている鋼弥
朱乃の背後から何やら、黒いオーラが出ている感じがしたが・・・。
「セラフォルー殿、お久しぶりですね」
「あっ!!シンディちゃん、おひさ~☆」
「師匠の事もご存じなんですか?」
「ええ、彼女が主役の番組『魔法少女☆レヴィアたん』に参加していた事がありましてね。それ以来から知り合いになりました」
「ちなみに、シンディちゃんは私のパートナーという役をしていたのよ☆」
サーゼクスもその事は知っているらしく、他の皆は驚いていた
セラフォルーはソーナに話しかけた。
「ソーナちゃん、どうしたの?お顔が真っ赤ですよ?
せっかくお姉さまである私との再会なのだから、もっと喜んでくれてもいいと思うのよ?
『お姉さま!』『ソーたん!』って抱き合いながら百合百合な展開でもいいと思うのよ、お姉ちゃんは!」
凄まじい難易度にソーナ会長は目元を引きつらせながら言う
「お、お姉さま。ここは私の学舎であり、私はここの生徒会長を任されているのです・・・。
いくら身内だとしてもお姉さまの行動はあまりに・・・、その様な格好は容認出来ません」
「そんなソーナちゃん!ソーナちゃんにそんな事を言われたら、お姉ちゃん悲しい!
お姉ちゃんが魔法少女に憧れているって、ソーナちゃんは知っているじゃない!
きらめくスティックで天使と堕天使をまとめて抹殺なんだから☆」
「お姉さま、ご自重ください。魔王のお姉さまがきらめかれたら小国が数分で滅びます」
(魔法少女というより、魔王少女の間違いでは・・・)
「・・・ふむ?ソーナ殿と言ったかな?」
「な、なんでしょうか?」
「先程から、鋼弥の方をチラチラと見ていましたね。例えるならば、身内の事を気にしてないのかと言う感じの・・・」
核心を突かれて、この場の空気に耐えられなくなったソーナ会長は、目元を潤ませて走り去っていく
「し、失礼します!!」
「待ってソーナちゃん!お姉ちゃんを置いてどこに行くの!」
「ついて来ないでください!」
「いやぁぁぁん!お姉ちゃんを見捨てないでぇぇぇぇぇぇっ!ソーたぁぁぁぁん!」
「『たん』付けはお止めになってください!」
駒王学園内で魔王姉妹の追いかけっこが始まった。
喧嘩に発展して学校が吹き飛ばされない事を祈ろう・・・。
「師匠、ソーナと何の話を?」
「フフッ、女の子同士の秘密の会話です」
フフッとイタズラな笑みをするシンディであった